今回はJah Wooshのアルバム

jah_woosh_07a

「Dub Plate Specials」です。

Jah Woosh(本名:Neville Beckford)は
レゲエのディージェイやプロデューサーと
して活躍した人です。
おもに70年代から80年代前半にディー
ジェイとして多くのアルバムやシングルを
リリースしているほか、プロデューサーと
しての実績もある人のようです。

ネットのDiscogsによると、共演盤を含め
て18枚ぐらいのアルバムと、91枚
ぐらいのシングル盤をリリースしている
のが、このJah Wooshという人です。

Jah Woosh - Wikipedia

jah_woosh_03a
Jah Woosh - Jah Woosh (1974)

今回のアルバムは1992年にジャマイカ
のOriginal Musicからリリースされた
Jah Wooshのソロ・アルバムです。

アレンジとプロデュースはJah Woosh本人
で、バックはB.B. Rhythm Sectionが務め
たアルバムで、タイトル通りにJah Woosh
のディージェイとそのダブが交互に収め
られたダブ・プレート・スタイル(ショー
ケース・スタイル)のアルバムです。
ルーツ期の70年代から活躍するディー
ジェイらしく、「Satta Massagana」や
「Guiding Star」などルーツの楽曲を使用
して、90年代らしい軽快なリズムで
まとめた、とても聴き易いアルバムと
なっています。

手に入れたのはOriginal Musicから
リリースされたLPの中古盤でした。

Side 1が5曲、Side 2が5曲の全10曲。

詳細なミュージシャンの表記はありま
せん。

Arranged & Produced by N. Beckford

Music played by B.B. Rhythm Section
Recorded at Big Noise Studio
Engineer by Leon

Cover Drawing by Tony Lovindeer
Graphics by Antsnest Graphics

という記述があります。

アレンジとプロデュースはNeville
Beckford(Jah Wooshの本名)で、バック
はB.B. Rhythm Sectionが担当し、
レコーディングはBig Noise Studioで
行われ、エンジニアはLeonとなっていま
す。

カヴァーのイラストはTony Lovindeer
という人で、ジャケット・デザインは
Antsnest Graphicsが行っています。

jah_woosh_08a
裏ジャケ

さて今回のアルバムですが、Jah Wooshの
軽快なトースティングとダブが交互に楽し
めるダブ・プレート・スタイル(ショー
ケース・スタイル)のアルバムで、内容は
なかなか悪くないと思います。

この時代はもうジャマイカではデジタルな
リズムに乗せたダンスホール・レゲエが
隆盛ですが、そんな時代の流れに関係なく
ルーツの時代から活躍するディージェイ
らしい流ちょうなオールド・スタイルの
トースティングを聴かせているのが、
かえって魅力なんですね。
軽快なリズムに乗せた外連味(けれんみ)
の無いトースティングはとても心地良く、
それだけで充分に魅力的です。
さらにダブ・プレートとしたところも、
レゲエという音楽の楽しみを増幅させて
います。

けっして凄いアルバムという訳では無いん
ですが、ついつい聴きたくなってしまう
ような魅力がこのアルバムにはあります。

Side 1の1曲目は「Commandments」です。
ホーンに軽快なドラミング、ピアノの
メロディ、Jah Wooshの歯切れの良い
トースティング。

2曲目は「Commandments Dub」です。
1曲目「Commandments」のダブ・
ヴァージョンです。
華やかなホーンに心地良いドラミング、
時折入るJah Wooshのトースティングも
グッド。

3曲目は「Sattamasagana」です。
リディムは70年代ルーツ期の名曲
The Abyssiniansの「Satta Massagana」
です。
キーボードとピアノのリリカルなメロディ
に、なぞるようなフルートの音色、誰か
ヴォーカリストのヴォーカル(Jah Woosh
本人か?)に、被さるようなJah Wooshの
心地良いトースティング。
レゲエの名曲をうまく歌い込んでいます。

Jah Woosh - Sattamassagana + Dub


リズム特集 Satta Massa Ganna (サタ・マサ・ガナ)

4曲目は「Satta Dub」です。
3曲目「Sattamasagana」のダブ・
ヴァージョンです。
こちらはよりフルートの音色が際立った曲
となっています。

5曲目は「Guiding Star Fashion」です。
リディムはLeroy Sibblesの「Guiding
Star」。
ホーンの印象的なメロディに、Jah Woosh
の半分歌っているような滑らかなトース
ティング。

Jah Woosh: Guiding Star / Guiding Star Dub


Side 2の1曲目は「Guiding Dub」です。
Side 1の5曲目「Guiding Star Fashion」
のダブ・ヴァージョンです。
ホーンのメロディにデジタルな
ドラミング、Jah Wooshの歌声、
キーボードのメロディ…。

2曲目は「Slave Call」です。
キーボードとピアノのメロディにデジタル
なドラミング、半分歌うようなJah Woosh
のトースティングとコーラス…。

Jah Woosh - Slave Call & Version


3曲目は「Slave's Dub」です。
2曲目「Slave Call」のダブです。
デジタルの歯切れの良いドラミングに、
キーボードとギターのメロディが心地良い
ダブです。

4曲目は「Warning Rude Boy」です。
デジタルなドラミングにキーボードと
ピアノのメロディ、Jah Wooshの明るい
半分歌っているような軽快なトース
ティングに女性コーラス。

5曲目は「Warning Dub」です。
4曲目「Warning Rude Boy」のダブ。
キーボードとピアノにデジタルな
ドラミングの明るいダブです。

ざっと追いかけてきましたが、全体に
サウンドが良い意味で軽めで、聴き飽き
ない楽しさがあります。
そのサウンドにJah Wooshのポジティヴな
シング・ジェイ・スタイルのトース
ティングがすごくマッチしているんです
ね。
内容は悪くないと思います。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: Jah Woosh
○アルバム: Dub Plate Specials
○レーベル: Original Music
○フォーマット: LP
○オリジナル・アルバム制作年: 1992

○Jah Woosh「Dub Plate Specials」曲目
Side 1
1. Commandments
2. Commandments Dub
3. Sattamasagana
4. Satta Dub
5. Guiding Star Fashion
Side 2
1. Guiding Dub
2. Slave Call
3. Slave's Dub
4. Warning Rude Boy
5. Warning Dub

●今までアップしたJah Woosh関連の記事
〇Jah Woosh「Ital Movement」
〇Jah Woosh「Jah Woosh Collection Vol 1 1972-1976」
〇Jah Woosh「Jah Woosh」
〇Jah Woosh「Marijuana World Tour」
〇Jah Woosh「Sensimelia Song」
〇Jah Woosh「Some Sign」