今回はTigerのアルバム

「Ram Dance Hall」です。
Tiger(本名:Norman Washington Jackson)は80年代後半のデジタル
のダンスホール・レゲエの時代に活躍したディージェイです。
1987年にアルバム「Me Name Tiger」でいきなり世界デビュー、
その独特のユーモラスな個性で人気を博し、「No Wanga Gut」や
「Puppy Love」などのヒット曲でよく知られています。
93年にバイク事故で声帯を痛めて事実上の引退状態になってしまった
という、ちょっと悲運なところのある人です。
ネットのDiscogsによると、共演盤を含めて17枚ぐらいのアルバムと、
161枚ぐらいのシングル盤を残しています。
アーティスト特集:Tiger (タイガー)
Tiger (musician) - Wikipedia
今回のアルバムは1989年にUSのVP Recordsからリリースされた
彼のソロ・アルバムです。
プロデュースと演奏をSteely & Clevie、ミックスをSoljie Hamiltonが
担当したアルバムで、「Taxi」リディムの表題曲「Ram Dance Hall」や
「Pennie Pennie」リディムの「Ride Mi Ninja」など、この時代らしい
Steely & Clevieの作り出すラガの勢いのあるリズムに乗せた、Tigerの
ダミ声のトーストが冴える好内容のアルバムとなっています。
手に入れたのはSteely & Clevie RecordsからリリースされたLPの
中古盤でした。
Side 1が5曲、Side 2が5曲の全10曲。
ミュージシャンについては以下の記述があります。
Produced by Steely & Clevie
Musicians: Steely & Clevie
Arranged by Steely & Clevie
Recorded at Mixing Lab
Engineers: Junior and Fatta
Mixed by Soljie
Design & Art: Orville 'Bagga' Case - StudioCase
となっています。
プロデュースとバックの演奏、アレンジをSteely & Clevieが担当した
アルバムで、レコーディングはジャマイカのキングストンにある
Mixing Labで行われ、レコーディング・エンジニアはJunior Edwards
とLynford 'Fatta' Marshallが担当し、ミックスをSoljie Hamiltonが
担当しています。
ジャケット・デザインはStudioCaseのOrville 'Bagga' Caseが担当して
います。

裏ジャケ
さて今回のアルバムですが、もっとも勢いのあった時代のTigerの
コミカルなフローが楽しめるアルバムで、内容は悪くないと思います。
このTigerですがネットのDiscogsの彼のもっとも早い履歴は1978年
のカナダのCanjammというレーベルからリリースされた12インチの
シングル盤「Why Can't You Leave The Dreadlocks Alone」という事に
なっています。
名義もRankin Tigerとなっています。
12'' Rankin Tiger - Why Can't You Leave The Dreadlocks Alone & Dub
YouTube上にあったこの楽曲を聴いてみると、スタイルはルーツ・レゲエ
で、ディージェイでは無くシンガーとして歌を歌っているんですね。
そしてDiscogsの履歴で次に登場するのが1983年のUSのJah Guidance
というレーベルのシングル盤「Love Line」で、こちらはアーリー・
ダンスホール・レゲエのワン・ドロップ・スタイルで、やはりシンガー
として歌っているんですね。
Tiger - Love Line - Reggae
この2枚はディージェイでは無くシンガーなので、もしかしたら別人の
可能性もありますが、声色などはかなりこの人に近い気がします。
もしかしたら初めはシンガーとしてキャリアをスタートさせ、後に
ディージェイとしてブレイクした人なのかもしれません。
次に来る履歴は86年でこの年には「Don Is Don」という曲など13枚
ぐらいのシングル盤をリリースしています。
Tiger - Don Is Don
おそらくこの頃ぐらいに自分のコミカルなディージェイ・スタイルを
確立して、人気のディージェイになって行ったんだと思います。
彼のファースト・アルバム「Me Name Tiger」もこの86年ぐらいに
リリースされているんですね。

Tiger – Me Name Tiger (1986)
この86年から彼がバイク事故で声帯を痛める93年までが、彼の
全盛期という事になります。
特にこの1989年はJammy'sからリリースした「Shockin' Colour」
など4枚のソロ・アルバムをリリースしていて、彼の中でももっとも
リリース枚数の多い1年となっています。

Tiger – Shockin' Colour (1989)
そうしたノリにノッていた89年にSteely & Clevieのプロデュースと
演奏で制作されたのが今回のアルバムで、「Taxi」リディムの表題曲
「Ram Dance Hall」や「Pennie Pennie」リディムの「Ride Mi Ninja」
など、Steely & Clevieの生み出すデジタルのダンスホール・レゲエ=
ラガ・サウンドに乗せた、Tigerのコミカルで楽しいフローが楽しめる
のがこのアルバムの大きな魅力となっています。
Side 1の1曲目は「Get In A Temper」です。
心地良いドラミングに、キーボードの明るいメロディ、感情豊かに歌う
Tigerの楽しいフローがイイ感じ。
Tiger- Get In A Temper
2曲目は「Dig A Hole」です。
勢いのあるドラミングに、キーボードの楽し気なメロディ、表情豊かな
Tigerの明るいフローがイイ感じ。
Tiger- Dig A Hole
3曲目は「Save Yu Money」です。
激しいドラミングに、まるでゲーム音楽のようなキーボードのメロディ、
表情豊かなTigerのしゃがれ声のフローがイイ感じ。
Tiger- Save Yu Money
4曲目は「Jump Up」です。
勢いのあるドラミングに、チャイナ風のメロディも混じったキーボード
のメロディ、息付く間もないようなTigerの激しいフローがイイ感じ。
Tiger- Jump Up
5曲目は「Hide And Seek」です。
歯切れの良いデジタルなドラミングに、擬音も入った楽しいキーボード
のメロディ、勢いのあるTigerのトーストがイイ感じ。
Tiger- Hide And Seek
Side 2の1曲目は表題曲の「Ram Dance Hall」です。
「Taxi」リディムとして知られるリディムで、オリジナルはLittle Roy
の「Prophecy」です。
心地良いドラミングに、ベース音を中心としたキーボードのメロディ、
半分歌っているようなTigerのしゃがれ声のトーストがイイ感じ。
Tiger- The Ram DanceHall
リズム特集 Taxi (タクシー)
2曲目は「Jungle Move」です。
歯切れの良いドラミングに、キーボードのメロディ、語るようなTiger
のトーストがイイ感じ。
Tiger - Jungle Move
3曲目は「O.K. Kids」です。
リズミカルなデジタルのドラミングに、キーボードのメロディ、Tigerの
楽し気なフローがイイ感じ。
Tiger- Ok Kids
4曲目は「Rock With Me」です。
Tigerの咆哮から、リズミカルなドラミングに、明るいキーボードの
メロディ、ちょっとがなり立てるようなTigerのラフなトーストが
イイ感じ。
Tiger- Rock With Me
5曲目は「Ride Mi Ninja」です。
「Peanie Peanie」リディムとして知られるリディムで、オリジナル
はJunior Bylesの「Fade Away」。
デジタル感のあるドラミングに、おもちゃの笛のエフェクト、ピアノ音
のメロディ、表情豊かなTigerのシング・ジェイがイイ感じ。
リズム特集 Fade Away/Peanie Peanie (フェイド・アウェイ/ピニ・ピニ)
ざっと追いかけて来ましたが、ラガの時代を彩ったTigerの絶好調時の
フローが楽しめるアルバムで、内容は悪くないと思います。
バイク事故で声帯を痛めるという不運の為人気ディージェイであり
ながらその全盛期がわずか7,8年の活躍で終わってしまったTiger
ですが、その時代に共演盤を含めて17枚ぐらいのアルバムを残して
おり、彼がいかに人気のディージェイであったかがよく解ります。
そしてその輝きの記憶は今も多くの人の心に残っています。
機会があればぜひ聴いてみてください。
Tiger - Live At Japan Splash Reggae Concert
Tiger LIVE at Reggae Sunsplash 1989
Tiger - No Puppy Love
○アーティスト: Tiger
○アルバム: Ram Dance Hall
○レーベル: Steely & Clevie Records
○フォーマット: LP
○オリジナル・アルバム制作年: 1989
○Tiger 「Ram Dance Hall」曲目
Side 1
1. Get In A Temper
2. Dig A Hole
3. Save Yu Money
4. Jump Up
5. Hide And Seek
Side 2
1. Ram Dance Hall
2. Jungle Move
3. O.K. Kids
4. Rock With Me
5. Ride Mi Ninja
●今までアップしたTiger関連の記事
〇Tiger「Me Name Tiger」
〇Tiger「Shockin' Colour」

「Ram Dance Hall」です。
Tiger(本名:Norman Washington Jackson)は80年代後半のデジタル
のダンスホール・レゲエの時代に活躍したディージェイです。
1987年にアルバム「Me Name Tiger」でいきなり世界デビュー、
その独特のユーモラスな個性で人気を博し、「No Wanga Gut」や
「Puppy Love」などのヒット曲でよく知られています。
93年にバイク事故で声帯を痛めて事実上の引退状態になってしまった
という、ちょっと悲運なところのある人です。
ネットのDiscogsによると、共演盤を含めて17枚ぐらいのアルバムと、
161枚ぐらいのシングル盤を残しています。
アーティスト特集:Tiger (タイガー)
Tiger (musician) - Wikipedia
今回のアルバムは1989年にUSのVP Recordsからリリースされた
彼のソロ・アルバムです。
プロデュースと演奏をSteely & Clevie、ミックスをSoljie Hamiltonが
担当したアルバムで、「Taxi」リディムの表題曲「Ram Dance Hall」や
「Pennie Pennie」リディムの「Ride Mi Ninja」など、この時代らしい
Steely & Clevieの作り出すラガの勢いのあるリズムに乗せた、Tigerの
ダミ声のトーストが冴える好内容のアルバムとなっています。
手に入れたのはSteely & Clevie RecordsからリリースされたLPの
中古盤でした。
Side 1が5曲、Side 2が5曲の全10曲。
ミュージシャンについては以下の記述があります。
Produced by Steely & Clevie
Musicians: Steely & Clevie
Arranged by Steely & Clevie
Recorded at Mixing Lab
Engineers: Junior and Fatta
Mixed by Soljie
Design & Art: Orville 'Bagga' Case - StudioCase
となっています。
プロデュースとバックの演奏、アレンジをSteely & Clevieが担当した
アルバムで、レコーディングはジャマイカのキングストンにある
Mixing Labで行われ、レコーディング・エンジニアはJunior Edwards
とLynford 'Fatta' Marshallが担当し、ミックスをSoljie Hamiltonが
担当しています。
ジャケット・デザインはStudioCaseのOrville 'Bagga' Caseが担当して
います。

裏ジャケ
さて今回のアルバムですが、もっとも勢いのあった時代のTigerの
コミカルなフローが楽しめるアルバムで、内容は悪くないと思います。
このTigerですがネットのDiscogsの彼のもっとも早い履歴は1978年
のカナダのCanjammというレーベルからリリースされた12インチの
シングル盤「Why Can't You Leave The Dreadlocks Alone」という事に
なっています。
名義もRankin Tigerとなっています。
12'' Rankin Tiger - Why Can't You Leave The Dreadlocks Alone & Dub
YouTube上にあったこの楽曲を聴いてみると、スタイルはルーツ・レゲエ
で、ディージェイでは無くシンガーとして歌を歌っているんですね。
そしてDiscogsの履歴で次に登場するのが1983年のUSのJah Guidance
というレーベルのシングル盤「Love Line」で、こちらはアーリー・
ダンスホール・レゲエのワン・ドロップ・スタイルで、やはりシンガー
として歌っているんですね。
Tiger - Love Line - Reggae
この2枚はディージェイでは無くシンガーなので、もしかしたら別人の
可能性もありますが、声色などはかなりこの人に近い気がします。
もしかしたら初めはシンガーとしてキャリアをスタートさせ、後に
ディージェイとしてブレイクした人なのかもしれません。
次に来る履歴は86年でこの年には「Don Is Don」という曲など13枚
ぐらいのシングル盤をリリースしています。
Tiger - Don Is Don
おそらくこの頃ぐらいに自分のコミカルなディージェイ・スタイルを
確立して、人気のディージェイになって行ったんだと思います。
彼のファースト・アルバム「Me Name Tiger」もこの86年ぐらいに
リリースされているんですね。

Tiger – Me Name Tiger (1986)
この86年から彼がバイク事故で声帯を痛める93年までが、彼の
全盛期という事になります。
特にこの1989年はJammy'sからリリースした「Shockin' Colour」
など4枚のソロ・アルバムをリリースしていて、彼の中でももっとも
リリース枚数の多い1年となっています。

Tiger – Shockin' Colour (1989)
そうしたノリにノッていた89年にSteely & Clevieのプロデュースと
演奏で制作されたのが今回のアルバムで、「Taxi」リディムの表題曲
「Ram Dance Hall」や「Pennie Pennie」リディムの「Ride Mi Ninja」
など、Steely & Clevieの生み出すデジタルのダンスホール・レゲエ=
ラガ・サウンドに乗せた、Tigerのコミカルで楽しいフローが楽しめる
のがこのアルバムの大きな魅力となっています。
Side 1の1曲目は「Get In A Temper」です。
心地良いドラミングに、キーボードの明るいメロディ、感情豊かに歌う
Tigerの楽しいフローがイイ感じ。
Tiger- Get In A Temper
2曲目は「Dig A Hole」です。
勢いのあるドラミングに、キーボードの楽し気なメロディ、表情豊かな
Tigerの明るいフローがイイ感じ。
Tiger- Dig A Hole
3曲目は「Save Yu Money」です。
激しいドラミングに、まるでゲーム音楽のようなキーボードのメロディ、
表情豊かなTigerのしゃがれ声のフローがイイ感じ。
Tiger- Save Yu Money
4曲目は「Jump Up」です。
勢いのあるドラミングに、チャイナ風のメロディも混じったキーボード
のメロディ、息付く間もないようなTigerの激しいフローがイイ感じ。
Tiger- Jump Up
5曲目は「Hide And Seek」です。
歯切れの良いデジタルなドラミングに、擬音も入った楽しいキーボード
のメロディ、勢いのあるTigerのトーストがイイ感じ。
Tiger- Hide And Seek
Side 2の1曲目は表題曲の「Ram Dance Hall」です。
「Taxi」リディムとして知られるリディムで、オリジナルはLittle Roy
の「Prophecy」です。
心地良いドラミングに、ベース音を中心としたキーボードのメロディ、
半分歌っているようなTigerのしゃがれ声のトーストがイイ感じ。
Tiger- The Ram DanceHall
リズム特集 Taxi (タクシー)
2曲目は「Jungle Move」です。
歯切れの良いドラミングに、キーボードのメロディ、語るようなTiger
のトーストがイイ感じ。
Tiger - Jungle Move
3曲目は「O.K. Kids」です。
リズミカルなデジタルのドラミングに、キーボードのメロディ、Tigerの
楽し気なフローがイイ感じ。
Tiger- Ok Kids
4曲目は「Rock With Me」です。
Tigerの咆哮から、リズミカルなドラミングに、明るいキーボードの
メロディ、ちょっとがなり立てるようなTigerのラフなトーストが
イイ感じ。
Tiger- Rock With Me
5曲目は「Ride Mi Ninja」です。
「Peanie Peanie」リディムとして知られるリディムで、オリジナル
はJunior Bylesの「Fade Away」。
デジタル感のあるドラミングに、おもちゃの笛のエフェクト、ピアノ音
のメロディ、表情豊かなTigerのシング・ジェイがイイ感じ。
リズム特集 Fade Away/Peanie Peanie (フェイド・アウェイ/ピニ・ピニ)
ざっと追いかけて来ましたが、ラガの時代を彩ったTigerの絶好調時の
フローが楽しめるアルバムで、内容は悪くないと思います。
バイク事故で声帯を痛めるという不運の為人気ディージェイであり
ながらその全盛期がわずか7,8年の活躍で終わってしまったTiger
ですが、その時代に共演盤を含めて17枚ぐらいのアルバムを残して
おり、彼がいかに人気のディージェイであったかがよく解ります。
そしてその輝きの記憶は今も多くの人の心に残っています。
機会があればぜひ聴いてみてください。
Tiger - Live At Japan Splash Reggae Concert
Tiger LIVE at Reggae Sunsplash 1989
Tiger - No Puppy Love
○アーティスト: Tiger
○アルバム: Ram Dance Hall
○レーベル: Steely & Clevie Records
○フォーマット: LP
○オリジナル・アルバム制作年: 1989
○Tiger 「Ram Dance Hall」曲目
Side 1
1. Get In A Temper
2. Dig A Hole
3. Save Yu Money
4. Jump Up
5. Hide And Seek
Side 2
1. Ram Dance Hall
2. Jungle Move
3. O.K. Kids
4. Rock With Me
5. Ride Mi Ninja
●今までアップしたTiger関連の記事
〇Tiger「Me Name Tiger」
〇Tiger「Shockin' Colour」
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