今回はBushmanのアルバム

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「Nyah Man Chant」です。

Bushman(本名:Dwight Duncan)は
90年代から活躍するコンシャス系の
シンガーです。
ネットのDiscogsによると、共演盤を
含めて10枚ぐらいのアルバムと、
152枚ぐらいのシングル盤をリリース
しています。

Bushman (reggae singer) - Wikipedia

今回のアルバムは1997年にUSの
VP Recordsからリリースされた、彼の
ファースト・アルバムです。

プロデュースとバックをSteely & Clevie
が務めたアルバムで、表題曲の「Nyah Man
Chant」や「Call The Hearse」など、彼の
初期のヒット曲が収められたコンシャスな
内容のアルバムとなっています。

手に入れたのはGreensleeves Recordsから
リリースされたCDの中古盤でした。

全12曲で収録時間は約47分。

ミュージシャンについては以下の記述が
あります。

All Tracks Produced by Steely & Clevie
except "She's Gone" produced by Lloyd Stanbury

Recorded & mixed at: Studio 2000, Kingston, Jamaica
Engineers: Steven Stanley, Mikey Willianson, Steely
Musicians: Steely & Clevie

Album co-ordinator: Lloyd Stanbury
Mastered by: Kevin Metcalfe at the Town House, London
Cover Design: TMcD
Photography: Felix

Additional musicians:
Track 1: Guitar: Danny Brownie
Horns: Dean Fraser, Nambo Robinson, Chico Chin
Track 2: Guitar: Chinna Smith
Bass: Bagga Walker
Keyboards: Steven Stanley
Track 3: Guitar: Chinna Smith
Bass: Bagga Walker
Horns: Dean Fraser, Nambo Robinson, Chico Chin
Track 4: Keyboards & Bass: Benjie Mayaz
Guitar: Audley Chisolm
Track 6: Horns: Dean Fraser, Nambo Robinson, Chico Chin
Track 9: Fire House Crew
Track 11: Horns: Vin Gordon, Deadly Headly
Track 12: Guitar: Chinna Smith
Bass: Glen Browne

Backing Vocals: Clevie, Bushman, Evett Grant, J.C. Lodge,
Pam Hall, Sharon Forrester
"The Friends" featured on track 4 are: Don Yute, Daddy Screw,
Sharon Forrester, Skatta, Size 11, Dellie Ranks, Benjie Myaz

となっています。

9曲目「She's Gone」のプロデュースは
Lloyd Stanburyで、残りのすべての曲の
プロデュースはSteely & Clevieが務めて
います。

レコーディングとミックスはジャマイカ
のキングストンにあるStudio 2000で行わ
れ、エンジニアはSteven StanleyとMikey
Willianson、Wycliffe 'Steely' Johnson
が担当し、バックはSteely & Clevie
(Wycliffe 'Steely' JohnsonとCleveland
Constantine Browne)が務めています。

アルバムのコーディネイトはLloyd
Stanbury、ジャケット・デザインはTMcD
(Tony McDermott)で、写真はFelixと
なっています。

ゲスト・ミュージシャンは、1曲目
「Nyah Man Chant」はギターにDanny
Brownie、ホーンにDean FraserとNambo
Robinson、Chico Chin、2曲目
「Cannabis」はギターにChinna Smith、
ベースにBagga Walker、キーボードに
Steven Stanley、3曲目「Man A Lion」
はギターにChinna Smith、ベースに
Bagga Walker、ホーンにDean Fraserと
Nambo Robinson、Chico Chin、4曲目
「Remember The Days」はキーボードと
ベースにBenjie Mayaz、ギターに
Audley Chisolm、6曲目「Black
Starliner」はホーンにDean Fraserと
Nambo Robinson、Chico Chin、9曲目
「She's Gone」はバックにFire House
Crew、11曲目「Poor People Power」
はホーンにVin GordonとDeadly Headly、
12曲目「Anything For You」はギター
にChinna Smith、ベースにGlen Browne
が参加しています。

さて今回のアルバムですが、Bushmanの
ちょっと泥臭いけれどよく通るヴォーカル
はなかなか魅力的で、内容は悪くないと
思います。

レゲエの歴史を追いかけて行くと、70年
代はラスタファリズムに基づくコンシャス
なプロテスト・ソングとしてのルーツ・
レゲエが大流行した時代で、続く80年代
はダンスの現場を中心としたスラックネス
(下ネタ)やがんトーク(暴力ネタ)など
を中心としたダンスホール・レゲエが流行
した時代なんですね。
そして90年代になるとダンスホール・
レゲエが依然として主流なものの、再び
ルーツ・レゲエのコンシャスなリリックが
復活して来るんですね。

そうしたラスタファリズムの復活に先鞭を
付けたのが、Garnett SilkやTony Rebel
などアーティストでした。
彼らの大きな特徴は、それまでのダンス
ホールのリズムにコンシャスなラスタの
リリックをのせた事だったんですね。
その彼らの成功によってその後のレゲエ
は、コンシャスなリリックを持ったラスタ
系のアーティストと、スラックネスや
ガン・トークを中心としたダンスホール系
のアーティストが混在する世界となり
ます。
その2つの大きな流れは、主役の座を奪い
合いながら現在まで続いているんですね。

今回のBushmanはそうした系列でいうと、
コンシャス系のアーティストという事に
なります。
この90年代になるとこうしたコンシャス
系のアーティストも、Steely & Clevieの
生み出すデジタルなバックのサウンドに
充分に対応していて、うまく自分自身の
グルーヴとして取り入れています。
このBushmanの歌うちょっと泥臭いけれど
よく通るヴォーカルは、独自の世界を作り
上げていてなかなか魅力的です。

1曲目は表題曲の「Nyah Man Chant」
です。
心地良いホーンのメロディに、Bushman
のよく通るヴォーカルがとても魅力的。

bushman, nyah man chant


2曲目は「Cannabis」です。
ギターの心地良いメロディに、張りのある
Bushmanの通るヴォーカル…。

3曲目は「Man A Lion」です。
ライオンの咆哮のエフェクトも入った、
ちょっと面白い曲です。
キーボートと勢いのあるホーン・
セクションに、Bushmanの濃いヴォーカル
がなかなか面白い曲です。

Bushman - Man A Lion


4曲目は「Remember The Days」です。
この曲は名義がBushman with Friendsと
なっています。
心地良いドラミングに浮遊感のある
ギター、Bushmanのよく通るヴォーカルに
コーラス・ワーク、合間良く入って来る
女性ヴォーカル…。。
心地良いグルーヴ感に包まれるような曲
です。

5曲目は「Rude Boy Life」です。
ネットのRiddimguideで調べたところ、
誰の曲は解りませんでしたが
「Colombian Necktie」というリディム
のようです。
Bushmanと思われる野太いコーラスに
ディージェイのトースティング、
キーボードのメロディに乗せた心地良い
ヴォーカル…。

Bushman - Rude boy life


6曲目は「Black Starliner」です。
リディムはEarl Zeroの名曲で、Johnny
Clarkeの歌として知られている「None
Shall Escape The Judgement」です。
華やかなホーンのイントロから、ベース
とホーンを中心としたメロディに、
Bushmanの感情を乗せたヴォーカルが
素晴らしい曲です。
オリジナルの「None Shall Escape…」
はフライング・シンバルの代表曲ですが、
こちらはワン・ドロップのユッタリとした
リズムになっています。

Bushman - Black Star Liner.


7曲目は「Grow Your Natty」です。
リディムはDon Drummond & The Skatalites
のロックステディのヒット曲
「Heavenless」です。
デジタルらしい心地良いキーボードの
メロディにコーラス、ノビのあるBushman
のヴォーカル…。

Bushman - Grow Yuh Natty


リズム特集 Heavenless (ヘブンレス)

8曲目は「Call The Hearse」です。
Bushmanのアカペラからデジタルのベース
音の激しいメロディ、Bushmanの通る
ヴォーカルにリズミカルなメロディ…。

9曲目は「She's Gone」です。
キーボードの漂うようなメロディに、語る
ようなヴォーカルから、ファルセットも
駆使したソフトなヴォーカル…。
悲しみを抑えたラヴ・ソングといった曲
で、Bushmanのまた違った側面が感じられ
ます。
プロデュースはLloyd Stanburyで、
Steely & Clevieは違った歌謡曲的なノリ
なのが、ちょっと面白いところ。

Bushman She's Gone


10曲目は「My Day」です。
男性コーラスからギターのメロディ、ノビ
のあるBushmanの男性的なヴォーカル…。

11曲目は「Poor People Power」です。
リディムはThe Heptonesの「Equal
Rights」。
ピアノのメロディにホーンの明るい
メロディ、Bushmanのよく通る
ヴォーカル…。
クラシック・リディムをうまく使った
1曲。

12曲目は「Anything For You」です。
ギターとキーボードのメロディに、
Bushmanの表情豊かなヴォーカルが魅力
的。

ざっと追いかけてきましたが、この
Bushmanは基本はちょっと武骨さのある
コンシャスなシンガーですが、甘いラヴ・
ソングの「She's Gone」など、適度に
ダンスホールの要素のある曲も取り入れ
て、器用さも感じさせるシンガーです。
今回のアルバムはその彼の軟と硬の両面が
うまく出たアルバムで、内容は悪くないと
思います。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: Bushman
○アルバム: Nyah Man Chant
○レーベル: Greensleeves Records
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1997

○Bushman「Nyah Man Chant」曲目
1. Nyah Man Chant
2. Cannabis
3. Man A Lion
4. Remember The Days (Bushman with Friends)
5. Rude Boy Life
6. Black Starliner
7. Grow Your Natty
8. Call The Hearse
9. She's Gone
10. My Day
11. Poor People Power
12. Anything For You