今回はElephant Manのアルバム

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「Dance & Sweep!: Adventures Of
The Energy God」です。

Elephant Man(本名:O'Neil Norman
Hughlin Bryan)はジャマイカで人気の
ダンスホール・ディージェイです。

75年にO'Neil Bryanとして生まれた彼は
90年代にバッドマン・ディージェイと
して人気だったBounty Killerに見初め
られ、彼の後輩達で結成された4人組の
ユニットスケア・デム・クルー(Scare
Dem Crew)の一員として90年代後半に
デビューし、その中でも特に輝きを見せて
ダンスホールの世界で人気者となります。
その後99年にScare Dem Crewは解散し、
ソロとして「エナジー・ゴッド(Energy
God)」の愛称でパワフルなステージング
で大活躍したのがこの人です。

ネットのDiscogsによると、7枚ぐらい
のアルバムと、915枚ぐらいのシングル
盤をリリースしています。
また彼の在籍したScare Dem Crewは、
2枚のアルバムと、67枚ぐらいの
シングル盤を残しています。

アーティスト特集 Elephant Man (エレファント・マン)

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Elephant Man ‎– Good 2 Go (2003)

今回のアルバムは2011年にUSの
VP Recordsからリリースされた
Elephant Manのソロ・アルバムです。

エグゼクティブ・プロデューサーは
Chris Chinで、多くの曲をStephen
'Di Genius' McGregorがプロデュース
したアルバムで、彼の師である
Bounty Killerとの共演曲「How We Do
It」や、楽しい楽曲の「In Jamaica」、
当時人気だった短距離ランナーの
ウサイン・ボルトが愛した楽曲「Nuh
Linga」、表題曲の「Dance & Sweep」、
Kardinal Offishallとの共演曲
「Clear」、「Wine And Dip」、
Ding Dongとの共演曲「Dip Again」
など、ヒット曲がたくさん詰まった、内容
の濃いダンスホールらしい楽しさが満載の
アルバムとなっています。

エレファント・マン(Elephant Man)、ニューアルバム「DANCE & SWEEP ...

手に入れたのはVP Recordsからリリース
されたCDの中古盤でした。

全14曲で収録時間は約分。

詳細なミュージシャンの表記はありま
せん。

Executive-Producer: Chris Chin
A & R: Neil 'Diamond' Edwards
Mastered by: Paul Shields at VP Records, New York
Director of Legal & Business Affairs: Alexander J. Threadsold, ESQ
Illustration & Graphic Design: Tony McDermott

という記述があります。

また3つ折りとなった表ジャケの小冊子
には曲ごとのプロデューサーが書かれて
いて、それによると1曲目はイントロで
プロデューサーの記述はなし、4曲目と
6曲目、10~12曲目の5曲は
Stephen 'Di Genius' McGregor、2曲目が
Shaun 'ZJ Chrome' Chablal、3曲目が
DJ Kurt Riley、5曲目がGareth Campbell、
7曲目がDwayne 'Supa Dups' Chin-Queeと
Kardinal Offiishall、8曲目がCordell
'Scatta' Burrell、9曲目がAdrian Locke
とSteve Locke、13曲目がSteve Locke、
14曲目がJeremy Hardingのプロデュース
となっています。

この構成から見ても、彼の当時のヒット曲
が網羅されたアルバムである事が解り
ます。

ジャケット・デザインはTony McDermottが
担当しています。
Scientistの{漫画ジャケ」シリーズや
Mad Professorの「Dub Me Crazy」シリーズ
などでも知られるTony McDermottですが、
まるでアメコミのようなElephant Manの
持ったモップから火を噴いている、
ゴヤゴチャっとした彼らしいイラストが
楽しいジャケットとなっています。

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(表ジャケ内側より)

なお表ジャケの中に、表ジャケとほとんど
同じ絵柄のシールが入っていました。

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(オマケのシール)

さて今回のアルバムですが、いかにも
Elephant Manらしいダンスホールの楽しさ
満載のアルバムで、内容はとても良いと
思います。

このElephant ManはThe Energy God
(エネルギーの神)の愛称で親しまれる
ダンスホール・レゲエのディージェイで、
そのパワフルなステージングがとても魅力
的なアーティストです。
ある意味のちょっとバカっぽさやユーモア
を持った個性は、もっともジャマイカを
感じさせるアーティストのひとりと言えま
す。

今回のアルバムはそんなElephant Manの
もっとも新しいアルバムがで、多くの曲で
彼らしいパワフルなパフォーマンスを披露
しています。
Bounty Killerとの共演曲2曲目「How We
Do It」や、リズミカルな3曲目「Party
Up In Here」、明るいトースティングが
楽しい4曲目「In Jamaica」、当時あの
短距離ランナーのウサイン・ボルトが
お気に入りだった5曲目「Nuh Linga」、
表題曲の6曲目「Dance & Sweep」、
Kardinal Offishallとの共演曲7曲目
「Clear」、Elephant Manの男臭いトース
ティングが楽しい8曲目「Sweep」、
滑らかなトースティングが楽しい9曲目
「Wine And Dip」、Ding Dongとの共演曲
10曲目「Dip Again」、ダンサブルな
リズムの11曲目「Swing」などヴァラエ
ティに富んだカラフルなパーティー・
チューンが満載のアルバムとなっていま
す。

1曲目は「The Genisis (The Energy God's
Introduction)」です。
アルバムの為に作られた1分3秒の
イントロダクションです。

2曲目はBounty Killerとの共演曲
「How We Do It」です。
デジタルなキーボードを中心とした演奏に
乗せた、Bounty KillerとElephant Manの
息の合ったトースティングがイイ感じの曲
です。

Elephant Man ft. Bounty Killer - How We Do It | Official Music Video


3曲目は「Party Up In Here」です。
リズミカルなハンド・クラップにリリカル
なキーボードのメロディ、こちらも
Elephant Manのノリノリのトースティング
が魅力的なパーティー・チューンです。

Elephant Man - Party Up In Here


4曲目は「In Jamaica」です。
デジタルなキーボードのメロディに、
Elephant Manのシング・ジェイな明るい
トースティングがすごく魅力的。

Elephant Man- In Jamaica


5曲目は「Nuh Linga」です。
ダンスホールらしいノリノリのキーボード
のリズムに、Elephant Manのノリの良い
トースティングに掛け声…。
ダンスホール感満載の1曲。

Elephant Man - Nuh Linga | Official Music Video


6曲目は表題曲の「Dance & Sweep」です。
刺激的なキーボードのメロディに、立て板
に水のElephant Manの流れるようなトース
ティング。

Dance and Sweep


7曲目はKardinal Offishallとの共演曲
「Clear」です。
ズシとしたキーボードのメロディに、勢い
のある男性コーラス、Elephant Manらしい
力強いトースティング。

8曲目は「Sweep」です。
いかにもデジタルらしい甲高いキーボード
のオープニングから、力強いバックの男性
コーラスに、Elephant Manの男臭いトース
ティング。

Elephant Man - Sweep


9曲目は「Wine And Dip」です。
リズミカルなデジタルのドラミングに、
滑らかなElephant Manのトースティング
がイイ感じの曲です。

10曲目はDing Dongとの共演曲「Dip
Again」です。
デジタルなキーボードのメロディに、
力強いElephant Manのトースティングと
Ding Dongの掛け合いがイイ感じの1曲
です。

Elephant Man ft. Ding Dong - Dip Again (Official Video 2009)


11曲目は「Swing」です。
ダンサブルなリズムに、デジタルな
キーボードとピアノのメロディ、溢れ出す
ようなElephant Manのトースティングと
力強いコーラス。

ELEPHANT MAN - SWING (Official Video)


12曲目は「Step Ova」です。
「Step Ova!」の掛け声から、キーボード
のメロディに、流れるように滑らかな
Elephant Manのトースティング。

13曲目は「Shake It」です。
リズミカルなキーボードのメロディに、
掛け合いを交えたElephant Manの男らしい
トースティング。

14曲目は「Let Me Be The Man」です。
生ギターのアコースティックなイントロ
から、キーボードに乗せたヴォーカル、
Elephant Manのシング・ジェイなトース
ティング。

ざっと追いかけてきましたがElephant Man
らしい明るく精力的な個性が光るアルバム
で、内容はとても良いと思います。
こうした突出した個性的な音楽は、レゲエ
ならではジャマイカならではというところ
があり、そこがこのElephant Manという人
の最大の魅力なんですね。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: Elephant Man
○アルバム: Dance & Sweep!: Adventures Of The Energy God
○レーベル: VP Records
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 2011

○Elephant Man「Dance & Sweep!: Adventures Of The Energy God」曲目
1. The Genisis (The Energy God's Introduction)
2. How We Do It - feat. Bounty Killer
3. Party Up In Here
4. In Jamaica
5. Nuh Linga
6. Dance & Sweep
7. Clear - feat. Kardinal Offishall
8. Sweep
9. Wine And Dip
10. Dip Again - feat. Ding Dong
11. Swing
12. Step Ova
13. Shake It
14. Let Me Be The Man

●今までアップしたElephant Man関連の記事
〇Elephant Man「Higher Level」