今回はWayne Wonderのアルバム

wayne_wonder_06a

「All Original Boomshell」です。

Wayne Wonder(本名:Vonwayne Charles)
は、80年代後半から活躍する美声が人気
のダンスホール・シンガーです。

その美声で数々のヒット曲をリリースした
ほか、あのBuju Bantonとのコラボ
レーション曲でもヒット曲を出した
シンガーで、「No Letting Go」という
世界的な大ヒット曲も持つ、ジャマイカを
代表するシンガーです。

Wayne Wonder-No Letting Go


ネットのDiscogsによると、10枚ぐらい
のアルバムと、386枚ぐらいのシングル
盤をリリースしているのが、このWayne
Wonderという人です。

アーティスト特集:Wayne Wonder(ウェイン・ワンダー)

ウェイン・ワンダー - Wikipedia

今回のアルバムは1995年にUKの
Penthouse Recordsからリリースされた
Wayne Wonderの通算4枚目ぐらいにあたる
ソロ・アルバムです。

プロデュースはPenthouse Recordの
Donovan GermainとWayne Wonder本人が
担当したアルバムで、Penthouseらしい
オシャレなサウンドをバックに、Wayne
Wonderらしい美声を前面に押し出した
好内容のアルバムとなっています。

手に入れたのはVP Recordsからリリース
されたCDの中古盤でした

全16曲で収録時間は約56分。
2~11曲目までがオリジナルで、12~
16曲目はCDボーナス・トラックです。
1曲目「Original Boomshell」は21秒の
短いイントロ曲で、元のLPに入っている
かは不明です。
今回のアルバムでも裏ジャケでは2曲目の
「Emptiness」が1曲目という扱いに
なっていて、全15曲という表記になって
います。

ミュージシャンについては以下の記述が
あります。

All songs Produced by Donovan Germain and Wayne Wonder
except * Produced by Dave Kelly (For Madhouse Prod.)
** Produced by Andre Tyrell (For Rookie Prod.)
+ Produced by Mark Brown and Wayne Charles (for Stumpy Prod.)
++ Produced by Winston Powwell (For Stone Love Prod.)
+++ Remixed by Arrif Cooper
Recording Engineers: A. Tyrell, M. Cooper, D. Kelly, G. Jackson,
Culture Lee, A. Thomas, M. Brown, G. Prendergast, R. Ledgister
Mixing Engineers: Andre Rookle' Tyrell and Dave 'Rude Boy' Kelly
Add. Mixed: Cell Block Crew and Collin 'Balby' York
Background Vocals: Brian and Tony Gold, Juliet Nelson,
Marie Gittens, Wayne Wonder, Chevelle Franklin
Artist Management: Penthouse Management

Mastered at VP by: Paul Shields
Photographer: Michael Cunningham

となっています。

4曲目「Sweet & Sour」と15曲目
「Honeys Fine」(*マーク)の
プロデュースはDave Kelly、7曲目
「Taking Control」(**マーク)の
プロデュースはAndre Tyrell、12曲目
「Saddest Day Remix」(+++マーク)の
リミックスはArrif Cooper、13曲目
「Wonder Surprise」(+マーク)の
プロデュースはMark BrownとWayne
Charles、16曲目「Only You」
(++マーク)のプロデュースはWinston
Powwellで、その他の全ての曲の
プロデュースはDonovan Germainと
Wayne Wonderとなっています。

レコーディング・エンジニアはA. Tyrell
やM. Cooper、D. Kelly、G. Jackson、
Culture Lee、A. Thomas、M. Brown、
G. Prendergast、R. Ledgisterなどが担当
しています。
ミキシング・エンジニアはAndre Rookle'
TyrellとDave 'Rude Boy' Kellyが担当
しています。
追加のミックスはCell Block Crewと
Collin 'Balby' Yorkとなっています。

バック・ヴォーカルはBrian and Tony
GoldとJuliet Nelson、Marie Gittens、
Wayne Wonder、Chevelle Franklinなどが
参加しています。

マスターはPaul Shields。
写真はMichael Cunninghamとなっていま
す。

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裏ジャケ

さて今回のアルバムですが、Wayne Wonder
が充実していたPenthouse時代のアルバム
で、内容はなかなか悪くないと思います。

もともとレゲエという音楽は個性のある
癖の強いシンガーが多い世界でしたが、
80年代後半ぐらいからアクの無い
スッキリとした美声のシンガーが多く登場
して来るようになります。
その代表格が今回のWayne Wonderや
Sanchezなんですね。
またこうしたシンガーが登場して来た背景
としては、それまでの70年代のルーツ・
レゲエのような「イナタい」などと表現
されるような個性的なゴツゴツとした
レゲエ特有のサウンドから、80年代に
入りダンスホール・レゲエが流行するよう
になってよりポピュラーな洗練された
サウンドに変わって行ったという事がある
ようです。

意外とレゲエが一番売れたのは、90年代
だと言われています。
ただ今聴くとそうしてポピュラーで洗練
された分、70年代のルーツ・レゲエの
時代よりは、レゲエ特有の個性は少なく
なった感じもあります。

話を戻しますが、今回のアルバムでは
この時代に活躍したPenthouseレーベルの
洗練されたサウンドをバックに、Wayne
Wonderの伸びのある美声が冴える内容の
アルバムとなっています。
またこの時代に名コンビとして人気を博し
たBuju Bantonとのコンビネーション曲
や、女性シンガーTwiggyとのデュエット曲
も収められているのも魅力です。

このBuju Bantonとのコンビネーション
は、Wayne Wonderの透き通った美声と、
Buju Bantonのガナるようなダミ声の
バランスがとても良いんですね。
出来ればあと2曲ぐらいこの2人の組み
合わせの曲を収めて欲しかったぐらい
です。

1曲目は表題曲の「Original Boomshell」
です。
21秒のWayne Wonderの歌とコーラスが
入ったイントロ曲です。

Original Boomshell


2曲目は「Emptiness」です。
Riddimguideによると、「Handsworth
Revolution」というリディムのよう
です(Steel Pulseの曲か?)。

心地良いデジタルのドラミングに、ホーン
とキーボードのアーバンなメロディ、
コーラス・ワークに乗せたWayne Wonderの
抜けの良いヴォーカルがイイ感じ。

Wayne Wonder - Emptiness (Penthouse Records) 1996


3曲目は「Canabis Vibes」です。
デジタルらしいキーボードのメロディに、
静かに語りかけるようなWayne Wonderの
アダルトなヴォーカルがとても魅力的。

Wayne Wonder - Canabis Vibes


4曲目は「Sweet & Sour」です。
Riddimguideによると、Mad House Crewの
「Medicine」という曲のリディムのよう
です。
冒頭に一瞬Buju Bantonかと思われる
「Medicine!」という掛け声が入ります。
浮遊感のあるキーボードに、デジタル
らしい歯切れの良いドラミング、Wayne
Wonderの心地良いヴォーカルがイイ感じ
の曲です。

Wayne Wonder - Sweet & Sour


5曲目は「Hurry」です。
デジタルらしいベース音とホーン(?)の
メロディ、感情を乗せたWayne Wonderの
伸びやかなヴォーカルがイイ感じ。

Hurry


6曲目はBuju Bantonとの共演曲「What You Gonna Do」です。
リディムはSoul Vendorsのロックステディ
のヒット曲「Swing Easy」です。
ホーンとキーボードを中心としたメロディ
に、Buju Bantonのダミ声の味のある
トースティング、Wayne Wonderのスッキリ
と抜けて来る歌声のコンビネーションが
最高に魅力的。

Buju Banton & Wayne Wonder - What You Gonna Do (Penthouse Records) 1995


リズム特集 Swing Easy (スウィング・イージー)

7曲目は「Taking Control」です。
Riddimguideによると、「Smokie Joe Jam」
というリディムのようです。
デジタルのダンサブルなリズムに、ノビの
あるWayne Wonderのソフトなヴォーカル。

Wayne Wonder - Taking Control


8曲目は「Sail」です。
リディムはJackie Mittoo & Soul Vendors
のロックステディのヒット曲「Hot Milk」
です。
刻むようなギターと野太いベースの
メロディに、トビ音のエフェクト、
デジタルのワン・ドロップのドラミング、
伸びやかに歌うWayne Wonderのちょっと
アンニュイなヴォーカルがイイ感じ。

Wayne Wonder - Sail


リズム特集 Hot Milk/Murderer (ホット・ミルク/マーダラー)

9曲目は「Zero」です。
リディムはThe Bassiesの「Things A
Come Up To Bump」。
デジタルなドラミングに、キーボードの
ベース音を中心としたメロディ、伸びやか
に歌うWayne Wonderのヴォーカルがイイ
感じ。

Wayne Wonder - Zero


ここまでがLPに収められた曲で残りの曲
はCDのみのボーナス・トラックのよう
です。

10曲目は「Dancehall」です。
Wayne Wonderの語りから、デジタルの
リズミカルなドラミングに、キーボードを
中心としたメロディ、コーラス・ワーク、
感情を乗せたWayne Wonderのナイスな
ヴォーカル。

Wayne Wonder - In the dancehall


11曲目はTwiggyとの共演曲「No More」
です。
リディムはChevelle Franklin & Lady Gの
「Love And Hate」という曲のようです。
デジタルのキーボードの重いベース音を
中心としたメロディに、ハリのあるTwiggy
のちょっとかすれたヴォーカルに、絡み
合うように入って来るWayne Wonderの
ヴォーカルがとても魅力的。

Wayne Wonder / Twiggy - No More A Dat (Penthouse Records) 1995


12曲目は「Saddest Day Remix」です。
リディムはKeith & Texのロックステディ
のヒット曲「Tonight」です。
ダンサブルなデジタルのドラミングに、
浮遊感のあるキーボードのメロディ、
Wayne Wonderの伸びやかな歌声がイイ
感じ。

リズム特集 Tonight/Lots Of Sign (トゥナイト/ロッツ・オブ・サイン)

13曲目は「Wonder Surprise」です。
リズミカルなドラミングに、ピアノ音と
重いベース音を中心としたメロディ、
ちょっとシング・ジェイ風のWayne
Wonderのヴォーカルが面白い曲です。

Wayne Wonder - Surprise


14曲目は「Rumours」です。
リディムはSoul Vendorsのロックステディ
のヒット曲「Swing Easy」です。
漂うようなでジルのキーボードと重い
ベース音のメロディ、打ち込みの
ドラミング、伸びやかなWayne Wonderの
ヴォーカル…。

Wayne Wonder - Rumours (Penthouse Records) 1995


リズム特集 Swing Easy (スウィング・イージー)

15曲目は「Honeys Fine」です。
リディムはRude Boy Kellyの「Arab
Attack」という曲のようです。
デジタルの打ち込みドラムに、ピアノ音と
デジタルらしいキーボードのメロディ、
ノリの良いWayne Wonderのヴォーカルが
イイ感じ。

Wayne Wonder - Honey Fine (Arab Attack Riddim 1995)


16曲目は「Only You」です。
リディムはMichael Jacksonの大ヒット曲
「Billie Jean」で、レゲエではShinehead
がこの曲でヒットを飛ばしているらしい
です。
西部劇の口笛音のオープニングから、重い
ベース音とキーボード音のメロディ、
伸びやかで力強いWayne Wonderの
ヴォーカルがとても魅力的。

Wayne Wonder - Only You (Stone Love) 1993


リズム特集 Billie Jean (ビリー・ジーン)

ざっと追いかけてきましたが、Penthouse
レーベルらしい洗練された楽曲に乗せた
Wayne Wonderのスッキリと爽やかな歌声が
冴えるアルバムで、内容は悪くないと思い
ます。
この90年代らしいダンスホールの濃厚な
空気感が伝わって来るところが、とても
魅力的です。

この後Wayne WonderはPenthouseを離れ、
一時は不調な時期もあったようですが、
「No Letting Go」の大ヒットで再び脚光
を浴びる事になるんですね。

機会があればぜひ聴いてみてください。

Wayne Wonder & Buju Banton at Reggae Sunsplash 1992


Wayne Wonder, Lady Saw & Frisco Kid freestyle on 1Xtra



○アーティスト: Wayne Wonder
○アルバム: All Original Boomshell
○レーベル: VP Records
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1995

○Wayne Wonder「All Original Boomshell」曲目
1. Original Boomshell
2. Emptiness
3. Canabis Vibes
4. Sweet & Sour
5. Hurry
6. What You Gonna Do - feat. Buju Banton
7. Taking Control
8. Sail
9. Zero
10. Dancehall
11. No More - feat. Twiggy
(CD Bonus Tracks)
12. Saddest Day Remix
13. Wonder Surprise
14. Rumours
15. Honeys Fine
16. Only You

●今までアップしたWayne Wonder関連の記事
〇Wayne Wonder「Wayne Wonder」
〇Wayne Wonder「Don't Have To...」