今回はSammy Dreadのアルバム

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「Sammy Dread Is Mr Music」です。

Sammy Dread(本名:Stewart Farquharson)
は80年代初めのアーリー・ダンス
ホール・レゲエで活躍したシンガーです。
この時代にSoljieプロデュースで
Roots Radicsがバックを務めたアルバム
「Road Block」など、素晴らしい
アルバムを何枚か残しています。

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Sammy Dread - Road Block (1982)

それほど多くのアルバムを残している人
ではありませんが、近年でも「M16」
リディムのChuck Fenderとの共演曲
「Bad Boy」を残すなど、印象的な活躍
をしているのが、このSammy Dreadと
いう人です。

"Bad Boy" by, Chuck Fenda and Sammy Dread


ネットのDiscogsによると、共演盤を含め
て6枚ぐらいのアルバムと、102枚
ぐらいのシングル盤を残しています。

今回のアルバムは1982年にUSの
Jah LifeからリリースされたSammy Dread
のソロ・アルバムです。

この82年にSammy Dreadはこのアルバム
や「Road Block」など3枚のアルバムを
リリースしています。
次にアルバムを出すのが96年と97年
ですから、彼がもっとも注目されていたの
がこの82年のアーリー・ダンスホールの
時代だったようです。
プロデュースはJah LifeのHyman Wrightと
Percy Chinで、バックはRoots Radicsや
Rico Rodriguez、Deadly Headly Bennett
などが参加したアルバムで、この時代
らしいスローなワン・ドロップのリズムに
乗せた、Sammy Dreadの節回しの効いた
ヴォーカルがとても魅力的なアルバムと
なっています。

手に入れたのはJah Lifeからリリース
されたLPの中古盤でした。

Side 1が4曲、Side 2が4曲の全8曲。

ミュージシャンについては以下の記述が
あります。

All songs written by Sammy Dread & H. Wright except track 4, Side 1
Produced by: Hyman Papa Life Wright, Percy Chin

Backed by Roots Radics band
Musicians:
Bass: Errol Flabba Holt
Rhythm Guitar: Eric Bingy Bunny Lamont
Lead Guitar: Jah Sowell Tempo
Drums: Toney Style Scott
Piano: Gladstone Gladdy Anderson
Organ: Winston Jelly Belly Wright
Percussion: Christopher Sky Juice Burt
Bongo Drums: Bongo Herman, Scully Simms

Special Thanks to Blacka Morwells & Erool Mais

Horns: Reco, Deadly Headly Bennett

Bass: Larry (Professor Bassie) Silvera, Ras Elroy Bailey
Drums: Desmond Mahoney
Keyboards: Toney Brightly
Guitars: Chris Hanson

Artwork & Design: A. Nero
Photo by: O'Neil Nanco

となっています。

Side 1の4曲目を除くすべての曲の作曲
はSammy DreadとHyman Wrightとなって
います。
Side 1の4曲目は「Tribute To Bob
Marley」というタイトルからも解るよう
に、81年に亡くなったBob Marleyを
追悼する曲で、Bob Marleyの楽曲
「Bend Down Low」や、「Simmer Down」
のメロディが収められています。

プロデュースはJah Lifeレーベルの
Hyman 'Papa Life' WrightとPercy Chin
が担当しています。

バックはこのアーリー・ダンスホール・
レゲエの時代にスローなワン・ドロップの
リズムで一世を風靡したRoots Radics
bandが担当しています。
メンバーはベースにErrol 'Flabba' Holt、
リズム・ギターにEric 'Bingy Bunny'
Lamont、リード・ギターにJah 'Sowell'
Tempo、ドラムにToney 'Style' Scott、
ピアノにGladstone 'Gladdy' Anderson、
オルガンにWinston 'Jelly Belly'
Wright、パーカッションにBongo Herman
とScully Simmsという布陣です。

「Special Thanks」としてBlacka Morwells
とRoots TraditionレーベルのErool Mais
の名前があります。

ゲストのホーン奏者として、トロンボーン
奏者として知られるRico Rodriguez
(Reco)と、アルト・サックス奏者として
知られる'Deadly Headly' Bennettの名前
があります。
この2人は特に太字で書かれているので、
特にスペシャルなゲストなのか?

他にゲスト・ミュージシャンとして、
ベースにLarry 'Professor Bassie'
SilveraとRas Elroy Bailey、ドラムに
Desmond Mahoney、キーボードにToney
Brightly、ギターにChris Hansonという
名前があります。

スタジオやミキサーの名前がクレジット
されていないのは、ちょっと残念なところ
です。
80年代前半で演奏はRoots Radicsという
事を考えれば、録音はChannel One Studio
あたりで、ミックスはScientistかSojie
Hamiltonあたりかと思われます。
なんとなくScientistのミックスかと、
思わせる曲もあります。

ジャケット・デザインはA. Neroで、写真
はO'Neil Nancoが担当しています。

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裏ジャケ

さて今回のアルバムですが、Sammy Dread
がもっとも勢いのあったアーリー・ダンス
ホール・レゲエの時代のアルバムで、
内容はなかなか悪くありません。

このSammy Dreadですが、活躍した時期
はほぼ80年代前半のアーリー・ダンス
ホールの頃で、それほど大物アーティスト
という人では無いかもしれません。
ただこの時代に残した「Road Block」など
のアルバムはとても素晴らしく、個人的
にはとても心惹かれてしまう人なんです
ね(笑)。
ちなみにあのレゲエ本「Roots Rock
Reggae」にも、彼のアルバムは「Road
Block」など2枚が紹介されていて、それ
なりに評価されているヴォーカリストだと
思います。

彼の歌には独特の節回しがあって、この
アーリー・ダンスホールの時代らしい
空気感があり、そのあたりがとても魅力的
です。
今回のアルバムでも「Taxi」リディムを
使ったSide 1の1曲目「Top Of The Pops」
や、81年に亡くなったBob Marleyを追悼
する曲4曲目「Tribute To Bob Marley」、
「Bobby Babylon」リディムのSide 2の
S2曲目「This Morning」、「Up Park
Camp」リディムの3曲目「Hey Little
Girl」、「Mad Mad」リディムの4曲目
「Mad As Can Be」など、随所に名
リディムを使いながら、Sammy Dread
らしいとても情感のある音楽世界を紡いで
います。

どの曲も素晴らしい出来ですが、特に
Side 2の1曲目「Baby Come To Me」は
彼らしい情感のこもったヴォーカルが
とても魅力的な、このアルバムの中でも
白眉な1曲です。
この曲を筆頭に全体に長めの曲が多く、
片面4曲ずつの8曲と曲数は少なめです
が、Sammy Dreadの情感のあるヴォーカル
をたっぷりと聴ける内容になっています。

Side 1の1曲目は「Top Of The Pops」
です。
リディムは「Taxi」リディムと知られる
リディムで、オリジナルはLittle Royの
「Prophecy」です。
心地良いホーンを中心としたワン・
ドロップのメロディに、エコーの効いた
Sammy Dreadのソフトなヴォーカルが魅力
的な曲です。

Top of the Pops


リズム特集 Taxi (タクシー)

2曲目は「You Got A Hold On Me」です。
華やかななキーボードとギターのメロディ
に、金属音のエフェクト、エコーの効いた
Sammy Dreadのちょっとしゃがれた感情を
乗せたヴォーカルがイイ感じ。

Sammy Dread 1982 Is Mr Music a02 you got a hold on me [ www.dreadinababylon.com ]


3曲目は「Truths & Rights」です。
刻むようなギターとキーボードのメロディ
に、情感を乗せたSammy Dreadのヴォーカル
がイイ感じ。

4曲目は「Tribute To Bob Marley」
です。
書いたようにこの曲は81年に亡くなった
Bob Marleyを追悼する曲で、Bob Marleyの
楽曲「Bend Down Low」や、「Simmer
Down」のメロディが使われています。
ちなみにイントロなどで使用されている
リディムは、Lone Rangerの「Answer」
リディムとして知られているリディムで、
オリジナルはSlim Smithの「Never Let
Go」です。
心地良いパーカッションとギターを中心
としたメロディに、伸びやかなSammy
Dreadの歌声が魅力的。
レゲエを世界に広めた偉人に対する想い
が伝わる1曲です。

Tribute to Bob Marley


リズム特集 Answer (アンサー)

Side 2の1曲目は「Baby Come To Me」
です。
ギターを中心としたスローなワン・
ドロップのメロディに、心地良さそうに
歌うSammy Dreadのナイスなヴォーカル
がイイ感じ。

Sammy Dread " Baby Come To Me " 1982 Original Press


2曲目は「This Morning」です。
リディムはFreddie McGregorの
「Bobby Babylon」です。
ギターとベース、ホーンを中心とした
ワン・ドロップのメロディに、エコーの
かかったSammy Dreadの情感タップリの
ヴォーカルがイイ感じ。

リズム特集 Bobby Babylon/Hi Fashion (ボビー・バビロン/ハイファッション)

3曲目は「Hey Little Girl」です。
リディムはJohn Holtの「Up Park Camp」
のようです。
漂うようなハモンド・オルガンのメロディ
に、心地良いワン・ドロップのリズム、
Sammy Dreadの情感のあるヴォーカルが
すごく魅力的。

Sammy Dread - Hey Little Girl


リズム特集 Get In The Groove/Up Park Camp (ゲット・イン・ザ・グルーヴ/アップ・パーク・キャンプ)

4曲目は「Mad As Can Be」です。
リディムはAlton Ellisの「Mad Mad」。
ギターの印象的なイントロから、刻むよう
なギターを中心としたワン・ドロップの
メロディに、表情豊かに歌うSammy Dread
のヴォーカルが良い味を出している曲
です。

Sammy Dread - Mad As Can Be


リズム特集 Mad Mad/Diseases (マッド・マッド/ディジーゼズ)

ざっと追いかけて来ましたが、バックの
Roots Radicsの演奏もこなかなか素晴ら
しく、Sammy Dreadのヴォーカルともすごく
よくマッチしていて、このアーリー・
ダンスホールの時代の空気感をよく伝えて
います。
レゲエの中でもアーリー・ダンスホールが
好きという人には、タマラない内容の
アルバムだと思います。

機会があればぜひ聴いてみてください。

Sammy Dread live @ Benefit Concert for JRDC in Shashemane March 22 2019



○アーティスト: Sammy Dread
○アルバム: Sammy Dread Is Mr Music
○レーベル: Jah Life
○フォーマット: LP
○オリジナル・アルバム制作年: 1982

○Sammy Dread「Sammy Dread Is Mr Music」曲目
Side 1
1. Top Of The Pops
2. You Got A Hold On Me
3. Truths & Rights
4. Tribute To Bob Marley
Side 2
1. Baby Come To Me
2. This Morning
3. Hey Little Girl
4. Mad As Can Be

●今までアップしたSammy Dread関連の記事
〇Sammy Dread「Road Block」
〇Sammy Dread「Early Days」