今回はThe Chosen Fewのアルバム

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「In Miami」です。

The Chosen Fewは1969年から活動
する、ソウルフルな歌唱のヴォーカル・
グループです。
レゲエの中でもそうしたソウルに影響を
受けた楽曲を多くリリースしたDerrick
HarriottのレーベルCrystal Recordsなど
で活躍した事で知られています。

ネットのDiscogsによると、4枚ぐらいの
アルバムと、73枚ぐらいのシングル盤を
リリースしています。

The Chosen Few (reggae group) - Wikipedia

今回のプロデューサーであるKing Sporty
(本名:Noel George Williams)について
も少し書いておきます。

彼のDiscogsのページには次のように書か
れています。

Jamaican DJ, reggae musician, and record producer for the Tashamba and Konduko labels which he founded.
He is perhaps best known for co-writing the song, "Buffalo Soldier" made famous by Bob Marley & The Wailers.
Born: September 19, 1943, Portland, Jamaica
Died: January 5, 2015, Miami, Florida, USA.
《ジャマイカ人DJ、レゲエ・
ミュージシャン、そして彼が設立した
TashambaとKondukoレーベルのレコード・
プロデューサー。
彼はおそらく、Bob MarleyとThe Wailers
で有名になった「Buffalo Soldier」と
いう曲の共作者という事でもっともよく
知られています。
1943年9月19日、ジャマイカの
ポートランド生まれ。
2015年1月5日、アメリカのフロリダ
州、マイアミで死亡。》

ネットのDiscogsによると、共演盤を含め
て5枚ぐらいのアルバムと、56枚ぐらい
のシングル盤をリリースしています。

King Sporty - Wikipedia

トースティングのパイオニアの1人、キング・スポーティー(King Sporty)が死去…

今回のアルバムは1976年にUKの
Trojan Recordsからリリースされた
The Chosen Fewの通算3枚目となる
アルバムです。

プロデュースはKing Sportyで、バックは
アメリカのファンク・グループK.C. &
The Sunshine Bandなどが務めたアルバム
で、かなりソウルやファンク色の強い内容
のアルバムとなっています。

なお制作年不詳のジャマイカのKonduko
レーベルからリリースされた、曲が同じの
「Night And Day」というタイトルの
アルバムがあります。
もしかしたらそちらの方が先のリリース
なのかもしれません。

手に入れたのは2004年にTrojan
RecordsからリイシューされたCDの中古
盤でした。
オリジナル10曲にプラスして、
プロデューサーのKing Sportyなどの楽曲
13曲が収められた、合計23曲入りの
アルバムでした。

全23曲で収録時間は約69分。
オリジナルは10曲で、残りの13曲は
プロデューサーのKing Sporty名義の曲が
10曲、Chuck Houston名義のホーン・
インストが1曲、Ronnie Keaton & The
Ocean Liners Band名義の曲が1曲、その
ヴァージョン(ダブ)のKing Spoty &
The Ocean Liners Band名義の曲が1曲
収められています。

ミュージシャンについては以下の記述が
あります。

All Tracks Produced by King Sporty
Musicians: K.C. & The Sunshine Band, The Ocean Liners Band

Sleeve Photography: David Radford

となっています。

すべての曲のプロデュースはKing Sporty。
バックのミュージシャンはK.C. & The
Sunshine BandとThe Ocean Liners Band
が務めています。
ハッキリとは解りませんが、The Chosen
FewのバックがK.C. & The Sunshine Band
で、King Sportyなどのバックを務めたの
がThe Ocean Liners Bandなのかもしれま
せん。

なおK.C. & The Sunshine Bandは、日本
でも「That's The Way (I Like It)」など
のヒット曲で知られるアメリカの
ファンク・グループです。

That's the way I like it K C & the Sunshine Band. on soul train MPG


正直私はあまりファンクやソウルに詳しく
ありませんが、YouTubeの映像を見ると、
真ん中でキーボードを弾いている白人が
おそらくK.C.で、ホーンや女性コーラスを
従えたグループのようです。

なお今回の表ジャケの小冊子ではよく解り
ませんでしたが、ネットのDiscogsには
ヴォーカルとしてBunny BrownとBusty
Brown、Errol Brown、Franklin Spence
というThe Chosen Fewのメンバーの名前
が書かれていました。

ジャケット写真はDavid Radfordとなって
います。

さて今回のアルバムですが、レゲエという
よりはソウルといっても遜色のないような
内容のアルバムで、多少そのあたりは好き
嫌いの分かれるところがあるかもしれま
せんが、そのヴォーカルはなかなか圧巻で
面白いアルバムだと思います。

この70年代ぐらいのジャマイカのレゲエ
という音楽の中には、アメリカのソウルや
ファンク、R&Bなどの黒人音楽への憧れ
が、脈々と流れ続けているんですね。
特にソウル色の強い楽曲をリリースして
いたのが、Derrick Harriottのレーベル
Crystal Recordsでした。
そのCrystal Recordsの看板グループの
ひとつが、このThe Chosen Fewだったん
ですね。
事実The Chosen Fewのアルバムのリリース
を見ると、73年のファースト・アルバム
「Hit After Hit」と75年のセカンド・
アルバム「Everybody Plays The Fool」
は、リリースはUKのTrojan Recordsと
なっていますが、プロデューサーはいずれ
もDerrick Harriottなんですね。
そうしたDerrick Harriottと結びつきが
深いのがこのThe Chosen Fewという
ヴォーカル・グループで、メンバーの
Bunny Brownが亡くなった際には、Derrick
Harriottが成功できたのは彼のおかげだ
と賛辞を送っています。

チョーゼン・フュー(Chosen Few)のバニー・ブラウン(Bunny Brown)が死去…

そうしたThe Chosen Fewがマイアミの
King Sportyの元で制作したのが今回の
アルバムで、バックには当時大人気だった
アメリカのソウル&ファンク・バンド
K.C. & The Sunshine Bandが参加していま
す。
今の人はあまり知らないでしょうが、この
K.C. & The Sunshine Bandは当時は
75年に「That's The Way (I Like It)」
が大ヒットした人気バンドで、日本の
ディスコでも曲がかかりまくっていたん
ですね。
おそらく私と同世代の人ならば、バンド名
が解らなくても曲を聴けばディスコで
かかっていた「あの曲」とすぐに解る
バンドなんですね。
そうしたヒット直後のK.C. & The Sunshine
Bandが参加したのが今回のアルバムで、
そのあたりからも今回のアルバムへの期待
度がうかがえます。

ただ今回このアルバムを調べていて、ある
販売サイトで気になる記述も見つけまし
た。
それが「アメリカ・ツアー中に、フロリダ
をベースに活躍していたジャマイカン・
プロデューサーKing Sportyとタッグを
組み、このアルバムを完成させるも束の
間、作品の高い評判にも関わらずグループ
は意見の食い違いから解散してしまう。」
というものでした。
この記述の通りだとすると、このサード・
アルバムが評判だったにもかかわらず、
解散してしまったらしいです。
これが事実とすると、ちょっともったい
ないですね(苦笑)。
内容的にもアメリカでも充分に通用しそう
な、とても良い内容なだけに…。

ちなみにこのグループですが、この
サード・アルバムの後2006年に
「Musical Hangover」というおそらく
4枚目のアルバムを出しており、シングル
盤も80年代、2000年代、2010年
代に出しています。
想像ですが、たびたび再結成されているの
ではないかと思われます。

話を戻しますが、今回のアルバムの最大の
魅力はアメリカのファンク・バンドの
K.C. & The Sunshine Bandのグルーヴ感
溢れる演奏に乗せた、The Chosen Fewの
ソウルフルな本場顔負けのヴォーカルに
あると思います。
踊りだしたくなるようなそのノリは、
やはりレゲエというよりはソウルや
ファンクそのものなんですね。
アッパレなほどに本場とそん色のない
「黒い魂」のノリを表現しています。
ある意味ファンクやソウル・グループと
しても活躍出来たんじゃないかと思います
が、解散してしまったのならとても残念な
事だと思います。

ただその音楽は今の時代に聴いても、
とても素晴らしいものなんですね。
ソフトなヴォーカルが心地良い1曲目の
「Night And Day」から、ソウル・
グループ顔負けのコーラス・ワークの2曲
目「I Am A Man」、都会的でアダルトな
3曲目「In The Rain」、まさにソウル
そのものといった曲調の4曲目
「Wandering」、ファンクなノリの5曲目
「Funky Buttercup」、華やかな6曲目
「Candy, I'm So Doggone Mixed Up」、
こちらもファンキーな7曲目「Why Can't
We Live」、抒情的なギターにナイスな
ヴォーカルの8曲目「Drift Away」、
Elton Johnのヒット曲9曲目「Daniel」、
コーラス・ワークが楽しい10曲目
「Hit Me With Music」まで、本場アメリカ
のソウル・ミュージックと較べても遜色の
ないThe Chosen Fewの見事なヴォーカル・
ワークが楽しめるアルバムとなっていま
す。

さらにボーナス・トラックとしてこの
アルバムのプロデューサーである
King Spotyの楽曲など13曲が収められて
いるんですね。
こちらもソウルを感じさせるサウンドです
が、よりレゲエ色の強いサウンドになって
います。

11曲目「Sun Will Shine」はあの
Bob Marleyの名曲だったり、15曲目
「Girl I've Got A Date」はAlton Ellis
のロックステディの大ヒット曲だったり
と、こちらもなかなか興味深い内容です。

ただ正直に言うとこのThe Chosen Fewの
アルバムに、King Spotyの楽曲を
ボーナス・トラックに付けたのは本当に
良かったのか?
ネーム・バリュー的にはKing Spoty単独の
アルバムを出すのは難しかったのかもしれ
ませんが、続けて聴くと多少中途半端な
印象がしました。
とはいえこちらもかなり貴重な音源なの
で、別の「オマケ」として聴いてくだ
さい。

1曲目は「Night And Day」です。
ホーンとストリングス、キーボードの
メロディに、ソウルフルでソフトな
ヴォーカルがとても心地の良い曲です。

2曲目は「I Am A Man」です。
ホーンとキーボードのリズミカルな
メロディに、ソウルフルなヴォーカルに
コーラスが印象的な曲です。
初めに歌いだす落ち着いたヴォーカルと
後から入って来るファルセットな
ヴォーカルの、2つのヴォーカルの
コンビネーションも魅力です。

chosen few - i am a man


3曲目は「In The Rain」です。
フルートとギター、ベース、ストリングス
を軸とした演奏に、感情を乗せた渋い
ヴォーカル、心地良いコーラス・ワークが
魅力的。
都会的でアダルトなナンバーです。

The Chosen Few - In The Rain


4曲目は「Wandering」です。
ホーンとギター、ストリングスのソフトな
メロディに、ファルセットのソウルフルな
ヴォーカル。

The Chosen Few Wandering


5曲目は「Funky Buttercup」です。
こちらはまさにファンクといったノリの曲
です。
ファンキーなギターにドラミング、
ノリノリのヴォーカルがグッド。

The Chosen Few - Funky Buttercup breaks


6曲目は「Candy, I'm So Doggone Mixed
Up」です。
歯切れの良いドラミングにリズミカルな
ギター、心地良いストリングスに、
ファルセットなヴォーカルにコーラス・
ワーク。

7曲目は「Why Can't We Live」です。
ホーンにファンキーなギター、勢いのある
コーラス・ワーク、合間良く入るホーンと
ギター・ワーク。

THE CHOSEN FEW - WHY CAN T WE LIVE (HD) 33T


8曲目は「Drift Away」です。
抒情的なギターのメロディにナイスな
ヴォーカルが絡む曲です。

9曲目は「Daniel」です。
この曲はElton Johnの同名ヒット曲
「Daniel」です。
ギターのリズムカルナメロディに
フルート、ソフトなヴォーカル。

The Chosen Few - Daniel


10曲目は「Hit Me With Music」です。
ギターとキーボード、ストリングスの
メロディに、様々な声が混ざり合う
コーラス・ワークがグッド。

11曲目以降はボーナス・トラックで、
King Spotyの曲などが収められています
が、ここでは割愛します。

ざっと追いかけてきましたが、70年代の
前半から中盤にかけてジャマイカで
ソウル・ミュージックを志向した
The Chosen Fewというグループの素晴ら
しさがよく解る内容のアルバムで、出来は
とても良いと思います。

機会があればぜひ聴いてみてください。

The Chosen Few ( Live)



○アーティスト: The Chosen Few
○アルバム: In Miami
○レーベル:
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年:

○The Chosen Few「In Miami」曲目
1. Night And Day
2. I Am A Man
3. In The Rain
4. Wandering
5. Funky Buttercup
6. Candy, I'm So Doggone Mixed Up
7. Why Can't We Live
8. Drift Away
9. Daniel
10. Hit Me With Music
Bonus Tracks:
by King Spoty & Friends
11. Sun Will Shine - King Spoty
12. All Things Change - King Spoty
13. Music Maker - King Spoty
14. Don't Let Me Down - King Spoty
15. Girl I've Got A Date - King Spoty
16. Thinking Of You - King Spoty
17. Self Destruct - King Spoty
18. Dancing Mood - King Spoty
19. Black Foxy Woman (Instrumental) - Chuck Houston
20. Young Girl - King Spoty
21. Reggae Rock Road - King Spoty
22. I'm Going Down For The Last Time - Ronnie Keaton & The Ocean Liners Band
23. I'm Going Down For The Last Time Version - King Spoty & The Ocean Liners Band