今回はBig Joeのアルバム

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「At The Control」です。

Big Joe(本名:Joseph Spalding)は
70年代のルーツ・レゲエの時代に活躍
したディージェイです。
ネットのDiscogsでこの人の履歴を見る
と、72年頃から79年頃まで
コンスタントにシングルをリリースして
いますが、その後はあまりリリースがあり
ません。
77年に今回のアルバムを含めて2枚の
アルバム、78年に2枚のアルバムと、
4枚ぐらいのアルバムと、71枚ぐらいの
シングル盤をリリースしているのが、この
Big Joeという人です。

Big Joe (reggae) - Wikipedia

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Big Joe ‎– Keep Rocking And Swinging (1977)

今回のアルバムは1978年にUKの
Live And Loveというレーベルから
リリースされたBig Joeのソロ・アルバム
です。

手に入れたCDには詳細な記載はありま
せんが、プロデュースはBunny Leeで、
バックはBunny Leeのハウス・バンド
The Agrovatorsと思われるアルバムで、
この時代に流行したステッパーズ・
スタイルの演奏をバックに、Big Joeの
ルーディーなトースティングが見事な
アルバムとなっています。

手に入れたのはJackpotからリリース
されたCDの中古盤でした。

全14曲で収録時間は約52分。
オリジナルは12曲で、残りの2曲は
CDボーナス・トラックです。

詳細なミュージシャンの表記はありま
せん。

ただネットのDiscogsにはこのアルバムに
ついて、プロデュースはBunny Lee、
バックはBunny Leeのハウス・バンド
The Agrovators、ミックスはKing Tubby
という記述がありました。
このアルバムのジャマイカでのリリースが
Bunny LeeのレーベルJackpotなので、
おそらくそれで間違いないものと思われ
ます。

ミュージシャンの詳細な表記が無いのが、
ちょっと残念なところです。

さて今回のアルバムですが、Big Joeの
立て板に水の流れるようなトースティング
が魅力のアルバムで、内容はとても良いと
思います。

このBig Joeですがアルバムのリリース数
こそ少ないですが、そのトースティング・
スタイルはあのDillingerにとても近い
ステッパーズ・スタイルのトースティング
で、ルーツ時代のこうしたディージェイ
ものが好きな人には、まさにツボのディー
ジェイではないかと思います。

ちなみにステッパーズとはSly Dunbarが
開発したドラム奏法のひとつで「4拍子の
4拍すべてに固い4つ打ちのバスドラムを
打つリズム」との事です。

レゲエ - Wikipedia

その代表的なアルバムとしてはDillinger
の「None Stop Disco Style」などが挙げ
られます。

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Ranking Dillinger ‎– None Stop Disco Style (1976)

この70年代後半にはこのDillingerの他
にも、Big JoeやClint Eastwoodなどが
ステッパーズ・スタイルで人気を博したん
ですね。

今回のアルバムや77年のアルバム
「Keep Rocking And Swinging」などで
聴かれる、ステッパーズのリズムに乗せた
Big Joeのルーディーなトースティングは
とても魅力的です。

このBig Joeの4枚ぐらいのアルバムの
うち3枚のアルバムをプロデュースして
いるのが、プロデューサーのBunny Lee
です。
今回のアルバムや「Keep Rocking And
Swinging」などで聴かれる彼の生きの良い
トースティングは、このBunny Leeと彼の
ハウス・バンドThe Agrovatorsによって
生み出されたものなんですね。
今回のアルバムではステッパーズを生み
出したSly Dunbarがおそらくドラムを
叩いていると思われますが、その切れの
あるドラミングがこのアルバムの聴き
どころのひとつとなっています。
またKing Tubbyのダブワイズしたミックス
がイイ感じにBig Joeのトースティングを
引き立てていますが、その軸となっている
のがおそらくRobbie Shakespeareと思われ
るズシっと腹に響くベース・サウンド
です。
この引き締まったThe Agrovatorsの
サウンドにダブワイズが、このアルバムを
さらに魅力的なものにしています。

このアルバムには70年代後半に流行した
ルーツ・ディージェイ・アルバムの魅力が
キッチリと詰め込まれているですね。

1曲目のダブワイズした演奏にBig Joeの
明るいトースティングが冴える「You Must
Be Mad」から始まり、スウィートな
ヴォーカルにノリの良いトースティングが
印象的な2曲目「Crucial Natty Dread」、
スウィートなヴォーカルが印象的な4曲目
「Playing A Waiting Game」、笑い声も
入った陽気なトースティングの6曲目
「World Wide Kaya」、Big Joeの
ルーディーなトースティングが魅力の7曲
目「Wicked Ah Watch And Peep」、あの
Bob Marleyの「Sun Is Shining」リディム
の不穏な空気感が印象的な8曲目
「Wicked Down Fall」、Big Joeの表情
豊かなトースティングが楽しい11曲目
「Better Breed」など、彼らしい勢いの
ある歌いこなしが見事なアルバムとなって
います。

1曲目は「You Must Be Mad」です。
リディムはLittle Royの「Tribal War」
です。
ちょっとダブワイズした心地良い
ドラミングにギターと重いベースの
メロディ、滲んで行くヴォーカルに、
Big Joeの明るく勢いのあるトース
ティングがとても良い感じの曲です。

Big Joe - You Must Be Mad


2曲目は「Crucial Natty Dread」
です。
ギターと思いベースのキレのある演奏に、
ダブワイズの入ったスウィートな
ヴォーカル、Big Joeのこの時代らしい
ノリの良いトースティングがグッド。

[1978] Big Joe- Big Joe At The Controls- Crucial Natty Dread


3曲目は「Take It But Don't Break It」
です。
ギターとベース、キーボードのメロディ
に、ダブワイズして行くヴォーカル、
ノリの良いBig Joeのトースティング。

4曲目は「Playing A Waiting Game」
です。
心地良いドラミングにキーボードと
ギター、ベースのメロディ、スウィートな
ヴォーカルに滲んで行くダブワイズ、
表情豊かなBig Joeのトースティング。

Big Joe - Playing A Waiting Game


5曲目は「Natty On Vacation」です。
ベースとギターのメロディにエコーの
効いたパーカッション、流れるように
滑らかなBig Joeのトースティング。

6曲目は「World Wide Kaya」です。
リディムはBob Marley & The Wailersの
ヒット曲「Kaya」です。
笑い声のトースティングから、ダブワイズ
したギターとベース、パーカッションの
演奏、陽気なBig Joeのトースティングに
滲んで行くヴォーカル…。

Big Joe - World Wide Kaya


7曲目は「Wicked Ah Watch And Peep」
です。
ベースとギター、キーボードを中心とした
演奏に、勢いのあるBig Joeのルーディー
なトースティングがイイ感じ。

Big Joe - Wicked Ah Watch And Peep


8曲目は「Wicked Down Fall」です。
リディムはこちらもBob Marley &
The Wailersのヒット曲「Sun Is Shining」
です。
キーボードの不穏な空気感のあるイントロ
から、ギターと重いベース、パーカッ
ションの演奏に、感情を乗せたBig Joeの
トースティング。

Big Joe - Wicked Fall Down


9曲目は「Don't Huff & Puff」です。
漂うようなキーボードのメロディに、重い
ベースとパーカッション、流れるように
滑らかなBig Joeのルーディーなトース
ティング。

10曲目は「Sister Out The Light」
です。
ギターとベースに漂うようなキーボードの
メロディ、Big Joeの勢いのあるトース
ティングがイイ感じ。

11曲目は「Better Breed」です。
心地良いドラミングにギターとベースを
中心としたメロディ、エコーのかかった
ヴォーカル、Big Joeの表情豊かなトース
ティングがイイ感じ。

Big Joe - Better Breed


12曲目は「Fishman Skank」です。
リディムはRay Iの「Weatherman Skank」
です。
刻むようなギターとピアノのメロディに、
陽気なBig Joeのトースティングが楽しい
曲です。

残りの2曲はCDボーナス・トラック
です。
このボーナス・トラックの2曲は前半が
Cornel Campbellのヴォーカル、後半が
Big Joeのトースティングという、
ディスコ・ミックスの曲になっているよう
です。

13曲目は「Holiday」です。
リディムはThe Sensationsのヒット曲
「Every Day Is Just A Holiday」です。
漂うようなキーボードのメロディに、
Cornel Campbellと思われるスウィート
なヴォーカル、後半はBig Joeらしい
ルーディーなトースティングが楽しい曲
となっています。

Big Joe - Holiday


14曲目は「How Can I Leave」です。
どすの効いた―ベースにキーボードの
メロディ、Cornel Campbellの感情を
乗せたソフトなヴォーカル、後半の
Big Joeらしいラフなトースティングも
イイ感じ。

ざっと追いかけて来ましたが、おもに
70年代後半に活躍したBig Joeという
ディージェイのトースティングの魅力が
うまく収められたアルバムで、内容は
とても良いと思います。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: Big Joe
○アルバム: At The Control
○レーベル: Jackpot
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1978

○Big Joe「At The Control」曲目
1. You Must Be Mad
2. Crucial Natty Dread
3. Take It But Don't Break It
4. Playing A Waiting Game
5. Natty On Vacation
6. World Wide Kaya
7. Wicked Ah Watch And Peep
8. Wicked Down Fall
9. Don't Huff & Puff
10. Sister Out The Light
11. Better Breed
12. Fishman Skank
(CD Bonus Tracks)
13. Holiday
14. How Can I Leave

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〇Big Joe「Keep Rocking And Swinging」