今回はAddis Pabloのアルバム

addis_pablo_01a

「In My Fathers House」です。

Addis Pablo(本名:Addis Swaby)は、
メロディカ奏者でプロデューサーとしても
活躍したAugustus Pabloの息子であり、
2010年代頃から活躍するメロディカ
奏者です。
2014年に今回のファースト・アルバム
「In My Fathers House」をリリースして
いるほか、Ras Jammyとのユニット
The Suns Of Dubとしても活動していて、
2015年にThe Suns Of Dub名義の
ファースト・アルバム「Far East Dub」も
リリースしています。

addis_pablo_02a
The Suns Of Dub ‎– Far East Dub (2015)

ネットのDiscogsによると、Addis Pablo
として1枚のアルバムと、17枚ぐらいの
シングル盤をリリースしているほか、
The Suns Of Dubとして1枚のアルバムと、
2枚のシングル盤、1枚のデータ・
ファイルをリリースしているようです。

Addis Pablo - Wikipedia

今回のアルバムは2014年にオランダの
Jahsolidrockというレーベルからリリース
されたAddis Pabloのファースト・アルバム
です。

プロデュースとミックスはJahsolidrock
MusicのMarc Baronner、エグゼクティブ・
プロデューサーはRas Dencoで、ゲストの
ヴォーカリストにEarl SixteenやSylford
Walker、Prince Alla、Jah Exile、
Chezidekなどが参加したアルバムで、
Addis Pabloのメロディカのインスト曲、
その曲のゲスト・ヴォーカリストの
ヴォーカル・ヴァージョン、インストの
ダブ・ヴァージョンなどが収められた
アルバムで、彼の父Augustus Pabloを彷彿
とさせるルーツ色の濃い演奏がとても魅力
的なアルバムとなっています。

手に入れたのはJahsolidrockからリリース
されたCD(新盤)でした。

全17曲で収録時間は約70分。

ミュージシャンについては以下の記述が
あります。

Melodika: Addis Pablo
Vocals: Chezidek, Earl Sixteen, Sylford Walker, Prince Alla, Jah Exile
Backing Vocals: Joost Jellema, Kenneth Linger, Earl Sixteen, Prince Alla, Chezidek
Drums: Sam Gilly
Bass: Manfred Scheer, Rekesh Dukaloo
Guitars: Herb Pirker, Sam Gilly, Marcus Hillman, Johannes Maria Knoll, Ifie-A
Percussion: Lyabinghi Vivaldo Brown, Sam Gilly, Marc Baronner
Keys: Parvez Syed, Rekesh Dukaloo, Sam Gilly, Marc Baronner, Sander Baas
Sax: Lorenz Spitzendorfer, Thomas Streutgers(Dynamite Horns),Tommie Freke
Trombone: Markus Hoffman, Tjeerd Brouwer (Dynamite Horns), Obed 'Obat' Brinkman
Trumpet: Christian Wechselauer, Ruud Kleiss (Dynamite Horns), Hilde Houtsma

Mixed & Produced by: Marc Baronner for Jahsolidrock Music
Executive Producer: Ras Denco
Album Art: Gates of Zion by Abba Yahudah
Package Design: GOT Brand Solutions
Mastered by: Mark den Hartog at Zownd.nl

Melodica recorded at: Digital B (Bobby Digital Studios), Kingston JA
Anchor Studios, Kingston JA
Shaolin Temple Studio, Kingston JA
Suns of Dub Studio, NJ, USA, Kingston JA

となっています。

メロディカにAddis Pabloで、ヴォーカル
はChezidek、Earl Sixteen、Sylford
Walker、Prince Alla、Jah Exileといった
ヴォーカリストがゲストとして参加して
います。
バック・ヴォーカルにJoost Jellemaと
Kenneth Linger、Earl Sixteen、Prince
Alla、Chezidek、ドラムにSam Gilly、
ベースにManfred ScheerとRekesh Dukaloo、
ギターにHerb PirkerとSam Gilly、Marcus
Hillman、Johannes Maria Knoll、Ifie-A、
パーカッションにLyabinghi Vivaldo Brown
とSam Gilly、Marc Baronner、キーボード
にParvez SyedとRekesh Dukaloo、Sam
Gilly、Marc Baronner、Sander Baas、
サックスにLorenz Spitzendorferと
Thomas Streutgers(Dynamite Horns)、
Tommie Freke、トロンボーンに
Markus HoffmanとTjeerd Brouwer
(Dynamite Horns)、Obed 'Obat' Brinkman、
トランペットにChristian Wechselauerと
Ruud Kleiss (Dynamite Horns)、Hilde
Houtsmaという布陣です。

プロデュースとミックスはJahsolidrock
MusicのMarc Baronner、エグゼクティブ・
プロデューサーはRas Dencoとなっていま
す。

アルバムのアートはGates of Zionの
Abba Yahudahという人で、パッケージ・
デザインはGOT Brand Solutionsとなって
います。
パッケージは紙の3つ折りジャケットで、
内側のジャケットには父Augustus Pablo
と子供時代のAddis Pabloと思われる写真
もあります。

addis_pablo_03a
ジャケット(内側真ん中)

メロディカのレコーディングはジャマイカ
のキングストンにあるDigital B (Bobby
Digital Studios)とAnchor Studios、
Shaolin Temple Studio、アメリカの
ニュージャージー州とジャマイカの
キングストンにあるSuns of Dub Studioで
行われています。

さて今回のアルバムですが、父Augustus
Pabloを彷彿とさせるようなAddis Pablo
のインスピレーション溢れるメロディカの
音色がとても魅力的なアルバムで、内容は
なかなか悪くないと思います。

このAddis Pabloですが、ネットで調べた
ところ1989年生まれで、年齢は今年で
ちょうど30歳ぐらいでした。
父親のAugustus Pabloは1954年6月
21日生まれで、晩年は筋無力症で苦し
み、1999年の5月18日に44歳で
亡くなっています。
だから彼Addis Pabloが父親のAugustusと
過ごしたのは、10歳になるかならないか
ぐらいの時までだったんですね。
その為彼が音楽を学んだのは直接的にでは
なく、父のAugustusが自宅でリハをして
いる姿やスタジオに入る姿を見てという事
だったらしいです。
実際に彼が音楽活動を始めるのは、父が
亡くなった後の2000年代頃かららしい
です。

アディス・パブロ(Addis Pablo)に迫る5つのクエスチョン

ネットのDiscogsの彼の履歴を見ても、
一番古いシングル盤の履歴は2013年頃
なんですね。
その13年にシングル・リリースされた曲
のいくつか、「Wareika Mystic」や
「One Love, One Heart, One Family」、
「Walls Of Jericho」、Jah Exileの
「To The Chief Musicians」などは、今回
のアルバムに収められています。

ちなみに彼にはアイシス(Isis)という妹
がいるようです。

実際に彼の音楽を聴いてみた感想ですが、
特にそのインスピレーション溢れる
メロディカの演奏は、やはり彼の偉大な
父のAugustus Pabloの演奏に非常によく
似ています。
インタビューなどを読むと彼Addis Pablo
自身が偉大な父の「ファー・イースト・
サウンド」を再現したいという想いがある
ようですが、実際に父の背中を見て学んだ
父のヴァイブスが彼のサウンドにはあるん
ですね。
現代に再び蘇った「ファー・イースト・
サウンド」と呼ばれた、独特のルーツ・
サウンドは、やはりとても魅力的です。
そこがこの人の最大の魅力なのかも。

今回のアルバムでは父の作り上げた
インストと歌、ダブという世界観も踏襲
されていて、例えば1曲目はAddis Pablo
のメロディカの演奏の「Road To Addis」
から、2曲目は同じメロディを使った
Earl Sixteenの歌「Evolution」、3曲目
はそのダブ・ヴァージョン「Evolutionary
Rockers」と、同じメロディを使った曲が、
メロディカのインスト→歌→ダブ、あるい
はメロディカのインスト→ダブと繰り返さ
れています。
そうしたある意味しつこいくらいの
「リディム」の楽しみ方こそ、ルーツの
時代に作りだされたレゲエの楽しみ方
だったんですね。

またAugustus PabloとゆかりのあるEarl
SixteenやSylford Walker、Prince Alla
といった同時代のシンガーが多く参加して
いるのも、このアルバムの魅力のひとつ
です。
彼らの歌が入る事でAddisの作るルーツ・
ミュージックの素晴らしさが、より強調
されているんですね。
その姿はまるで亡くなった父の代わりに、
彼Addisを温かく見守っているようです。
こうした「仲間」への思いやりが、レゲエ
という音楽の良さでもあります。

今回のAddis Pabloのファーストですが、
そのメロディカのインスピレーション溢れ
るサウンドは、やはり父Augustus Pabloの
晩年のサウンドを彷彿とさせるものが
あり、とても魅力的でなかなか充実した
内容なんですね。
ここから彼自身がどういう個性を発揮して
いくのか?そうした期待を持たせるもの
だった事は間違いありません。

ただ2015年にThe Suns Of Dub名義の
アルバム「Far East Dub」をリリースした
ものの、その後はあまり際立った活躍を
していないようなののがちょっと残念な
ところ。
このあたりは彼の2世ゆえの多少引っ込み
思案な性格が、影響しているのかもしれま
せん。
YouTubeに彼とJesse Royal、Earl Chinna
Smithとのセッションの映像がありますが、
Jesse Royalが若者らしくガツガツと
Chinnaに食らい付いて行っているのに、
Addis Pabloはちょっと遠慮して徐々に
フェイド・アウトしてしまっているんです
ね(笑)。

Jesse Royal, Chinna Smith, Addis Pablo & Inna De Yaad Allstars - Butterflies First Edit


「俺が俺が」と前に出る性格の人の多い
ジャマイカの中では、彼はちょっとおとな
しい性格の印象です。
まあ彼の父親のAugustus PabloやChinna
Smithなんかも、比較的前に出る性格では
ない印象ですが…。
そういう控えめな性格の彼Addis Pablo
には単独のメロディカ・プレイヤーの活動
よりも、Ras JammyとのユニットThe Suns
Of Dubなどの活動の方が、ある意味彼には
合っているのかもしれません。
父親のAugustus Pabloもそうでしたけれ
ど、バイ・プレイヤーとして活動しても
彼のメロディカはかなり効果的に曲を盛り
上げる事が出来るんですね。
どんな形であれ、今後の彼の活躍は期待
したいところです。

また父のAugustus Pabloが活動していた
時代に較べて現在はあまりインストが聴か
れない時代になって来ているのも、彼が
アルバムをあまりリリースしていない理由
になっているようです。
ネット上の彼のインタビューなどを読む
と、彼もその事を自覚していて、YouTube
などを活用して、自分の音楽を発信して
いるようです。

実際に今回ネット上で彼の事を検索して
みると、実際にアルバムとしてリリース
されたのは今回のアルバムとThe Suns Of
Dub名義のアルバム「Far East Dub」の
2枚のみのようですが、データとして配信
されているミニ・アルバムなどがいくつか
あるようです。
派手ではないけれど地道に、活動を続けて
いるんですね。

1曲目はAddis Pabloの「Road To Addis」
です。
歯切れの良いパーカッションとギター、
ホーンなどの演奏に乗せた、Addis Pablo
の心地良いメロディカが印象的な曲です。

Addis Pablo - Road To Addis (Official Video)


2曲目はEarl Sixteenの「Evolution」
です。
1曲目「Road To Addis」のEarl Sixteen
によるヴォーカル・ヴァージョンです。
Addisのメロディカが抜けて、ギターと
ピアノ、ホーンの演奏で、Earl Sixteen
らしいソフトなヴォーカルが魅力。

Addis Pablo - Evolution 2014


3曲目は「Evolutionary Rockers」です。
2曲目「Evolution」のダブ・
ヴァージョンです。
こちらはAddisのメロディカ、Earl
Sixteenのヴォーカルも入ったダブ
ワイズがイイ感じ。

4曲目はAddis Pabloの「In A Di Gideon」
です。
郷愁を誘うようなメロディカのメロディに
ホーン、ギターがうまく絡んだ魅力的な曲
です。

Addis Pablo - In a Di Gideon 2014


5曲目はSylford Walkerの「Gideon
Rockers」です。
4曲目「In A Di Gideon」のダブ・
ヴァージョンに、Sylford Walkerの
ヴォーカルが絡んだ1曲。

Addis Pablo - Gideon Rockers feat Sylford Walker 2014


6曲目はAddis Pabloの「His Majesty」
です。
アコースティックなギターとAddisの
表情豊かなメロディカのメロディ。

Addis Pablo His Majesty


7曲目はPrince Allaの「Giving THanks」
です。
6曲目「His Majesty」Prince Allaによる
ヴォーカル・ヴァージョンです。

Giving Thanks


8曲目は「Rockers Trodding Jah Road」
です。
7曲目「Giving THanks」のダブ・
ヴァージョンです。
こちらはパーカッションやギターのダブ
ワイズが際立つ構成。

9曲目はAddis Pabloの「Walls Of
Jericho」です。
ちょっと悲し気でエモーショナルな
Addis Pabloのメロディカに、ギターなど
が絡んだインスト。

Addis Pablo - Walls of Jericho 2014


10曲目はJah Exileの「To The Chief
Musicians」です。
9曲目「Walls Of Jericho」のJah Exile
によるトースティング・ヴァージョン。

Addis Pablo - To the Chief Musicians feat Jah Exile 2014


11曲目はAddis Pabloの「Wareika
Mystic」です。
Addisのエモーショナルなメロディカに、
パーカッションやギター、ホーンなどが
イイ感じに絡んだ曲です。

▶ 11 Wareika Mystic Addis Pablo LP


12曲目はChezidekの「Thanks And
Praise」です。
11曲目「Wareika Mystic」のChezidek
によるヴォーカル・ヴァージョンです。
キーボードのメロディに、感情を乗せた
Chezidekの詠唱が心地良い1曲。

Thanks and Praise


13曲目は「Rockers International
Version」です。
12曲目「Thanks And Praise」のダブ・
ヴァージョンです。
こちらはパーカッションの響きが心地良い
構成。

14曲目はAddis Pabloの「One Love,
One Heart, One Family」です。
生ギターと寂寥感のあるメロディカ、
パーカッションの奏でる心地良いメロディ
がイイ感じの曲です。

Addis Pablo - One Love,One Heart,One Family


15曲目は「Rockers Version」です。
14曲目「One Love, One Heart, One
Family」のダブ・ヴァージョンです。
メロぢ課のユラユラ感と歯切れの良い
パーカッションに重いベース…。

16曲目は表題曲のAddis Pabloの
「In My Fathers House」です。
響き渡るエモーショナルなメロディカに、
ギター、ピアノなどのメロディが絡んだ曲
です。
レゲエならではの独特の世界観がとても
魅力的。

Addis Pablo - In My Father's House


17曲目は「My Father Version」です。
16曲目「In My Fathers House」の
ダブ・ヴァージョンです。
こちらはピアノリリカルなメロディや重い
ベース、ホーン、メロディカなどのダブ
ワイズが随所で光る構成です。

Addis Pablo - In My Father's House Documentary


ざっと追いかけて来ましたが、やはり
Addis Pabloのメロディカの才能は間違い
のないところで、他のAugustus Pabloの
フォロワーと較べても1段抜けたレヴェル
に居ます。
彼Addis Pabloのメロディカはとても純粋
で、やはりそのエモーショナルなサウンド
は、素直に父Augustus Pabloを継いでいる
ところがあります。
それは同時にレゲエ、特にルーツ・
ミュージックとしてのレゲエの意志を継い
でいるという事なんですね。

これからも彼の音楽は注目して行きたいと
思います。

機会があればぜひ聴いてみてください。

Addis Pablo feat. Augustus Pablo - Melodica Rise [Official Video 2019]


1Xtra in Jamaica - 1Xtra in Jamaica - Suns Of Dub Cypher for 1Xtra in Jamaica


Earl Sixteen & The Suns Of Dub - 2/2 - Evolution - Reggae Jam 2015



○アーティスト: Addis Pablo
○アルバム: In My Fathers House
○レーベル: Jahsolidrock
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 2014

○Addis Pablo「In My Fathers House」曲目
1. Road To Addis - Addis Pablo
2. Evolution - Earl Sixteen
3. Evolutionary Rockers
4. In A Di Gideon - Addis Pablo
5. Gideon Rockers - feat. Sylford Walker
6. His Majesty - Addis Pablo
7. Giving THanks - Prince Alla
8. Rockers Trodding Jah Road
9. Walls Of Jericho - Addis Pablo
10. To The Chief Musicians - Jah Exile
11. Wareika Mystic - Addis Pablo
12. Thanks And Praise - Chezidek
13. Rockers International Version
14. One Love, One Heart, One Family - Addis Pablo
15. Rockers Version
16. In My Fathers House - Addis Pablo
17. My Father Version

●今までアップしたAddis Pablo (Suns Of Dub)関連の記事
〇Suns Of Dub「Far East Dub」