今回はThe Tamlinsのアルバム

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「Red Rose」です。

The TamlinsはDerrick LaraとCarlton
Smith、Sylvanus Mooreの3人からなる
ソウルフルなラヴ・ソングを得意とした
コーラス・グループで、70年の中頃から
活躍するグループです。

ネットのDiscogsによると、共演盤を含め
て8枚ぐらいのアルバムと、144枚
ぐらいのシングル盤をリリースしていま
す。

The Tamlins - Wikipedia

今回のアルバムは1983年にUKの
Vista Soundsからリリースされた、彼らの
セカンド・アルバムです。

表題曲になっているThe Gayladsのロック
ステディの時代のヒット曲「Red Rose」を
初めとして、彼ららしいソフトなラヴ・
ソングが多く集められたアルバムとなって
います。

手に入れたのはVista Soundsからリリース
されたLPの中古盤でした。

Side 1が4曲、Side 2が4曲の全8曲。

詳細なミュージシャンの表記はありま
せん。

A Hu Brown Production for Vista Sounds

Sleeve Design: Dany Hearm

という記述があります。

これを見るとプロデュースはVista Sounds
のHu Brownで、ジャケット・デザインは
Dany Hearmが担当しているようです。

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裏ジャケ

さて今回のアルバムですが、いかにもこの
グループらしいソフトでソウルフルな
ラヴ・ソングが多く収められたアルバム
で、内容は悪くないと思います。

私がこのThe Tamlinsというグループに
興味を持ったのは、あのレゲエ・
リイシュー・レーベルBlood & Fireの
レゲエとソウルの関係を追求した
コンピュレーション・アルバム
「Darker Than Blue: Soul From Jamdown
1973 - 1980」を聴いてからでした。

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Various ‎– Darker Than Blue: Soul From Jamdown 1973 - 1980 (2001)

このアルバムはBlood & Fireの残した
リイシュー・アルバムの中でも特に素晴ら
しいアルバムのひとつで、ジャマイカの
レゲエ・アーティストの中にあるとても
ディープなソウル・ミュージックに対する
リスペクトが感じられるアルバムとなって
います。

そのアルバムの中にこのThe Tamlinsの
80年の曲「Baltimore」が収められて
いたんですね。

7'' The Tamlins - Baltimore (& Dub)


この1曲を聴いただけでもこのグループ
The Tamlinsの素晴らしさが解るし、この
曲を選曲したレゲエ博士Steve Barrow氏の
博識さとレゲエへの深い愛情を感じます。
今は活動を停止していますが、90年代
から2000年代にこのBlood & Fireと
いうレーベルの果たした役割の大きさが
よく解りますよね。

話を戻しますが、今回レゲエコレクター・
コムでこのアルバムを見つけ、あの
「Baltimore」を歌っていたグループだと
いう事で購入してみました。

このThe Tamlinsですがネットの販売
サイトなどの評価を見ると、どちらかと
いうとラヴァーズ系のグループと見られて
いるようです。
そのソウルフルな歌唱とコーラスをウリに
した、ラヴ・ソングを多く歌っている
グループのようです。
今回のアルバムは83年のアルバムです
が、収められている曲はThe Gayladsの
68年のヒット曲「Red Rose」や、
The Techniquesの「Who You Gonna Run」
(69年)、The Clarendoniansのヒット
曲「Lonely Heartaches」、Delano Stewart
の「Tell Me Baby」(68年)、Derrick
Harriottの「Since I Lost My Baby」
(72年)、John Holtの「My Heart Is
Gone」(70年)など、大半はロック
ステディや初期レゲエの頃の曲が収められ
ているようです。
そうした10年以上前の曲などを巧みに
使いながら、うまくこの時代のワン・
ドロップのリズムを取り入れて、彼ら
らしいソウル・グループのような滑らかな
歌唱を聴かせているのが今回のアルバム
です。

ラヴァ-ズというよりはソウルへの愛の
ようなものが感じられ、むしろその頑な
なほどの黒人音楽への愛情が、今回の
アルバムの魅力なんですね。

Side 1の1曲目は「Red Rose」です。
リディムはThe Gayladsのロックステディ
の同名ヒット曲です。
華やかなホーンのメロディに心地良い
スローなワン・ドロップのリズム、
The Tamlinsの丁寧に歌うヴォーカルに
絡み合うコーラス…。
間奏に入るホーンも魅力です。

The Tamlins - Red Rose


2曲目は「I Am Still Waiting」
です。
印象的なホーンのメロディに感情をうまく
乗せたヴォーカル、絶妙なタイミングで
入って来るコーラスがとても魅力的。

3曲目は「I Love You」です。
明るいホーンとキーボードのアップ・
テンポのメロディに、表情豊かなリード・
ヴォーカルに、ソフトに乗せて来る
コーラス・ワークが絶妙の曲です。

4曲目は「Who You Gonna Run To」
です。
リディムはThe Techniquesの69年の
ヒット曲「Who You Gonna Run」です。
ギターとピアノの心地良いメロディに、
ソフトで力強く歌い込むリード・
ヴォーカルに、息の合ったコーラス・
ワークが魅力的。

The Tamlins - Who You gonna Run To


Side 2の1曲目は「Lonely Heartaches」
です。
リディムはStudio Oneで活躍した
ヴォーカル・デュオThe Clarendonians
の同名ヒット曲です。
ホーンセクションとギターを中心とした
ワン・ドロップに、感情をうまく乗せた
哀愁のあるヴォーカルと心地良い
コーラス・ワーク。
ロックステディの香りが漂う曲です。

The Tamlins - Lonely Heartaches


2曲目は「Tell Me Baby」です。
リディムはDelano Stewartの68年の同名
ヒット曲のようです。
キーボードとロックステディらしい刻む
ようなギターにワン・ドロップの
ドラミング、感情をうまく乗せた
ヴォーカルに合間良く入るコーラスが
魅力的。

The Tamlins - Tell Me Baby


3曲目は「Since I Lost My Baby」
です。
リディムはDerrick Harriottの72年の
同名曲のようです。
ピアノとキーボードを中心としたソフトな
メロディに、優しいヴォーカルと
コーラス・ワークが素晴らしい曲です。

The Tamlins - Since I lost my Baby


4曲目は「My Heart Is Gone」です。
リディムはJohn Holtの70年の同名
ヒット曲です。
ギターとキーボードのワン・ドロップに、
感情を乗せたヴォーカルにコーラス・
ワークがとても味わい深い曲です。

The Tamlins - My Heart Is Gone


ざっと追いかけてきましたが、1曲1曲が
本当に素晴らしく、レゲエ云々というより
はブラック・ミュージックの素晴らしさを
説明抜きに堪能させてくれるアルバムだと
思います。
一見地味に感じてしまうアルバムですが、
何度でも何度でも聴きたくなってしまう
ようなアルバムで、内容はとても良いと
思います。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: The Tamlins
○アルバム: Red Rose
○レーベル: Vista Sounds
○フォーマット: LP
○オリジナル・アルバム制作年: 1983

○The Tamlins「Red Rose」曲目
Side 1
1. Red Rose
2. I Am Still Waiting
3. I Love You
4. Who You Gonna Run To
Side 2
1. Lonely Heartaches
2. Tell Me Baby
3. Since I Lost My Baby
4. My Heart Is Gone