今回はBlack Rootsのアルバム
「In Session」です。
Black RootsはUKで1979年に結成
された、8人組のルーツ・レゲエ・バンド
のようです。
ネットのDiscogsによれば、彼らについて
次のような記述があります。
Hailing from the St Paul's area of Bristol, the original eight-member band
were formed in 1979 and quickly gained a large following by touring almost
non-stop around the country, playing their brand of 'militant pacifism'
roots reggae in the nation's major colleges.
《1979年にブリストルのセントポール
の地域出身の8人で結成されたバンドで、
イギリス国中の主要な大学ををノン
ストップでツアーする事で、『好戦的で
平和主義』なルーツ・レゲエ・バンドと
いう地位を確立した。》
ネットのDiscogsによると、ダブ・
アルバムを含めて16枚ぐらいのアルバム
と、18枚ぐらいのシングル盤を残して
います。
Black Roots (band) - Wikipedia
今回のアルバムは1986年にUKの
BBC RecordsからリリースされたBlack
Rootsの通算3枚目ぐらいにあたる
アルバムです。
タイトルに「In Session」とあるように
UKのBBC Radio Oneで行われた、ラジオ
のセッション・ライヴの模様を収めた
アルバムで、「Tribal War」など当時の
彼らの代表曲が収められたアルバムと
なっています。
手に入れたのは2007年にフランスの
レゲエ・リイシュー・レーベルMakasound
からリイシューされたCDの中古盤でし
た。
なおMakasound盤ではオリジナルの
アルバムと曲順が少し異なっています。
オリジナルでは7曲目(Side 2の2曲目)
に入っている「Tribal War」が、1曲目の
曲となっていて、その分7曲目まで1曲
ずつズレています。
またオリジナル10曲に加えて、12
インチ・ミックス曲などCDボーナス・
トラックが6曲プラスされています。
全16曲で収録時間は約68分。
10曲目までがオリジナル・アルバムの曲
ですが、曲順が少し異なっていて、
オリジナルでは7曲目(Side 2の2曲目)
に入っている「Tribal War」が1曲目の曲
となっていて、その分7曲目までが1曲
ずつズレています。
11曲目以降は12インチ・ミックス曲
など、CDボーナス・トラックが6曲が
プラスされています。
ミュージシャンについては以下の記述が
あります。
All songs Licensed from Black Roots, Jabulani Ngozi
All songs written, composed and arranged by Black Roots
All songs produced by Black Roots, Songs from "In Session" album
produced by Black Roots inconjunction with the BBC
All right reserved
Track 1 to 10 recorded at BBC in 1982 and released in 1986, track
11 to 16 recorded at The Facility (Bristol, UK) 1979 & 1980,
Released in 1981.
Photos Credits: All pictures courtesy Black Roots
Makasound collection - a so this album - is directed and coodina-
ted by Romain Garma & Nicolas Maslowski
Liner notes by N.M.
Artwork by Nicolas 'Kouakou' Mamet
Translation by Celeste Karlin
Mastered bu Serial P at Dubwise Factory
Lead Vocals: Delroy Ogilvie, Kondwani Ngozi
Drums: T. L. Seivwright
Bass: D. L. King
Lead Guitar: Cordell Francis
Guitar: Jabulani Ngozi
Keyboards: Carlton Roots
Percussions: Errol Brown, Kondwani Ngozi
On "In Session", horns section on track "Move On" was
Rico Rodriquez on trombone, Dick Cuthell on flugel horn,
and Rudi Hymes on sax.
On "In Session", the keyboardist on "The Father" and
"Chanting For Freedom" was Michael Taylor
となっています。
全ての曲の作詞と作曲、アレンジ、
プロデュースはBlack Rootsが担当して
います。
1~10曲目までのレコーディングは
BBCで行われ、リリースは1986年
です。
(ネットのDiscogsではアルバム
「In Session」のリリースが85年と
なっていますが、ここではこの記述に従い
リリース年を86年としました。)
11~16曲目までのレコーディングは
UKのブリストルにあるThe Facilityと
いうスタジオで79年と80年に行われ、
1981年にリリースされています。
(81年にはまだアルバムのリリースが
無いので、シングル盤のリリース年のよう
です。)
Black Rootsのメンバーはリード・
ヴォーカルにDelroy OgilvieとKondwani
Ngozi、ドラムにT. L. Seivwright、
ベースにD. L. King、リード・ギターに
Cordell Francis、ギターにJabulani
Ngozi、キーボードにCarlton Roots、
パーカッションにErrol Brownと
Kondwani Ngoziという8人組のようです。
パーカッションにErrol Brownという人が
居ますが、ジャマイカでエンジニアとして
活躍したTreasure Isleレーベルの
Duke Reidの甥のErrol Brownとは別人の
ようです。
ゲスト・プレイヤーとして6曲目「Move
On」に、トロンボーンにRico Rodriquez、
フリューゲル・ホーンにDick Cuthell、
サックスにRudi Hymes、9曲目の
「The Father」と10曲目「Chanting
For Freedom」にMichael Taylorが
キーボードで参加しています。
ジャケット・デザインは
Nicolas 'Kouakou' Mametとなっていま
す。
裏ジャケ
表ジャケが12ページの小冊子となって
おり、そこにはこのアルバムの英文の解説
文やメンバーなどが書かれています。
表ジャケ小冊子2ページ目
表ジャケ小冊子5ページ目
↑左上がオリジナル・ジャケット
表ジャケ小冊子8~9ページ目
さて今回のアルバムですが、UKのBBCの
スタジオで行われたラジオのセッションの
模様を収めたライヴ・アルバムで、声援
などは入っていませんが、当時の代表曲を
演奏する彼らにはライヴらしい緊張感が
あり、内容は悪くないと思います。
このBlack Rootsですが、ネットのDiscogs
のシングル盤の記述によると76年に
「Never Get Away」というシングル盤を
リリースした事になっています。
Black Roots - Never Get Away
ただその後の記録を見ると81年に
「Chanting For Freedom」や「Bristol
Rock」など3枚のシングル盤をリリース
した事になっており、リリースの間隔が
5年も空いています。
また同じDiscogsに書かれている
「1979年にブリストルのセントポール
の地域出身の8人で結成されたバンド」と
いう記述とも矛盾するんですね(笑)。
このBlack Rootsという名前はちょっと
グループとしてありがちな名前なので、
もしかしたら「Never Get Away」という曲
は、別のグループのリリースした曲かも
しれません。
いずれにしてもこのBlack Rootsという
グループは、80年代前半にUKで
華やかに活動したグループである事は
間違いが無さそうです。
今回のアルバムは彼らのサード・アルバム
ですが、83年にリリースのファースト・
アルバム「Black Roots」と84年の
セカンド・アルバム「The Front Line」
からセレクトされた楽曲のBBCのスタジオ
でのライヴ・アルバムとなっています。
書いたように声援などは入っていません
が、演奏にライヴならではの緊張感がある
のが魅力です。
この80年代前半はジャマイカではすでに
ルーツからアーリー・ダンスホールに移行
していますが、UKではまだまだルーツ・
レゲエが人気だったようで、当時は
「ブリティッシュ・レゲエ」と呼ばれて
いた、ソリッドでロックなギター・プレイ
が光る、ルーツ・レゲエとロックが混ざり
合ったような、UKらしい独特のレゲエ・
サウンドが面白いところです。
1曲目は「Tribal War」です。
ピアノとキーボード、ドスの効いた
ベース、ギターの刻むような演奏に、
ファルセットなコーラス・ワークに乗せた
ルーツなヴォーカルがイイ感じ。
書いたようにオリジナルのアルバムでは
7曲目(Side 2の2曲目)に入っている曲
で、その分7曲目までが1曲ずつ後ろに
ズレています。
Black Roots - Tribal war (reggae)
2曲目は「Confusion」です。
オリジナルのアルバムでは1曲目に収録
されている曲です。
ワンドロップのドラミングに、ロックな
ギター・ワークと重いベース、キーボード
の演奏に、伸びやかなヴォーカルに
コーラス・ワーク。
Black Roots - Confusion
3曲目は「Survival」です。
力強いドラミングとギターのオープニング
から、どすの効いたベースとギター・
ワーク、リリカルなピアノの演奏に、心地
良いコーラス・ワークに乗せた、伸びやか
なヴォーカルがイイ感じ。
Black Roots - In Session (85) - 02 - Survival
4曲目は「Juvenile Delinquent」です。
華やかなキーボードのオープニングから、
力強いドラミング、浮遊感のあるキー
ボードとドスの効いたベース、ギター、
リリカルなピアノの陰影のある演奏に、
伸びやかな表情豊かなヴォーカルがイイ
感じ。
Black Roots - Juvenile Delinquent
5曲目は「What Dem A Do」です。
重いベースと漂うようなキーボードの演奏
に、コーラス・ワークに乗せた伸びやかな
ヴォーカルがイイ感じ。
Black Roots_What dem a do
6曲目は「Move On」です。
この曲にはトロンボーン奏者のRicoなど、
ホーン陣がゲストとして参加しているよう
です。
ワン・ドロップの力強いドラミング、寂寥
感のあるキーボードのオープニングから、
ハリのある伸びやかなヴォーカルに
コーラス・ワーク、合間用入って来る
ホーン・セクション、ギター・ソロなどが
魅力的。
Black Roots - In Session (85) - 05 - Move On
7曲目は「Opportunity」です。
ドスの効いたベースに、自由なギター・
ワーク、コーラス・ワークに乗せた、伸び
やかでハリのあるヴォーカル。
Black Roots - In Session (85) - 06 - Opportunity
8曲目は「Africa」です。
キーボードとギター、ベースを中心とした
陰影のあるメロディに、コーラス・ワーク
に乗せた寂寥感のあるヴォーカルがイイ
感じ。
Black Roots - Africa (reggae)
9曲目は「The Father」です。
ノビノビとしたギター・わっくと重い
ベース、キーボードのメロディに、伸び
やかに歌うヴォーカルに、コーラス・
ワークがイイ感じ。
Black Roots - In Session (85) - 09 - The Father
10曲目は「Chanting For Freedom」
です。
ギターと漂うようなキーボード、ズシっと
したベースを中心とした疾走感のある
メロディに、伸びやかに歌うヴォーカルに
コーラス・ワークがイイ感じ。
Black Roots In Session 85) 10 Chanting For Freedom
11~16曲目までの6曲は1981年に
リリースされたシングル盤のようです。
ここではこのアルバムに収録された曲の
12インチ・ミックス曲を除く、11曲目
「Bristol Rock」と14曲目
「The System」の2曲のみを紹介します。
11曲目は「Bristol Rock」です。
ギターとキーボードの疾走感のある
メロディに、心地良いパーカッション、
伸びやかなヴォーカルとハーモニーが
イイ感じ。
Black Roots - Bristol rock (reggae)
14曲目は「The System」です。
漂うようなキーボードとギター、ベースを
中心としたメロディに、心地良い
パーカッション、伸びやかなヴォーカルに
コーラス・ワークがイイ感じ。
Black Roots - The System
ざっと追いかけてきましたが、ギターや
キーボードのロック・テイストのソロ演奏
に、当時「ブリティッシュ・レゲエ」と
呼ばれていたUKレゲエらしい味わいを
感じます。
ジャマイカではこの80年代前半頃になる
とアーリー・ダンスホールの時代に移行
していますが、UKではまだまだこうした
ルーツ・レゲエとロックが融合したような
サウンドが人気を博していたんですね。
良い意味でこの時代のUKレゲエの
サウンドを、よく伝えるライヴ盤だと思い
ます。
UKの中堅レゲエ・バンドとして永く活躍
した彼らですが、特にこの80年代半ば
までの活躍には目覚ましいものがあり
ます。
機会があればぜひ聴いてみてください。
Black Roots - Tribal War
Black Roots - Juvenile Delinquent
Black Roots - Opportunity
○アーティスト: Black Roots
○アルバム: In Session
○レーベル: Makasound
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1986
○Black Roots「In Session」曲目
1. Tribal War
2. Confusion
3. Survival
4. Juvenile Delinquent
5. What Dem A Do
6. Move On
7. Opportunity
8. Africa
9. The Father
10. Chanting For Freedom
(CD Bonus Tracks)
11. Bristol Rock
12. Confusion 12 Mix
13. Chanting For Freedom 12 Mix
14. The System
15. The Father 12 Mix
16. Tribal War 12 Mix
●オリジナル・アルバム(1985)の曲順
Side 1
1. Confusion
2. Survival
3. Juvenile Delinquent
4. What Them' A Do
5. Move On
Side 2
1. Oppurtunity
2. Tribal War
3. Africa
4. The Father
5. Chanting For Freedom
●今までアップしたBlack Roots関連の記事
〇Black Roots「On The Frontline」
「In Session」です。
Black RootsはUKで1979年に結成
された、8人組のルーツ・レゲエ・バンド
のようです。
ネットのDiscogsによれば、彼らについて
次のような記述があります。
Hailing from the St Paul's area of Bristol, the original eight-member band
were formed in 1979 and quickly gained a large following by touring almost
non-stop around the country, playing their brand of 'militant pacifism'
roots reggae in the nation's major colleges.
《1979年にブリストルのセントポール
の地域出身の8人で結成されたバンドで、
イギリス国中の主要な大学ををノン
ストップでツアーする事で、『好戦的で
平和主義』なルーツ・レゲエ・バンドと
いう地位を確立した。》
ネットのDiscogsによると、ダブ・
アルバムを含めて16枚ぐらいのアルバム
と、18枚ぐらいのシングル盤を残して
います。
Black Roots (band) - Wikipedia
今回のアルバムは1986年にUKの
BBC RecordsからリリースされたBlack
Rootsの通算3枚目ぐらいにあたる
アルバムです。
タイトルに「In Session」とあるように
UKのBBC Radio Oneで行われた、ラジオ
のセッション・ライヴの模様を収めた
アルバムで、「Tribal War」など当時の
彼らの代表曲が収められたアルバムと
なっています。
手に入れたのは2007年にフランスの
レゲエ・リイシュー・レーベルMakasound
からリイシューされたCDの中古盤でし
た。
なおMakasound盤ではオリジナルの
アルバムと曲順が少し異なっています。
オリジナルでは7曲目(Side 2の2曲目)
に入っている「Tribal War」が、1曲目の
曲となっていて、その分7曲目まで1曲
ずつズレています。
またオリジナル10曲に加えて、12
インチ・ミックス曲などCDボーナス・
トラックが6曲プラスされています。
全16曲で収録時間は約68分。
10曲目までがオリジナル・アルバムの曲
ですが、曲順が少し異なっていて、
オリジナルでは7曲目(Side 2の2曲目)
に入っている「Tribal War」が1曲目の曲
となっていて、その分7曲目までが1曲
ずつズレています。
11曲目以降は12インチ・ミックス曲
など、CDボーナス・トラックが6曲が
プラスされています。
ミュージシャンについては以下の記述が
あります。
All songs Licensed from Black Roots, Jabulani Ngozi
All songs written, composed and arranged by Black Roots
All songs produced by Black Roots, Songs from "In Session" album
produced by Black Roots inconjunction with the BBC
All right reserved
Track 1 to 10 recorded at BBC in 1982 and released in 1986, track
11 to 16 recorded at The Facility (Bristol, UK) 1979 & 1980,
Released in 1981.
Photos Credits: All pictures courtesy Black Roots
Makasound collection - a so this album - is directed and coodina-
ted by Romain Garma & Nicolas Maslowski
Liner notes by N.M.
Artwork by Nicolas 'Kouakou' Mamet
Translation by Celeste Karlin
Mastered bu Serial P at Dubwise Factory
Lead Vocals: Delroy Ogilvie, Kondwani Ngozi
Drums: T. L. Seivwright
Bass: D. L. King
Lead Guitar: Cordell Francis
Guitar: Jabulani Ngozi
Keyboards: Carlton Roots
Percussions: Errol Brown, Kondwani Ngozi
On "In Session", horns section on track "Move On" was
Rico Rodriquez on trombone, Dick Cuthell on flugel horn,
and Rudi Hymes on sax.
On "In Session", the keyboardist on "The Father" and
"Chanting For Freedom" was Michael Taylor
となっています。
全ての曲の作詞と作曲、アレンジ、
プロデュースはBlack Rootsが担当して
います。
1~10曲目までのレコーディングは
BBCで行われ、リリースは1986年
です。
(ネットのDiscogsではアルバム
「In Session」のリリースが85年と
なっていますが、ここではこの記述に従い
リリース年を86年としました。)
11~16曲目までのレコーディングは
UKのブリストルにあるThe Facilityと
いうスタジオで79年と80年に行われ、
1981年にリリースされています。
(81年にはまだアルバムのリリースが
無いので、シングル盤のリリース年のよう
です。)
Black Rootsのメンバーはリード・
ヴォーカルにDelroy OgilvieとKondwani
Ngozi、ドラムにT. L. Seivwright、
ベースにD. L. King、リード・ギターに
Cordell Francis、ギターにJabulani
Ngozi、キーボードにCarlton Roots、
パーカッションにErrol Brownと
Kondwani Ngoziという8人組のようです。
パーカッションにErrol Brownという人が
居ますが、ジャマイカでエンジニアとして
活躍したTreasure Isleレーベルの
Duke Reidの甥のErrol Brownとは別人の
ようです。
ゲスト・プレイヤーとして6曲目「Move
On」に、トロンボーンにRico Rodriquez、
フリューゲル・ホーンにDick Cuthell、
サックスにRudi Hymes、9曲目の
「The Father」と10曲目「Chanting
For Freedom」にMichael Taylorが
キーボードで参加しています。
ジャケット・デザインは
Nicolas 'Kouakou' Mametとなっていま
す。
裏ジャケ
表ジャケが12ページの小冊子となって
おり、そこにはこのアルバムの英文の解説
文やメンバーなどが書かれています。
表ジャケ小冊子2ページ目
表ジャケ小冊子5ページ目
↑左上がオリジナル・ジャケット
表ジャケ小冊子8~9ページ目
さて今回のアルバムですが、UKのBBCの
スタジオで行われたラジオのセッションの
模様を収めたライヴ・アルバムで、声援
などは入っていませんが、当時の代表曲を
演奏する彼らにはライヴらしい緊張感が
あり、内容は悪くないと思います。
このBlack Rootsですが、ネットのDiscogs
のシングル盤の記述によると76年に
「Never Get Away」というシングル盤を
リリースした事になっています。
Black Roots - Never Get Away
ただその後の記録を見ると81年に
「Chanting For Freedom」や「Bristol
Rock」など3枚のシングル盤をリリース
した事になっており、リリースの間隔が
5年も空いています。
また同じDiscogsに書かれている
「1979年にブリストルのセントポール
の地域出身の8人で結成されたバンド」と
いう記述とも矛盾するんですね(笑)。
このBlack Rootsという名前はちょっと
グループとしてありがちな名前なので、
もしかしたら「Never Get Away」という曲
は、別のグループのリリースした曲かも
しれません。
いずれにしてもこのBlack Rootsという
グループは、80年代前半にUKで
華やかに活動したグループである事は
間違いが無さそうです。
今回のアルバムは彼らのサード・アルバム
ですが、83年にリリースのファースト・
アルバム「Black Roots」と84年の
セカンド・アルバム「The Front Line」
からセレクトされた楽曲のBBCのスタジオ
でのライヴ・アルバムとなっています。
書いたように声援などは入っていません
が、演奏にライヴならではの緊張感がある
のが魅力です。
この80年代前半はジャマイカではすでに
ルーツからアーリー・ダンスホールに移行
していますが、UKではまだまだルーツ・
レゲエが人気だったようで、当時は
「ブリティッシュ・レゲエ」と呼ばれて
いた、ソリッドでロックなギター・プレイ
が光る、ルーツ・レゲエとロックが混ざり
合ったような、UKらしい独特のレゲエ・
サウンドが面白いところです。
1曲目は「Tribal War」です。
ピアノとキーボード、ドスの効いた
ベース、ギターの刻むような演奏に、
ファルセットなコーラス・ワークに乗せた
ルーツなヴォーカルがイイ感じ。
書いたようにオリジナルのアルバムでは
7曲目(Side 2の2曲目)に入っている曲
で、その分7曲目までが1曲ずつ後ろに
ズレています。
Black Roots - Tribal war (reggae)
2曲目は「Confusion」です。
オリジナルのアルバムでは1曲目に収録
されている曲です。
ワンドロップのドラミングに、ロックな
ギター・ワークと重いベース、キーボード
の演奏に、伸びやかなヴォーカルに
コーラス・ワーク。
Black Roots - Confusion
3曲目は「Survival」です。
力強いドラミングとギターのオープニング
から、どすの効いたベースとギター・
ワーク、リリカルなピアノの演奏に、心地
良いコーラス・ワークに乗せた、伸びやか
なヴォーカルがイイ感じ。
Black Roots - In Session (85) - 02 - Survival
4曲目は「Juvenile Delinquent」です。
華やかなキーボードのオープニングから、
力強いドラミング、浮遊感のあるキー
ボードとドスの効いたベース、ギター、
リリカルなピアノの陰影のある演奏に、
伸びやかな表情豊かなヴォーカルがイイ
感じ。
Black Roots - Juvenile Delinquent
5曲目は「What Dem A Do」です。
重いベースと漂うようなキーボードの演奏
に、コーラス・ワークに乗せた伸びやかな
ヴォーカルがイイ感じ。
Black Roots_What dem a do
6曲目は「Move On」です。
この曲にはトロンボーン奏者のRicoなど、
ホーン陣がゲストとして参加しているよう
です。
ワン・ドロップの力強いドラミング、寂寥
感のあるキーボードのオープニングから、
ハリのある伸びやかなヴォーカルに
コーラス・ワーク、合間用入って来る
ホーン・セクション、ギター・ソロなどが
魅力的。
Black Roots - In Session (85) - 05 - Move On
7曲目は「Opportunity」です。
ドスの効いたベースに、自由なギター・
ワーク、コーラス・ワークに乗せた、伸び
やかでハリのあるヴォーカル。
Black Roots - In Session (85) - 06 - Opportunity
8曲目は「Africa」です。
キーボードとギター、ベースを中心とした
陰影のあるメロディに、コーラス・ワーク
に乗せた寂寥感のあるヴォーカルがイイ
感じ。
Black Roots - Africa (reggae)
9曲目は「The Father」です。
ノビノビとしたギター・わっくと重い
ベース、キーボードのメロディに、伸び
やかに歌うヴォーカルに、コーラス・
ワークがイイ感じ。
Black Roots - In Session (85) - 09 - The Father
10曲目は「Chanting For Freedom」
です。
ギターと漂うようなキーボード、ズシっと
したベースを中心とした疾走感のある
メロディに、伸びやかに歌うヴォーカルに
コーラス・ワークがイイ感じ。
Black Roots In Session 85) 10 Chanting For Freedom
11~16曲目までの6曲は1981年に
リリースされたシングル盤のようです。
ここではこのアルバムに収録された曲の
12インチ・ミックス曲を除く、11曲目
「Bristol Rock」と14曲目
「The System」の2曲のみを紹介します。
11曲目は「Bristol Rock」です。
ギターとキーボードの疾走感のある
メロディに、心地良いパーカッション、
伸びやかなヴォーカルとハーモニーが
イイ感じ。
Black Roots - Bristol rock (reggae)
14曲目は「The System」です。
漂うようなキーボードとギター、ベースを
中心としたメロディに、心地良い
パーカッション、伸びやかなヴォーカルに
コーラス・ワークがイイ感じ。
Black Roots - The System
ざっと追いかけてきましたが、ギターや
キーボードのロック・テイストのソロ演奏
に、当時「ブリティッシュ・レゲエ」と
呼ばれていたUKレゲエらしい味わいを
感じます。
ジャマイカではこの80年代前半頃になる
とアーリー・ダンスホールの時代に移行
していますが、UKではまだまだこうした
ルーツ・レゲエとロックが融合したような
サウンドが人気を博していたんですね。
良い意味でこの時代のUKレゲエの
サウンドを、よく伝えるライヴ盤だと思い
ます。
UKの中堅レゲエ・バンドとして永く活躍
した彼らですが、特にこの80年代半ば
までの活躍には目覚ましいものがあり
ます。
機会があればぜひ聴いてみてください。
Black Roots - Tribal War
Black Roots - Juvenile Delinquent
Black Roots - Opportunity
○アーティスト: Black Roots
○アルバム: In Session
○レーベル: Makasound
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1986
○Black Roots「In Session」曲目
1. Tribal War
2. Confusion
3. Survival
4. Juvenile Delinquent
5. What Dem A Do
6. Move On
7. Opportunity
8. Africa
9. The Father
10. Chanting For Freedom
(CD Bonus Tracks)
11. Bristol Rock
12. Confusion 12 Mix
13. Chanting For Freedom 12 Mix
14. The System
15. The Father 12 Mix
16. Tribal War 12 Mix
●オリジナル・アルバム(1985)の曲順
Side 1
1. Confusion
2. Survival
3. Juvenile Delinquent
4. What Them' A Do
5. Move On
Side 2
1. Oppurtunity
2. Tribal War
3. Africa
4. The Father
5. Chanting For Freedom
●今までアップしたBlack Roots関連の記事
〇Black Roots「On The Frontline」
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