今回はAlborosieのアルバム

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「2 Times Revolution」です。

Alborosie(本名:Alberto D'Ascola)は
イタリア・シチリア等出身のシンガーで
あり、プロデューサーである人です。

もともとはイタリアでレゲエ・バンド
Reggae National Ticketsの一員として
活躍していた彼ですが、その情熱から
ジャマイカに移住することを決意し、
すべてを捨ててジャマイカでシンガーや
プロデューサーとして活動を始めるんです
ね。
その努力がジャマイカの人々にも認め
られ、彼はジャマイカでも人気シンガー、
プロデューサーとして今も精力的に活動を
続けています。

ネットのDiscogsによると、共演盤を含め
て14枚ぐらいのアルバムと、56枚
ぐらいのシングル盤をリリースしているの
が、このAlborosieという人です。

アーティスト特集 Alborosie (アルボロジー)

今回のアルバムは2011年にUSの
Greensleeves Recordsからリリースされた
Alborosieのソロアルバムです。

プロデュースはAlborosie本人とClifton
'Specialist' Dillonで、「Rolling Like
A Rock」や、Jr. Reidの「One Blood」を
使った本人との共演曲「Respect」、Etana
との共演曲「You Make Me Feel Good」
など、70年代のレゲエを愛する彼なら
ではの楽曲が目一杯に詰まった、好内容の
アルバムに仕上がっています。

手に入れたのはGreensleeves Recordsから
リリースされたCD(新盤)でした。

全15曲で収録時間は55分45秒。

詳細なミュージシャンの表記はありません
が、プロデューサーやジャケット・
デザインなどの記述があります。
それを写してみると、

AllTracks Produced by Alborosie D'Ascola & Clifton 'Specialist' Dillon
except track 9 - Produced by Alborosie D'Ascola, Clifton 'Specialist' Dillon & King Jammys
Executive Producers: Alborosie D'Ascola & Clifton 'Specialist' Dillon

A&R: Olivier Chastan
Mastered by Kevin Metcalfe & Frienchie at The Soundmasters, London
Photography: Matteo Armellini
The custom guitar is designed and built by Alborosie D'Ascola
Graphic Design: Tony McDermott

となっています。

全ての曲のプロデュースはAlborosie
D'AscolaとClifton 'Specialist' Dillon
が担当しています。
ただし9曲目「Tax War」は、その2人
と、King Jammysがプロデュースに加わって
います。
エグゼクティブ・プロデューサーは
Alborosie D'AscolaとClifton
'Specialist' Dillonが担当しています。

写真はMatteo Armelliniで、写真に写って
いるカスタムメイドのマシンガン型の
ギターの制作は、Alborosie D'Ascola本人
が担当しています。
ジャケット・デザインはGreensleeves
Recordsのジャケット・デザインを多く
担当しているTony McDermottが行って
います。
ジャケットは3つ折りの紙ジャケットに
なっており、ジャケットにはマシンガン
型のギターを構えるAlborosieの写真が
多く使われています。

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裏ジャケ

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3つ折りジャケ(内側表面)

このマシンガン型のギターは、以前ネット
に載っていた彼のインタビューで、
Peter Toshがファンからプレゼントされて
ステージで使っていたマシンガン型の
ギターを模して、彼がハンドメイドで作成
したものだという記事を読んだ事があり
ます。
(残念ながらその記事は、今回は見つかり
ませんでした。)
そのあたりにも彼Alborosieの70年代
レゲエに対する憧れやリスペクトぶりが
うかがえます。

さて今回のアルバムですが、ジャマイカで
活動を始めたAlborosieの評価が定着し
始めた頃のアルバムで、70年代の
ルーツ・レゲエを愛するAlborosieらしさ
が随所に見られる、なかなか好内容の
アルバムだと思います。

さて今回のアルバムですが、70年代の
ルーツ・レゲエを愛するAlborosieらしい
個性が出たアルバムで、内容はとても良い
と思います。

このAlborosieですが、本当に70年代の
ルーツ・レゲエ、特にあのBob Marleyが
やっていた、レゲエとロックを融合した
ようなレゲエが好きな人なんですね。
そのThe Wailersに対する想いから18年
のアルバム「Unbreakable」では、
The WailersのベーシストのAston
'Family Man' Barrettが率いる
The Wailers United(The Wailers Band)
と共演もしています。

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Alborosie Meets The Wailers United ‎– Unbreakable (2018)

Bob Marleyの死後もバック・バンドの
The Wailers Bandは活動を続けていたん
ですね。

彼がすごいのはそのあまりに強いレゲエへ
の情熱から、イタリアを離れてジャマイカ
に移住し、そこでジャマイカの人々も認め
る、本物のレゲエを作り上げた事なんです
ね。

私達の心にはどうしても偏見があり、
「レゲエは黒人でなくては作れない」など
と思いがちです。
ただ彼の作った音楽は間違いなくレゲエで
あり、その情熱さえあれば白人でも日本人
でも本物のレゲエを作れるという事を、
彼の音楽は証明したんですね。
私自身も彼の音楽から学ぶものがありまし
た。

そんなAlborosieがジャマイカで認められ
始めた頃のアルバムが、この「2 Times
Revolution」です。
「シュビリ・ドン・ドン~♪」といった
彼のヒット曲「Kingston Town」の
フレーズを使った1曲目の「Rolling
Like A Rock」から、名曲「One Blood」
の再演したJr. Reidとの共演曲
「Respect」、イタリア語も交えた
4曲目「La Revolucion」、ノビノビと
明るいロックなノリのヴォーカルが
イイ感じの5曲目「I Wanna Go Home」、
Etanaとのデュエットが魅力的な6曲目
「You Make Me Feel Good」、イタリア語
でのトースティングが面白い7曲目
Giuseppe Tarantinoとの共演曲
「International Drama」、ホーンに
乗せたヴォーカルがイイ感じの9曲目
「Tax War」、ホーンに乗せたフローが
魅力的な10曲目「Jesus Is Coming」、
ダンサブルな11曲目「Ragamuffin」、
ホーンとピアノの楽し気なメロディの
13曲目「Grow Your Dreads」、
ラヴァーズ・テイストの14曲目
Perfect Harmonyとの共演曲「Rude Bwoy
Love」、華やかな女性ヴォーカルの入った
15曲目「What If Jamaica」など、随所
に聴きどころが用意されていて、とても
重厚で内容の濃いアルバムに仕上がって
います。

1曲目は「Rolling Like A Rock」です。
Alborosieの語りから、ギターとピアノを
中心としたワン・ドロップのメロディに、
コーラス・ワークに乗せたAlborosieの
野太いヴォーカルがイイ感じ。
「シュビリ・ドン・ドン~♪」という繰り
返されるフレーズは、彼のヒット曲
「Kingston Town」でも用いられた
フレーズです。

Rolling Like A Rock


2曲目はJr. Reidとの共演曲「Respect」
です。
悲しげな生ギターのメロディに、Jr. Reid
のヴォーカルと、Alborosieのトース
ティングがイイ感じに絡む1曲です。

Alborosie ft. Junior Reid - Respect | Official Music Video


原曲はJr. Reidの名曲「One Blood」で、
Jr. Reid本人と共演した曲です。

Junior Reid - One Blood


Jr. ReidはVoice Of Progressという
グループや、Michel Roseの脱退した後の
Black Uhuruのリード・ヴォーカルとして
活躍した人で、この「One Blood」は彼が
Black Uhuruを脱退したのちにソロとして
放ったヒット曲として知られています。
そして彼の最大のヒット曲なんですね。

タイトルに「Respect」とついているよう
に、AlborosieのJr. Reidの尊敬がうかが
える1曲です。

3曲目は「Who You Think You Are」
です。
歯切れの良いドラミングに、ギターとキー
ボードのワンドロップのメロディ、野太く
嗄れ声のAlborosieの力強いヴォーカルが
魅力的。

Who You Think You Are


4曲目は「La Revolucion」です。
生ギターに乗せたエフェクトの入った
「パンパン・パパパン…」という
オノパトペのヴォーカル、情感のこもった
サックスの音色、イタリア語も交えたと
思われるAlborosieの力強いヴォーカルと
コーラス…。
この曲ではちょっと雰囲気が変わって、
彼のイタリアでの活動歴を感じさせます。

La Revolucion


5曲目は「I Wanna Go Home」です。
ホーンと自由度のあるギター、キーボード
のメロディに、コーラスに乗せた、
Alborosieのノビノビと明るいロックな
ノリのヴォーカルがイイ感じ。

I Wanna Go Home


6曲目はEtanaとの共演曲「You Make Me
Feel Good」です。
明るいギターとキーボードのメロディに、
伸びやかなEtanaのヴォーカルと、イイ
感じに入って来るAlborosieのフローが
とても心地良い曲です。

You Make Me Feel Good (feat. Etana)


7曲目はGiuseppe Tarantinoとの共演
曲「International Drama」です。
リリカルで悲し気なピアノに、イタリア語
の語り、ちょっとエコーの入ったGiuseppe
Tarantinoのヴォーカルに、イタリア語で
のAlborosieのトースティングが面白い曲
です。

この時代はまだイタリアのリスナーを意識
していたのか、4曲目「La Revolucion」
やこの曲などではイタリア語が使われて
います。

8曲目は「Camilla」です。
浮遊感のあるキーボードのメロディに、
ワンドロップのドラミング、ヴォイス・
チェンジャーを使ったような合いの手に、
流れるように滑らかなAlborosieのトース
ティング。

Camilla


9曲目は「Tax War」です。
華やかなホーン・セクションに、ギターと
ベースを中心としたメロディ、言葉が溢れ
出すように語るAlborosieのヴォーカルが
イイ感じ。

Tax War


10曲目は「Jesus Is Coming」です。
ギターとホーン、ピアノのちょっと
リリカルなメロディに、情感のある女性
コーラス、言葉が溢れ出すように語る
Alborosieのフローが魅力的。
こちらもイタリア語で歌っているよう
です。

Jesus Is Coming


11曲目は「Ragamuffin」です。
刺激的なデジタルなメロディに、ノリの
良いAlborosieのフローがイイ感じ。
こちらはかなりダンスホールを意識した
ダンサブルな曲です。

Ragamuffin


12曲目は「Soul Train」です。
ロックなギターとピアノのメロディ、伸び
やかに歌うAlborosieのヴォーカルがイイ
感じ。

Soul Train


13曲目は「Grow Your Dreads」です。
華やかなホーン・セクションにピアノと
ギターのメロディ、楽しそうに歌う
Alborosieのヴォーカルがイイ感じ。

Grow Your Dreads


そういえばこのAlborosieは、地面に引き
ずりそうな長いドレッド・ロックスが特徴
の人なんですね(笑)。

14曲目はPerfect Harmonyとの共演曲
「Rude Bwoy Love」です。
ギターとストリングスのソフトなメロディ
に、優しいPerfect Harmonyのヴォーカル、
表情豊かに語るAlborosieのトースティング
がイイ感じ。
こちらは明らかにラヴァーズロック・
レゲエというテイストの曲です。

Rude Bwoy Love (feat. Perfect Harmony)


15曲目は「What If Jamaica」です。
生ギターにフルートのリリカルな
メロディ、心地良いパーカッションの
ドラミング、Alborosieのトースティング
に、伸びやかな女性ヴォーカル。
最後を飾るに相応しい華やかな曲です。

ざっと追いかけて来ましたが、基本は
ルーツ・レゲエのワンドロップのリズムに
置きながらも、イタリア風あり、ロック風
あり、ダンスホール風あり、ラヴァーズ風
ありと、Alborosieの多彩な音楽性が垣間
見えるアルバムで、内容はとても充実して
います。
この時代にはすでにジャマイカにかなり
定着していたと思われますが、音楽的には
まだいろいろな方向性を模索している
ところに、このAlborosieという人の貪欲
なほどのレゲエへの愛情が感じられます。
そのレゲエへの貪欲さこそが、彼を今に
至るまで常にレゲエの最前線で活躍させて
いる原動力なのかもしれません。

彼Alborosieの音楽は、これからも注目
です。

Alborosie ft. Chronixx - Contradiction | Official Music Video



○アーティスト: Alborosie
○アルバム: 2 Times Revolution
○レーベル: Greensleeves Records
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 2011

○Alborosie「2 Times Revolution」曲目
1. Rolling Like A Rock
2. Respect - feat. Jr. Reid
3. Who You Think You Are
4. La Revolucion
5. I Wanna Go Home
6. You Make Me Feel Good - feat. Etana
7. International Drama - feat. Giuseppe Tarantino
8. Camilla
9. Tax War
10. Jesus Is Coming
11. Ragamuffin
12. Soul Train
13. Grow Your Dreads
14. Rude Bwoy Love - feat. Perfect Harmony
15. What If Jamaica

●今までアップしたAlborosie関連の記事
〇Alborosie Meets The Wailers United「Unbreakable」
〇Specialist, Alborosie「Specialist Presents Alborosie & Friends」