今回はMike Brooksのアルバム

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「Rum Drinker」です。

Mike Brooks(本名: Edmond Brooks
1953年生まれ)は、70年代から活躍
するジャマイカのWestmoreland生まれの
レゲエ・シンガーです。
ネットのWikipediaによると、76年に
ファースト・アルバム「What A Gathering」
をリリースして以来、共演盤を含めて
これまでに22枚ぐらいのアルバムを
リリースしているシンガーのようです。

ちなみにネットのDiscogsの履歴では、
共演盤を含めて15枚のアルバムと、
158枚ぐらいのシングル盤をリリース
したシンガーとなっています。

Mike Brooks (singer) - Wikipedia

今回のアルバムは1979年にUSの
Duke Reidレーベルからリリースされた
Mike Brooksのソロ・アルバムです。

ネットのDiscogsでは制作年がUnknown
(制作年不詳)となっているアルバムです
が、レゲエレコード・コムでは1979年
となっており、今回はその記述から79年
としました。

76年の「What A Gathering」、77年の
「True Love」に続く、Mike Brooksの通算
3枚目に当たるアルバムで、バックは
Sly & Rabbie & The Revolutionariesが
担当し、ミックスはChannel Oneの
エンジニアのCrucial Bunnyが担当した
アルバムで、表題曲の「Rum Drinker」を
はじめとして、ルーツ後期らしいサウンド
に、Mike Brooksの味わいのある
ヴォーカルが冴えるアルバムとなっていま
す。

手に入れたのは2006年にフランスの
Patate RecordsからリイシューされたLP
の中古盤でした。

Side 1が5曲、Side 2が5曲の全10曲。

ミュージシャンについては以下の記述が
あります。

Sly & Rabbie & The Revolutionaries:
Drums: Sly Dunbar
Bass: Rabbie Shakespeare
Keyboards: Ansel 'Double Barrel' Collins
Piano: Gladstone 'Gladdy' Anderson
Lead Guitar: Radcliffe 'Duggy' Bryan
Rhythm Guitar: Eric 'Bingy Bunny' Lamont
Percussion: Uriah 'Sticky' Thompson
Flute: Tommy McCook

Mixed by Crucial Bunny at Channel One
Arranged by Mike Brooks
Recorded at Channel One Studio, Kingston, Jamaica

となっています。

バックはChannel Oneのバック・バンド
Sly & Rabbie & The Revolutionariesで、
ドラムにSly Dunbar、ベースにRabbie
Shakespeare、キーボードにAnsel 'Double
Barrel' Collins、ピアノにGladstone
'Gladdy' Anderson、リード・ギターに
Radcliffe 'Duggy' Bryan、リズム・
ギターにEric 'Bingy Bunny' Lamont、
パーカッションにUziah 'Sticky'
Thompson、フルートにTommy McCookと
いう布陣です。

ミックスはChannel Oneのエンジニア
Crucial Bunnyで、アレンジはMike Brooks
本人が担当し、レコーディングは
ジャマイカのキングストンにあるChannel
One Studioで行われています。

プロデュースは書かれていませんが、
ネットのDiscogsではDuke Reidレーベル
盤とPatate Records盤がDuke Reidと
なっており、2003年にフランスの
Nocturneというレーベルから出された盤
ではJah LloydとMike Brooksとなって
います。
実はこの「Duke Reid」というのが、この
アルバムの謎の部分なんですね。
ネットのレゲエレコード・コムのこの
アルバムのページにも書かれていますが、
Tressure Isleレーベルの主催者だった
Duke Reidは75年に亡くなっているん
ですね。
その為このアルバムをプロデュースしたと
なると、このアルバムが75年以前に作ら
れていなければなりません。
ただ実際の録音は、後述しますが78年
から79年頃のようなんですね。
そう考えるとDuke Reidの音源が多少
混じっている可能性はありますが、Duke
Reidはレーベルの名前で、プロデュース
はJah LloydとMike Brooksと考えるのが
自然かもしれません。
あるいは名前は出ていませんが、Duke
Reidの甥のエンジニアのErrol Brownが
プロデュースした可能性があります。
Duke Reidの死後は甥のErrol Brownが
Tressure Isleレーベルの音源を管理して
いたんですね。

またネットのDiscogsでは制作年が
Unknown(制作年不詳)で、Wikipedia
も「(197?)」となっていますが、
メンバーを見ると70年代に活躍して
80年代に入るとパッタリと活躍が無く
なるTommy McCookと、80年代に
Roots Radicsのメンバーとして活躍する
Eric 'Bingy Bunny' Lamontが入っている
ので、79年というのかなり妥当だと思い
ます。

またDiscogsには「ノート」として、次の
ような記述もあります。

Originally released in late seventies ( around 1978 / 1979 ).
The cover opens on the left side.

これを見るとオリジナル・リリースは、
70年代の78年から79年の間という事
が書かれています。

またちょっと興味深いのは、カヴァーが
左空きのアルバムとしてリリースされたと
いう事が書かれています。
通常は右空きですが、面付けを間違えたの
でしょうか?
なんかジャマイカだとありそうですよ
ね(笑)。

残念ながらジャケット・デザインに関する
記述はありません。
ただ今回のアルバムは肌色地に写真と文字
の入ったアルバムですが、Discogsに掲載
された他のレーベルからリリースされた
アルバムの写真を見ると、地色が白地
だったようにも思われます。
レトロ感を出す為に、肌色地に変えたので
しょうか?

さて今回のアルバムですが、このルーツ期
に作成されたヴォーカリストのアルバムと
しては、内容がすごく良いです。

ルーツ・レゲエの時代らしいSly & Rabbie
を中心としたThe Revolutionariesの
歯切れの良いビートに乗せたMike Brooks
の個性的なヴォーカルはすごく魅力的
です。
またこの時期はまだルーツ・レゲエの後期
ぐらいの時代ですが、曲目を見るとかなり
ラヴ・ソングが多い印象です。
このMike Brooksは77年の「True Love」
や83年の「One Love」など、アルバムの
タイトルからしてラヴ・ソングと解る
タイトルが多い人ですが、デビュー当時
からラヴ・ソングで人気を博した人なの
かもしれません。
83年のRoots Radicsをバックにした
「One Love」などは彼の代表作のひとつ
ですが、早くからダンスホール・レゲエに
繋がるラヴ・ソングなどを多く歌った人
なんですね。

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Mikie Brooks & Roots Radics ‎– One Love (1983)

その特徴のあるスウィートだけれど粘り気
のあるヴォーカルは、個性的で黒いハート
を感じさせ、なかなか魅力的です。
ソフトなラヴ・ソングの「Love Comes And
Goes」から、陰りのあるルーツを感じさせ
る表題曲「Rum Drinker」、Tommy McCook
の甲高いフルートに乗せた「Money In My
Pocket」など、曲ごとの歌い分けが見事
で、このヴォーカリストの才能を感じさせ
る曲が揃った、なかなか聴きどころの多い
アルバムとなっています。

Side 1の1曲目は「Love Is The Password」
です。
歯切れの良いギターとキーボードの
メロディに、心地良いMike Brooksの
ヴォーカルがイイ感じの曲です。

Love Is a Password (2018 Remaster)


2曲目は「Labba Up Your Mouth」です。
The Revolutionariesの心地の良いビート
のギターとキーボード、パーカッションを
中心とした演奏に、Mike Brooksの味わい
のあるヴォーカルが魅力的。

Mike Brooks-Labba Up Your Mouth


3曲目は「Love Comes And Goes」です。
歯切れの良いドラミングに、漂うような
キーボードとギターのメロディ、Mike
Brooksの感情をうまく乗せたヴォーカルが
魅力的。

Mike Brooks - Love Comes And Goes


4曲目は「Sistering」です。
浮遊感のあるキーボードとギターの
メロディに、語るように丁寧に歌う
Mike Brooksの味わいのあるヴォーカルが
グッド。

5曲目は表題曲の「Rum Drinker」
です。
明るいキーボードとギターのメロディ、
歯切れの良いディレイが深めのドラミング
に、感情をうまく乗せたMike Brooksの
ヴォーカルがすごくカッコいい曲です。

Rum Drinker (2018 Remaster)


Side 2の1曲目は「Wicked Babylon」
です。
勢いのあるドラミングから、ギターと
浮遊感のあるキーボードメロディに
パーカッションのリズム、Mike Brooks
の力強いヴォーカル。

Mike Brooks - Wicked Babylon


2曲目は「Money In My Pocket」です。
あのDennis Brownの名曲です。
この曲のみTommy McCookと思われる
フルートが入っています。
キーボードと甲高いフルート、ギターを
中心としたメロディに、Mike Brooksの
ちょっと粘り気のある伸びやかな
ヴォーカルが魅力的。

Mike Brooks - Money In My Pocket - (Rum Drinker)


3曲目は「Girl Of My Type」です。
キーボードとギター、ベースを中心とした
メロディに歯切れの良いドラミング、
節回しの効いたMike Brooksのナイスな
ヴォーカルがグッド。

4曲目は「Man To Man」です。
キーボードとギターを中心としたメロディ
に、歯切れの良いドラミング、Mike
Brooksの魅力的なヴォーカル。

Mike Brooks - Man To Man - (Rum Drinker)


5曲目は「Feeling Of Reggae」です。
キーボードとギター、トビ音のエフェクト
も入ったディレイが深めのメロディに、
Mike Brooksの感情の乗ったヴォーカルが
魅力的。

ざっと追いかけてきましたが、なかなか
内容の濃いアルバムで、「Rum Drinker」
というタイトル通りの、まるで美味しい
ラム酒を飲んだ時の甘い芳香に包まれる
ような、充実した内容のアルバムなんです
ね。
このアルバムが彼Mike Brooksの代表作の
ひとつである事は、間違いがありません。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: Mike Brooks
○アルバム: Rum Drinker
○レーベル: Patate Records
○フォーマット: LP
○オリジナル・アルバム制作年: (1979)

○Mike Brooks「Rum Drinker」曲目
Side 1
1. Love Is The Password
2. Labba Up Your Mouth
3. Love Comes And Goes
4. Sistering
5. Rum Drinker
Side 2
1. Wicked Babylon
2. Money In My Pocket
3. Girl Of My Type
4. Man To Man
5. Feeling Of Reggae