今回はJah9のミニ・アルバム

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「Feelings」です。

Jah9(本名:Janine Cunningham)は、
2010年代頃から活躍する女性シンガー
です。
レゲエにジャズを取り入れたような個性的
な歌い方が特徴のシンガーで、2010年
代に入って起こったラスタ・リヴァイ
ヴァル・ムーヴメントの、Chronixxや
Protoje、Jesse Royalなどと並ぶ中心人物
のひとりとして注目されるシンガーです。

ネットのDiscogsによると、今までに
ダブ・アルバムを含む4枚のアルバムと、
9枚ぐらいのシングル盤をリリースして
います。

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Jah9 ‎– 9 (2016)

今回のアルバムは2018年にUSの
VP RecordsからLPでリリースされた
Jah9のミニ・アルバムです。

16年にリリースされたアルバム「9」
以降にシングルとしてリリースされた
「Feel Good」と「Love Has Found I」、
「Field Trip」の3曲とそのインスト・
ヴァージョン、さらにボーナス・トラック
として「9」に収められた「Hardcore」の
Chronixxとのコンビネーション・
ヴァージョン「Hardcore (Remix)」が
収められた全7曲入りのミニ・アルバム
です。

手に入れたのはVP Recordsからリリース
されたLP(新盤)でした。

Side 1が3曲、Side 2が4曲の全7曲。

ミュージシャンについては以下の記述が
あります。

Side 1
1. Feel Good
Producers: Clive Hunt for VP Records & Steam Chalice Productions
Writers: Janine Cunningham, Robert Shakespeare, Elton Brown, Maurice Hunt

2. Love Has Found I
Producers: Clive Hunt for VP Records & Steam Chalice Productions
Writers: Janine Cunningham, Maurice Hunt, Aeion Hoilett, Vern Hill

3. Field Trip
Producers: Clive Hunt & Janine 'Jah9' Cunningham for VP Records & Steam Chalice Productions
Writers: Janine Cunningham, Maurice Hunt, David Goldfine, Jonathan Rankine, Brecht De Beover

Side 2
1. Feel Good (Instrumental)
Producers: Clive Hunt for VP Records & Steam Chalice Productions
Writers: Janine Cunningham, Robert Shakespeare, Elton Brown, Maurice Hunt

2. Love Has Found I (Instrumental)
Producers: Clive Hunt for VP Records & Steam Chalice Productions
Writers: Janine Cunningham, Maurice Hunt, Aeion Hoilett, Vern Hill

3. Field Trip (Instrumental)
Producers: Clive Hunt & Janine 'Jah9' Cunningham for Steam Chalice Productions
Writers: Janine Cunningham, Maurice Hunt, David Goldfine, Jonathan Rankine, Brecht De Beover

4. Hardcore (Remix) - feat. Chronixx
Producers: Janine 'Jah9' Cunningham for VP Records & Steam Chalice Records
Writers: Janine Cunningham, Omar Johnson, Aeion Holett, Wayne Thompson, Donaldson Sheldon Bernard

All Lyrics by: Janine 'Jah9' Cunningham

Executive Producers: Christpher Chin & Janine 'Jah9' Cunningham
Project Co-ordinator and A&R: Neil 'Diamond' Edwards
Regal & Business Affairs: John McQueeney
Art Direction & Cover Design: Sameel 'Kush-I' Johnson
Production Artist: Deron James
Project Manager: Stephen Chin
Photographer: Nickii Kane
Mastered by: Paul Shields at VP Mastering NY

となっています。

詳しくは省略しますが、「Writers」に
名前のあるJanine Cunningham以外の人
が、バックを務めたミュージシャンのよう
です。
1曲目の「Feel Good」にはベース奏者の
Robert Shakespeareの名前もあります。

エグゼクティブ・プロデューサーは
Christpher ChinとJanine 'Jah9'
Cunningham。

ジャケット・デザインはSameel 'Kush-I'
Johnson、写真はNickii Kaneという人が
担当しています。
木の階段に座り、赤い服を着て物憂げに
目をつぶるJah9の印象的な写真を使った
ジャケットです。

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裏ジャケ

裏ジャケに書かれた曲の紹介では、A面
の3曲「Feel Good」と「Love Has Found
I」、「Field Trip」にそれぞれ特徴的な
マークと「body」、「heart」、「mind」
の文字が書かれています。

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裏ジャケ(部分)

例えば「Feel Good」は「(())」こんな
感じのマークと、「body」の文字が書か
れています。
これはそれぞれの曲のテーマのようなもの
なのでしょうか?

さて今回のアルバムですが、アルバム
「9」以降の彼女の活躍ぶりが解る
アルバムで、内容は悪くないと思います。

やはり注目は「9」以降の彼女の動向で、
YouTubeにある彼女のプロモ・ビデオなど
を見ても、よりファッショナブルで女性
らしさを強調した方向にシフトしているん
ですね。
今回のアルバムなどもジャケットの物憂げ
な彼女の表情がとてもファッショナブルで
魅力的で、そうした方向性もあながち否定
は出来ません。
むしろLPである事でちょっと部屋に
飾っておきたいような、素敵なジャケット
なんですね(笑)。

私のようにもともとLPで音楽を聴き始め
た人間にとっては、こういうLPの
ジャケットの魅力ってあるよな、という
思いがします。
今はだんだんとデータの時代になって来て
いますが、音楽をまとめて聴くアルバムと
しての魅力、ジャケットによってその
サウンドを想像する目からの情報の
魅力ってあるよなと、今でも思うんです
ね。
今回はLPのみの発売のようなので、そう
したジャケットの楽しみがあるのは嬉しい
ところ。

肝心のサウンドですがかなりヴィジュアル
はファッショナブルな方向へとなって来て
いるものの、Jah9らしい個性的なJazzyな
ヴォーカルは健在で、なかなか聴き心地の
良いアルバムに仕上がっています。
やはりJah9と言えばそのスピリチュアルで
個性的な歌唱が魅力で、その独特の存在感
がこの人の凄いところなんですね。

レゲエはもう50年近く続く音楽ですが、
その歴史は圧倒的に男性優位の社会で、
女性シンガーはどうしても女性らしさを
ウリにした人が多く、彼女のような個性的
で力のある女性シンガーはあまり育って
来なかったんですね。
そういう意味でも彼女の今後には、とても
注目です。

今回はミニ・アルバムなので、新曲3曲と
そのインスト3曲、Chronixxとのコラボ曲
1曲というシンプルな構成のアルバムで、
さすがに16年の「9」ほどの、ズッシリ
とした聴き応えはありませんが、ある意味
その「軽さ」に好感が持てるところがあり
ます。

もともと音楽をLPとしてビニール盤で
聴いていた時代は、アルバムの長さは
30分から40分ぐらいが普通で、長い
ものでも45分ぐらいが当たり前だったん
ですね。
しかも2面に分かれていたので、片面だけ
だと20分ぐらいの長さなんですね。
ところが今の時代はCDだと曲がいっぱい
入るので、1時間を超えるぐらいの長さが
あるのが普通になっています。

ただその長さになると、明らかに冗長で
ちょっと退屈だと感じるアルバムも
けっこうあるんですね。
おそらく人間が緊張して音楽を聴いて
いられるのは、せいぜい30分から40分
というLP1枚分ぐらいの長さが限界で、
それを超えると脳が疲れてしまうんじゃ
ないかと個人的には思っています。
そうした疲れや飽きを感じさせない為には
目先を変える工夫が必要で、最近の
アルバムにはたいてい別のアーティストと
のコンビネーション曲が3,4曲ぐらい
入っていますが、あれは退屈を感じさせ
ない工夫の表れではないかと密かに思って
います。
複数のアーティストが絡むと曲の空気が
変わるし、華やかさが増すんですね。

また今回のように7,8曲を入れてミニ・
アルバムを名乗ったり、EP盤として
リリースするのも昨今の傾向です。
確かにフル・アルバムとしてはビミョ~に
曲数は少ないのですが、ちょっと物足り
ないぐらいでというのは、悪い戦略では
無いんですね。

今回のアルバムは歌入りの「Feel Good」
と「Love Has Found I」、「Field Trip」
の3曲がすべてSide 1に収められています
が、レコードの溝を見るとけっこう長尺で
収められていて、1曲1曲をジックリと
聴かせようという意図が感じられるんです
ね。
対してSide 2のそれらの3曲のインスト・
ヴァージョンはそれよりは短めに作られて
いて、インストのアッサリした曲調で、
うまくChronixxとの「Hardcore (Remix)」
に期待をつなぐ役割を果たしているんです
ね。
さりげなく見せていながらかなり計算され
た構成で、そこに好感が持てます。

またYouTubeのJah9のページには、
「Love Has Found I」と「Field Trip」、
「Hardcore (Remix)」のJah9やChronixx
が歌っているプロモ映像があります。
「Love Has Found I」のジャケット写真と
同じ場所で撮影された物憂げなJah9の姿
や、「Field Trip」の森の中を歩くJah9の
ヨガで鍛えた美しい肢体、ChronixxのUS
ツアー中に録られたという「Hardcore
(Remix)」の2人の弾むような姿など、
映像がけっこう魅力的なので、こちらも
観てみると音楽がより楽しめるのでは
ないかと思います。

Side 1の1曲目は「Feel Good」です。
書いたように「(())」こんな感じの
マークと、「body(身体)」というテーマ
の曲です。
ギターとキーボードのメロディに、Jah9の
高音も生かした心地良さそうなヴォーカル
が魅力。

Jah9 - Feel Good | Official Audio


2曲目は「Love Has Found I」です。
こちらは下から上に広がる4本の線の
マークと「heart(心)」というテーマの
曲です。
愛を歌った曲のようで、スローなフルート
とキーボードのメロディ、語るように
ソフトなJah9のヴォーカルがとても魅力的
な曲です。

Jah9 - Love Has Found I | Official Audio


3曲目は「Field Trip」です。
三角の真ん中に点(丸)のあるマークと、
「mind(精神)」というテーマが与え
られた曲です。
Jah9のヴォーカルで静かに始まる曲で、
徐々にドラミングやコーラスなどで盛り
上がってくる、とてもJazzyな曲です。
こうしたジャズ・ヴォーカルのような
センスが、この人の大きな特徴です。
後半のサックス・ソロに絡むJah9の
フリーなヴォーカルもグッド。

Jah9 - Field Trip | Official Audio


Side 2はSide 1の曲順にインスト・
ヴァージョンが並んで、最後にChronixx
とのコラボ曲「Hardcore (Remix)」が
入っています。

Side 2の1曲目は「Feel Good
(Instrumental)」です。
Side 1の1曲目「Feel Good」のインスト・
ヴァージョンです。
ギターとキーボードを中心としたJazzyな
センスが光る曲です。

2曲目は「Love Has Found I
(Instrumental)」です。
「Love Has Found I 」のインスト・
ヴァージョン。
キーボードとフルート、ホーンのメロディ
のインスト(ダブ)です。

3曲目は「Field Trip (Instrumental)」
です。
「Field Trip」のインスト・
ヴァージョン。
キーボードのメロディにホーン、心地良い
ドラミングのインスト(ダブ)です。
後半のサックス・ソロがJazzyでとても
良いです。

4曲目はChronixxとのコラボ曲「Hardcore
(Remix)」です。
アルバム「9」に入っている曲ですが、
Chronixxがこの曲を気に入って、オファー
があって実現したコラボらしいです。
ギターとホーンキーボードを中心とした
メロディに、ChronixxとJah9の息の合った
ヴォーカルがとても魅力的。
プロモ・ビデオではJah9はソロではすごく
カッコよく歌っていますが、Chronixxとの
絡みではピョンピョン飛び跳ねていたり
して、けっこうカワイイ(笑)。

Jah9 ft. Chronixx - Hardcore Remix (Official Video)


ざっと追いかけてきましたが、Jah9という
アーティストの「今」がうまく収められた
アルバムで、内容は悪くないと思います。

ちょっと聴き足りない思いも残りますが、
その分「次」に対する期待が膨らみます。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: Jah9
○アルバム: Feelings
○レーベル: VP Records
○フォーマット: LP
○オリジナル・アルバム制作年: 2018

○Jah9「Feelings」曲目
Side 1
1. Feel Good
2. Love Has Found I
3. Field Trip
Side 2
1. Feel Good (Instrumental)
2. Love Has Found I (Instrumental)
3. Field Trip (Instrumental)
4. Hardcore (Remix) - feat. Chronixx