今回はDennis Brownのアルバム

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「Words Of Wisdom」です。

Dennis Brown(本名:Dennis Emmanuel
Brown)は70年代のルーツ・レゲエの
時代から活躍した名シンガーです。

Studio Oneからアルバム・デビューした
彼はその後も活躍を続け、その後も
Joe GibbsやWinston 'Niney' Holnessと
いったプロデューサーの元に素晴らしい
アルバムを残しています。
彼の最大のヒット曲は「Money In My
Pocket」で、全英チャート14位を記録し
ています。
そうした世界的な活躍をしたDennis Brown
ですが、1999年に亡くなっています。

ネットのDiscogsによると、共演盤を含め
て88枚ぐらいのアルバムと、789枚
ぐらいのシングル盤を残しています。

アーティスト特集 Dennis Brown (デニス・ブラウン)

デニス・ブラウン - Wikipedia

今回のアルバムは1979年にUKの
Laserというレーベルからリリースされた
Dennis Brownのソロ・アルバムです。

プロデュースはJoe Gibbsで、バック・
バンドはThe Professionals、ミックスは
Errol Thompsonが担当したと思われる
アルバムで、大ヒットした「Money In
My Pocket」や、表題曲の「Words Of
Wisdom」、「Should I」、Alton Ellis
のカヴァー「Ain't That Lovin' You」、
Dennis Walksのカヴァー「Drifter」
など、Joe Gibbsの元でのヒット曲が詰め
込まれた、内容の濃いアルバムとなって
います。

手に入れたのは2014年にVP Records
からリイシューされたLP(新盤)でし
た。

Side 1が6曲、Side 2が6曲の全12曲。

詳細なミュージシャンの表記はありま
せん。

ただネットのDiscogsにはこのアルバムの
メンバーなどが書かれていました。
それによるとバック・バンドはJoe Gibbs
のバック・バンドThe Professionalsと
思われ、ベースにLloyd ParksとRobert
Shakespeare、ドラムにLeroy 'Horsemouth'
WallaceとMichael Boo、Neville Grant、
Sly Dunbar、ギターにWillie Lindoと
Winston 'Bopeep' Bowen、キーボードに
Franklin 'Bubbler' WaulとWinston
Wright、ホーンにWillie Breakridgeと
Dean Fraser、Ronald 'Nambo' Robinson、
パーカッションにFranklin Waulと Ruddy
Thomasとなっています。
レコーディングはJoe Gibbs Studioで
行われ、レコーディング・エンジニアは
Errol Thompson、アシスタント・
エンジニアはOswald PalmerとRuddy
Thomasで、プロデュースとアレンジと
ミックスをJoe GibbsとErrol Thompson
の通称The Mighty Twoが担当しています。

カヴァー・イラストはGraham Collins
で、写真(裏ジャケ)はEvelyn Bonoが
担当しています。

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裏ジャケ

遺跡を破壊する怪物(Dennis Brown?)
の、印象的なジャケットです。

さて今回のアルバムですが、最大のヒット
曲は「Money In My Pocket」をはじめと
して、Joe Gibbs時代のもっとも輝いて
いた時代のDennis Brownがよく解る、
代表作のひとつともいえるアルバムで、
内容はとても良いと思います。

このDennis BrownですがGregory Isaacs
などと並んでレゲエのヴォーカリストと
して、必ず名前の挙がるヴォーカリストの
ひとりです。
その親しみやすいヴォーカルは、多くの人
の心を今も掴んでいるんですね。

その優れた実績は共演盤を含めて87枚の
アルバム、787枚のシングル盤、117
枚のコンピュレーション・アルバムという
事によく表れています。
(ネットのDiscogsによる)
共演盤を含めて87枚のオリジナル・
アルバムをリリースしているというのも
とても驚異的な事ですが、驚くのは117
枚もの彼のコンピュレーション(ベスト
盤)が作られているということ。
この数字に彼Dennis Brownがいかに多くの
リスナーに愛されたシンガーだったかが
如実に表れています。
3桁のコンピュレーションが作られている
のは、レゲエでもBob MarleyやGregory
Isaacsなど、人気のあった限られた
アーティストだけなんですね。
それだけこのDennis Brownが多くの支持を
集めたアーティストだったという証しなん
ですね。

そして今回のアルバムが、Dennis Brownが
その生涯に残したオリジナル・アルバムの
代表作のひとつです。
87枚という、これだけ多くのアルバムを
残していると、Dennis Brownのどの作品が
素晴らしいアルバムかは、なかなか決め
難い部分があります。
ただNiney The Observerの元での75年の
アルバム「Just Dennis」や「Deep Down」、
自身のレーベルD.E.B. Musicからの77年
の「Wolf & Leopards」、Joe Gibbs時代の
78年の「Visions Of Dennis Brown」、
Sly & RobbieのTaxiレーベルで制作された
86年のアルバム「Brown Sugar」と並ん
で、今回のアルバムが彼の代表作の1枚で
ある事は間違いがありません。

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Dennis Brown ‎– Just Dennis (1975)

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Dennis Brown ‎– Wolf & Leopards (1977)

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Dennis Brown ‎– Visions Of Dennis Brown (1978)

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Dennis Brown ‎– Brown Sugar (1986)

特に今回のアルバムは「Visions Of
Dennis Brown」と並んで彼のもっとも輝い
ていたといわれる、Joe Gibbs時代の代表
作のひとつなんですね。

2002年に刊行されたレゲエ本「Roots
Rock Reggae」には、このアルバムに
ついて「山口」さんという方の文章で次の
ように書かれています。

「”レゲエ・キング”、偉大なシンガー、
故デニス・ブラウンはその生涯に本当に
沢山の作品を残しているが、彼が頂点に
昇り詰めたのは、やはりこのジョー・
ギブス・レーベル時代で、メジャー・
レーベルA&Mからリリースされていた
アルバムの音源もジョー・ギブスで制作
されていた。「Money In My Pocket」や
「Should I」を筆頭に、本アルバムはこの
レーベルにおける彼のヒット曲を集めた様
な、好内容の聴き応え有りの1枚。」

彼Dennis Brownはこの70年代後半から
80年代前半にメジャー・レーベルの
A&Mにいくつかアルバムを残しています
が、その元の制作はこのJoe Gibbsの
レーベルでの制作であったようです。

このJoe Gibbsレーベルですが、実質的に
レコーディングの指揮を執っていたのは
Joe Gibbsではなく、エンジニアの
Errol Thompsonだったと言われていま
す。
The ProfessionalsのベースのLloyd Parks
のインタビュー記事などを読むと、Joe
Gibbsはほとんど録音に参加した事も無く、
金の事ばかりだったと、かなりボロクソに
言われていたりするんですね(笑)。

ただ指揮を執っていたErrol Thompsonは
この時代の最高のミキサーのひとりで、
その音楽愛を感じさせるミックスは、この
Joe Gibbsレーベルの大きな魅力となって
います。
Dennis Brownというと親しみのある温かい
ヴォーカルが印象的なシンガーですが、
このErrol Thompsonの音楽愛のある
ミックスが、Dennis Brownの魅力をさらに
増幅していたのは間違いのないところ
です。

そのDennis BrownとThe Mighty Twoの最高
傑作が「Money In My Pocket」だったん
ですね。
カラッとして歯切れの良いドラミングに、
漂うようなキーボードのメロディ、
Dennis Brownの明るいヴォーカルのこの曲
は、レゲエのシングル曲として最高の1曲
のひとつです。

そういえばこの「Money In My Pocket」
ですが、私が10年ぐらい前に再びレゲエ
という音楽に戻って来た時に一時期とても
ハマって、毎日毎日この曲ばかり聴いて
いた時期がありました。
特にDennis Brownの「Money In My
Pocket」と、ディージェイのPrince
Mohammed(後のシンガーのGeorge Nooks)
のディージェイ・ヴァージョンの
「Cool Running」が1つにくっ付い
たディスコ・ミックス・ヴァージョンが
大好きで、本当に毎日聴いていました。

Dennis Brown- Money In My Pocket v Prince Mohammid - Cool Runnings


この曲は今でもディスク・ミックス曲の
最高傑作曲だと思っています。
Dennis Brownの明るくポジティヴな
ヴォーカルに、引き続き登場するちょっと
イカレた感じのPrince Mohammedのトース
ティング…。
この曲を聴くとどんなイヤな事も全て忘れ
てしまうような、とてもパワフルでこれぞ
レゲエ!と言いたくなるような1曲です。
Prince Mohammedはその後George Nooksと
して、レゲエ・バラードを歌うシンガーと
して活躍しますが、個人的にはこの頭の
ネジが3本ぐらいブッ飛んだPrince
Mohammedの頃の方が数10倍好きです。
いくら明るいレゲエの世界とはいえ、これ
だけハジけたディージェイはそうそうは
居ません(笑)。

ちょっと話が横道にそれましたが、今回の
アルバムの「Money In My Pocket」は
Prince Mohammedは参加したディスク・
ミックス・ヴァージョンではありません
が、Dennis Brown単独でもそのポジティヴ
なリズムとヴォーカルは、充分に人を揺さ
ぶる魅力があります。

音楽愛に溢れたErrol Thompsonのミックス
とDennis Brownのヴォーカルというタッグ
はかなり強力で、それだけで心をすごく
ホットにする充分な説得力があるんです
ね。
この「Money In My Pocket」だけでなく、
「So Jah Say」や表題曲の「Words Of
Wisdom」、こちらもヒット曲の「Should
I」、Alton Ellisのカヴァー曲「Ain't
That Lovin' You」、「Cassandra」、
Dennis Walksのカヴァー曲「Drifter」
など、どの曲もこの強力なタッグが生み
出す、深い音楽愛の込められた楽曲と
なっています。

Side 1の1曲目は「So Jah Say」です。
ホーン・セクションとキーボードの
メロディに、Dennis Brownの感情を乗せた
流れるようなヴォーカルがイイ感じの曲
です。

Dennis Brown - So Jah Say


2曲目は「Don't Feel No Way」です。
トロンボーンのイントロから、刻むような
性急なギターのメロディに、ノリの良い
Dennis Brownの気持ちを乗せたヴォーカル
がイイ感じ。

DENNIS BROWN - Dont Feel No Way (HQ Version)


3曲目は表題曲の「Words Of Wisdom」
です。
甲高いキーボードと歯切れの良いギターの
メロディ、語るようなDennis Brownの
ヴォーカルが魅力的。

Dennis Brown--Words of Wisdom


4曲目は「Should I」です。
この曲もDennis Brownのヒット曲として
知られている曲のようです。
ちょっと請求でリリカルなピアノとギター
のメロディに、語り出すようなDennis
Brownのヴォーカルがとても説得力があり
魅力的です。

Should I


5曲目は「A True」です。
情感のあるフルートと刻むようなギターを
中心としたメロディに、表情豊かなDennis
Brownのヴォーカルがイイ感じ。

Dennis Brown--A True


6曲目は「Ain't That Lovin' You」です。
Alton Ellisのヒット曲のカヴァーです。
明るいホーンと刻むようなギターの
メロディ、思い切り感情を乗せたDennis
Brownのエモーショナルなヴォーカルが
とてもイイ感じの曲です。

Ain't That Loving You


Side 2の1曲目は「Cassandra」です。
キーボードとギターを中心としたノリの
良いメロディに、Dennis Brownの強弱を
心得たナイスなヴォーカルがイイ感じ。
Niney The Observerの元でのヒット曲の
焼き直しのようですが、さらに進化した
ヴォーカルが魅力的。

Cassandra


2曲目は「Love Jah」です。
キーボードを刻むようなギターを中心と
したちょっと哀愁のあるメロディに、感情
を込めたDennis Brownの語るような
ヴォーカルが印象的。

Dennis Brown- Love Jah [Words of Wisdom]


3曲目は「Black Liberation」です。
刻むようなギターとキーボードのメロディ
に、感情をうまく乗せたDennis Brownの
ヴォーカルがイイ感じ。

DENNIS BROWN - Black Liberation (HQ Version)


4曲目は「Rasta Children」です。
華やかなホーンのイントロから、刻むよう
なギターにホーン、心地良い
パーカッションの演奏、Dennis Brownの
感情をうまく乗せたヴォーカルがイイ感じ。

Dennis Brown - Rasta Children (14th LP B4)


5曲目は「Drifter」です。
Moodiscで活躍したDennis Walksのヒット
曲のカヴァーです。
歯切れの良いドラミングに、漂うような
キーボードとギター、ピアノのメロディ、
感情を乗せたDennis Brownのヴォーカル。

DENNIS BROWN - DRIFTER


6曲目は「Money In My Pocket」です。
「愛はポケットのお金じゃ買えない」と
歌う、彼の最大のヒット曲です。
歯切れの良いドラミングに、漂うような
キーボードのメロディ、感情を乗せた
Dennis Brownのヴォーカルがとても魅力
的。

Money In My Pocket - Dennis Brown (1978 version) (official audio)


ざっと追いかけて来ましたが、この
アルバムがレゲエを代表するヴォーカ
リストDennis Brownのアルバムの中でも、
特に聴いておくべきアルバムのひとつで
ある事は間違いがありません。
Dennis BrownとミキサーのErrol Thompson
とのコラボレーションは、間違いなく彼
Dennis Brownのキャリアの頂点のひとつ
ともいえる魅力を作り上げています。

機会があればぜひ聴いてみてください。

So Jah say - Dennis Brown Live At Montreux [Videoclip HQ Audio]


Dennis brown- should i (Live )



○アーティスト: Dennis Brown
○アルバム: Words Of Wisdom
○レーベル: VP Records
○フォーマット: LP
○オリジナル・アルバム制作年: 1979

○Dennis Brown「Words Of Wisdom」曲目
Side 1
1. So Jah Say
2. Don't Feel No Way
3. Words Of Wisdom
4. Should I
5. A True
6. Ain't That Lovin' You
Side 2
1. Cassandra
2. Love Jah
3. Black Liberation
4. Rasta Children
5. Drifter
6. Money In My Pocket

●今までアップしたDennis Brown関連の記事
〇Dennis Brown「Brown Sugar」
〇Dennis Brown「If I Follow My Heart」
〇Dennis Brown「Joseph's Coat Of Many Colours」
〇Dennis Brown「Just Dennis」
〇Dennis Brown「Love & Hate: The Best Of Dennis Brown」
〇Dennis Brown「Super Reggae & Soul Hits」
〇Dennis Brown「The General」
〇Dennis Brown「Tribulation Times」
〇Dennis Brown「Wolf & Leopards」
〇Dennis Brown「A Little Bit More: Joe Gibbs 12" Selection 1978-83」
〇Derrick Harriott, Dennis Brown, Rudy Mills「Reggae Golden Classics」
〇King Jammy, Dennis Brown, Various「King Jammy Presents Dennis Brown: Tracks Of Life」