今回はClint Eastwoodのアルバム

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「Jah Lights Shining」です。

Clint Eastwood(本名:Robert Brammer)
は70年代のルーツ・レゲエの時代から
活躍するディージェイです。
もともとはシリアスなステッパーズ・
スタイルを得意としていた彼ですが、
80年代のダンスホール・レゲエが流行
する時代になるとGeneral Saintとコンビ
を組み、コミカルなディージェイ・コンビ
としてで「Stop That Train」などの
ヒット曲を飛ばし、人気を博す事になるん
ですね。

Stop That Train - Clint Eastwood & General Saint


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Clint Eastwood & General Saint - Stop That Train (1983)

ちなみに彼は、ディージェイのTrinityの弟
なんだそうです。

もうひとつちなみにですが、Clint
Eastwoodという名前は、あの有名な俳優
からの完全な「パクリ名前」です(笑)。
当時あの俳優のクリント・イーストウッド
はイタリアで制作された西部劇、日本では
通称「マカロニ・ウエスタン」と呼ばれた
西部劇によく主役で出ていて、それが日本
でも人気でしたが、ジャマイカでも非常に
人気だったんですね。
その名前をパクったのがこの人なんです
ね。
ジャマイカでは手っ取り早く名前を覚えて
もらうには都合が良いと考える人が多いの
か、そうした「パクリ名前」が多いんです
ね。

ネットのDiscogsによると、ソロとして
共演盤を含めて9枚ぐらいのアルバムと、
66枚ぐらいのシングル盤を残している
ほか、ディージェイ・コンビClint
Eastwood & General Saintとして、3枚の
アルバムと、13枚ぐらいのシングル盤を
残しています。

クリント・イーストウッド (歌手) - Wikipedia

今回のアルバムは1979年にフランスの
Jamaica Soundからリリースされた彼の
ソロ・アルバムです。

プロデュースはBunny Leeで、バックは
Sly & RobbieやEarl 'Chinna' Smithなど
が参加したThe Aggrovatorsで、表題曲の
「Jah Lights Shining」をはじめとして、
このルーツの時代らしいミリタントな
ビートに乗せたClint Eastwoodらしい
イカしたトースティングが楽しめる
アルバムとなっています。

手に入れたのはVista Soundsからリリース
されたLPの中古盤でした。

Side 1が5曲、Side 2が5曲の全10曲。

ミュージシャンについては以下の記述が
あります。

Produced by: B. Lee

Lead Guitar: B. Calfat
Organ: A. Collins
Drums: Sly Dunbar
Guitar: Chinna
Bass: Robert Shakespear
Keyboards: O. Hibbert

となっています。

プロデュースはBunny Lee。
バックはBunny Leeのハウス・バンド
The Aggrovatorsで、リード・ギターに
B. Calfat、オルガンにAnsel Collins 、
ドラムにSly Dunbar、ギターに
Earl 'Chinna' Smith、ベースに
Robert Shakespear、キーボードに
Ossie Hibbertという布陣です。

リード・ギターに名前のあるB. Calfat
は、メロディカ奏者として知られる
Bobby Kalphatのようです。

ジャケット・デザインに関する記述はあり
ません。
表ジャケは神の光(Jah Lights)に導かれ
て、太古の神殿か何かにたどり着いた人々
(ラスタファリアン?)の姿が描かれて
います。

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裏ジャケ

さて今回のアルバムですが、この70年代
後半らしいThe Aggrovatorsのルーツ・
サウンドに乗せたClint Eastwoodのイキの
良いトースティングが楽しめるアルバム
で、内容はとても良いと思います。

このClint Eastwoodですが、80年代に
入るとGeneral Saintとのコンビなどで
スラックネス(下ネタ)やコミカルな歌詞
で人気を博しますが、70年代当時は
ルーツ系のディージェイとして、
ステッパーズ・スタイルのトースティング
で人気があった人なんですね。

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Clint Eastwood ‎– Death In The Arena (1978)

今回のアルバムはそうした70年代の頃の
アルバムで、Johnny Clarkeの「Ride On
Girl」や「Dread A Dread」、「I Man Come
Again」など、Johnny Clarkeの曲が多く
使われたアルバムで、そのあたりも使い
回しのウマいBunny Leeのプロデュース
らしい特徴ですが、ルーツ後期らしい
ミリタントなビートに乗せたClint
Eastwoodの爽快感のあるトーティングが
とても魅力的なアルバムです。

Side 1の1曲目は「Out Delight」です。
リディムはJohnny Clarkeの「Ride On
Girl」。
歯切れの良いドラミングに印象的なホーン
とキーボードのメロディ、ギターと
キーボードのメロディにClint Eastwoodの
イカしたトースティング。

Clint Eastwood - Jah Lights Shining - 01 - Out De Light


2曲目は「Ganja Baby」です。
浮遊感のあるキーボードとピアノの
ダブワイズしたメロディに、Clint
Eastwoodのちょっとハズしたような味わい
のあるトースティング。

3曲目は「Dreadie Man Dread」です。
リディムはJohnny Clarkeの「Dread A
Dread」。
ホーンとギター、ベースのダブワイズした
メロディに、Clint Eastwoodの巻き舌も
使った楽しいトースティング。

Clint Eastwood - Jah Lights Shining - 03 - Dreadie Man Dread


4曲目は「Mister Spence Zink Fence」
です。
泣きのギターとピアノのワン・ドロップの
メロディに、Clint Eastwoodの力強い
トースティングが印象的。

Clint Eastwood - Jah Lights Shining - 04 - Mister Spence Zink Fence


5曲目は「Rub It From Dusk Till Dawn」
です。
ユッタリとしたギターとキーボードを中心
としたメロディに、Clint Eastwoodらしい
味わいのあるトースティングが魅力的な曲
です。

Side 2の1曲目は「Two Lickie Lickie」
です。
リディムはJohnny Clarkeの「I Man Come
Again」。
Clint Eastwoodのコミカルな口上から、
ベースとギター、キーボードを中心とした
ミリタントなダブワイズしたメロディに、
Clint Eastwoodのイカしたトースティング
が楽しい曲です。

2曲目は「D.J. Jamboree」です。
畳み掛けるようなドラミングから、ギター
とベース、キーボードの心地良いメロディ
に、Clint Eastwoodのルーディーなトース
ティングが魅力的。

Clint Eastwood - D.J Jamboree


3曲目は「You Wrong Me Right」です。
心地良いドラミングにギターとキーボード
のダブワイズしたメロディに、Clint
Eastwoodのノリの良いトースティング。

Clint Eastwood - Jah Lights Shining - 08 - You Wrong Me Right


4曲目は表題曲の「Jah Lights Shining」
です。
ギターと浮遊感のあるキーボードの
メロディに、心地良いドラミングに乗せた
Clint Eastwoodのラフで滑らかなトース
ティング。

Clint Eastwood - Jah Lights Shining


5曲目は「Long Run Short Cut」です。
リディムはThe Techniquesのロック
ステディのヒット曲「Queen Majesty」
です。
印象的なギターのメロディから、Clint
Eastwoodのちょっとぶっきらぼうな印象の
トースティングが良い味を出している曲
です。

Clint Eastwood - Jah Lights Shining - 10 - Long Run Short Cut


リズム特集 Queen Majesty (クイーン・マジェスティ)

ざっと追いかけてきましたが、この後
彼Clint EastwoodはGeneral Saintとの
コミカルなコンビで大活躍する事になり
ますが、それ以前のルーツ期の彼もとても
魅力的なディージェイだった事は、覚えて
おいてもらいたい事実です。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: Clint Eastwood
○アルバム: Jah Lights Shining
○レーベル: Vista Sounds
○フォーマット: LP
○オリジナル・アルバム制作年: 1979

○Clint Eastwood「Jah Lights Shining」曲目
Side 1
1. Out Delight
2. Ganja Baby
3. Dreadie Man Dread
4. Mister Spence Zink Fence
5. Rub It From Dusk Till Dawn
Side 2
1. Two Lickie Lickie
2. D.J. Jamboree
3. You Wrong Me Right
4. Jah Lights Shining
5. Long Run Short Cut