今回はWayne Wadeのアルバム

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「Black Is Our Colour」です。

Wayne WadeについてはネットのDiscogsに
次のように書かれています。

Wayne Wade (born 19 March 1959, Kingston, Jamaica) is a roots reggae singer
best known for his work with producer Yabby You in the 1970s.
《ウェイン・ウェイド(1959年3月
19日、ジャマイカのキングストン生ま
れ)は、1970年代のプロデューサーの
ヤビー・ユーとの仕事で有名なルーツ・
レゲエ歌手。》

ルーツ・シンガーでプロデューサーの
Yabby You(本名:Vivian Jackson)の
育てたシンガーで、75年にシングル・
デビューしており、その中の「Black Is
Our Colour」は国民的なアンセムとなって
います。
76年にその曲名を表題にしたアルバム
「Black Is Our Colour」でアルバム・
デビュー。

ネットのネットのDiscogsによると、共演
盤を含めて10枚ぐらいのアルバムと、
81枚ぐらいのシングル盤をリリースして
います。

Wayne Wade - Wikipedia

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Wayne Wade ‎– Poor And Humble (1982)

今回のアルバムは1976年にジャマイカ
のYabby YouのレーベルProphetsから
リリースされた、彼のファースト・
アルバムです。

プロデュースはYabby Youで、Wayne Wade
はこの時まだ17歳ぐらいながら表題曲の
「Black Is Our Colour」をはじめとして、
ルーツ・シンガーらしいエモーショナルな
歌声を聴かせています。

手に入れたのはYabby Youの別レーベル
Vivian Jackson (Yabby You) からリリース
されたLPの中古盤でした。

Side 1が5曲、Side 2が5曲の全10曲。

詳細なミュージシャンの表記はありま
せん。

Produced by Vivian (Yabby Youth) Jackson

という記述があります。

プロデュースはVivian (Yabby Youth)
Jacksonとなっています。
バックはYabby Youのバック・バンド
The Prophetsかと思われますが、残念
ながらバックのミュージシャン等の記載は
ありません。

ジャケット・デザインなどの記載もありま
せん。

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裏ジャケ

さて今回のアルバムですが、このアルバム
のリリース当時Wayne Wadeはまだ17歳
ぐらいの年齢ですが、すでにルーツ・
シンガーとしての確かな素質を示して
いて、Yabby Youの作るエモーショナルな
楽曲に乗せたヴォーカルはとても魅力的
です。
ルーツ期の若いシンガーのアルバムとして
も、とても内容の良いアルバムだと思い
ます。

今回のアルバムはそのほとんどがYabby
You本人も歌っている楽曲を、まだ多少
声に幼さの残るWayne Wadeが歌うアルバム
となっています。
ただそのWayne Wadeの歌声は見事で、歌の
ウマさを見るとかえってYabby Youより
ウマいくらいかもしれません。

Yabby Youについてはたびたび書いています
が、彼の曲には西洋の曲には無い独特の節
回しがあり、それが日本の演歌のコブシ
回しにちょっと似ているんですね。
前にTV番組でアフリカでは日本の演歌が
人気で、演歌が入荷するとアフリカでは
すぐに売り切れてしまうと聞いた事があり
ましたが、黒人系の人はそうした
エモーショナルな節回しに敏感で好む傾向
がどうもあるようです。
このYabby Youの音楽が大好きだったのが
King Tubbyで、彼はYabby Youを特別に
可愛がり、いつもスペシャルなミックスを
彼の為に作ってくれたんだそうです。
Pressure Soundsのアルバムか何かの、彼
Yabby Youのインタビューでそういう事が
書かれていました。
Yabby Youの音楽にKing Tubbyは、まだ
見ぬアフリカを感じていたのでしょうか?

今回のアルバムでもいかにもYabby You
らしい「演歌ノリ}ともいえる楽曲が、
けっこう収められています。
特にSide 1の4曲目「Man Of The Living」
はその極致ともいえる1曲で、その
エモーショナルなメロディはヘタをすると
演歌そのものとも言えそうなサウンドです
が、他のアーティストには無いYabby You
独特の面白さがあります。
他にも表題曲の「Black Is Our Colour」
をはじめ、「Run Come Rally」や「Fire
Fire」、「Yabby J」など、Yabby You
ならではの濃い世界観が展開するのがこの
アルバムの魅力です。

またそうした濃い楽曲の中で異色なのが、
Side 2の3曲目に収められた「Close To
You」です。
これはポピュラーの兄と妹の兄弟デュオ
Carpentersのデビュー曲なんですね。
作曲は当時ポピュラー界を席巻していた
Burt Bacharachで、その爽やかな楽曲を
Wayne Wadeはとても清々しく歌っていま
す。
この1曲にはWayne Wadeの本来の個性が
現れているようです。

実はこの10代から20代前半ぐらいまで
はYabby Youの子飼いの人らしくルーツ・
シンガーとして活躍していますが、その後
20代半ばでダンスホール・シンガーに
転身したようで、93年の「Innocent
Man」というアルバムでは、デジタルな
サウンドに乗せたモダンなダンスホール・
シンガーらしい歌声を聴かせています。

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Wayne Wade ‎– Innocent Man (1993)

このあたりはその人の生き方の問題に
なってしまうので何とも言い難い部分が
あるのですが、デビューした当時は
Yabby Youという強烈なルーツ・シンガー
の元でルーツの道を歩んでいましたが、
人生の途中からはダンスホール・シンガー
の道を歩んだ人のようです。
ただネットのDiscogsを見る限りでは、
やはり10代の頃のルーツ・シンガーと
しての評価の高い人のようです。

今回のアルバムはそうしたルーツ・
シンガーとしてのWayne Wadeの魅力が
うまく詰め込まれたアルバムで、内容は
とても良いと思います。

Side 1の1曲目は表題曲の「Black Is
Our Colour」です。
あのレゲエ本「Roots Rock Reggae」に
「ジャマイカ市民のアンセム」と書かれて
いるほどの彼の代表曲です。
ギターとフルートのメロディに、彼の
丁寧に歌う説得力のあるヴォーカルが印象
的な曲です。
ちょっと感じる演奏の粗さも、70年代
中頃という時代のせいなのか?

Wayne Wade - Black Is Our Colour


2曲目は「Pretty Face」です。
ギターとベースを中心としたメロディに、
Wayne Wadeの語るような落ち着いた
ヴォーカルが魅力的な曲です。
哀愁を感じるサビのヴォーカルが、特に
良いです。

3曲目は「Run Come Rally」です。
Yabby Youも歌っている彼の名曲のひとつ
です。
力強いドラミングに哀愁を感じるフルート
のメロディ、多少の若さを感じるものの
歯切れの良いWayne Wadeの感情を乗せた
ヴォーカルもとても素晴らしい曲です。

Wayne Wade - Run Come Rally


4曲目は「Man Of The Living」です。
書いたようにちょっと演歌を思わせるよう
な独特なメロディラインにYabby Youと
いう人の個性がよく出た曲です。
そのヘタをすれば全て壊れてしまいそうな
情緒的な難曲をWayne Wadeはとても魅力的
に歌いこなしています。
ホーンとギターのかなり泣きの入った感傷
的なメロディに、かなり感情を入れた
Wayne Wadeのヴォーカルがうまくハマった
曲です。

Wayne Wade - Man Of The Living


5曲目は「Fire Fire」です。
ギターとキーボードを中心としたちょっと
悲し気なメロディに、Wayne Wadeの感情を
乗せたエモーショナルなヴォーカル。
このWayne Wadeというヴォーカリストの
歌手としての資質がよく解る曲です。

Wayne Wade - Fire Fire (1979 prod. by Yabby You)


Side 2の1曲目は「Gang War」です。
ギターとキーボードのメロディに乗せた、
Wayne Wadeの伸びやかなヴォーカルが
魅力的な曲です。

2曲目は「Politics Politics」です。
ギターのメロディに乗せた、ちょっと
エコーのかかったWayne Wadeの伸びやかな
ヴォーカルがイイ感じの曲です。

3曲目は「Close To You」です。
書いたようにポピュラー・ミュージックの
Carpentersのファースト・ヒットで、
Burt Bacharachの名曲です。
ギターとキーボードのメロディに乗せた
Wayne Wadeのソフトなヴォーカルが、この
シンガーの確かな素質を示している曲
です。

Wayne Wade - Close To You


4曲目は「Poverty In Ghetto」です。
心地良いギターとキーボードのメロディ
に、語るように丁寧に歌うWayne Wadeの
ソフトなヴァ―カルが魅力的。

Wayne Wade - Poverty In The Ghetto


5曲目は「Yabby J」です。
リディムはYabby Youの「Conquering
Lion」です。
ギターとピアノ、パーカッションの
メロディに、Wayne Wadeの伸びやかで哀愁
を秘めたヴォーカルがとても魅力的。

Wayne Wade - Yabby J


ざっと追いかけてきましたが、やはり
プロデューサーのYabby Youのディープ・
ルーツの匂いが色濃く漂うアルバムで、
それがこのアルバムの大きな魅力になって
いる事は否定が出来ません。
ただそうした中にまだ若いWayne Wadeの
シンガーとしての魅力も感じられる事が、
このアルバムを良い良いものにしていま
す。

この70年代のルーツ・レゲエの活躍ぶり
があまりにも鮮やか過ぎる為か、その後が
あまりパッとしないイメージのある
Wayne Wadeですが、実は「Lady」や
「Innocent Man」などのヒット曲を飛ば
し、それなりの実績を残している人のよう
です。

機会があればぜひ聴いてみてください。

Wayne Wade -- Lady [[ Official Video ]] HQ



○アーティスト: Wayne Wade
○アルバム: Black Is Our Colour
○レーベル: Vivian Jackson (Yabby You)
○フォーマット: LP
○オリジナル・アルバム制作年: 1976

○Wayne Wade「Black Is Our Colour」曲目
Side 1
1. Black Is Our Colour
2. Pretty Face
3. Run Come Rally
4. Man Of The Living
5. Fire Fire
Side 2
1. Gang War
2. Politics Politics
3. Close To You
4. Poverty In Ghetto
5. Yabby J