今回はHempress Sativaのアルバム

hempress_sativa_01a

「Unconquerebel」です。

Hempress Sativa(本名:Kerida Johnson)
は2013年頃より活躍する女性ラスタ・
シンガーです。
ネットのDiscogsには彼女のプロフィール
について、次のような記述があります。

born to Rastafarian parents Doris-Ray Johnson and legendary Jamaican Selector /Musician Albert Johnson aka Albert Malawi of the Jah Love Sound System

《ラスタファリアンである両親、Doris-
Ray Johnsonと、伝説的なジャマイカの
セレクター/ミュージシャンでJah Love
Sound SystemのAlbert Johnson(別名:
Albert Malawi)の元に生まれる。》

つまりラスタファリアンである母親
Doris-Ray Johnsonと、ラスタファリアン
でジャマイカでサウンド・システムJah
Love Sound System を営む、伝説の
ミュージシャン(ドラマー)であり、
セレクターの父親Albert Malawi
(Albert Johnson)の元に生まれたのが
彼女のようです。

ちなみにAlbert Malawiは、こちらも
ネットのDiscogsで調べたところ、多くの
ミュージシャンを輩出したAlpha Boys
School出身のドラマーで、Sugar Minott
のバック・バンドBlack Roots Players
などで活躍したドラマーです。

sugar_minnott_09a
Black Roots Players ‎– Ghetto-Ology Dubwise (1980)

そうしたラスタファリアンの両親から
生まれたのが彼女で、ネットのDiscogs
によると、2016年に今回の彼女の
ファースト・アルバム「Unconquerebel」
と、2018年にその「Unconquerebel」
のScientistのミックスによるダブ・
アルバム「In Dub」の2枚のアルバムと、
7枚ぐらいのシングル盤を残しています。

hempress_sativa_02a
Scientist Meets Hempress Sativa ‎– In Dub (2018)

2010年代頃から盛んになったラスタ・
リヴァイヴァル・ムーヴメントの
アーティストの中でも、Jah9などとともに
注目されている女性アーティストが、この
Hempress Sativaです。

今回のアルバムは2016年にヨーロッパ
のConquering Lion Recordsという
レーベルからリリースされた、彼女の
ファースト・アルバムです。

プロデュースはChristpher Mattisで、
ギタリストのEarl 'Chinna' Smithが参加
した「Revolution」や、シングル・
リリースされた「Rock It Ina Dance」、
「Fight For Your Rights」、「Boom
(Wah Da Da Deng)」、さらには
ディージェイRanking Joeとのコンビ
ネーション曲「Natty Dread」など、
彼女の魅力が詰め込まれた、ルーツ色の
強い内容のアルバムとなっています。

手に入れたのはConquering Lion Records
からリリースされたLP(新盤)でした。

なおこのアルバム「Unconquerebel」の
Scientistのミックスによるダブ・
アルバム「In Dub」が、2018年に
同じConquering Lion Recordsから
リリースされています。

Side 1が5曲、Side 2が5曲の全10曲。

ミュージシャンについては以下の記述が
あります。

1. Revolution
Writers: K. Johnson, C. Mattis, Earl Chinna Smith
Bass: Errol 'Flabba' Holt
Drums: Kirk Bennett
Guitar: Earl 'Chinna' Smith
Keyboards: Robbie Lyn
Percussion: Anthony 'Sangre' Davir
Trumpet, Flugelhorn, Trombone: Stingwray
Background Vocals: Marcia Smith
Recorded at: Mixing Lab Studio, Kingston, Jamaica
Mixed by: Devon Bradshaw
Produced by: Christpher Mattis

2. Jah Will Be There
Writers: K. Johnson, I. Coleman, D. Bradshaw C. Mattis
Bass: Devon Bradshaw
Guitar: Ian Coleman
Drums: Courtney 'Bam' Diedrick
Keyboards: Devon Bradshaw
Flute: Bryan Wallace
Percussion: Rootsman
Mixed by: Scientist
Recorded at: AXX Studio, Portland, Jamaica,
Majestic Studio, Burbank, CA
Produced by: Christpher Mattis

3. Rock It Ina Dance
Writers: K. Johnson, D. Bradshaw, I. Coleman, C. Mattis
Bass: Devon Bradshaw
Guitar: Ian Coleman
Drums: Courtney 'Bam' Diedrick
Keyboards: Courtney 'Babbler' Edwards
Mixed by: Scientist
Recorded at: AXX Studio, Portland, Jamaica
Produced by: Christpher Mattis

4. Skin Teeth
Writers: K. Johnson, D. Bradshaw, I. Coleman, C. Mattis
Bass: Devon Bradshaw
Guitar: Ian Coleman
Drums: Courtney 'Bam' Diedrick
Keyboards: Devon Bradshaw
Mixed by: Dubrobot
Recorded at: AXX Studio, Portland, Jamaica,
Majestic Studio, Burbank, CA
Produced by: Christpher Mattis

5. Heathen Wage
Writers: K. Johnson, D. Bradshaw, I. Coleman, C. Mattis
Bass: Devon Bradshaw
Guitar: Ian Coleman
Drums: Courtney 'Bam' Diedrick
Keyboards: Lenford Richerds
Trumpet, Trombone, Flugelhorn: Stingwray
Background Vocals: Earl Smith, Marcia Smith
Mixed by: Earl Smith
Recorded at: AXX Studio, Portland, Jamaica
Produced by: Christpher Mattis

6. Fight For Your Rights
Writers: K. Johnson, G. Elesser, C. Mattis
Bass: Devon Bradshaw
Guitar: Ian Coleman
Drums: Kirk Bennett
Keyboards: Robbie Lyn
Percussion: Ras Benji
Trumpet, Flugelhorn, Trombone: Stingwray
Recorded at: Mixing Lab Studio, Kingston, Jamaica,
Majestic Studio, Burbank, CA
Mixed by: Scientist
Produced by: Christpher Mattis

7. No Peace
Writers: K. Johnson, I. Coleman, D. Bradshaw, C. Mattis
Bass: Devon Bradshaw
Drums: Courtney 'Bam' Diedrick
Guitar: Ian Coleman
Organ: Courtney 'Babbler' Edwards
Piano: Devon Bradshaw
Background Vocals: Sherita Lewis
Mixed at: Devon Bradshaw
Recorded at: AXX Studio, Portland, Jamaica,
Majestic Studio, Burbank, CA
Produced by: Christpher Mattis

8. We All
Writers: K. Johnson, B. Wallace
Played by: Dubrobot
Produced by: Dubrobot & Conquering Lion Records
Mixed by: Scientist

9. Natty Dread (feat. Ranking Joe)
Writers: D. Bradshaw, K. Johnson, I. Coleman, J. Jackson, C. Mattis
Bass: Devon Bradshaw
Guitar: Ian Coleman
Drums: Courtney 'Bam' Diedrick
Keyboards: Devon Bradshaw
Mixed by: Dubrobot
Recorded at: AXX Studio, Portland, Jamaica,
Majestic Studio, Burbank, CA
Produced by: Christpher Mattis

10. Boom (Wah Da Da Deng)
Writers: K. Johnson, P. Baldini
Bass: Giulio Frausin
Drums: Federico Mazzolo
Guitar: Giulio Frausin, Lorenzo Garzia
Keyboards: Filippo Buresta
Trombone: Dennis 'Kaykay' Beganovich
Additional Programing: Paolo Baldini
Produced by: Paolo Baldini
Recorded and Mixed at: Alambic Conspiracy Studio, Italy
Published by: La Tempesta/Master Music

Executive Producer: Christpher Mattis

となっています。

ちょっと長いのですべてのアーティストを
説明するのは省略しますが、1曲目
「Revolution」ではEarl 'Chinna' Smith
がギターを弾いており、5曲目「Heathen
Wage」ではそのEarl 'Chinna' Smithが
ミックスを担当しています。

また9曲目「Natty Dread」は、
ディージェイのRanking Joeがトース
ティングで参加したコンビネーション曲と
なっています。

また10曲目「Boom (Wah Da Da Deng)」
にプロデュースとプログラミング、作曲で
参加しているPaolo Baldiniは、イタリア
のレゲエ・バンドAfrica Uniteのメンバー
で、ソロ・アルバムも1枚ぐらいリリース
している人のようです。
この「Boom (Wah Da Da Deng)」の
シングル盤用のプロモーション・ビデオ
で、Hempress Sativaの隣でキーボードを
弾いている、頭の上でドレッド・ロックス
をグルグル巻きにして、左腕にすごい
入れ墨を入れている人がPaolo Baldiniの
ようです。

Paolo Baldini DubFiles Ft. Hempress Sativa - Boom (Wah Da Da Deng)


Hempress Sativaはイタリアの双子の
レゲエ・アーティストMellow Moodとも
シングル盤を出していたりと、イタリアの
レゲエ・アーティストと付き合いのある人
のようです。

Mellow Mood feat. Forelock & Hempress Sativa - Inna Jamaica pt. 2


ジャケットにはエジプトの女王のような、
すごい飾りの付いた衣装を着た女性の肖像
が描かれています。
残念ながらこのイラストの作者の表記は
ありません。

さて今回のアルバムですが、最近勢いを
増しているラスタ・リヴァイヴァル・
ムーヴメントの女性アーティスト
Hempress Sativaのファースト・アルバム
ですが、これが期待に違わず、すごく内容
の良いアルバムで、ルーツ好きやこの
ラスタ・リヴァイヴァルに興味がある人
には、かなりおススメ出来るアルバムだと
思います。

2010年代頃から再び流行り始めた
ラスタ・リヴァイヴァル・ムーヴメント
ですが、その特徴は70年代に流行した
ラスタファリズムを基盤としたもので、
社会の不正などを歌ったプロテスト・
ソング色を持った歌なんですね。
ただ90年代に登場して来たSizzlaや
Capletonなどのボボ・アシャンティ系の
アーティストのような厳格さはあまり無い
ようで、ラヴ・ソングを歌ったりとその
「縛り」はもう少しユルい印象があり
ます。

そのあたりはあのBob Marleyを聴いていた
70年代のルーツ・レゲエに近い感覚が
あり、私のようにその時代にレゲエに
染まった人間には、親しみを感じてすごく
魅力的です。

実は個人的には70年代のルーツ・レゲエ
から再びレゲエを聴き始めて、90年代の
レゲエあたりでちょっと行き詰っていたん
ですね。

ジャマイカの音楽は60年代のスカ、
60年代後半のロックステディと来て、
60年代後半にレゲエ(ルーツ・レゲエ)
が誕生し世界的にもブレイクし、80年代
にさらにダンスホール・レゲエが生まれ、
80年代半ばにはデジタルのダンス
ホール・レゲエと進化して行きます。
ただ90年代に入ったあたりから、レゲエ
という音楽の思想が徐々に変化して来る
ところがあるんですね。

70年代半ばに世界的にブレイクした
レゲエという音楽ですが、その70年代
ぐらいまでは圧倒的に白人が優位な世界
だったんですね。
今では信じられないような話かもしれま
せんが、その頃までは「白人は優秀」で
黒人や有色人種は「劣等人種」と本気で
信じられていた時代でした。
我々日本人も白人(アメリカ)に
「名誉白人」と呼ばれる事を本気であり
がたがっていたような時代だったんです
ね(笑)。

そんな時代に「俺たち(黒人)はお前ら
(白人)の奴隷じゃない!俺たちは人間
だ!」と主張したのが、他ならぬレゲエ
という音楽であり、その中心人物の一人が
あのBob Marleyだったんですね。
ミディアム・テンポの明るいメロディで
歌われる、その厳しい主張は世界中の多く
の人の共感を呼び、レゲエは世界中で支持
される音楽へとなって行くんですね。

そういうプロテスト・ソングとしての意味
合いを持っていたレゲエも、時代とともに
徐々に変化して行きます。
80年代のダンスホール・レゲエの時代に
なると、ジャマイカが音楽産業で豊かに
なって来た事もあってそうした政治性は
徐々に薄れ、スラックネス(下ネタ)や
ガン・トーク(暴力ネタ)が話題の中心に
なるようになります。

さらに90年代に入ると再びルーツ・
レゲエが復活するものの、そうしたラスタ
ファリアンの第2世代の歌う歌は、黒人
優位の思想を歌うようになり、自分達の
思想に反するホモ・セクシャルなどの
性的マイノリティ(少数派)を攻撃する
ような内容を歌うようになるんですね。
特にSizzlaやCapletonなどの所属する宗派
ボボ・アシャンティは、その教義の厳格さ
から、「オカマを燃やしてしまえ!」と
いった過激な歌詞が多いんですね。
そうしたゴリゴリの彼らのリゴリズム
(厳格主義)の主張は、世界中から
ヘイト・ミュージック(差別音楽)として
批判されるようになります。

要するにプロテスト・ソングとして世界中
に愛されたレゲエという音楽は、ヘイト・
ミュ-ジックへと変質してしまったと思わ
れてしまうんですね。

実はこの90年代がレゲエという音楽が
一番売れた時代らしいのですが、個人的
にはこの90年代は何かモヤッとした思い
が残る時代なんですね(苦笑)。
正直なところ初めにBob Marleyなどの
ルーツ・ミュージックを聴いてレゲエが
好きになった人間としては、そうした
過激で厳格過ぎるレゲエはちょっと抵抗が
あります。
もちろんSizzlaなどのアーティストの
レゲエという音楽への貢献度は高く評価
するものの、自分が好きだったレゲエと
いう音楽とはちょっと違って、この
90年代頃のレゲエは共感度がちょっと
薄れる感じがあるんですね。

そうした迷いを感じている時に、「それ
じゃあ、今のレゲエはどうなんだろう?」
と聴いてみたのが、こうしたラスタ・
リヴァイヴァル・ムーヴメントの
アーティスト達でした。
実際に聴いてみるとこれがなかなか
良かったんですね(笑)。

ChronixxやJesse Royal、Kabaka Pyramid、
Protojeなどの作る楽曲はどれも個性的で、
70年代の頃のルーツ・レゲエを彷彿と
させるものがあります。
しかも厳格過ぎたボボ・アシャンティ系の
アーティストの失敗から学んでいるのか、
あまり性的マイノリティ批判には言及
せず、社会問題などをテーマにした曲を
作っているんですね。
まさにあの70年代頃のレゲエが復活して
いる感じがあって、私のようにその時代に
育った人間も、すごく共感して聴ける音楽
なんですね。

さらに面白いのはこうしたラスタ・
リヴァイヴァル・ムーヴメントの
アーティストの中に、今回のHempress
SativaやJah9のような個性的な女性
アーティストが登場して来た事なんです
ね。

レゲエというのは圧倒的に男性
アーティスト中心の世界で、それまでの
音楽史を作って来たのはほとんどが男性
なんですね。
それまでの女性アーティストというのは
どちらかというと添え物的な感じが強く、
女性的な魅力を売り物にした人が多いん
ですね。
ところが今回のHempress SativaやJah9と
いった女性シンガーは、単に女性的な魅力
だけでなく、とても個性的で実力のある
シンガーなんですね。
このあたりは70年代のルーツ・レゲエの
時代には無かった事だと思います。

そうした事から見ても、これからもこの
ラスタ・リヴァイヴァル・ムーヴメント
は、すごく注目すべき動きだと思います。
明らかにレゲエという音楽が、再び面白く
なって来ているんですね。

さて前置き的な話が長くなりましたが
(笑)、今回は個性的な女性シンガー
Hempress Sativaのヴォーカルが楽しめる
アルバムで、その内容はとても良いと思い
ます。

Hempress Sativaのヴォーカルは、独特の
トースティングもうまく織り交ぜた
シング・ジェイ・スタイルで、ノビのある
女性的なヴォーカルとの使い分けが絶妙
です。
そのあたりは他の女性歌手には無い、
ルーツ・シンガーとしての魅力をうまく
作り上げている印象があります。

Chinna Smithのギターが印象的なSide 1
の1曲目「Revolution」をはじめ、
シングルとしてもリリースされたギターに
乗せたスローなワン・ドロップの3曲目
「Rock It Ina Dance」、シング・ジェイ
と歌の使い分けのウマさが光る5曲目
「Heathen Wage」、こちらもシングル曲
のラスタらしいメッセージが印象的な
Side 2の1曲目は「Fight For Your
Rights」、ノビのある歌声で「Equal
Rights(平等の権利)」と訴える2曲目
「No Peace」、Ranking Joeとのコラボ
が楽しい4曲目は「Natty Dread」、
そして特徴的なフレーズが強く耳に残る
5曲目「Boom (Wah Da Da Deng)」と、
どの曲にも彼女の魅力がうまく盛られた、
聴きどころ豊富なアルバムに仕上がって
います。

ひとつだけ残念な事を書いておくと、この
アルバムはこのアルバム評を書いている
時点で、レゲエレコード・コムでLPで
しか売られてないんですね。
ネットからダウンロードという方法もあり
ますが、出来ればCDでの日本での販売を
お願いしたいところです。

Side 1の1曲目は「Revolution」です。
ホーンとギターの心地良いユッタリとした
メロディに女性コーラス、Hempress Sativa
の感情をうまく乗せたヴォーカルがすごく
魅力的。
Earl 'Chinna' Smithがギターを弾いて
いますが、ちょっとジャズ・ギターの
ような合間を心得たフレーズが、良い
アクセントになって素晴らしいです。

2曲目は「Jah Will Be There」です。
リディムはDawn Pennの「No No No」。
印象的なキーボードのメロディに
Hempress Sativaの語りからノビのある
ヴォーカル、時折入る透き通った音色の
フルート…。

3曲目は「Rock It Ina Dance」です。
こちらはシングルとしてもリリースされた
曲です。
ギターのメロディに乗せたスローなワン・
ドロップのリズム、Hempress Sativaの
とても個性的なシング・ジェイ・スタイル
のヴォーカル…。

Hempress Sativa Rock It Ina Dance | Official Music Video


4曲目は「Skin Teeth」です。
リディムはHorace Andyの「See A Man's
Face」のようです。
キーボードとギターのメロディに、
Hempress Sativaの感情を乗せた引きずる
ようなヴォーカルが印象的。

Hempress Sativa Skin Teeth | Official Music Video


5曲目は「Heathen Wage」です。
キーボードとギター、ホーンのメロディ
に、Hempress Sativaの語りから心地良さ
そうなヴォーカル…。
シング・ジェイと歌の使い分けのウマさ
も、このHempress Sativaの個性のよう
です。

Side 2の1曲目は「Fight For Your
Rights」です。
こちらもシングルとしてリリースされて
いる曲です。
「権利のために戦え(立ち上がれ)!」
という、いかにもラスタファリズムらしい
歌詞の曲です。
ホーンとキーボードのメロディに心地良い
パーカッション、Hempress Sativaの
ジックリと歌い込むようなヴォーカルが
とても魅力的。

Hempress Sativa Fight for Your RIghts | Official Music Video


2曲目は「No Peace」です。
ギターのメロディに女性コーラス、
Hempress Sativaの語りからノビのある
ヴォーカル…。
陰影のあるメロディに「Equal Rights
(平等の権利)」と訴えるHempress
Sativaのヴォーカルが冴えます。

Hempress Sativa - No Peace


3曲目は「We All」です。
シンセ音からメロディカのような
キーボード音、漂うような表情豊かな
Hempress Sativaのヴォーカルが魅力的。

4曲目は「Natty Dread」です。
こちらはRanking Joeとのコラボ曲です。
明るいギターとキーボード、ホーンの
メロディに、Ranking Joeのファンキーな
トースティングと、Hempress Sativaの
お喋りをするような楽し気なヴォーカル。
このアルバムの中でもちょっと毛色の
変わった、とても明るい曲です。

HEMPRESS SATIVA FT RANKING JOE - NATTY DREAD 2018


5曲目は「Boom (Wah Da Da Deng)」
です。
こちらもシングルとしてリリースした曲
です。
書いたようにPaolo Baldiniの
プロデュース曲です。
重いベース音のキーボードのメロディに、
「ワダダ・デン・ワダダ・デン…」という
印象に残るHempress Sativaのヴォーカル
が楽しく、すごく魅力的です。

ざっと追いかけてきましたが、両親が
ラスタファリアンという事もあってか、
ルーツ・シンガーとしての個性と魅力を
しっかりと持ったシンガーで、内容は
とても良いと思います。

書いたようにまだ知名度が低い為なのか、
LPでのアルバムの販売しかないのが
とても惜しまれます。
ただこの人が今聴くべきレゲエ・シンガー
のひとりであるのは、間違いのないところ
だと思います。

機会があればぜひ聴いてみてください。

Hempress Sativa - Ethiopian World Fedaration Tribute Acoustic Show


Hempress Sativa - Rude Mini Documentary



○アーティスト: Hempress Sativa
○アルバム: Unconquerebel
○レーベル: Conquering Lion Records
○フォーマット: LP
○オリジナル・アルバム制作年: 2016

○Hempress Sativa「Unconquerebel」曲目
Side 1
1. Revolution
2. Jah Will Be There
3. Rock It Ina Dance
4. Skin Teeth
5. Heathen Wage
Side 2
1. Fight For Your Rights
2. No Peace
3. We All
4. Natty Dread - feat. Ranking Joe
5. Boom (Wah Da Da Deng)

●今までアップしたHempress Sativa関連の記事
〇Scientist, Hempress Sativa「Scientist Meets Hempress Sativa In Dub」