今回はChaka Demusのアルバム

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「Gal Wine」です。

Chaka Demus(本名:John Taylor)は
ジャマイカのダンスホール・ディージェイ
で、シンガーのPliersとのコンビChaka
Demus & Pliersとして有名な人です。
元々はディージェイのNicodemusを中心と
したデマス一門のディージェイとして
80年代の後半から活躍していた彼です
が、Chaka Demus & Pliersとして活動する
ようになり、93年にリリースされた
アルバム「Tease Me」の中の曲「Murder
She Wrote」が世界的に大ヒットするん
ですね。

Chaka Demus & Pliers - Murder She Wrote


さらには「Tease Me」や「She Don't Let
Nobody」などで人気を博し、ついには
Isley Brothersのヒット曲のカヴァー
「Twist And Shout」で全英チャートの1位
を獲得するんですね。
そうしたChaka Demus & Pliersとしても
活躍したディージェイが、このChaka Demus
です。

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Chaka Demus & Pliers ‎– Tease Me (1993)

ネットのDiscogsによると、Chaka Demusと
して6枚ぐらいのアルバムと、135枚
ぐらいのシングル盤をリリースしていま
す。
またChaka Demus & Pliersとして12枚
ぐらいのアルバムと、95枚ぐらいの
シングル盤をリリースしています。

アーティスト特集 Chaka Demus (チャカ・デマス)

Chaka Demus - Wikipedia

今回のアルバムは1992年にUSの
VP RecordsからリリースされたChaka
Demusのソロ・アルバムです。

もうこの時点でChaka Demusは5枚ぐらい
のソロ・アルバムをリリースしていて、
すでにジャマイカのダンスホール・
ディージェイとしての地位を築いていたん
ですね。
このアルバムはPliersと組む直前ぐらいの
アルバムで、表題曲の「Gal Wine」には
Pliersと思われるヴォーカルも入っていま
す。
ちなみにChaka Demus & Pliersの92年の
ファースト・アルバムのタイトルも「Gal
Wine Wine Wine」で、やはり「Gal Wine」
が収められています。
(まったく同じかは未聴の為不明。)

プロデュースはBobby 'Digital' Dixon
(「Gal Wine」と「A Terror」の2曲は
Ossie Hibbert)で、この時代らしい
デジタルなバックに乗せた、Chaka Demus
のアッパーなトースティングが楽しめる
アルバムになっています。

手に入れたのはVP Recordsからリリース
されたCDの中古盤でした。

全12曲で収録時間は約43分。

ミュージシャンについては以下の記述が
あります。

'Gal Wine' and 'A Terror' Produced by Ossie Hibbert
Produced by Bobby 'Digital' Dixon
Arrnged by Bobby 'Digital' Dixon, L. Pinnock, G. Grizzle
Recorded at Digital B. Studio, Kingston, Jamaica.
Engieers: Bobby 'Digital' Dixon, L. Pinnock, D. Thompson
Assistant Engineer: G. Grizzle

Musicians:
Bass(1,4,5,8,9), Drums(5), Keyboards(1,2,4,6-9): Danny Firehouse
Bass(6), Drums(1,6), Keyboards(6), Piano(1): Danny Browne
Bass(2), Keyboards(2,9): Steely Johnson
Drums(2,8), Percussion(5): Cleyveland Browne
Bass(3,7,10), Drums(10), Keyboards(3,7,10): Computer Paul
Drums(3,7): Danny Marshall
Percussion(3,7), Drums(4): Michael Spence
Keyboards(5): Wrong Move
Drums(9): Sly Dunbar
Sax(5): Dean Fraser

となっています。

3曲目「Gal Wine」と12曲目
「A Terror」のプロデュースはOssie
Hibbert、残りの曲のプロデュースは
Bobby 'Digital' Dixon、アレンジは
Bobby 'Digital' DixonとL. Pinnock、
G. Grizzle、レコーディングはジャマイカ
のキングストンにあるDigital B. Studio
で行われ、エンジニアはBobby 'Digital'
DixonとL. Pinnock、D. Thompson、
アシスタント・エンジニアはG. Grizzle
となっています。

ミュージシャンは多いので楽器とどの曲か
は省略しますが、Danny Firehouse、
Danny Browne、Steely Johnson、
Cleyveland Browne、Computer Paul、
Danny Marshall、Michael Spence、
Wrong Move、Sly Dunbar、Dean Fraser
とこの90年代のデジタル期に活躍した
人達の名前があります。

ジャケット・デザインについての記述は
ありませんが、今までこうしたジャケット
を見てきた経験でいうと、あのScientist
の「漫画ジャケ」シリーズなどを手掛けた
Tony McDermottのデザインではないかと
思われます。
Tony McDermottはイラストがゴチャゴチャ
と入ったジャケットも得意ですが、こう
したスッキリしたデザイン的なジャケット
もけっこう作っているんですね。

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裏ジャケ

さて今回のアルバムですが、Chaka Demus
& Pliersの時よりも、よりChaka Demusの
アッパーなトースティングが際立った内容
で、そのあたりがこのアルバムの面白さ
なんじゃないかと思います。

書いたようにこのアルバムと同じ92年に
Chaka Demus & Pliersのファースト・
アルバム「Gal Wine Wine Wine」が
リリースされているんですね。
これ以降彼はソロ・アルバムは出して
いないようなので、Chaka Demusにとって
はこれが最後のソロ・アルバムになり
ます。

書いたように表題曲の3曲目「Gal Wine」
や12曲目「A Terror」などでPliersと
共演していて、Pliersのソフトな
ヴォーカルとChaka Demusのアッパーな
トースティングの組み合わせはもうすでに
Chaka Demus & Pliersの絶妙なノリなん
ですね。
Chaka Demus単独の時は硬質な印象があり
ますが、Pliersのヴォーカルが入ると
すごくソフトになって聴き易くなる印象が
あります。
このコンビが世界的に人気を博した理由
が、ちょっと解る気がしました。

他にも5曲目「Get Up, Stand Up」は、
Aswadのヒット曲「Love Fire」の
リディムに、The Wailersの名曲
「Get Up, Stand Up」の歌詞の一部が
使われていて、他の曲とちょっと雰囲気が
違っています。
Chaka Demusのアッパーなトースティング
のみだとちょっと単調になりがちなところ
を、こうした曲でうまくボリュ-ムを付け
ているんですね。

この90年代のダンスホールのアルバムと
して、悪くない内容のアルバムだと思い
ます。

1曲目は「Teach Them」です。
リディムはGregory Peck の「Poco Man
Jam」。
軽快なデジタルらしいリズムに、Chaka
Demusのこれまた軽快なトースティングが
魅力的な曲です。

Chaka Demus - Teach Them


2曲目は「Number One」です。
リディムはSuper Catの「Mud Up」。
リズミカルなデジタルのリズムに、
Chaka Demusの立て板に水の流れるような
トースティング…。

Chaka-Demus- Number One


リズム特集 Mud Up (マッド・アップ)

3曲目は表題曲の「Gal Wine」です。
リディムはDennis Brownの「Sitting And
Watching」。
デジタルらしいリズミカルな演奏に
ホーン、Pliersと思われるソフトな
ヴォーカルとChaka Demusの味わいのある
トースティングの組み合わせが素晴らしい
曲です。

Chaka Demus and Pliers Gal wine


4曲目は「Whole Heap A Corn」です。
リディムはLarry Marshalの「Throw Me
Corn」。
ギターとキーボードのメロディに、
Chaka Demusの表情豊かなトースティング
が冴える曲です。

リズム特集 Throw Me Corn (スロウ・ミー・コーン)

5曲目は「Get Up, Stand Up」です。
リディムのオリジナルはUKレゲエの
Aswadのヒット曲「Love Fire」で、
Dennis Brown の「Promised Land」と
してよく知られている曲です。
タイトルから解るように、あの
The Wailersの名曲「Get Up, Stand Up」
の歌詞の一部が流用されています。
重いベースを軸にイイ感じに入って来る
ホーンが良い味を出している曲です。

リズム特集 Promise Land (プロミス・ランド)

6曲目は「Pretty Face And Bad
Character」です。
リズミカルな打ち込みのリズムに、Chaka
Demusらしい滑らかなトースティングが
冴える曲です。

Chaka Demus - Pretty Face and bad Character


7曲目は「Come Yah So Fe Stay」です。
軽快なデジタルのリズムに、ちょっと
シング・ジェイが入ったChaka Demusの
トースティング。

8曲目は「Oonuh Nice」です。
デジタルなキーボードをベースのメロディ
に、滑らかなChaka Demusのトース
ティングが心地良い曲です。

Chaka Demus - Oonuh Nice


9曲目は「Blood Inna Me Eye」です。
軽快なデジタルのリズムに乗せた
リズミカルなキーボードに、Chaka Demus
のノリノリなトースティング。

10曲目は「Love Sweet Jamaica」です。
楽し気なキーボードのメロディに、元気の
良いChaka Demusの明るいトースティング
が魅力的、

11曲目は「Mix Up」です。
デジタルな明るいリズムに、Chaka Demus
のアッパーなノリのトースティング。

12曲目は「A Terror」です。
この曲も表題曲と同じOssie Hibbertの
プロデュースで、こちらもPliersとの
コンビネーション曲です。
浮遊感のあるキーボードにChaka Demus
のトースティング、Pliersのソフトな
ヴォーカルとの組み合わせが絶妙です。

Chaka Demus and Pliers - A Terror - 90s Dancehall - Official Audio


ざっと追いかけてきましたが、すでに
デマス一門のディージェイとして
ジャマイカで人気のディージェイであった
彼ですが、このアルバムの頃からPliers
とのコンビが本格化し、さらに世界的にも
人気なコンビへとなって行くんですね。

このアルバムはその分岐点ともいえる時代
に作られたアルバムで、Chaka Demusの
ソロのディージェイとしての素晴らしさ
や、まだ誕生し立てのPliersのコンビと
しての魅力が解るアルバムで、なかなか
好内容のアルバムだと思います。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: Chaka Demus
○アルバム: Gal Wine
○レーベル: VP Records
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1992

○Chaka Demus「Gal Wine」曲目
1. Teach Them
2. Number One
3. Gal Wine
4. Whole Heap A Corn
5. Get Up, Stand Up
6. Pretty Face And Bad Character
7. Come Yah So Fe Stay
8. Oonuh Nice
9. Blood Inna Me Eye
10. Love Sweet Jamaica
11. Mix Up
12. A Terror