今回はJah Cureのアルバム

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「True Reflections...A New Beginning」
です。

Jah Cure(本名:Siccature Alcock)は
90年代後半から活躍する・ラスタ・
シンガーです。
1997年にBeres Hammondのレーベル
Harmony HouseからリリースしたSizzlaと
のコンビネーション曲「King In This
Jungle」が大ヒットするなど順調な
スタートを切った彼でしたが、98年に
レイプなどの罪に問われて逮捕され、冤罪
を訴えたものの、懲役15年の刑を受けて
しまいます。
その後獄中で録音したファースト・
アルバム「Free Jah's Cure: The Album,
The Truth」でアルバム・デビューを飾り、
獄中から2003年に「Ghetto Life」、
2005年「Freedom Blues」とアルバム
をリリースし、8年の刑期を終えて
2007年にようやく釈放されます。

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Jah Cure‎– Free Jah's Cure: The Album, The Truth (2000)

その後は「Unconditional Love」を
大ヒットさせるなど、順調にキャリアを
積み重ねているのがこのJah Cureという
シンガーです。

Jah Cure - Unconditional Love [Official Video]


ネットのDiscogsによると、7枚ぐらいの
アルバムと、121枚ぐらいのシングル盤
をリリースしているのが、このJah Cureと
いう人です。

アーティスト特集 Jah Cure (ジャー・キュア)

Jah Cure - Wikipedia

今回のアルバムは2007年にUSの
VP RecordsからリリースされたJah Cureの
通算4枚目のソロ・アルバムです。

Jah Cureが釈放の3日後にリリースされた
というアルバムで、表題曲の「True
Reflections」やヒットした「To Your Arms
Of Love」など、彼らしいラスタの心情を
歌ったリリックやラヴ・ソングが楽しめる
アルバムとなっています。

手に入れたのはVP Recordsからリリース
されたCD(新盤)でした。

全15曲で収録時間は約59分。

ミュージシャンについては以下の記述が
あります。

Executive Producer: Chis Chin & Neil 'Diamond' Edwards
Art Direction & Design by: Louis Keon 'Hype' Raffington for VP Records
Edited & Mastered by: Paul Shields at VP Mastering, NY
Photography by: Ray O'Sullivan

1. True Reflections
Writers: G. Wright, D. Stephenson, S. Walker
Drums: Randevon Patrick
Bass: Aeion Hoilet
Congo: Billy Lawrence
Keyboards: Michael 'Angel' Adams
Acoustic Guitars: Ian 'Beezy' Coleman
Voice in: Tower Street Correctional, Facility (GP) Prison
Overdubbing, Editing and Mixed at Downsound Studios, Kingston, JA
Basic Track Recorded at: Tuff Gong tudios, Kingston, JA
Produced by: Andrew President, Joseph Bogdanovich, Duane Stephenson,
Superintendent Gladstone Wright and Sonita Walker for Black And Wite Productions

2. Dem Nuh Build Great Man feat. Fantan Mojah
Writers: S. Alcock, O. Monciffe, J. Bogdanovich, R. O'Neil, A. President
Drums: Melbourune Miller
Bass, Keyboards: Donald Dennis
Guitar: Dwight Pinkney
Voice in: Tower Street Correctional, Facility (GP) Prison
Overdubbing, Editing and Mixed at Downsound Studios, Kingston, JA
Produced by: Andrew President, Joseph Bogdanovich for Black And Wite Productions

3. Longing For
Writers: S. Alcock, D. Bennett, N. Staff, W. Morris
Musicians: Donovan 'Vendetta' Bennett, Nigel Staff and Wayne Morris
Recorded and Mixed at: Vendetta Studios, Kingston, JA
Produced by: Donovan 'Vendetta' Bennett for Don Corleon Productions

4. To Your Arms Of Love
Writers: S. Alcock, A. Cooper
Produced by: Arif Cooper for Fresh Air Productions

5. What Will It Take
Writers: S. Alcock, W. Morris, P. Crossdale, D. Bennett, D. Dennis
Produced by: Wayne Morris for Purple Skunk Records

6. Love You
Writers: S. Alcock, D. Thompson
Guitar: Donovan Thompson
Produced by: Chad 'Goofy' aka 'Mr.G' Simpson for Young Blood Productions

7. Same Way
Writers: S. Alcock, D. Dennis, M. Miller, P. Crossdale
Produced by: Chad 'Goofy' aka 'Mr.G' Simpson for Young Blood Productions

8. Searching For A Girl
Writers: S. Alcock, M. Johnson
Produced by: Michael 'Mikey John' Johnson and Rae Edwards for Lion Paw Productions

9. Jamaica
Writers: S. Alcock, D. Drummond, E. Warren, D. Chin-Quee
Produced by: Mitchum Chin, Dwayne Chin-Quee, Delmar Drummond, Dean Drummond
and Edward Warren for Danger Zone JA

10. Cease All War
Writers: S. Alcock, C. Dodd
Produced by: Wee Pow for Stone Love Productions
Contains Interpolations from The Composition "Give Me The Right" Written by
Clement Dodd, Barrington Llewellyn and Leroy Sibbles

11. Share The Love feat. Gentleman
Writers: S. Alcock, R. Stephens, P. Crossdale, O. Renmalls, K. Bennett, T. Otto
Keyboards: Paul 'Wrong Move' Crossdale
Horns: Dean Fraser
Drums: Kirk Bennett
Bass: Owen Renmalls
Harmony: Pam Hall and The Daffodils
Produced by: Ricky Genious and Ray Stephens for Vertex Productions

12. Love Is
Writers: S. Alcock, D. Bennett
Produced by: Donovan 'Vendetta' Bennett for Don Corleon Productions

13. The Sound
Writers: S. Alcock, O. Renmalls, C. McLaughlin, A. Thomas, D. Drummond, E. Warren
Musicians: Owen 'Bassie' Renmalls, Tony Thompson and Carol McLaughlin
Produced by: Delmar Drummond for Danger Zone JA

14. Conga Man
Writers: S. Alcock, R. O'Neil
Keyboards, Drums and Bass: Rick O'Neil
Background Vocals: Pam Hall, Big Boom, Funtes, Cabasa and Bongo
Drums: Bongo Herman
Keyboards: Michael 'Angel' Adams
Recorded at: Downsound Studios, Kingston, JA
Produced by: Andrew President and Josef Bogdanovich for Black And Wite Productions

15. Most High Cup Full
Writers: S. Alcock, R.N. Marey
Produced by: Maurice Delauney for Big Leauge Productions
Contains Interpolations from The Composition "Sun Is Shining" Written by
Robert Nesta Marley

となっています。

長いので曲ごとのミュージシャンの詳細は
控えますが、エグゼクティブ・
プロデューサーはChis ChinとNeil
'Diamond' Edwardsで、ジャケット・
デザインはLouis Keon 'Hype' Raffington、
写真はRay O'Sullivanとなっています。

さて今回のアルバムですが、この4枚目の
アルバムまでが刑務所の中で録音された
アルバムなのですが、それにしては
クウォリティが高く、なかなか好内容の
アルバムだと思います。

このJah Cureですがレイプや銃所持など
様々な罪を問われ懲役15年の刑を受けて
実際には8年服役するなど、その出だしは
かなり厳しい状況から、今の地位を築いた
人なんですね。
彼を応援する人たちからはそれが冤罪
だったとも言われていますが、それが本当
に冤罪だったのかは私には解りません。
ただそうした状況からの出発はかなり困難
だったのは事実で、釈放後も女性擁護団体
などからはかなりの間非難され続けていた
ようです。

ジャー・キュア (Jah Cure)を解放せよ - “ジャー・キュアは服役しなければならない”

ただその服役中もレコーディングをし、
アルバムを発表するなど、彼はシンガーと
しての活動を続けたんですね。
そのあたりは日本よりもジャマイカの方が
優れているところで、ジャマイカでは死刑
という制度も無いし、アーティストが獄中
でレコーディングする事も許可される事が
あるようです。。
もっとも設備はスタジオよりも貧弱だった
ようで、Jah Cureのインタビューなどを
読むと、布団にくるまって録音したバック
の音源をイヤホーンで聴きながら声を録音
したりしたそうです。
そういう苦労して刑務所の服役中に、今回
のアルバムも含めて4枚ものアルバムを
録音したんですね。

ある意味こうした「犯罪者」にも希望を
与えてあげる事は、重要なんじゃないで
しょうか。
その方が再犯が防げるし、シンガーとして
生きる道があれば、その希望で犯罪が減る
可能性があります。
昨今の日本のように犯罪を犯したからと
いって、CDから何から回収して音楽を
奪う事が、果たして本当に正しいのか?
個人的にはちょっと疑問に思う事があり
ます。

話を戻しますが、そうした「悲劇の
シンガー」として活動を始めたJah Cure
ですが、もともとかなり実力のある
シンガーだったようですが、服役すると
いう辛い経験をしたせいでその実力はさら
に磨かれて、より素晴らしいシンガーへと
成長したようです。
彼は獄中の4枚のアルバムを含めて今まで
に7枚ぐらいのアルバムをリリースして
いますが、その歌唱は素晴らしくどの
アルバムも出来がすごく良いんですね。
ある意味獄中の辛い経験によって磨かれた
シンガーなんですね。

アルバムの表題曲ともいえる1曲目
「True Reflections」をはじめとして、
Fantan Mojahとの共演曲2曲目「Dem Nuh
Build Great Man」、ヒット曲となった
4曲目「To Your Arms Of Love」、もろに
ラヴ・ソングの6曲目「Love You」、
Studio OneのThe Heptonesのロック
ステディのヒット曲「Give Me The Right」
リディムの10曲目「Cease All War」、
ドイツのレゲエ・シンガーGentlemanとの
共演曲10曲目「Share The Love」、
そして最後はあのBob Marleyの「Sun Is
Shining」リディムの15曲目「Most High
Cup Full」と、多くの素晴らしい内容の曲
が並ぶアルバムとなっています。

まさに「A New Beginning」、Jah Cureの
新しい出発点となった、聴きどころ満載の
アルバムです。

1曲目は「True Reflections」です。
生ギターを中心としたメロディに、
Jah Cureの感情を乗せたヴォーカルと
コーラスがすごく魅力的な曲です。

Jah Cure - True Reflections


2曲目はFantan Mojahとの共演曲
「Dem Nuh Build Great Man」です。
ザワザワとした音の中の語りから、ギター
とキーボードのメロディに乗せたJah Cure
のヴォーカルにコーラス、遅れて入って
来るFantan Mojahのシング・ジェイも
イイ感じです。

Jah Cure feat. Fantan Mojah - Nuh Build Great Man


3曲目は「Longing For」です。
キーボードと生ギターを中心とした
メロディに、Jah Cureの感情をうまく
乗せたヴォーカルとコーラスが魅力的な
ラヴ・ソングです。

4曲目は「To Your Arms Of Love」です。
漂うような寂寥感のあるキーボードの
メロディに、語るように静かに入る
Jah Cureのアダルトなヴォーカルが魅力
的なヒット曲です。

Jah cure-To your arms of love(acoustic)


ジャー・キュア(Jah Cure) - To Your Arms Of Love - Gurdian Angel Riddim - リリック

5曲目は「What Will It Take」です。
ギターとキーボード、生ギターを中心と
したリリカルなメロディに女性コーラス、
感情をうまく乗せたJah Cureのヴォーカル
がグッと来る曲です。

6曲目は「Love You」です。
生ギターの優しいメロディに、Jah Cureの
ソフトなヴォーカルが魅力的なラヴ・
ソングです。

7曲目は「Same Way」です。
ホーンの明るいメロディに、Jah Cureの
楽し気なヴォーカルにコーラス。

8曲目は「Searching For A Girl」です。
華やかなホーン・セクションのメロディに
女性コーラス、感情を乗せたJah Cureの
ハリのあるヴォーカルがグッド。

Searching For A Girl


9曲目は「Jamaica」です。
キーボードとギターの浮遊感のある
メロディにコーラス、丁寧に歌うJah Cure
のヴォーカルが印象的。

10曲目は「Cease All War」です。
リディムはStudio OneのThe Heptonesの
ロックステディのヒット曲「Give Me
The Right」。
疾走感のあるホーンのメロディに、感情を
乗せたJah Cureのヴォーカルが魅力的。

Cease All War


11曲目はドイツ人レゲエ・シンガーの
Gentlemanとの共演曲「Share The Love」
です。
ギターとキーボードのメロディに、
Jah Cureのヴォーカルに合間良く入る
Gentlemanのトースティングがイイ感じ
の曲です。

Share The Love Feat. Gentleman


12曲目は「Love Is」です。
キーボードのメロディに語り、ノビノビと
歌うJah Cureのヴォーカルにコーラス・
ワーク。

Jah Cure- Love Is


13曲目は「The Sound」です。
ギターとキーボードを中心としたメロディ
に、Jah Cureの感情を乗せたヴォーカルが
イイ感じ。

14曲目は「Conga Man」です。
生ギターにパーカッションを中心とした
演奏に、感情を乗せたJah Cureの
ヴォーカルが魅力的。

15曲目は「Most High Cup Full」です。
リディムはBob Marleyのの名曲「Sun Is
Shining」です。
ギターとキーボーボードを中心とした緊迫
感のある演奏に女性コーラス、Jah Cureの
男らしいハリのあるヴォーカルが魅力的。

Most High Cup Full


ざっと追いかけてきましたが、彼に付いて
しまった悪いイメージを払拭する為か、
全体にラヴ・ソングが多めの構成ですが、
その狙いはある程度当たっていて、彼の
ソフトで力強いヴォーカルがかなり魅力的
です。
彼のキャリアの再構築に成功したアルバム
と言えるかもしれません。

書いたように彼が冤罪だったのかどうかは
解りませんが、少なくともその辛い経験
から彼は学び、素晴らしいシンガーへと
なって行った事は間違いがありません。
その事は彼が残した曲やアルバムが証明
しています。
そして最近でもPopcaanやPadrinoとの共演
曲「Life Is Real」をリリースするなど、
精力的に活動を続けているんですね。

Jah Cure ft. Popcaan & Padrino - Life Is Real | Official Lyric Video


機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: Jah Cure
○アルバム: True Reflections...A New Beginning
○レーベル: VP Records
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 2007

○Jah Cure「True Reflections...A New Beginning」曲目
1. True Reflections
2. Dem Nuh Build Great Man - feat. Fantan Mojah
3. Longing For
4. To Your Arms Of Love
5. What Will It Take
6. Love You
7. Same Way
8. Searching For A Girl
9. Jamaica
10. Cease All War
11. Share The Love - feat. Gentleman
12. Love Is
13. The Sound
14. Conga Man
15. Most High Cup Full