今回はKing Tubby's And The AgrovatorsとDelroy Wilsonのアルバム

aggrovators_13a

「Dubbing In The Back Yard / (Go Away Dream)」です。

King Tubby(本名:Osbourne Ruddock)は
70年代のルーツ・レゲエの時代から活躍
するダブのミキサーでありプロデューサー
として知られている人です。
もともと電気技師だった彼は、ルーツ・
レゲエの時代からミキサーとして活躍し、
ダブの創成期からダブを作った人として
知られています。

ダブはルーツ・レゲエが誕生した70年代
初め頃から徐々に作られるようになるのです
が、1973年に一斉にダブのアルバムが
作られた事から一気にひとつのジャンルと
して確立した音楽で、エコーやリバーヴなど
のエフェクトなどを使用して原曲を全く別の
曲に作り変えてしまう手法を指します。

ダブ - Wikipedia

リミックスの元祖とも言われる音楽で、誰が
初めのダブを考案したかかはハッキリとは
解っていないのですが、このKing Tubbyが
ダブという音楽を完成させたと言われてい
ます。
自身のスタジオKing Tubby'sで、助手の
Prince JammyやScientistなどとともに
70年代から80年代にかけて多くのダブの
ミックスを手掛けたのが、このKing Tubby
という人なんですね。

その後も活躍を続けたKing Tubbyでしたが、
1989年に自宅前で何者かに射殺されて
亡くなっています。

アーティスト特集 King Tubby (キング・タビー)

今回のアルバムではKKing Tubbyではなく
「King Tubby's」となっていますが、
King Tubby'sという場合には彼本人では
なく、彼のスタジオKing Tubby's Studio
や、彼本人でないかもしれないがその
スタジオKing Tubby'sで作られた音楽を
指します。
今回のアルバムの場合でいうと、この
アルバムをミックスしたのはKing Tubby
本人ではなく、King Tubby's Studioで
ミキサーとして働いていたPrince Jammy
がミックスしているんですね。
なのでPrince Jammyについても説明して
おきます。

Prince Jammy(本名:Lloyd James)は
ダブ・マスターKing Tubbyの元でミキサー
として仕事をした後に独立し、プロデュー
サーとして成功した人です。
85年にジャマイカ初のデジタル機材を
使った大ヒット曲Wayne Smithの
「Under Me Sleng Teng」で、デジタルの
ダンスホール・レゲエ、コンピューター・
ライズドの大ブームを起こすんですね。

wayne_smith_01a
Wayne Smith - Under Me Sleng Teng (1985)

それを機にPrince Jammy→King Jammyに
改名し、今までの生演奏の録音から
デジタルによる「打ち込み」の録音へと
ジャマイカの音楽界全体を変えてしまった
プロデュサーとして知られています。

ネットのDiscogsによると、Prince Jammy
名義で共演盤を含めて22枚ぐらいの
アルバムと、10枚ぐらいのシングル盤、
King Jammy名義で9枚ぐらいのアルバム
と、7枚ぐらいのシングル盤を残していま
す。

Prince Jammy (プリンス・ジャミー)

The Aggrovatorsは70年代のルーツ・
レゲエの時代に、プロデューサーの
Bunny Leeのハウス・バンドとして活躍
したセッション・バンドです。
ドラマーのSly DunbarやベースのRobbie
Shakespeareなどが参加したグループで、
数々の歌手のバック・バンドとして活躍
したほか、King Tubbyなどのミックスに
よるホーンを中心とした素晴らしいダブを
多く残しています。

ネットのDiscogsによると共演盤を含めた
20枚ぐらいのアルバムと、211枚
ぐらいのシングル盤を残しています。

レーベル特集 Striker Lee/Lee's/Jackpot/Justice(ストライカー・リー/リーズ/ジャックポット/ジャスティス)

The Aggrovators - Wikipedia

ボーナスCDに収められたDelroy Wilson
についても説明しておきます。

Delroy Wilson(本名:Delroy George
Wilson)はスカの時代から活躍する
名シンガーです。
13歳という若さでStudio Oneから
デビューした彼はスカ→ロックステディ→
レゲエとその後も活躍を続け、素晴らしい
楽曲を残し続けて来たシンガーとして知ら
れています。

1995年に肝硬変からの合併症で亡く
なっています。

ネットのDiscogsによると共演盤を含めて
40枚ぐらいのアルバムと、538枚
ぐらいのシングル盤を残しています。

アーティスト特集 Delroy Wilson (デルロイ・ウィルソン)

今回のアルバムは1982年にUKの
Black Musicからリリースされた2枚の
アルバムKing Tubby's And The
Agrovatorsの「Dubbing In The Back
Yard」と、Delroy Wilsonの「Go Away
Dream」をCD2枚組のセットにした
アルバムです。
2017年にレゲエ・リイシュー・
レーベルPressure Soundsからリイシュー
されたアルバムです。
(Delroy WilsonのCDの方は、ボーナス
CDという扱いになっています。)

ダブ・アルバム「Dubbing In The Back
Yard」はプロデュースが、Bunny Lee
で、バックは彼のハウス・バンド
The Aggrovators(実際にはギターの
Earl 'Chinna' Smithをリーダーとする
High Times Band)、ダブのミックスを
King Tubby'sに在籍していた頃の
Prince Jammyが担当したアルバムで、
この80年代前半にScientistと共に
ダブのミキサーとして大活躍していた、
Prince Jammyの歯切れの良いミックスが
冴えるアルバムとなっています。

またボーナスCDとして同時にリイシュー
されたDelroy Wilsonの「Go Away Dream」
は、今回のダブ・アルバムにも何曲か使わ
れているようですが、スカの時代の曲
「Spit In The Sky」や、ロックステディ
の時代の曲「I Want To Love You」や
「Won't You Come Home」の再演、表題曲
の「Go Away Dream」など、スカの時代から
活躍し、あのDennis Brownを育てたと言わ
れる彼の、心に沁みる名唱が楽しめる
アルバムとなっています。

手に入れたのはPressure Soundsから
リイシューされたCD(新盤)でした。
手に入れたのは日本盤で、付いていた帯
には次のように書かれていました。

「1982年リリースの名盤2枚を
〈Pressure Sounds〉が2枚セットで
待望の復刻!ボーナストラックを計5曲
追加収録し初リイシュー!初CD化!」

「1982年にUK〈Black Music〉から
リリースされた名盤2枚を〈Pressure
Sounds〉が2枚組セットで初リイシュー!
Bunny Leeがプロデュースしたこの2作
は、当時ジャマイカにおける最もヘヴィー
なミキシング・ハウスとして知られた
スタジオKing Tubby'sの黄金時代に録ら
れ、独立前夜のPrince JammyがKing
Tubby'sで最後に手掛けたジャマイカ音楽
史に名を刻む名作。DISC1はCornell
Campbell、Jackie Edwards、Johnny Clarke
のチューンをPrince Jammyがタイトで
ヘヴィーなダブ作品にミックス。Delroy
Wilsonの『Go Away Dream』からの3曲の
ダブも収録。
DISC2は13歳でデビューし、30代中盤
でジャマイカ音楽シーンを束ね、Dennis
Brownの先生としても知られるビッグスター
Delroy Wilsonの知る人ぞ知る名盤。自身
の〈Studio One〉からのヒット曲をアップ
デートした『Spit In The Sky』も収録。
合計5曲のボーナス・トラックを追加
収録。」

Disc 1は全13曲で収録時間は47分
48秒。
82年のKing Tubby's And The
Agrovatorsの「Dubbing In The Back
Yard」の10曲と、ボーナス・トラック
としてThe Agrovatorsのダブ3曲、
計13曲が収められています。

Disc 2は全14曲で収録時間は54分
58秒。
ボーナスCDという扱いになっています
が、82年のDelroy Wilsonのアルバム
「Go Away Dream」の全12曲と、
ボーナス・トラックとしてDelroy Wilson
とディージェイのLord Sassafrostの12
インチ・ディスコ・ミックスのトラックが
2曲の計14曲が収められています。

ミュージシャンについては以下の記述が
あります。

Musicians include:
Drums: Carlton 'Santa' Davis, Lowell 'Sly' Dunbar, Anthony 'Benbow' Creary
Bass: Robbie Shakespeare, Aston 'Family Man' Barrett, Chris Meredith
Guitar: Earl 'Chinna' Smith, Willie Lindo
Keyboards: Jackie Mittoo, Winston Wright, Keith Sterling, Robbie Lyn, Tony Asher
Percussion: Noel 'Skully' Simms, Uziah 'Stecky' Thompson
Recorded at: Channel One Studio
Recording Engineer: Anthony 'Crucial Bunny' Graham
Mixed at King Tubby's Studio
Mixing Engineer: Prince Jammy

Mastering: Dave Blackman at Hiltongrove
Sound Restoration: Andy Le Vien
Delroy Wilson in Jamaica photos by Howard Johnson
Artwork Restration: Teflon aka John Sims
Special thanks to Bunny 'Striker' Lee, 'Little Striker' Lee, Howard Johnson
Produced by and under license from Bunny 'Striker' Lee
Album Coodination: Pete Holdsworth

となっています。

参加したミュージシャンはドラムに
Carlton 'Santa' DavisとLowell 'Sly'
Dunbar、Anthony 'Benbow' Creary、
ベースにRobbie ShakespeareとAston
'Family Man' Barrett、Chris Meredith、
ギターにEarl 'Chinna' SmithとWillie
Lindo、キーボードにJackie Mittooと
Winston Wright、Keith Sterling、
Robbie Lyn、Tony Asher、パーカッション
にNoel 'Skully' SimmsとUziah 'Stecky'
Thompsonとなっています。
後述しますが実は今回のレコーディングは
The Aggrovatorsではなく、実際には
ギターのEarl 'Chinna' Smithをリーダー
とするHigh Times Bandが行っているんだ
そうです。

バックの録音はChannel One Studioで行わ
れ、レコーディング・エンジニアは
Anthony 'Crucial Bunny' Grahamが担当
し、ミックス・スタジオはKing Tubby's
Studioで、ミックス・エンジニアは
Prince Jammyが担当しています。

Delroy Wilsonのジャケット写真は
Howard Johnsonで、今回のアルバムの為の
アート・ワークの作り直しはTeflon
(別名:John Sims)で、アルバムの
プロデュースとライセンスはBunny
'Striker' Leeとなっています。
アルバムは3つ折りの紙ジャケとなって
おり、表ジャケはKing Tubby's And
The Agrovatorsのオリジナル・ジャケと
思われる3人の男性が寝転ぶ写真、
内側のジャケットにDelroy Wilsonの元
ジャケと思われる車のボンネットに
Delroy Wilsonが腰かける写真が使われて
います。

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裏ジャケ

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アルバム内ジャケ(Delroy Wilson)

今回のアルバムでは他に8ページの英文の
ライナー・ノーツと写真、曲目とDiggory
Kenrickという方の日本語の解説文(訳:
原口美穂)が書かれた、4つ折りの紙が
入っていました。

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ライナー・ノーツ(英文)

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ライナー・ノーツ写真

さて今回のアルバムですが、Prince Jammy
のダブ・アルバムも、Delroy Wilsonの
ヴォーカル・アルバムもどちらも出来が
素晴らしく内容はとても良いと思います。

まず両方のアルバムに共通している事です
が、今回のアルバムはバックの演奏は実は
The Agrovatorsではなく、大半の録音が
High Times Bandが行っているという事が
Diggory Kenrickという方の解説文に書か
れています。
しかも「彼らの名前はオリジナルの
スリーヴにはクレジットされなかった」ん
だとか。
実際にネットのDiscogsのオリジナルの
LPの記述を見ると、Anthony 'Benbow'
CrearyやChris Meredith、Tony Asher
といった名前が抜けているようなんです
ね。

さらに解説文の和訳にはBunny Leeの言葉
として、次のような記述があります。

「『Go Away Dream』という曲のドラムは
Benbowで、彼のフルネームはBasil
Creary。そしてベースは、Chinna(Earl
'Chinna' Smith)がイギリスから連れて
来た小さい若造、Chris Meredith。Chinna
は作品の殆どでプレイしていて、ドラムの
一部はBenbowとSanta(Carlton 'Santa'
Davis)がプレイしている。スタイルは
違っていてよりスローで、より飛び散る
ようなドラムだったね。そして、Jammyが
それらを力強くミックスした。殆どが
『Dubbing In The Back Yard』と同じ
ミュージシャンたちで、あのトラックの
ミックスもJammyが手掛けているんだ。彼
はサウンド全体をよりタイトでヘビーに
してくれた。あれは最高だったな!」

この記述から見て、今回のアルバムは
バックがHigh Times Bandで、ギターに
Chinna、ドラムにBenbowかSanta、ベース
にChris Meredith、そしてキーボードは
おそらくTony Asherという布陣で録音され
たアルバムのようです。

なぜLowell 'Sly' DunbarやRobbie
Shakespeareなどの名前がクレジットされ
たのかは、書かれていないのでよく解りま
せん。
Bunny Leeが彼らの方が知名度があり、
売れると判断したのでしょうか?

ちなみに今回の解説文には、Bunny Leeが
当時人気だったバック・バンドRoots
Radicsがあまり気に入らず、ベースの
Errol 'Flabba' Holtに至っては、たった
1回のセッションでクビにした事が書かれ
ています。
その理由をBunny Leeは、「アイツは音が
合わせられない」からと語っているそう
です。
当時人気だったRoots Radicsですが、
Bunny Leeにとってはあまりそのサウンド
が気に入らないバンドだったんですね。

さてまずはPrince Jammyのミックスした
ダブ・アルバム「Dubbing In The Back
Yard」ですが、Bunny Leeも語っている
ように切れ味のあるミックスが素晴らしい
アルバムで、Prince Jammyの作ったダブ
の中でも特に素晴らしい出来のアルバムの
ひとつなんじゃないかと思います。

この80年代頃になるとレゲエのサウンド
も、それまでのホーンなどを織り込んだ
華やかなサウンドから、重いベースと
ワン・ドロップのドラミングを中心とした
スローでタイトなサウンドへと変わって
行くんですね。
そのサウンドの変化に伴ってダブという
音楽も、華やかなホーン・ダブから、
ベースを軸としたシンプルなダブへと
音作りも変化して行くんですね。

もともとダブは「楽曲のリズムを強調して
ミキシングし、エコーやリバーブなどの
エフェクトを過剰に施すことで、原曲とは
全く別の作品に作り変えてしまう」手法の
音楽の事を言います。
60年代の終わり頃からジャマイカで作り
始められた音楽ですが、73年にいくつか
のダブ・アルバムが一斉にリリースされた
事で、レゲエの音楽ジャンルのひとつと
して確立した音楽なんですね。

ダブ - Wikipedia

そのダブの先駆者のひとりがKing Tubby
で、彼は自分のスタジオKing Tubby'sを
作り、そこで歌手の声入れやミックス、
さらにダブのミックスを請け負ったんです
ね。
ちなみに彼のスタジオは小さいスタジオ
で、楽器の演奏などは出来なかったよう
です。
その分声入れなどに適した、性能の良い
マイクが設置してあったんだとか。
なのでバックの演奏はChannel Oneなどの
スタジオで行い、声入れとミックス、さら
にはダブのミックスをKing Tubby'sで行う
という「分業システム」が、70年代半ば
にはジャマイカの音楽界には完成していた
んですね。

そうしてダブ・ミキサーとして活躍して
いたKing Tubbyですが、80年代に入ると
ミックスを彼の助手だったPrince Jammyや
Scientist達に任せ、自分は前にしていた
電気技師としての仕事に専念するように
なります。
そうした事もあって80年だ以前はKing
Tubbyのダブ・アルバムの制作はほとんど
なく、代わりにPrince JammyやScientist
のダブ・アルバムやミックスが、
ジャマイカの音楽界を席巻するんですね。

こうしたシンプルな楽器編成になった事
で音の変化が付けづらく、ダブという音楽
はその後ジャマイカでは徐々に廃れて行く
事になるのですが、この80年代前半は
新しい音楽のダンスホール・レゲエが誕生
した事もあり、こうしたPrince Jammyや
Scientistといった新しい才能のダブが
量産される事となります。
今回のダブ・アルバムは、そうしたKing
になる以前のPrince Jammyの作品のひとつ
で、今の時代に聴いてもその出来に唸る
ほどよく出来たアルバムだと思います。

ひとつ残念なのが、このアルバムが
Prince JammyがKing Tubby'sで作った最後
のアルバムとなってしまった事です。
ライナーに書かれている文章によると、
Prince JammyがKing Tubbyに断らずに仕事
を請け負って、勝手にダブプレートを
作っていた事をKing Tubbyが知り、
スタジオの鍵を取り替えてPrince Jammyが
入れないようにしてしまったんだそう
です。
2人の名ミキサーの関係が、こうした事で
終わってしまったのは、ちょっと残念な事
です。

今回はボーナスCDという扱いですが、
Delroy Wilsonの「Go Away Dream」という
アルバムはとても素晴らしいアルバム
です。

今回久しぶりに聴き返してみたのですが、
流し聴きしていただけなのにそれでも胸が
ドキドキしてしまうほど、Delroy Wilson
のヴォーカルには説得力があります。
かれはあのDennis Brownの唄の師匠として
も知られていますが、彼の歌にはもはや歌
のウマいヘタを超えた何とも言えない力が
あるんですね。
この域まで達したヴォーカリストは、
おそらくDennis Brownぐらいしか居ないん
じゃないかと思います。
これがボーナスCDというのは、むしろ
もったいないと思えるほどの好内容です。

実は曲の多くは昔彼が歌った曲のセルフ・
カヴァーなんですね。

1曲目の「Spit In The Sky」はスカの
時代の63年のセルフ・カヴァーです。

delroy wilson - spit in the sky (ND records 1964)


スカの時代のヴァージョンだと、まだ彼が
少年だった時代の録音だと思われ少し若さ
を感じますが、今回のヴァージョンだと
ベテランとなった彼の余裕を持った大人の
歌いぶりが魅力です。

他に5曲目の「I Want To Love You」は
68年、8曲目の「Won't You Come Home」
は年代はUnknown(年代不詳)で特定出来
なかったものの、録音がStudio Oneで
バックがSoul Vendorsという、明らかに
ロックステディの時代の曲なんですね。

Delroy Wilson - I Want To Love You


Delroy Wilson - Won't You Come Home


他にも70年後半の曲なども収められて
いるようです。
そうした過去の曲のセルフ・カヴァー
でも、このDelroy Wilsonが歌えば
けっこう気にせずに聴けてしまうところが
あります。
彼のヴォーカルには何とも言えない力が
あるんですね。

単なるオマケと考えずに。こちらの
アルバムもジックリと聴き込んでもらい
たい内容だと思います。

Disc 1にはKing Tubby's And The
Agrovatorsの82年のダブ・アルバム
「Dubbing In The Back Yard」の10曲
と、ボーナス・トラック3曲の、計13曲
が収められています。

Disc 1の1曲目は「Relaxing Mood」です。
スローなワン・ドロップのドラミングに、
ベースとリリカルなピアノのメロディの
ダブです。
エフェクトもうまく仕込んだPrince Jammy
のミックスがイイ感じ。

King Tubby & The Aggrovators - Relaxing Mood


2曲目は「Adventure」です。
ドンシャリの効いたドラミングに、ドスの
効いたベースとギターを中心としたダブ
です。
Prince Jammyのツボを心得たミックスが
光ります。

The Aggrovators and Prince Jammy - Adventure


3曲目は「Summers Eve」です。
ギターとドスの効いたベースを中心とした
ダブ。
この時代らしいビタビタとしたワン・
ドロップのドラミングも印象的です。

4曲目は「Warm Weather」です。
ギターのメロディに、ワン・ドロップの
ドラミング、重低音のベースのメロディ、
エフェクトの効いたダブ。

5曲目は「Easy Mood」です。
印象的な刻むようなギターとピアノの
メロディに、重低音のベースを軸とした
ダブです。

6曲目は「Natural Glow」です。
ギターとドスの効いたベースを中心とした
メロディに、ドスンと落ちるワン・
ドロップのドラミングがイイ感じのダブ
です。

The Agrovators - Natural Glow


7曲目は「Plantation Run」です。
スローなワンドロップのリズムに、心地
良いギターと重低音のベースのメロディの
ダブです。
ソリッドで歯切れの良いPrince Jammyの
ミックスがとても魅力的。

8曲目は「Hot Weather」です。
刻むようなギターとピアノ、重いベースの
メロディに、この時代らしいワン・
ドロップのドラミングが印象的。

Prince Jammy - Hot Weather - King Tubbys - 1982


9曲目は「Mountain Rains」です。
ユラユラとしたギターと重低音のベース、
キーボードを軸としたダブです。
エコーの効いたドラミングがダブ感を強く
しています。

10曲目は「Hideaway」です。
ピアノとキーボード、重低音のベースを
中心とした、ワン・ドロップのダブです。
イイ感じのパーカッションも魅力。

ここまでがオリジナルで、残りの3曲は
CDボーナス・トラックです。
ここまでは重低音のベースを軸とした渋め
のダブですが、残りの3曲はもう少し派手
目で少し印象が違います。
例えばです。
12曲目は「Dub Them Under Manners」は
やはりベースを軸としているものの、
ホーンが入ったダブでもう少しカラフルな
印象です。
ここでは説明を省略します。

Disc 2はDelroy Wilsonの82年の
アルバム「Go Away Dream」の楽曲12曲
と、Delroy Wilsonとディージェイの
Lord Sassafrostの12インチ・ミックス
曲2曲の、計14曲が収められています。
実は正直に言うと、このアルバムが欲しく
て、この2in1のアルバムを買ったような
ところがありました(笑)。

Disc 2の1曲目は「Spit In The Sky」
です。
書いたように63年の自身のスカのヒット
曲のセルフ・カヴァーです。
口笛のようなエフェクトと、ギターと重い
ベース、ピアノを中心としたワン・
ドロップのメロディに、ジックリと歌い
込むようなDelroy Wilsonのヴォーカルが
ホットな曲です。

Spit In The Sky - Original


2曲目は「When She Was My Girl」です。
刻むようなギターと重いベース、ピアノの
ユッタリとしたメロディに、Delroy Wilson
の感情をうまく乗せたヴォーカルが魅力的
な曲です。

Delroy Wilson, when she was my girl( Four Tops Classic ) Reggae wmv


原曲はソウル・グループThe Four Topsの
81年のヒット曲のようです。

The Four Tops - "When She Was My Girl" Live - 'Fridays' (1981)


原曲にも劣らないソウルフルな歌唱が
シビレる曲です。

3曲目は「No More Heartaches」です。
The Agrovatorsのアルバムの8曲目「Hot
Weather」がこの曲のダブのようです。
軽快なギターに重量感のあるベースの
メロディ、ワン・ドロップのドラミングに
乗せた、ソフトで艶のあるDelroy Wilson
のヴォーカルがとても魅力的な曲です。
ダブと比較してみるのも面白いところ。

Delroy Wilson ~ No More Heartaches


4曲目は「Golden Touch」です。
重いベースとキーボード、ピアノの
メロディに、伸びやかで力強いDelroy
Wilsonのヴォーカルがグッと来る曲です。

Delroy Wilson ~ Golden Touch


5曲目は「I Want To Love You」です。
書いたように、彼の68年のヒット曲の
セルフ・カヴァーです。
ギターと重いベースを軸としたワン・
ドロップに、伸びやかなDelroy Wilson
のヴォーカルがすごく魅力的な曲です。
ロックステディの時代とアーリー・ダンス
ホールの時代の、バックのサウンドの違い
を比較してみると、同じスローなリズム
でもずいぶんイメージが違うのがとても
面白いところです。

Delroy Wilson - I Want To Love You


6曲目は「Silhouette Silhouette」
です。
Dennis Brownのヒット曲「Silhouettes」
のカヴァーです。
泣きのギターのワン・ドロップに、
Delroy Wilsonの伸びやかなヴォーカルが
イイ感じ。

delroy wilson silhouette


7曲目は表題曲の「Go Away Dream」
です。
ギターと重いベース、ピアノを中心とした
メロディに、叩きつけるような印象的な
ワン・ドロップのドラミング、ソフトで
力強いDelroy Wilsonのナイスな
ヴォーカルがこの曲を盛り上げています。

Delroy Wilson - Go away dream


8曲目は「Won't You Come Home」です。
書いたように年代はハッキリしませんが、
こちらも自身のロックステディの時代の
ヒット曲のセルフ・カヴァーです。
オリジナルのStudio One盤は、Ken Boothe
とのコンビネーション・ヴァージョンも
あるようです。
ギターとキーボード、重いベースの
メロディに、コーラス・ワークに乗せた
Delroy Wilsonのソフトなヴォーカルが
イイ感じ。

Delroy Wilson - Won't You Come Home


9曲目は「Baby Here I Am」です。
ギターとリリカルなピアノ、重厚感のある
ベースを中心としたメロディに、印象的な
ワン・ドロップのドラミング、優しく力
強いDelroy Wilsonのヴォーカルが味わい
深い曲です。

Baby Here I Am - Original


10曲目は「I Can't Take You Back」
です。
ギターとベース、ピアノを軸としたワン・
ドロップのメロディに、伸びやかな
Delroy Wilsonのヴォーカルが冴える曲
です。

11曲目は「Let's Not Fight Anymore」
です。
重いベースにピアノ、ギターのメロディ
に、力強いワン・ドロップのドラミング、
Delroy Wilsonのナイスなヴォーカル。

Let's Not Fight It Anymore - Original


12曲目は「If You Stand By Me」です。
ギターと重いベースの明るいメロディに、
Delroy Wilsonの力強いヴォーカルが冴え
る曲です。

Stand By Me Girl - Original


ここまでがオリジナルで、残りの2曲は
前半がDelroy Wilsonの歌、後半がLord
Sassafrostのディージェイの、12
インチ・ディスコ・ミックスの楽曲が
収められています。

Black Music BM 705A Delroy Wilson & Lord Sassafrost No More Heartaches


ざっと追いかけて来ましたが、どちらの
アルバムもとても出来が良く、このスロー
なワン・ドロップのリズムが流行した
80年代前半のアーリー・ダンスホールの
時代の空気感をよく反映しています。

Prince Jammyはこの後King Tubby'sから
独立し、さらなるデジタル・レゲエの世界
を構築し、文字通り帝王King Jammyと
して、新しいレゲエの世界をけん引して
行くんですね。

一方のDelroy Wilsonは常にレゲエの
トップ・シンガーとして輝き続け、レゲエ
の歴史上の最高のシンガーのひとりとして
名前を刻む事になります。

そしてこれらのアルバムは今やレゲエの
記憶となりましたが、今の時代に聴いても
その輝きは失われていません。

機会があればぜひ聴いてみてください。

DELROY WILSON live @ ROCK STEADY REUNION INNA 1992


Delroy Wilson - Dancing Mood


Delroy Wilson Rain From The Sky Live 1985 Inner City Dancehall Reggae



○アーティスト: King Tubby's And The Agrovators, (Delroy Wilson)
○アルバム: Dubbing In The Back Yard / (Go Away Dream)
○レーベル: Pressure Sounds
○フォーマット: CDX2
○オリジナル・アルバム制作年: 1982, 1982

○King Tubby's And The Agrovators, (Delroy Wilson)
「Dubbing In The Back Yard / (Go Away Dream)」曲目

Disc 1: King Tubby's And The Agrovators - Dubbing In The Back Yard
1. Relaxing Mood
2. Adventure
3. Summers Eve
4. Warm Weather
5. Easy Mood
6. Natural Glow
7. Plantation Run
8. Hot Weather
9. Mountain Rains
10. Hideaway
(CD Bonus Tracks)
11. Dubbing In The Ghetto
12. Dub Them Under Manners
13. Majestic Dub Stylee

Disc 2: Delroy Wilson - Go Away Dream (Bonus CD)
1. Spit In The Sky
2. When She Was My Girl
3. No More Heartaches
4. Golden Touch
5. I Want To Love You
6. Silhouette Silhouette
7. Go Away Dream
8. Won't You Come Home
9. Baby Here I Am
10. I Can't Take You Back
11. Let's Not Fight Anymore
12. If You Stand By Me
(CD Bonus Tracks)
13. No More Heartaches 12" Mix - Delroy Wilson & Lord Sassafrost
14. The One Who Loves You 12" Mix - Delroy Wilson & Lord Sassafrost

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〇Delroy Wilson「Sarge」
〇Delroy Wilson「The Best Of Delroy Wilson: Original Twelve」
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〇Aggrovators, Revolutionaries「Guerilla Dub」
〇Aggrovators「Dubbing At King Tubby's」
〇Aggrovators「Kaya Dub」
〇Aggrovators「Rasta Dub '76」
〇Agrovators, Revolutionaries「Agrovators Meets The Revolutionaries At Channel 1 Studios」
〇Tommy McCook & The Agrovators「King Tubby Meets The Agrovators At Dub Station」
〇Tommy McCook and The Agrovators「Cookin'」
〇Various (The Aggrovators)「Jackpot Dub: Rare Dubs From Jackpot Records 1974-1976」
〇Bunny Lee & King Tubby Present Tommy McCook And The Aggravators「Brass Rockers」
●今までアップしたKing Tubby関連の記事
〇King Tubby & Friends「Dub Gone Crazy: The Evolution Of Dub At King Tubby's 1975-1979」
〇King Tubby & Soul Syndicate「Freedom Sounds In Dub」
〇King Tubby & Friends「Dub Like Dirt 1975-1977」
〇King Tubby & Prince Jammy「Dub Gone 2 Crazy: In Fine Style 1975-1979」
〇King Tubby And The Aggrovators「Shalom Dub」
〇King Tubby, Scientist「Ranking Dread In Dub」
〇King Tubby, Errol Thompson「The Black Foundation In Dub」
〇King Tubby「100% Of Dub」
〇King Tubby「Dangerous Dub: King Tubby Meets Roots Radics」
〇King Tubby「Dub From The Roots」
〇King Tubby「Fatman Presents: Unleashed Dub Vol.1」
〇King Tubby「King Of Dub」
〇King Tubby「King Tubby Presents The Roots Of Dub」
〇King Tubby「King Tubbys Presents Soundclash Dubplate Style Part 2」
〇King Tubby「Rocker's Almighty Dub」
〇King Tubby「The Fatman Tapes」
〇King Tubby「The Sound Of Channel One: King Tubby Connection」
〇King Tubby's (Scientist)「King Tubby's Answer The Dub」
〇King Tubby's「African Love Dub 1974-1979」
〇King Tubby's「King Tubby's Present Two Big Bull In A One Pen Dubwise」
〇Augustus Pablo「King Tubbys Meets Rockers Uptown (Deluxe Edition)」
〇Augustus Pablo「Rockers Meets King Tubbys In A Fire House」
〇Prince Jammy VS King Tubbys「His Majestys Dub」
〇Tommy McCook & The Agrovators「King Tubby Meets The Agrovators At Dub Station」
〇African Brothers, King Tubby「The African Brothers Meet King Tubby In Dub」
〇Aggrovators「Dubbing At King Tubby's」
〇Bunny Lee & King Tubby Present Tommy McCook And The Aggravators「Brass Rockers」
〇Various (King Tubby & Clancy Eceles All Stars)「Sound System International Dub LP」
〇Various「Firehouse Revolution: King Tubby's Productions In The Digital Era 1985-89」
〇Various「King Tubbys Presents Soundclash Dubplate Style」
〇Various「Once Upon A Time At King Tubbys」
〇Augustus Pablo「Ital Dub」