今回はVarious(オムニバス)ものの
アルバム

dre_islamd_01a

「Monkey Marc Production: Yaad N
Abraad Riddim」です。

まずはこのアルバムのアーティストの中で
比較的名前の知られているDre Islandと
Iba Mahrについて簡単に説明しておき
ます。

Dre Island(本名:Andre Johnson)は
1988年5月2日にジャマイカのキング
ストンで生まれたシンガーです。
残念ながら彼個人のアルバムのリリースは
ありませんが、YouTube上にアップした
Popcaanとの共演曲「We Pray」などで知ら
れるアーティストです。

Dre Island - We Pray ft. Popcaan (Official Video)


また2010年代から起ったラスタ・
リヴァイヴァル・ムーヴメント系の
アーティストの楽曲のヴィデオなどにも
よく出演しています。

ネットのDiscogsによると、9枚ぐらいの
シングル盤をリリースしています。

Iba Mahr(本名:Mario Greaves)は
2013年頃からジャマイカの音楽シーン
に登場して来たシンガーです。
ChrinixxやProtojeなどのルーツ・レゲエ
を現代に復活した「ラスタ・
リヴァイヴァル・ムーヴメント」の
アーティストのひとりと見られている
シンガーで、ラスタファリズムに沿った
ルーツを感じさせる歌詞を特徴とする
アーティストです。

ネットのDiscogsによると、1枚ぐらいの
アルバムと、15枚ぐらいのシングル盤を
リリースしています。
(シングル盤の1枚はミニ・アルバム
です。)

またプロデューサーのMonkey Marcに
ついても説明しておきます。

ネットのDiscogsには彼について次のよう
に書かれています。

Monkey Marc is a hip hop producer from Melbourne, Australia.
His music is influenced by early hip hop, reggae, 80s and 90s Jamaican dancehall and world music.
He is also the producer for his political hip hop band Combat Wombat. He has collaborated with
British reggae artists included Soom T, Roots Manuva, YT and Speng Bond, as well as Jamaican
reggae artists including Iba Mahr, Dre Island, Sizzla, Capleton, Fantan Mojah, Lutan Fyah and T
urbulence.

《Monkey Marcは、オーストラリアの
メルボルン出身のヒップホップの
プロデューサーです。彼の音楽は、初期の
ヒップホップ、レゲエ、80年代および
90年代のジャマイカのダンスホールと
ワールドミュージックの影響を受けていま
す。彼はまた、彼の政治的ヒップホップ・
バンドCombat Wombatのプロデューサーでも
あります。彼は、Soom T、Roots Manuva、
YT、Speng Bondなどの英国のレゲエ・
アーティストと、Iba Mahr、Dre Island、
Sizzla、Capleton、Fantan Mojah、
Lutan Fyah、Turbulenceなどのジャマイカ
のレゲエアーティストとコラボレーション
しています。》

この記事によるとMonkey Marc(本名:
Marc Peckham)は、オーストラリアの
メルボルン出身のヒップホップ系の
プロデューサーで、UKやジャマイカの
レゲエ・アーティストもプロデュースして
いる人のようです。
履歴を見ると2009年頃から活躍して
いる人のようです。

今回のアルバムは2018年にヨーロッパ
のDigi Killazというレーベルからリリース
された、さまざまなアーティストによる
「Yaad N Abraad」リディムの楽曲6曲を
集めた、ワンウェイ・アルバムです。

プロデュースはMonkey Marcで、元の楽曲
Dre Islandの「Yaad N Abraad」をはじめ
として、Iba Mahrの「Come Out」や、
Earth And The Fullnessの「Living In
The Joy」など、ひとつのリディムをそれ
ぞれのアーティストが、それぞれの個性で
歌ったアルバムとなっています。

手に入れたのはDigi Killazからリリース
されたLP(新盤)でした。

なおこのアルバムは片面に3曲ずつ計6曲
が収められた、33回転のミニ・アルバム
ですが、ネットのDiscogsではEP盤と
いう扱いになっています。

ちなみにワンウェイ・アルバムとは、
ひとつのリディムを、さまざまな違う
アーティストが歌う、あるいは演奏した
アルバムを言います。

Side 1が3曲、Side 2が3曲の全6曲。

詳細なミュージシャンの表記はありま
せん。

Produced by: Monkey Marc
Artwork by: Donna Gee

という記述があります。

プロデュースはMonkey Marcです。
書いたようにこの人はオーストラリアの
ヒップホップ系のプロデューサーで、
ジャマイカのレゲエに関しては、
「No Surrender」リディムを使った5曲
入りの10インチ・ミニ・アルバム
「No Surrender Riddim」などをリリース
しています。

Monkey Marc - No Surrender feat. Sizzla, Capleton, Fantan Mojah & Mista Savona [Official Video 2017]


In These Streets - Fantan Mojah (produced by Monkey Marc)


ジャケット・デザインはDonna Geeと
なっています。

さて今回のアルバムですが、ワンウェイ・
アルバムとしてはなかなかよく出来た内容
で、悪くないアルバムだと思います。

今回のアルバムには元の曲と思われる
Dre Islandの「Yaad N Abraad」のほか、
同じリディムを使用した5 Starや
Iba Mahr、Aza Lineage、Earth And
The Fullnessの楽曲と、Monkey Marcの
インスト・ヴァージョンの計6曲が収め
られています。

Side 1の1曲目はDre Islandの「Yaad N
Abraad」です。
ギターとキーボードの刻むようなメロディ
に、Dre Islandのちょっとクセのある歌い
ぶりがイイ感じの曲です。

Monkey Marc feat. Dre Island - Yaad N Abraad [Official Video 2018]


実はこのアルバムを買った一番の目的は、
Dre Islandの曲が聴きたいと思った事でし
た。
この人はPopcaanとの共演曲「We Pray」
や、最近でも「Crazy」などの楽曲を
YouTube上にアップするなど、ラスタ・
リヴァイバル系のアーティストとして活躍
が目覚ましい人なのですが、なぜかなか
なか彼自身のソロ・アルバムがリリース
されない人なんですね。

Dre Island - Crazy | Official Music Video


Dre Island - BE OKAY (Audio Visual) ft. Jesse Royal


Dre Island - My City (Official Lyric Video)


Dre Island - Rastafari Way (Official Video)


そんな彼の楽曲の中でも特に気になって
いた楽曲のひとつが、今回のアルバムに
収められている「Yaad N Abraad」でし
た。

いかにもガンジャ・チューンといった1曲
ですが、Dre Islandの個性も良く出た曲で
悪くない曲だと思います。
(ちなみに個人的にはマリファナを含む
すべての薬物を肯定しません。)

2曲目は5 Starの「Cold City」です。
Dre Islandの「Yaad N Abraad」に続く
ように入って来る1曲で、ちょっとエコー
のかかったヴォーカルと女性コーラス、
サイレン音などが入った構成になってい
ます。
後半にはメロディカと思われるサウンドも
入っています。

Monkey Marc - Cold City feat. 5 Star [Official Audio]


この5 Starについては、あまりよく解り
ませんでした。
ネットのDiscogsを調べてみても、この
アルバムのこの曲しか履歴が無いんです
ね。

3曲目はIba Mahrの「Come Out」です。
刻むようなギターに乗せたIba Mahrらしい
よく通ってヴィブラートのかかった
ヴォーカル、女性コーラスにキーボード、
メロディカのリズムの繰り返しがより
ドラマチックにこの曲を盛り上げていま
す。

Monkey Marc - Come Out Feat. Iba MaHr [Official Audio]


この中でDre Islandと並んでラスタ・
リヴァイヴァル系のアーティストとして
有名なのがIba Mahrです。
彼は「Diamond Sox」などのヒット曲で
知られるシンガーですが、2015年に
そのヒット曲をタイトルにしたアルバム
「Diamond Sox」でアルバム・デビュー
も果たしています。

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Iba Mahr ‎– Diamond Sox (2015)

Notis & Iba Mahr - Diamond Sox [Official Video 2014]


Notis & Iba Mahr-Diamond Sox Remix (feat. Tarrus Riley)

↑Tarrus Rileyも参加したヴァージョン
です。

ただその後は活躍がちょっと地味目で、
Dre Islandの後塵を拝している感じなのが
ちょっと残念なところ。
これからも頑張って欲しいアーティストの
ひとりです。

Side 2の1曲目はAza Lineageの
「Prosper」です。
刻むようなギターに、重いキーボード、
Aza Lineageの感情をうまく乗せた
シング・ジェイがイイ感じ。

Monkey Marc - Prosper Feat. Aza Lineage [Official Audio]


このAza Lineage酔いう人についても、
あまり詳しい事は解りません。
ただYouTube上を探してみると、この人の
ヴィデオがけっこうたくさんアップされて
いました。

Aza Lineage - Love Alone [Official Video 2017]


Aza Lineage - Kill Them With A Sound [Official Video 2019]


Aza Lineage - Sound System


Last Disciple & Aza Lineage - Rastafari Is Love [Official Video 2017]


Asadenaki & Aza Lineage - Rockin' [Official Video 2018]


それを観る限りでは、2017年頃から
活躍している女性のシング・ジェイのよう
です。
なかなか悪くないシング・ジェイといった
印象です。

2曲目はEarth And The Fullnessの
「Living In The Joy」です。
刻むようなギターにキーボードのメロディ
に、ハミングからちょっと甘い女性
ヴォーカル、ユラユラとしたメロディカが
イイ感じ。

Earth And The Fullness - Living In The Joy [Official Video 2018]


Dre Islandと並んでYouTube上に本人が
出演するプロモ・ヴィデオが公開された
のが、このEarth And The Fullnessです。
プロモ・ヴィデオを観る限りではこの
Earth And The Fullnessは女性シンガー
かと思いましたが、YouTube上にある
ホームページにあるヴィデオを見ると、
どうやらグループのようです。

EARTH AND THE FULLNESS EPK


↑のヴィデオで観る限りでは、かなり
ガリガリに痩せた女性シンガーのOlivia
と、ギターのInilek Wilmot、ベースの
Sanjay Gooden、ドラムのJeremy Ashbourne
から成る4人組のグループのようです。
ただしこのヴィデオは17年のものなの
で、今もこのメンバーで続いているのかは
不明です。
もしかしたらOliviaのみがEarth And The
Fullnessという名前で活動している可能性
もあります。

YouTube上には「Jah Will Be Done」と
いう曲もアップしていました。

Earth and the Fullness - Jah Will Be Done OFFICIAL VIDEO


Earth And The Fullness(大地と豊かさ)
というグループ名や、プロモ・ヴィデオで
Oliviaがヨガをしている姿などから見て、
ラスタ・リヴァイヴァル特にJah9に近い
路線で活動しているアーティストのよう
です。
ただJah9ほどのアクの強さや個性は、まだ
確立していない印象です。
今後彼らがどう化けるのかが、楽しみな
アーティストといった印象です。

3曲目はMonkey Marcの「Version」です。
こちらは完全にインスト・ヴァージョンと
いった内容です。
刻むギターに、ドスの効いたキーボードが
イイ感じ。

Monkey Marc - Yaad N Abraad riddim version


ざっと追いかけて来ましたが、EP盤と
いうのにはアーティストの頑張りもあり、
かなり内容が濃く、なかなかよく出来た
アルバムだと思います。

またDre IslandやAza Lineage、Earth
And The Fullnessといった、これからが
楽しみなアーティストが収められているの
も魅力となっています。

機会があればぜひ聴いてみてください。

Dre Island ft Jesse Royal - Be Ok X Just Wanna Be Free - Jussbuss Acoustic (Season 4)



○アーティスト: Various
○アルバム: Monkey Marc Production: Yaad N Abraad Riddim
○レーベル: Digi Killaz
○フォーマット: LP
○オリジナル・アルバム制作年: 2018

○Various「Monkey Marc Production: Yaad N Abraad Riddim」曲目
Side 1
1. Yaad N Abraad - Dre Island
2. Cold City - 5 Star
3. Come Out - Iba Mahr
Side 2
1. Prosper - Aza Lineage
2. Living In The Joy - Earth And The Fullness
3. Version - Monkey Marc