今回はLinval Thompson (Scientist,
Prince Jammie)のアルバム

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「Dub Landing Vol.2」です。

Linval Thompson(本名:Phillip Alphonso)
は70年代から80年代の初めに活躍した
シンガーであり、また80年代初め頃から
はプロデューサーとしてもダンスホール・
レゲエの多くのアーティストを
プロデュースした事でも知られる人です。
Scientistの「漫画ジャケ」シリーズの
プロデュースなど、アーリー・ダンス
ホールを盛り上げたのがこの
Linval Thompsonだったんですね。

ネットのDiscogsによると、共演盤を含め
て27枚ぐらいのアルバムと282枚
ぐらいのシングル盤をリリースし、数多く
のアーティストをプロデュースしたのが、
このLinval Thompsonという人です。

アーティスト特集 Linval Thompson (リンヴァル・トンプソン)

Scientist(本名:Hopeton Overton
Brown)は、ミキサーやダブのクリエイター
として活躍した人です。
70代の後半にミックスやダブの制作を
手掛けていたKing Tubbyのスタジオ
King Tubby'sで助手としてキャリアを
スタートさせた彼は、そこで頭角を現し、
80年代のダンスホール・レゲエの時代に
なるとVocanoレーベルのHenry 'Junjo'
Lawesプロデュースの「漫画ジャケ・
シリーズ」などで人気のダブのミキサーに
なるんですね。
70年代のルーツ・レゲエの時代のダブとは
また一味違った、80年代のダンスホール・
レゲエのダブを創造したミキサーとして知ら
れています。

ネットのDiscogsによると、共演盤を含め
て62枚のダブ・アルバムと、19枚
ぐらいのシングル盤を残し、数多くの
アーティストのミックスを残したのがこの
Scientistという人です。

アーティスト特集 Scientist (サイエンティスト)

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Scientist ‎– Scientist Meets The Space Invaders (1981)

Prince Jammie(Prince Jammy)(本名:
Lloyd James)はミキサーやプロデューサー
として知られる人です。
ダブ・マスターのKing Tubbyのスタジオ
King Tubby'sでミックスのキャリアを
スタートさせた彼は、そこで多くの
ミックスを手掛け有名なミキサーとして
成長して行きます。
その後独立してダブのアルバムの制作や
プロデュースなどを数多く手がけ、
80年半ばにWayne Smithの「Under Me
Sleng Teng」でレゲエのデジタル・
サウンドの革命「コンピューター・
ライズド」の大ブームを起こし、一躍
レゲエ界のトップ・プロデューサーとして
君臨する事となります。
それを機にPrince Jammy→King Jammyに
改名し、その後のレゲエをけん引し続けた
のがこの人なんですね。

ネットのDiscogsによると、Prince Jammy
として共演盤を含めて21枚ぐらいの
アルバムと10枚ぐらいのシングル盤を
残し、King Jammyとして共演盤を含めて
8枚ぐらいのアルバムと7枚ぐらいの
シングル盤を残し、数多くのアーティスト
のミックスとプロデュースを手掛けたの
が、このPrince Jammy(King Jammy)と
いう人です。

Prince Jammy (プリンス・ジャミー)

Roots Radicsは1978年に結成された
バック・バンドで、Black Uhuruなどの
海外公演などでジャマイカを空ける事が
多くなったSly & Robbieが所属していた
The Revolutionariesなどに替わり、当時
流行り始めたダンスホール・レゲエなどの
バックで活躍したバック・バンドです。
Henru 'Junjo' LawesやLinval Thompson
がプロデュース、Scientistがミックス、
Tony McDermottがイラストを担当した
「漫画ジャケ」シリーズなど、この80年
代前半のアーリー・ダンスホールで、独特
のスローなワン・ドロップのサウンドを
武器に活躍したバンドが、このRoots
Radicsだったんですね。

またイギリスのAdrian Sherwoodの主催する
レゲエとパンク・ロックの中間的レーベル
On U Soundsで活動するバンドDub Syndicate
も、このRoots Radicsのメンバーが多く参加
しています。
(完全に同じバンドという事では無いかも
しれません。)

ネットのDiscogsによると、共演盤を含めて
36枚ぐらいのアルバムと102枚ぐらい
のシングル盤を残し、数多くのアーティスト
のバックを務めたのが、このRoots Radics
です。

Roots Radics - Wikipedia

今回のアルバムは1982年にUKの
Starlight Recordsというレーベルから
リリースされた、Scientist VS Prince
Jammie名義のダブ・アルバム
「Dub Landing Vol.2」が元のアルバム
です。

「Vol.2」となっているように、81年に
リリースされたScientist名義のダブ・
アルバム「Dub Landing」の続編として
作られたアルバムです。

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Scientist ‎– Dub Landing (1981)

プロデュースはLinval Thompsonで、
ミックスはScientistとPrince Jammie
が担当し、バックはRoots Radicsという
布陣のアルバムで、当時は80年代前半の
アーリー・ダンスホールの時代で、この
時代に大流行していたRoots Radicsの
スローなワン・ドロップのリズムに乗せた
ScientistとPrince Jammieのヘヴィーな
ミックスが楽しめる、ダブ・アルバムと
なっています。

今回手に入れたのはそのScientistと
Prince Jammie名義のダブ・アルバム
10曲に、さらにその原曲11曲が
付いたCD2枚組のアルバムです。
2018年にUKのGreensleeves
RecordsとVP Recordsからリリースされた
アルバムで、名義もLinval(Linval
Thompson)に変更され、ジャケットも
新たにTony Mcdermottが描き下ろした
アルバムとなっています。

手に入れたのはGreensleeves Recordsと
VP RecordsからリリースされたCD
(新盤)でした。

Disc 1は全10曲で収録時間は約34分。
82年のScientist VS Prince Jammie
名義のダブ・アルバム「Dub Landing
Vol.2」の全10曲が収められています。
Disc 2は全11曲で収録時間は約41分。
「Dub Landing Vol.2」の元になった曲、
全11曲が収められています。

ミュージシャンについては以下の記述が
あります。

Produced & Arranged by Linval Thompson

Recorded at Channel One & Harry J's Recording Studios
Recording Engineers: Anthony 'Crucial Bunny',
'Bunny Tom Tom' Graham, Lancelot 'Maxie' McKenzie
Mixed at King Tubby's Studio by
Lloyd 'Prince Jammy' James, Overton 'Scientist' Browne

Roots Radics:
Bass: Errol 'Flabba' Holt
Drums: Carlton 'Santa' Davis, Licoln 'Style' Scott
Guitars: Eric 'Bingy Bunny' Lamont, Winston 'Bo Pee' Bowen,
Noel 'Sowell' Bailey, Dwight Pinkney, Earl 'Chinna' Smith
Keyboards: Gladstone 'Gladdy' Anderson, Ansel Collins,
Winston Wright, Errol 'Tarzan' Nelson, Wycliffe 'Steely' Johnson
Percussion: Noel 'Skully' Simms, Christopher 'Sky Juice' Blake,
Uzziah 'Sticky' Thompson, 'Bongo Herman' Davis

Cove Design: TMcD

となっています。

プロデュースとアレンジはLinval
Thompson。

レコーディングはChannel OneとHarry
J's Recording Studiosで行われ、
エンジニアはAnthony 'Crucial Bunny'
と'Bunny Tom Tom' Graham、Lancelot
'Maxie' McKenzie、ミックスはKing
Tubby's Studioで行われ、エンジニアは
Lloyd 'Prince Jammy' JamesとOverton
'Scientist' Browneが担当しています。

Roots Radicsのメンバーは、ベースに
Errol 'Flabba' Holt、ドラムにCarlton
'Santa' DavisとLicoln 'Style' Scott、
ギターにEric 'Bingy Bunny' Lamontと
Winston 'Bo Pee' Bowen、Noel 'Sowell'
Bailey、Dwight Pinkney、Earl 'Chinna'
Smith、キーボードにGladstone 'Gladdy'
AndersonとAnsel CollinsとWinston
Wright、Errol 'Tarzan' Nelson、
Wycliffe 'Steely' Johnson、
パーカッションにNoel 'Skully' Simms
と Christopher 'Sky Juice' Blake、
Uzziah 'Sticky' Thompson、'Bongo
Herman' Davisという布陣です。

ジャケット・デザインはTMcDとなって
いますが、Scientistの「漫画ジャケ」
シリーズなどをがけたTony McDermottの
イラストのようです。
どこかの謎の惑星を歩く、ドレッド・
ロックスの惑星探検隊という絵柄で、彼
らしい精密な描写のイラストはなかなか
魅力的です。
3つ折りの紙ジャケットには、もうひとつ
このような絵柄があります。
(あとはこの2つの絵柄を利用した
イラストです。)

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内ジャケ絵柄

Disc 1はすべてRoots Radicsの演奏による
ダブで、Disc 2はその原曲のいろいろな
シンガーによる歌入りの曲が収められてい
ます。
収められているシンガーはThe Viceroys、
Sister Nancy、Anthony Johnson、
Eek-A-Mouse、Lee Van Cleef、Hell & Fire、
Papa Tullo、Freddie McKay、Barrington
Levyといった人達です。
そのうちThe Viceroysは3曲も収められて
いて、それらの曲は82年にUKの
Trojan Recordsからリリースされた、
Linval Thompsonプロデュースで、
ミックスはScientistの、彼らのソロ・
アルバム「We Must Unite」からの曲
です。
このThe Viceroysは60年代後半のロック
ステディの時代から活躍するコーラス・
グループですが、この80年代前半の
アーリー・ダンスホールの時代の活躍が
特に光るグループなんですね。
珍しいのはHell & Fireというグループ
で、ネットのDiscogsによるとシングル盤
を6枚ぐらいリリースしているという履歴
が残っているグループです。
プロフィールには、

Lunsford Simpson and a harmony singer by the last name of White

と書かれています。
Lunsford Simpsonとハーモニー歌手から
なるグループで、最後はWhite という
グループ名を名乗っていたようです。
こうしたレアなグループの曲が聴けるの
も、こうしたマニアックなアルバムの魅力
なんですね。

さて今回のアルバムですが、この時代
らしいRoots Radicsの奏でるスローな
ワン・ドロップのリズムに、Scientistと
Prince Jammieのヘヴィーなミックスの
ダブ・アルバムの素晴らしさはもちろんの
事ですが、さらにその原曲まで聴ける
マニアックな構成は、このアーリー・
ダンスホールの時代が好きな人には
まさにツボで、タマラないアルバムなん
ですね。
内容はとても良いと思います。

この80年代前半はRoots Radicsの
Style Scottの叩き出すスローなワン・
ドロップのリズムが、ジャマイカ中を席巻
した時代だったんですね。
それまでのレゲエといえば
The Revolutionariesに代表されるような
ミディアム・テンポのリズムに乗せた演奏
のルーツ・レゲエが中心でした。
ところが80年代近くになると、それまで
のルーツ・レゲエに代わって「現場主義」
のダンスホール・レゲエが台頭して来るん
ですね。

その先鞭を付けたのが今回の
プロデューサーであるLinval Thompson
だったんですね。
彼は当時の思想的なルーツ・レゲエより
も、より感覚的な歌詞で人々の心を掴み
始めるんですね。
そうして80年代前半にはより感覚的な、
ダンスの現場を中心としたダンスホール・
レゲエが誕生します。
そのダンスホール・レゲエで活躍した
バック・バンドがRoots Radicsだったん
ですね。
さらにそうしたダンスホール・レゲエを
ミックスしたのが、King Tubby'sの
ScientistとPrince Jammyだったんです
ね。

Scientistの「漫画ジャケ」シリーズなど
が特徴的ですが、そこにはルーツ・レゲエ
が持っていた黒人差別などのプロテスト・
ソングとしての意味合いなどは一切ありま
せん。
そこにあるのはTony McDermottの描いた
ドラキュラやインヴェーダー・ゲーム、
パック・マン、ミイラ男、サッカー、
ボクシングといったギミックを含んだ
エイターテインメントであり、快楽として
の音楽なんですね。

この70年代から80年代にかけての期間
が、レゲエのひとつの思想的な分岐点
だった事は間違いありません。
この後レゲエという音楽は、ラスタファリ
ズムという思想を基盤としたルーツ・
レゲエと、スラックネス(下ネタ)なども
含んだ快楽的で娯楽的なダンスホール・
レゲエという2つの流れが、時代によって
主役を奪い合いながら推移して行く事と
なります。

話を戻しますが、この「Dub Landing」
シリーズのテーマは宇宙(旅行)で、
81年にリリースされたScientistの
「Dub Landing」は、宇宙をイメージ
させるような様々な色の点が描かれた
ジャケットで、曲のタイトルも
「Invaders」や「Landing(着陸)」、
「Galaxy」などこちらも宇宙をイメージ
させるものでした。
それに続いてリリースされた今回の
アルバムのオリジナル・ジャケットは、
1枚目のアルバムのジャケットを赤で統一
したような絵柄で、タイトルも「Earth」
や「Reconnaissance(偵察)」、
「Conquest(征服)」など、やはり宇宙
旅行や宇宙戦争などをイメージさせるもの
です。

オリジナル・ジャケットは幾何学模様で
どうもTony McDermottの絵柄ではないよう
に思われますが、今回のリイシューでは
Tony McDermottの描き下ろしのイラストの
ようで、よりあの「漫画ジャケ」シリーズ
に近付いた感があります。
このTony McDermottはおもにGreensleeves
Recordsのイラストなどを多く手掛けて
いる人ですが、彼の細かいイラストが入る
と音楽の具体的なイメージが広がるところ
があり、とても良いジャケット・
アーティストだと思います。
その彼とのコラボが一番うまく行った例が
あの「漫画ジャケ」シリーズで、
Scientist=漫画というイメージが定着
したのは、Scientist本人にとっても
とても大きい事だったのではないかと思い
ます。

今はデータで聴く時代になって来ました
が、やはり音楽+ジャケットという世界
には独特の魅力があります。
Tony McDermottはその第一人者といえる人
のひとりで、彼のジャケットを見ると
やはりアルバムが欲しくなってしまう
ところがあります(笑)。

さてまた話を戻しますが、今回のアルバム
はRoots Radicsのスローでヘヴィーな演奏
がとても魅力的です。
Santa' DavisやStyle Scottが叩き出す
この時代に流行ったスローなワン・
ドロップのリズム、Flabba Holtのズシっ
と重いヘヴィーなベース音を中心とした
演奏は、このバンドならでは、この時代
ならではの魅力があります。
その独特なスローでヘヴィーな演奏を、
ScientistとPrince Jammyがうまく
ミックスしているんですね。
特にこの時代のScientistは、この
「スローでヘヴィー」という事を極めて
いるところがあり、ダブのスペシャリスト
としてこの時代にもっとも輝いているん
ですね。
今回のアルバムもそうした彼の良い部分
が、とてもよく出ていると思います。

ダブが好きな人にはとても魅力的なダブ・
アルバムだと思います。

さらに今回のアルバムではDisc 2でダブ
の元となった原曲も聴けるという、かなり
マニアックな仕様になっています。

その中で多く使われているのが
The Viceroysで、このグループは60年代
後半のロックステディの時代から活躍し、
その頃に「Ya Ho」などのヒット曲もある
グループですが、このグループが本当に
花開いたのはこの80年代の前半の
アーリー・ダンスホールの時代だったん
ですね。
このグループは70年代のルーツ・レゲエ
の時代に別名ユニットThe Internsとして
のアルバムがありますが、なんと!この
The Viceroys名でのファースト・アルバム
は前述のLinval Thompsonのアルバム
「We Must Unite」だったんですね。
The Viceroysとしてのシングル盤の履歴は
67年頃からありますが、デビューから
15年ぐらいしてようやくThe Viceroys名
でのアルバムを出しているんですね。
その後83年に「Brethren And Sistren」、
84年に「Chancery Lane」と3年連続で
アルバムをリリースしており、この
アーリー・ダンスホールの時代が
The Viceroysの最盛期だった事が解り
ます。

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The Viceroys ‎– Chancery Lane (1984)

ただこれらのアルバムはいまではとても
手に入りにくくなっているので、今回の
アルバムで彼らの曲が聴けるのはとても
貴重です。
Disc 2の1曲目「I'm Toiling On」と
4曲目「Rise In The Strength Of
Jah」、9曲目「We Must Unite」と、
3曲も入っているので聴き逃しなく。

さらに数枚しかシングルをリリースして
いないHell & Fireの7曲目「Playboy
Girl」や、アーリー・ダンスホールで
活躍した女性ディージェイSister Nancy
の2曲目「Can't Test」、独特の擬音の
トースティングが人気のEek-A-Mouseの
5曲目「Christmas A Come」、こちらも
シングル盤では人気があったものの
アルバム・リリースが少なく後に評価
されたFreddie McKayの10曲目
「A Message」など、面白い楽曲が揃って
いるので、ぜひ聴いてみてください。

また実際にダブと聴き較べてみると、同じ
曲であっても歌があると無いとではかなり
印象が変わるので、そのあたりも気を
付けて聴いてみてください。

Disc 1には82年のScientist VS Prince
Jammie名義のダブ・アルバム「Dub
Landing Vol.2」の全10曲が収められて
います。

Disc 1の1曲目は「Earth」です。
Disc 2の1曲目The Viceroysの「I'm
Toiling On」のダブです。
ギターの心地良いメロディに、Flabba
Holtのドスの効いたベース、ユッタリと
したワン・ドロップのリズムがとても
心地良い曲です。

Scientist & Prince Jammy - Earth (Dub)


2曲目は「Reconnaissance」です。
Disc 2の2曲目Sister Nancyの「Can't
Test」のダブです。
こちらもギターの心地良いメロディに
ベース、ワン・ドロップのドラミングに
ダブワイズといった曲です。

3曲目は「Base」です。
Disc 2の3曲目Anthony Johnsonの
「Africa」のダブです。
キーボードとギター、ベースのメロディ
に、Anthony Johnsonのダブワイズして
行くヴォーカル…。

4曲目は「Life」です。
Disc 2の4曲目The Viceroysの「Rise In
The Strength Of Jah」のダブです。
なおDisc 2の5曲目Eek-A-Mouseの
「Christmas A Come」と6曲目Lee Van
Cleefの「Gone Water Gone」も、この曲
のディージェイ・ヴァージョンのよう
です。
ギターとベース、ピアノのメロディに、
金属音のエフェクト、ビタビタと印象的な
ワン・ドロッププのドラミング、唸るよう
なギターにダブワイズ…。

Scientist & Prince Jammy - Life


5曲目は「Contact」です。
Disc 2の7曲目Hell & Fireの「Playboy
Girl」のダブです。
独特のベース音のメロディから、
ギター、ワン・ドロップのドラミング
と入って来る曲です。
原曲と較べるとかなりベースが強調されて
いて、初めは同じ曲とは思わなかったほど
です。

Scientist & Prince Jammy - Contact


6曲目は「Denial」です。
Disc 2の8曲目Papa Tulloの「Reggae
Explosion」と同じ曲のようですが、その
元歌を歌っている誰かのダブです。
ズシっと重いベース・ラインにユッタリと
したワン・ドロップのダブ。

7曲目は「City Of Gold」です。
Disc 2の9曲目The Viceroysの「We Must
Unite」のダブです。
重いベースにギターのメロディ、ユッタリ
としたワン・ドロップのダブ。
イイ感じで入って来るThe Viceroysのダブ
ワイズするヴォーカルも魅力。

Scientist & Prince Jammy - City Of Gold


8曲目は「Betrayal」です。
Disc 2の10曲目Freddie McKayの
「A Message」のダブです。
キーボードとギター、ベースを中心とした
メロディのダブ。

9曲目は「Conquest」です。
この曲のみDisc 2に曲が無いようです。
ギターとベースを中心としたメロディの
ダブです。
どすの効いたベースが魅力。

Scientist & Prince Jammy - Conquest


10曲目は「Victory」です。
Disc 2の11曲目Barrington Levyの
「I Love I Love You」のダブです。
ズシっとしたベースのメロディに打ち込む
ようなワン・ドロップのドラミング…。

Scientist & Prince Jammy - Victory


Disc 2には「Dub Landing Vol.2」の元に
なった曲、全11曲が収められています。

Disc 2の1曲目はThe Viceroysの
「I'm Toiling On」です。
Disc 1の1曲目「Earth」に使われた曲
です。
ギターとベースを中心としたメロディに、
スローなワンドロップのリズム、
The Viceroysの息の合ったコーラス・
ワークが魅力的。

The Viceroys - I'm Toiling On


2曲目はSister Nancyの「Can't Test」
です。
Disc 1の2曲目「Reconnaissance」に
使われた曲です。
ギターとベースを中心とした心地良い
メロディに、Sister Nancyのちょっと拙さ
を感じるヴォーカル(トースティング?)
が魅力的。

3曲目はAnthony Johnsonの「Africa」
です。
Disc 1の3曲目「Base」に使われた曲
です。
ギターとキーボードの明るいメロディに、
Anthony Johnsonの心地良いヴォーカルが
魅力的。

Anthony Thompson - Africa


4曲目はThe Viceroysの「Rise In The
Strength Of Jah」です。
Disc 1の4曲目「Life」に使われた曲
です。
ギターとピアノのメロディに金属音、
いかにもThe Viceroysらしい息の合った
コーラスとヴォーカル…。

The Viceroys - Rising The Strength Of Jah


5曲目はEek-A-Mouseの「Christmas A
Come」です。
Disc 1の4曲目「Life」に使われた曲と
いうよりは、4曲目The Viceroysの
「Rise In The Strength Of Jah」の
ディージェイ・ヴァージョンです。
この時代に異彩を放った個性的なディー
ジェイEek-A-Mouseのらしい節回しが
魅力的。

Eek A Mouse - Christmas A Come 12" 1981


6曲目はLee Van Cleefの「Gone Water
Gone」です。
こちらも4曲目The Viceroysの「Rise In
The Strength Of Jah」のディージェイ・
ヴァージョンです。
こちらのこの時代に活躍した彼らしい、
いかにもダンスホールといったトース
ティングが魅力。

7曲目はHell & Fireの「Playboy Girl」
です。
Disc 1の5曲目「Contact」に使われた
曲です。
ピアノとギターのスローなメロディに、
コーラスに乗せたファルセット気味の
ヴォーカルが魅力的。

8曲目はPapa Tulloの「Reggae
Explosion」です。
Disc 1の6曲目「Denial」に使われた
曲です。
ベースを中心としたスローなダブワイズ
した曲に、Papa Tulloのユッタリとした
トースティングが良い味を出しています。

9曲目はThe Viceroysの「We Must
Unite」です。
Disc 1の7曲目「City Of Gold」に使わ
れた曲です。
ベースとギターを中心としたユッタリと
したメロディに、哀愁を秘めたヴォーカル
と美しいコーラス・ワークが素晴らしい曲
です。

The Viceroys We must unite


10曲目はFreddie McKayの「A Message」
です。
Disc 1の8曲目「Betrayal」に使われた曲
です。
キーボードとギターを中心としたメロディ
に、Freddie McKayの感情を乗せた
ヴォーカルが魅力的な曲です。

11曲目はBarrington Levyの「I Love
I Love You」です。
Disc 1の10曲目「Victory」に使われ
た曲です。
ギターとピアノを中心としたメロディに、
「カナリア・ヴォイス」で知られる
Barrington Levyの高音を生かした
ヴォーカルが冴える曲です。

Barrington Levy - I Love I Love You


ざっと追いかけてきましたが、元のダブ・
アルバムとその原曲を一度に聴くと、より
このアーリー・ダンスホールの時代の
空気感がよく解ります。
このGreensleeves Recordsはあの
Scientist「漫画ジャケ」シリーズも
Linval ThompsonやHenry 'Junjo' Lawes
名義でダブと原曲のCD2枚組セットで
リイシューしていますが、労力がかなり
かかるのにCD1枚分の値段でリリース
していて、なかなかマニアックで面白い
企画ではないでしょうか。
こうした事が出来るのも、この80年代
からレゲエという音楽を支え続けて来た
Greensleeves Recordsだから出来た企画
なんですね。

このアーリー・ダンスホールの時代は
「スローでヘヴィー」というレゲエ独特の
音楽観が楽しめる時代なので、出来れば
多くの人に聴いてもらいたいと思います。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: Linval Thompson (Scientist, Prince Jammie)
○アルバム: Dub Landing Vol.2
○レーベル: Greensleeves Records, VP Records
○フォーマット: CDX2
○オリジナル・アルバム制作年: 1982

○Linval Thompson (Scientist, Prince Jammie)「Dub Landing Vol.2」曲目
Disc 1
1. Earth
2. Reconnaissance
3. Base
4. Life
5. Contact
6. Denial
7. City Of Gold
8. Betrayal
9. Conquest
10. Victory
Disc 2
1. I'm Toiling On - The Viceroys
2. Can't Test - Sister Nancy
3. Africa - Anthony Johnson
4. Rise In The Strength Of Jah - The Viceroys
5. Christmas A Come - Eek-A-Mouse
6. Gone Water Gone - Lee Van Cleef
7. Playboy Girl - Hell & Fire
8. Reggae Explosion - Papa Tullo
9. We Must Unite - The Viceroys
10. A Message - Freddie McKay
11. I Love I Love You - Barrington Levy