今回はThriller Uのアルバム

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「On And On」です。

Thriller U(本名:Eustace Hamilton)
は80年代後半のデジタルのダンスホール
の時代から90年代かけて活躍したダンス
ホール・シンガーです。

ネットのDiscogsによると、共演盤を含め
て14枚ぐらいのアルバムと、327枚
ぐらいのシングル盤を残しています。

Thriller U - Wikipedia

今回のアルバムは1989年にUKの
Mixing Labからリリースされた彼のソロ・
アルバムです。

この年は彼の「当たり年」で、彼の14枚
ぐらいのアルバムのうちの5枚のアルバム
(共演盤を含む)をリリースしている年なん
ですね。
プロデュースはRoy Francisで、バックは
Steelie And Clevieが担当したアルバム
で、表題曲の「On-And-On」をはじめ
デジタルのリズムに乗せた、彼の甘い
ヴォーカルが堪能出来るアルバムとなって
います。

手に入れたのはMixing Labからリリース
されたLPの中古盤でした。

Side 1が5曲、Side 2が5曲の全10曲。

ミュージシャンについては以下の記述が
あります。

All Tracks Produced by Roy Francis
All tracks played by Steelie And Clevie
Guitar: Dalton and Danny Brownie

Recorded by: Lynford 'Fatta' Marshall
Remixed by: Lynford 'Fatta' Marshall, David Rowe

Recorded & Mixed at: Mixing Lab Recording Studio

となっています。

すべての曲のプロデュースはRoy Francisで、
バックはSteelie And Clevie、ギターは
DaltonとDanny Brownieが担当しています。

レコーディング・エンジニアはLynford
'Fatta' Marshall、ミックスはLynford
'Fatta' MarshallとDavid Roweが担当して
います。

レコーディングはMixing Lab Recording
Studioで行われています。

残念ながらジャケット・デザインの表記は
ありません。

さて今回のアルバムですが、この時代
らしいデジタルなダンスホール・サウンド
に乗せた、Thriller Uの甘いヴォーカルが
魅力のアルバムで、内容は悪くないと思い
ます。

この80年代後半ぐらいになって来ると
レゲエの特徴であったアフリカナイズされ
たサウンドはだいぶ後退して、サウンドが
全体にアメリカのポップに近いサウンドへ
と変わって来るんですね。
なぜレゲエという音楽がそういう変化を
して行ったのか?ハッキリとした理由は
よく解りません。
ただこの時代をけん引していたKing Jammy
が、どちらかというとアメリカのポップ
志向の人なので、そういう事も影響して
いるのかもしれません。

私個人の好みでいうと70年代のアフリカ
色の強いルーツ・レゲエの時代のサウンド
の方が個性があり好きですが、こうした
ポピュラー色の強いサウンドの方が一般
受けした事はのようです。
実はレゲエという音楽が一番売れたのは、
90年代ぐらいなんだそうです。
前に新宿にあるレゲエ・ショップ
Dub Storeに買い物に行った際に、店員の
方からそう伺いました。
この90年代近くになると、レゲエの
サウンドがグッとポピュラー色が強く
なったのは事実で、その聴き易さが多くの
ユーザーを惹きつけたという事はあるの
かもしれません。
90年代あたりからダンスホール・レゲエ
のサウンドは、よりポップに、より華やか
にという傾向が強くなり、それが世界中で
愛される音楽へとなって行くんですね。
最近の音楽はジャンルの境界線が徐々に
無くなって来ていますが、それが今日の
ボーダレスな音楽の始まりだったと言える
かもしれません。

今回のアルバムもそうしたポップ路線の
アルバムで、デジタルでポップなサウンド
に乗せたThriller Uの甘くソフトな歌声が
とても心地良いアルバムとなっています。
このダンスホールの時代らしいサウンドの
アルバムと言えるでしょう。
このThriller Uですが87年に「Young
Single And Fresh 」というアルバムで
アルバム・デビューしていますが、次に
履歴があるのがこの89年で、書いたよう
にこの年は彼がブレイクした年のようで、
Admiral Tibettとの共演盤を含めて5枚
ものアルバムをリリースしています。

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Thriller U & Admiral Tibett ‎– Two Good To Be True (1989)

彼のソフトで甘い歌声のラヴ・ソングは
とても魅力がありますが、その彼が
もっとも輝いていたのがこの年だったと
言えそうです。

Side 1の1曲目は「Private Property」
です。
心地良いキーボードのデジタルのメロディ
に、ちょっとかすれたのソフトな
ヴォーカルがとても心地良い曲です。

2曲目は「Substitute For Your Love」
です。
デジタルらしい刻むようなキーボードに、
ちょっとファルセットも入ったソフトな
ヴォーカル、それに寄り添うような
さらに高音のキーボード音。
とてもムーディーなラヴ・ソングです。

Thriller U - Substitute For Your Love - LP album Cut - 1989


3曲目は「Starting All Over」です。
リディムはBig Willeの「College Rock」。
心地良いドラミングに漂うような
キーボードのメロディ、Thriller Uの
ソフトで優しいヴォーカル。

thriller u starting all over


リズム特集 Ballistic Affair/College Rock (バリスティック・アフェア/カレッジ・ロック)

4曲目は「Because It's Love」です。
心地良いデジタルのリズムに、キーボード
の明るいメロディ、Thriller Uの表情豊か
なヴォーカルがとても心地良い曲です。

5曲目は「Love You Till The End Of
Time」です。
デジタルなリズムにキーボードとギターの
心地良いメロディ、ハリのあるThriller U
のソフトなヴォーカルが魅力的。

Side 2の1曲目は「Half Crazy」です。
刻むようなピアノと歯切れの良いデジタル
なドラミング、ソフトでジェントルな
Thriller Uのヴォーカルが魅力。

2曲目は「Dance Master」です。
デジタルなリズムにちょっと金属音のよう
なキーボードのメロディ、Thriller Uの
歯切れの良いヴォーカル。

THRILLER U ''DANCE MASTER ''


3曲目は「Running Away」です。
デジタルなキーボードとギターのメロディ
に、ノビのあるThriller Uのソフトな
ヴォーカルが魅力的。

Thriller U - Running Away


4曲目は表題曲の「On-And-On」です。
特徴的なキーボードのメロディに、
Thriller Uのソフトで心地良いヴォーカル
がとても魅力的な曲です。

thriller u " On and on "


5曲目は「Ram Dance Teacher」です。
リズムカルナドラミングにキーボードの
ポップなメロディ、Thriller Uのソフト
なヴォーカルが心地良い曲です。

ざっと追いかけてきましたが、いかにも
ベタなラヴ・ソングといったタイトルの
並ぶアルバムですが、この時代らしい
デジタルなリズムに乗せたThriller Uの
ソフトなヴォーカルはやはり人を惹き
つける魅力があります。
この年にブレイクした彼は、90年代に
入っても人気シンガーとして上質なポップ
なレゲエを量産し続ける事となるんです
ね。

このアルバムはそんな彼のソフトな
ヴォーカルが堪能出来るアルバムで、
彼の代表作のひとつともいえるアルバムだ
と思います。

機会があればぜひ聴いてみてください。

thriller u - Duck riddim + medley



○アーティスト: Thriller U
○アルバム: On And On
○レーベル: Mixing Lab
○フォーマット: LP
○オリジナル・アルバム制作年: 1989

○Thriller U「On And On」曲目
Side 1
1. Private Property
2. Substitute For Your Love
3. Starting All Over
4. Because It's Love
5. Love You Till The End Of Time
Side 2
1. Half Crazy
2. Dance Master
3. Running Away
4. On-And-On
5. Ram Dance Teacher