今回はFrankie Paulのアルバム

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「The Veteran」です。

Frankie Paul(本名:Paul Blake)は、
80年代のダンスホール・レゲエの時代
から、近年までで活躍したシンガーです。
生まれた時から盲目に近い状態だった彼
は、「ジャマイカのスティービー・
ワンダー」と形容されるほどの実力で、
このダンスホール・レゲエの時代に活躍
し、人気シンガーとなるんですね。

その後も長く活躍をつづけたFrankie Paul
でしたが2017年に腎臓病のため亡く
なっています。

ネットのDiscogsによると共演盤を含めて
94枚ぐらいのアルバムと、810枚
ぐらいのシングル盤を残しているのが、
このFrankie Paulというシンガーです。

アーティスト特集 Frankie Paul (フランキー・ポール)

今回のアルバムは1991年にUSの
VP Recordsからリリースされた
Frankie Paulのソロ・アルバムです。

プロデュースはSteely & Clevieで、バック
はそのSteely & ClevieとDalton Browne
などが担当したアルバムで、この時代
らしいデジタルの軽快なバックに、
ベテランとなったFrankie Paulの円熟した
ヴォーカルが楽しめるアルバムとなってい
ます。

手に入れたのはVP Recordsからリリース
されたLPの中古盤でした。

Side 1が5曲、Side 2が4曲の全9曲。

ミュージシャンについては以下の記述が
あります。

All Tracks Produced and Arranged by Steely & Clevie
Recorded and Mixed at Mixing Lab Studio
Musician: Wycliffe 'Steely' Johnson, Cleveland 'Clevie' Rrowne, Dalton Browne
Recording Engineer: Linford 'Fatta' Marshall, Collin York
Mixed by: Lynford 'Fatta' Marshall, Wycliffe 'Steely' Johnson

Design: A Studio Case

となっています。

全ての曲のプロデュースはSteely & Clevie
が担当しています。

レコーディングとミックスはジャマイカの
キングストンにあるMixing Lab Studioで
行われ、ミュージシャンはWycliffe
'Steely' JohnsonとCleveland 'Clevie'
Rrowne、Dalton Browne、レコディング・
エンジニアはLinford 'Fatta' Marshallと
Collin Yorkで、ミキシング・エンジニア
はLynford 'Fatta' Marshall, Wycliffe
'Steely' Johnsonが担当しています。

ジャケット・デザインはA Studio Caseが
担当しています。

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裏ジャケ

さて今回のアルバムですが、Steely &
Clevieのデジタルなダンスホール・
サウンドをバックに、「The Veteran」と
いうタイトル通りにベテランとなった
Frankie Paulの円熟味を増したヴォーカル
を楽しめるアルバムで、内容は悪くないと
思います。

このFrankie Paulですが生涯で共演盤を
含めて90枚以上のアルバムをリリース
している、ジャマイカの音楽史に残る
大シンガーなんですね。
特に80年代から90年代の人気は凄ま
じく、年に何枚ものアルバムをリリース
しているんですね。
今回のアルバムは91年のアルバムです
が、この年にこのアルバムも含めて10枚
ぐらいのソロ・アルバムをリリースして
います。
これは彼の履歴の中でももっとも多い枚数
なんですね。
(少なくともネットのDiscogsで見る限り
は…。)
それだけこの時代の彼が人気もあり、充実
していたという証しかもしれません。

Frankie Paulといえば個人的には才能を
認められ始めたアーリー・ダンスホールの
頃の活躍ぶりが印象に強く残っています。
その当時のアルバムとしてはSugar Minott
とのクラッシュ・アルバム(共演盤)
「Show-Down Vol. 2」に収められた楽曲
「Worries In The Dance」を聴いた時の
衝撃が忘れられません。

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Sugar Minott / Frankie Paul ‎– Show-Down Vol. 2 (1983)

Frankie Paul - Worries In The Dance ++


それまでこのFrankie Paulというと、
ソフトな歌いぶりが特徴のシンガーと
思っていましたが、その荒々しいまでの
感情を乗せた歌いぶりはあまりにも見事
で、このアルバムではあの大シンガーの
Sugar Minottを凌駕しているほどでした。
彼がその後多くのアルバムを残すほど支持
されたのは、けっして偶然ではないんです
ね。
その彼の実力を認めさせたこの「Worries
In The Dance」という曲は、レゲエの歴史
に残る名曲(&名演)のひとつだと思い
ます。
そうしたアーリー・ダンスホールの時代の
活躍をきっかけに、このFrankie Paulは
大シンガーの地位を築いて行ったんです
ね。

今回のアルバムではこの時代を制した
Steely & Clevieによるアクティブな
デジタルなダンスホール・サウンドを
バックに、風格を感じさせる彼の円熟味を
増したヴォーカルが耳に残ります。

Side 1の1曲目は「Cassandra」です。
リディムはWayne Smithの大ヒット曲
「Under Me Sleng Teng」、いわゆる
「Sleng Teng」リディムです。
↑ネットのRiddimguideでは「Sleng Teng」
リディムとなっていましたが、聴いた印象
としてはむしろDennis Brownの
「Westbound Train」のリディムのような
気も…。
まるでラジオから流れて来たような口上
から、ちょっとパンキーな掛け声の入った
デジタルなバックに、伸びやかなFrankie
Paulのヴォーカルがイイ感じ。

Frankie Paul - Cassandra


リズム特集 Sleng Teng (スレンテン)

2曲目は「Rude Boy Tune」です。
リディムはJackie Mittoo & Soul Vendors
のロックステディの時代のヒット曲「Hot
Milk」です。
デジタルなドラミングに乗せた、リズミ
カルなキーボードのメロディに、Frankie
Paulのノリノリのヴォーカルがイイ感じ。

FRANKIE PAUL RUDE BOY TUNE


リズム特集 Hot Milk/Murderer (ホット・ミルク/マーダラー)

3曲目は「Forgotten Feeling」です。
デジタルなドラミングにキーボードの
メロディ、伸びやかに歌うFrankie Paul
のナイスなヴォーカル。

FRANKIE PAUL FORGOTTEN FEELING


4曲目は「Money In My Pocket」です。
ご存知Dennis Brownのヒット曲「Money
In My Pocket」のカヴァーです。
ちょっとモダンなデジタルなリズムに、
時折入るホーン・セクションもイイ感じ、
比較的軽めなFrankie Paulの流すような
歌いぶりがとても印象的な曲です。

Money In My Pocket


5曲目は「I Love You」です。
リディムはKeith & Texの「Tonight」。
デジタルらしいドラミングに、浮遊感の
あるキーボードのメロディ、語るように
歌うFrankie Paulのヴォーカルが魅力的。

リズム特集 Tonight/Lots Of Sign (トゥナイト/ロッツ・オブ・サイン)

Side 2の1曲目は「Oldies Medley」
です。
リディムはAdmiral Baileyの「Punnany」
です。
デジタルらしい軽快なリズムにキーボード
のメロディ、伸びやかに歌うFrankie Paul
のヴォーカルがイイ感じ。

Frankie Paul - Tomorrow (Punanny Riddim)


リズム特集 Punanny (プナニー)

2曲目は「Better You Better Me
(Tomorrow)」です。
デジタルのドラミングに、リリカルな
弦楽器を中心としたメロディ、伸びやかに
歌うFrankie Paulのヴォーカルがイイ感じ
の曲です。

3曲目は「Dub Organizer」です。
リディムはSoul Vendors の「Real Rock」
か?
リズミカルなドラミングに、浮遊感のある
キーボードのメロディ、よく通るFrankie
Paulのナイスなヴォーカル。

frankie paul dub organiser (soundclash)


リズム特集 Real Rock (リアル・ロック)

4曲目は「Poison」です。
軽快なデジタルなドラミングに乗せた、
キーボードのメロディに、Frankie Paul
の表情豊かなヴォーカルがイイ感じ。

ざっと追いかけてきましたが、彼の
ヴォーカルはとても安定感があり、この
時代の彼の充実ぶりを感じさせます。
あえて言えば欠点が無いのが欠点のような
アルバムで、なんでもそつなく歌いこなせ
てしまう、彼Frankie Paulのアルバムは
どれを買って良いものやらちょっと迷って
しまうんですね(笑)。

それでもこのFrankie Paulが偉大な
シンガーのひとりである事は、否定の
しようがありません。

機会があればぜひ聴いてみてください。

Frankie Paul ~ Sagittarius Band ~ Live 1991


Frankie Paul - Reggae Sunsplash (Jamaica,1991)



○アーティスト: Frankie Paul
○アルバム: The Veteran
○レーベル: VP Records
○フォーマット: LP
○オリジナル・アルバム制作年: 1991

○Frankie Paul「The Veteran」曲目
Side 1
1. Cassandra
2. Rude Boy Tune
3. Forgotten Feeling
4. Money In My Pocket
5. I Love You
Side 2
1. Oldies Medley
2. Better You Better Me (Tomorrow)
3. Dub Organizer
4. Poison

●今までアップしたFrankie Paul関連の記事
〇Frankie Paul & Coco Tea「Showdown Vol 8」
〇Sugar Minott, Frankie Paul「Show-Down Vol. 2」
〇Frankie Paul, Little John「Show-Down Vol. 6」
〇Frankie Paul, Pinchers「Turbo Charge」
〇Frankie Paul「Casanova」
〇Frankie Paul「Pass The Tu-Sheng-Peng / Tidal Wave」