今回はPopcaanのアルバム

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「Forever」です。

Popcaan(本名:Andrae Hugh Sutherland)
は、200年代後半頃から活躍するダンス
ホール・シンガーです。
1991年にジャマイカのPortmoreで産ま
れた彼は、ダンスホールの帝王と呼ばれた
Vybz Kartel率いるPortmoe Empireの一員
として活動を始め、数多くのヒット曲を
飛ばして来ました。
その後も活躍を続け、Unruly Boss(手に
負えないボス)という愛称で親しまれ、
現在のジャマイカのダンスホール・シーン
でもっとも輝いているシンガーのひとり
です。

ネットのDiscogsによると、現在までに
2枚ぐらいのアルバムと、12枚ぐらいの
シングル盤をリリースしています。

Popcaan - Wikipedia

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Popcaan ‎– Where We Come From (2014)

なおネットのDiscogsには彼の生まれた年
について、プロフィールに次のように書か
れています。

Born 1981 in Portmore Jamaica

1981年にジャマイカのPortmore生まれ
となっているのですが、彼のデビュー年
などを考えると、1991年生まれの方が
正しいように思います。

今回のアルバムは2018年にUSの
MixpakからリリースされたPopcaanの
セカンド・アルバムです。

YouTubeにアップされた「Silence」や
「Dun Rich」をはじめとして、Popcaanの
魅力が詰め込まれたアルバムで、現在の
ジャマイカのダンスホール・シーンを代表
するアルバムとなっています。

手に入れたのはMixpakからリリースされた
LP3枚組のアルバム(新盤)でした。
白いビニールのかなりオシャレなアルバム
で、値段も7086円とかなり高額な
アルバムでした。

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ジャケット、ブックレット、スリーブ

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白いビニール盤、ほか

LP3枚組のアルバムでSide 1が3曲、
Side 2が3曲、Side 3が3曲、Side 4
が3曲、Side 5が3曲、Side 6が2曲の
全17曲。

ミュージシャンについては以下の記述が
あります。

1. Silence
Written by Andrae Sutherland and Andrew Hershey
Produced by Dre Skull
Additional production by Wildlife! and Hugo Douster
Mixed by Mark 'Exit' Goodchild
2. Call Me
Written by Andrae Sutherland and Andrew Hershey
Produced by Dre Skull
Additional production by Wildlife! and Ken Lewis
Mixed by Mark 'Exit' Goodchild
3. Wine For Me
Written by Andrae Sutherland and Andrew Hershey
Produced by Dre Skull
Additional production by Wildlife!
Mixed by Mark 'Exit' Goodchild
4. Superstar
Written by Andrae Sutherland, Andrew Hershey and Carlton Errington Grant
Produced by Dre Skull
Additional production by Wildlife!
Additional vocals by Spragga Benz
Mixed by Mark 'Exit' Goodchild
Mixed by Mark 'Exit' Goodchild
5. Happy Now
Written by Andrae Sutherland and Andrew Hershey
Produced by Dre Skull
Additional production by Wildlife! and Hugo Douster
Mixed by Mark 'Exit' Goodchild
6. Naked
Written by Andrae Sutherland and Mark Myrie
Produced by Markus Records and Unruly Ent.
Mixed by Mark 'Exit' Goodchild
7. High Drive (Louis Out)
Written by Andrae Sutherland and Ainsley Morris
Produced by Notnice and Unruly Ent.
Additional vocal production by Redboom Supamix
Mixed by Mark 'Exit' Goodchild
8. Foreign Love
Written by Andrae Sutherland and Andrew Hershey
Produced by Dre Skull
Additional production by Wildlife! and Ken Lewis
Guitar by Willy Dintenfass
Mixed by Mark 'Exit' Goodchild
9. Body So Good
Written by Andrae Sutherland, Andrew Hershey and Gareth Shelton
Additional production by Wildlife! and Hugo Douster
Additional vocals by Red Fox
Red Fox vocals recorded and produced by Wildlife!
Guitar by Willy Dintenfass
Bass guitar by Josh Werner
Mixed by Leslie Brathwaite
10. Lef My Gun
Written by Andrae Sutherland and Andrew Hershey
Produced by Dre Skull
Additional production by Wildlife!
Bass guitar by Josh Werner
Mixed by Mark 'Exit' Goodchild
11. Mi Love Yuh
Written by Andrae Sutherland and Andrew Hershey
Produced by Dre Skull
Additional production by Wildlife!
Mixed by Mark 'Exit' Goodchild
12. Deserve It All
Written by Andrae Sutherland and Ainsley Morris
Produced by Notnice
Mixed by Mark 'Exit' Goodchild
13. Dun Rich (feat Davido)
Written by Andrae Sutherland, David Adeleke and Andrew Hershey
Produced by Dre Skull
Additional production by Wildlife!
Bass guitar by Josh Werner
Mixed by Leslie Brathwaite
14. Strong Woman
Written by Andrae Sutherland and Ainsley Morris
Produced by Notnice
Additional production by Dre Skull
Mixed by Mark 'Exit' Goodchild
15. Through The Storm
Written by Andrae Sutherland, Damian Gager, Gareth Keane and Ryan Griffiths
Produced by Mini E5, Bless Beats and Unruly Ent.
Mixed by Mark 'Exit' Goodchild
16. Firm & Strong
Written by Andrae Sutherland and Andrew Hershey
Produced by Dre Skull
Additional production by Wildlife!
Guitar by Willy Dintenfass
Bass by Josh Werner
Choir production by Ken Lewis
Choir direction by Alvin Fields
Choir enginnering by Christine Kerm
Mixed by Mark 'Exit' Goodchild
Choir vocals by Asa Raheem, Bryan Jones, Carla E. Kelly, Carmen Roman,
Cassidy Ladden, Daniel Gadabor, Daniele McCain, Eileen Santiago, Gloria Ryann,
Imani Irons, Irene Blackman, Melissa Jimenez, Michael Harris,
Natalie-Ruby Rubero, Randy Christian, Ronnie L. Artis, Rose Hart, Sean Drew,
Stephanie De Los Santos
17. A Wha Suh
Written by Andrae Sutherland and Ainsley Morris
Produced by Notnice
Additional production by Dre Skull
Mixed by Mark 'Exit' Goodchild

Executive produced by Dre Skull
A&R by Popcaan, Susannah Webb and Dre Skull
Creative Drection by Susannah Webb
Art Drection by Phillip T. Annand
Cover & Booklet Photography by Ivar Wigan
Mastered by Chris Athens

Recorded at Unruly Entertainment, Kingston, Jamaica
and Mixpak Studios, Brooklyn, NY

となっています。

1曲1曲の詳細は長いので省きますが、
エグゼクティブ・プロデューサーは
Dre Skullで、多くの曲のプロデュースも
彼が担当しているようです。

レコーディングはジャマイカのキング
ストンにあるUnruly Entertainmentと、
ニューヨークのブルックリンにある
Mixpak Studiosで行われています。

ジャケット・デザインはPhillip T. Annand
で、カヴァーやブックレットの写真は
Ivar Wiganという人が担当しています。
ジャケットは厚めのケースに、「Forever」
の文字がプリントされた3枚のインナー
に、白いビニールのLPが入っていると
いうかなり凝ったアルバムです。
しかも8ページのブックレット付で、
中にはPopcaanの写真と曲目に参加した
メンバーが書かれています。

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裏ジャケ

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ブックレット(2~3ページ)

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ブックレット(4~5ページ)

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ブックレット(6~7ページ)

さて今回のアルバムですが、今の
ジャマイカのダンスホール・シーンでの
Popcaanの活躍ぶりがよく解るアルバム
で、内容はとても良いと思います。

このPopcaanですが2018年にもっとも
活躍したアーティストのひとりと見られて
います。

今のジャマイカのダンスホールですが、
EDM(エレクトリック・ダンス・
ミュージック)のMajor Lazerの参入など
もあってかなり活気づいているものの、
中心人物のVybz Kartelが殺人事件で無期
懲役になったり、ベテランのNinjamanも
やはり殺人で無期懲役になるなど、いろ
いろと問題が起きています。
その背景にはダンスホールの現場に立つ事
で一般人との距離が近くなり、その中の
危険な人物との接触が増えた事が言われて
います。

実際に今のダンスホールで活躍する人の
YouTubeなどのヴィデオを見ると、セクシー
な曲もあるけれど同時にかなり暴力的な
描写も目立ちます。
ジャマイカのダンスホール・シーンで生き
残っていく為には、もしかしたら地元の
ギャングスタ(不良グループ)のボス的な
存在になる事も必要なのかもしれません。
実際に今回Popcaanの事を調べていて、
ネットでPopcaanのグループ
Unruly Entertainmentのメンバーになった
日本人ディージェイのTriga Fingaさんと
いう方のインタビュー記事を見つけたの
ですが、実際に彼Popcaanは自分の
グループUnruly Entertainmentのリーダー
として活動しているようです。

TRIGA FINGA|UNRULY(=掟破りな)JAPANESEと呼ばれる男 ...

このインタビューを読むと、「Alkaline
やMavadoの曲を聴いたりするのもダメだ
し、ダンスで曲がかかっても絶対に反応
することは許されない」のだそうで、敵対
するグループとは距離を置いて、仲間との
絆を深めて行くような、ギャングスタ的な
生き方がジャマイカの音楽界では求められ
るようです。
そうしたAlkalineやMavadoなどいろいろな
グループと張り合って生きていくのが、
このジャマイカのダンスホールの世界の
生き方なのかもしれません。

ちなみにこのTriga Fingaさんも単身
ジャマイカに渡り、そこで頑張っている
ディージェイで、なかなか面白そうな人
です。

Triga Finga - Nuh Trust Dem (Official Video)


そうした91年生まれでもう27,8に
なるPopcaanですが、彼自身にとっても
この2018年はかなりの当たり年だった
ようで、Youtubeなどを観てもかなり活躍
が目立った年でした。
それまでダンスホールをけん引していた
彼の師でもあるVybz Kartelが刑務所に
入ってしまった今、彼に対する期待は
かなり大きいものがあると思います。
その期待に応えるように彼は、いかにも
ダンスホールらしい「My Type」のような
柔らかい曲から、Dre Islandとコラボした
「We Pray」やJah Cureとコラボした
「Life Is Real」などちょっと硬派な曲
まで、様々な印象的な曲を残しています。

Popcaan - My Type (Official Music Video)


Dre Island - We Pray ft. Popcaan (Official Video)


Jah Cure ft. Popcaan & Padrino - Life Is Real | Official Lyric Video


そうした硬軟が柔軟に使い分けられるのが
彼の魅力で、これからも彼がどういう音楽
を作るのか、特に注目すべきアーティスト
なんですね。
また地元のボス(ヒーロー)的な存在
から、もっと大きなワールドワイドな存在
へと脱皮しつつあるのも大きな魅力です。

今回のアルバムはそうしたPopcaanの魅力
がとてもよく出たアルバムで、なかなか
好内容のアルバムとなっています。
またYouTubeにアップされたこのアルバム
に収められた曲1曲目「Silence」と
3曲「Wine For Me」、13曲目「Dun
Rich」、16曲目「Firm And Strong」の
プロモ・ヴィデオがなかなか秀逸で面白い
んですね。

1曲目(Side 1の1曲目)「Silence」は
夜中にプロテクターを付けて仲間と3輪の
トライクで爆走するPopcaanの姿が描かれ
ています。
このあたりにギャングスタのボスとして
君臨するUnruly BossことPopcaanの素顔
が垣間見られます。
またあのMajor Lezerのヴィデオなどでも
見られるシーンですが、垂直に立って1輪
走行する周りのバイクのクレイジーな走行
に、溜まりに溜まったジャマイカの
フラストレーションやエネルギーを感じ
ます。

Popcaan - Silence (Official Video)


3曲目(Side 1の3曲目)「Wine For Me」
は、まるでラップ・アーティストのように
デジタルな映像をバックに歌うPopcaanが
なかなかカッコいい曲です。

13曲目(Side 5の1曲目)「Dun Rich」
は、Davidoとの共演曲で、こちらも
Major Lezerのプロモ・ヴィデオのような
華やかで楽しい作品に仕上がっています。

Popcaan - Dun Rich (feat. Davido) [Official Video]


秀逸なのが16曲目(Side 6の1曲目)
「Firm And Strong」で、こちらはアフリカ
の部族戦争を描いたようなドラマ仕立ての
作品となっています。
部族の仲間を殺された男が他の部族に復讐
する様が描かれた、かなりドラマ仕立ての
作品となっています。
多くの人が参加したコーラスがなかなか
重厚な仕上がりの曲で、このアルバムの
ひとつの目玉曲となっています。
こうしたシリアスな側面もさりげなく見せ
られるのも、彼の魅力なんですね。

Popcaan – Firm and Strong (Music Video)


こうした曲を軸に彼の音楽が堪能出来るの
が、今回のアルバムなんですね。

Side 1の1曲目は「Silence」です。
エコーの効いたソフトなヴォーカルに、
キーボードのメロディに乗せたPopcaan
の語るようなヴォーカルが印象的。
書いたようにジャマイカでのPopcaanの
生活ぶりを描いたYouTubeの映像が
なかなか秀逸な作品です。

2曲目は「Call Me」です。
特徴的なキーボードのユッタリとした
メロディに、Popcaanのノビのある表情
豊かなヴォーカルが印象的。

Popcaan - Call Me (Official Lyric Video)


3曲目は「Wine For Me」です。
キーボードのちょっと哀愁のあるメロディ
に、感情をうまく乗せたPopcaanの
ヴォーカルがとても魅力的な曲です。
こちらもYouTubeに画像がアップされて
いる曲です。

Side 2の1曲目は「Superstar」です。
リズミカルなキーボードに乗せた、
Popcaanのノビのあるヴォーカルがイイ
感じの曲です。

Popcaan - Superstar (Official Lyric Video)


2曲目は「Happy Now」です。
リズミカルなドラミングにリリカルな
キーボードのメロディ、表情豊かで
ちょっと哀愁のあるPopcaanのヴォーカル
が魅力的。

3曲目は「Naked」です。
エレクトリックなキーボードに、ちょっと
音をゆがめたようなPopcaanのヴォーカル
が印象的な曲です。

Side 3の1曲目は「High Drive (Louis
Out)」です。
メロディアスなキーボードに、表情豊かな
Popcaanのヴォーカルが魅力的。

High Drive (Louis Out)


2曲目は「Foreign Love」です。
リズミカルな生ギターとキーボードの
メロディに、Popcaanのちょっと楽しそう
なヴォーカルがイイ感じの曲です。
最後に入る屋根に当たる雨音のような
エフェクトが印象的。

3曲目は「Body So Good」です。
タイトルからみてもギャル・チューンの
ようです。
スローなキーボードのメロディに、表情
豊かなPopcaanのノリの良いヴォーカルが
イイ感じの曲です。

Popcaan - Body So Good (Official Lyric Video)


Side 4の1曲目は「Lef My Gun」です。
スローなキーボードのメロディに、
Popcaanのちょっとアッパーなヴォーカル
がイイ感じの曲です。
こちらはガン・トークの曲か?

2曲目は「Mi Love Yuh」です。
リリカルなキーボードのメロディに、
Popcaanのソフトで表情豊かなヴォーカル
が印象的なラヴ・ソングです。

Popcaan - Mi Love Yuh (Official Lyric Video)


3曲目は「Deserve It All」です。
スローなピアノとキーボードのイントロ
から、リズミカルなキーボードのメロディ
に、流れるように滑らかなPopcaanの
ヴォーカルが心地良い曲です。

Side 5の1曲目はDavidoとの共演曲
「Dun Rich」です。
キーボードのメロディに、Popcaanの
心地良いヴォーカル、合間良く入る
Davidoトースティングがすごくイイ感じ
の曲です。
YouTubeの映像では着飾った華やかな衣装
の女性がたくさん登場する、楽しい映像が
見られます。

2曲目は「Strong Woman」です。
リリカルなキーボードのメロディに、心地
良いデジタルなドラミング、ちょっと
甲高いPopcaanのヴォーカルも魅力的。

3曲目は「Through The Storm」です。
ユッタリとした刻むようなギターと
キーボードのメロディに、感情をうまく
乗せたPopcaanのヴォーカル。

Popcaan - Through The Storm (Official Lyric Video)


Side 6の1曲目は「Firm And Strong」
です。
荘厳なキーボードのメロディに、静かに
歌い上げるような始まりのPopcaanの
ヴォーカルが魅力的。
多くの人が参加した重厚なコーラス・
ワークが、この曲をさらに盛り上げてい
ます。

2曲目は「A Wha Suh」です。
キーボードのリリカルなメロディに、
Popcaanの感情を乗せたヴォーカルが冴え
る曲です。

Popcaan - A Wha Suh (Official Lyric Video)


ざっと追いかけて来ましたが、現行の
ジャマイカのダンスホール・シーンで、
このPopcaanが大きな存在になって来て
いるの事実で、これからも彼の動向からは
目が離せません。
そして最近Drakeのレーベルと正式契約が
発表されたようですが、彼の活躍はとても
楽しみでもあります。

ポップカーン(Popcaan)、ドレイク(Drake)のレーベルと正式契約

ちょっと残念なのはこのMixpakという
レーベルのアルバムが、日本では非常に
手に入れづらい点です。
内容が悪くないだけに、もう少し多く日本
で販売してもらいたいものです。

このアルバムが2018年にリリースされ
たレゲエのアルバムの、重要作のひとつで
ある事は間違いがありません。

機会があればぜひ聴いてみてください。

Popcaan Delivers Drake Live In Jamaica



○アーティスト: Popcaan
○アルバム: Forever
○レーベル: Mixpak
○フォーマット: LPX3
○オリジナル・アルバム制作年: 2018

○Popcaan「Forever」曲目
Side 1
1. Silence
2. Call Me
3. Wine For Me
Side 2
1. Superstar
2. Happy Now
3. Naked
Side 3
1. High Drive (Louis Out)
2. Foreign Love
3. Body So Good
Side 4
1. Lef My Gun
2. Mi Love Yuh
3. Deserve It All
Side 5
1. Dun Rich (feat Davido)
2. Strong Woman
3. Through The Storm
Side 6
1. Firm And Strong
2. A Wha Suh

(追記)
ネットのDiscogsに彼が1981年生まれ
とあったので、その年齢だと思い文章を
書きましたが、その10年後の1991年
生まれの方が正しかったようなので、
2020年1月10日に文章を一部書き
直しました。

●今までアップしたPopcaan関連の記事
〇Popcaan「Where We Come From」