今回はLloyd Parks & We The Peopleの
アルバム

lloyd_parks_02a

「Meet The People」です。

Lloyd Parks(本名: Noel Lloyd Parks)
は72年の「Slaving」のヒットで知ら
れるシンガーです。

60年代後半のロックステディの時代に
Studio OneからWentworth Vernalとの
ヴォーカル・デュオThe Termitesで
デビューした彼は、The Techniquesの
Slim Smithが唯一のライヴァルと認める
ほどの歌唱力で注目を集めます。
そしてソロとなり72年に「Slaving」を
ジャマイカで大ヒットさせ、シンガーと
して認められるんですね。

またベーシストとしても優れていた彼は、
スタジオ・ミュージシャンとして
Bunny Leeのハウス・バンド
The AggrovatorsやChannel Oneのバック・
バンドThe Revolutionaries、
Lloyd CampbellのバンドSkin,Fresh &
Bones、Randy'sのバック・バンド
The Impact All Stars、Joe Gibbsの
バック・バンド、The Proffesionals、
そして自身のバンドWe The People Band
などで、70~80年代にベーシストと
して、多くのアルバムに名前を残す活躍を
しているんですね。

ネットのDiscogsによると、共演盤を含め
て8枚ぐらいのアルバムと、90枚ぐらい
のシングル盤を残しているのが、この
Lloyd Parksという人です。

Lloyd Parks - Wikipedia

今回のアルバムは1978年にジャマイカ
のLloyd Parks自身のレーベルParksから
リリースされたLloyd Parks & We The
People名義のアルバムです。

プロデュースはLloyd Parks本人で、
バックはWe The People Band、
レコーディングはJoe Gibbs Studioで
行われ、エンジニアはErrol Thompsonと
Ruddy Thomasが務めたというアルバムで、
この時代らしいルーツ・サウンドが楽し
めるアルバムとなっています。

Lloyd Parksのレーベルからリリース
されたという事もあり、今回のアルバムは
かなりレア化していたアルバムなんだそう
です。
そのアルバムが2017年にUKの
レゲエ・リイシュー・レーベルPressure
Soundsからリイシューされているんです
ね。

手に入れたのはPressure Soundsから
リイシューされたCD(新盤)でした。
オリジナル8曲にプラスして、ボーナス・
トラック6曲がプラスされた全14曲
入りのアルバムでした。

全14曲で収録時間は約49分。
オリジナルは全8曲で、残りの6曲は
ボーナス・トラックで、さらに最後の2曲
はCDのみのボーナス・トラックのよう
です。

ミュージシャンについては以下の記述があり
ます。

Bass, Vocals: Lloyd Parks
Drums: Devon Richardson
Guitar: Winston 'Boo Peep' Bowen
Organ: Franklin 'Bubbler' Waul
Percussion: Neville Grant, Noel 'Scully' Simms, Ruddy Thomas
Saxophone: Dean 'Youth' Fraser
Trombone: Lloyd Kerr
Trumpet: Junior 'Chico' Chin
Backing Vocals: The Mighty Diamonds, Rita Marley, Marcia Griffith

Produced, Written and Arranged by Lloyd Parks
Recorded at Joe Gibbs Studio
Engineers: Errol Thompson, Ruddy Thomas
Original Photography: Kenny Grant
Original Album Cover Design: Lloyd Robinson
Layout & restoration by Teflon

となっています。

メンバーはベースとヴォーカルにLloyd
Parks、ドラムにDevon Richardson、
ギターにWinston 'Boo Peep' Bowen、
オルガンにFranklin 'Bubbler' Waul、
パーカッションにNeville GrantとNoel
'Scully' Simms、Ruddy Thomas、
サックスにDean 'Youth' Fraser、
トロンボーンにLloyd Kerr、
トランペットにJunior 'Chico' Chin、
バッキング・ヴォーカルに
The Mighty DiamondsとRita Marley、
Marcia Griffithという布陣です。

The Mighty DiamondsやBob Marley &
The Wailersのバック・コーラスとして
活躍したI-ThreeのRita Marleyや
Marcia Griffithなどが参加しています。

またこの70年代のバックバンドは、集ま
れる人が集まって録るプラスティック・
バンドの形式が一般的でした。
その為バンド名は違っても、同じ人が
いろいろなバンドに参加しているんです
ね。
今回のWe The People Bandの場合も、
ほぼJoe Gibbsのバック・バンド
The Professionalsと同じようなメンバー
が揃っているようです。

プロデュースとアレンジ、作曲はLloyd
Parksで、レコーディングはJoe Gibbs
Studioで行われ、エンジニアはErrol
ThompsonとRuddy Thomas、オリジナルの
写真はKenny Grant、オリジナルの
ジャケット・デザインはLloyd Robinson、
それを新たに作り直したのがTeflonと
なっています。

さて今回のアルバムですが、この70年代
後半というのはレゲエという音楽が世界
から認められ、初めの全盛期を迎えた時代
だったのですが、その中で今回のアルバム
はいく分地味目な印象があり、そのあたり
が今回のアルバムがレア化していたひとつ
の理由なのかなと思います。
ただこのルーツの時代らしい匂いのする
アルバムで、内容は悪くないと思います。

このLloyd Parksですが、今回のアルバム
にもボーナス・トラックとして「Slaving
(Steppers Cut)」とそのダブ「Part Two」
が収められていますが、72年の
「Slaving」のヒットが有名な人なんです
ね。
その哀愁と情感のあるメロディが、すごく
印象的な曲です。

今回のアルバムにもそうした情感のある
曲作りがされていて、それがこの
Lloyd Parksという人の感性であり個性だ
という事がよく解ります。
こうした情感のある曲作りは、西洋音楽
よりむしろ日本の演歌や昭和歌謡などに
近い感性なんですね。
アフリカで演歌が人気があると聴いた事が
ありますが、アフリカ系の人ってこうした
情感のある音作りがかなり好きな傾向が
あるんですね。
ある意味レゲエという音楽が世界的に
ブレイクしたのも、こうした西洋音楽に
無い情感のある音作りが当時としては
新鮮だったからなのかもしれません。
そのあたりは好き嫌いの分かれる部分なの
かもしれませんが、意外とレゲエと日本の
演歌や昭和歌謡などは、近い感性の部分が
あるんですね。

そうした情感のあるメロディに乗せた
Lloyd Parksの曲のリリックは、
「Life Ain't Easy」や「I Want To Go
Home」などのタイトルから見ると、
ジャマイカのシリアスな現実の中で生きる
彼の心情を歌ったもののようです。
彼のヒット曲が「Slaving(奴隷)」で、
バンド名がWe The People(俺たちは人間
だ)という事からも、このLloyd Parksが
シリアスなリリックを得意とした事が
うかがえます。
そのシリアスなリリックが、レアである事
とともにこのアルバムの人気に繋がって
いるのかもしれません。

この70年代のルーツ・レゲエの時代は、
ラスタファリズムを基調としたシリアスな
プロテスト・ソングが人気を集め、それが
レゲエの世界的なブレイクへと繋がった
時代だったんですね。
今から見るとジャマイカの音楽史の中でも
特異な時代なのですが、ミディアム・
テンポのリズムで歌われる黒人差別などを
歌ったシリアスな歌詞は、世界中に大きな
衝撃を与えた事は間違いありません。
この70年代ぐらいを境目に、それまでの
白人優位の世界は、徐々に崩れて行くん
ですね。

このLloyd Parksは当時もそれなりに人気
のあった人だとは思いますが、近年この
Pressure Soundsから「Slaving」などを
収めたコンピュレーション・アルバム
「Time A Go Dread」がリリースされ、
また注目されている人だと思います。

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Lloyd Parks ‎– Time A Go Dread (2016)

今回のアルバムは曲数も全8曲と少なく、
際立ったヒット曲も無いのでちょっと
地味目な印象のアルバムですが、ジックリ
と聴くと内容はなかなか悪くありません。
ちょっとビターで情感のあるメロディは、
なかなか魅力的です。
徳ルーツ・レゲエが好きな人は、聴いて損
のないアルバムだと思います。

1曲目は「Reality」です。
ホーンとギター、ベースを中心とした
メロディに、哀感のあるLloyd Parksの
ヴォーカルがなんとも魅力的な曲です。

2曲目は「Life Ain't Easy」です。
明るホーンとギターのメロディに、ノビの
あるLloyd Parksの情感あるヴォーカルに
コーラス・ワーク…。

3曲目は「You Hurt My Pride」です。
ピアノとホーンのメロディに、伸びやかな
Lloyd Parksのヴォーカルが魅力的。

Lloyd Parks - You Hurt My Pride


4曲目は「Ordinary Man」です。
ちょっと「Slaving」と似たイントロから
始まる曲です。
ベースと浮遊感のあるキーボードの
メロディ、コーラス・ワークによく通る
Lloyd Parksのヴォーカル…。

Lloyd Parks - Ordinary Man


5曲目は「Trench Town Girl」です。
フライング・シンバルのリズムに、ギター
とベースを中心としたメロディ、Lloyd
Parksの明るいヴォーカルも魅力。

LLOYD PARKS - Trench town girl + jones town girl (1975 Groovemaster)


6曲目は「Ah Rock Dis Yah Bass Line」
です。
浮遊感のあるシンセと心地良い
ドラミング、よく通るLloyd Parksの
ヴォーカル…。

7曲目は「I Want To Go Home」です。
心地良いドラミングとパーカッション、
ホーンとギター、ベースのメロディ、
コーラス・ワークに伸びやかなLloyd
Parksの哀愁のあるヴォーカル…。

Lloyd Parks - I Want To Go Home


8曲目は「I Love You Girlie」です。
ギターとピアノのメロディに、
ファルセットなコーラス、Lloyd
Parksのエコーの効いた哀愁のある
伸びやかなヴォーカル…。

Lloyd Parks - I Love You Girlie


9~14曲目まではオリジナル・アルバム
には無い、ボーナス・トラックです。
「Slaving (Steppers Cut)」やそのダブ
「Part Two」など面白い曲が収められて
いますが、ここでは割愛します。

ざっと追いかけてきましたが、この70年
代終わり頃のLloyd Parksの活躍ぶりが
解るアルバムで、内容は悪くないと思い
ます。

また手に入れたのはPressure Soundsから
リイシューされた日本盤のCDでしたが、
そのライナー・ノーツの対訳などを読む
と、当時のJoe Gibbsのバック・バンド
The ProfessionalsとChannel Oneの
バック・バンドThe Revolutionaliresの
ライヴァル関係が語られていたり、
ドラマーのDevon Richardsonを同じ
ドラマーのSly Dunbarが高く評価していた
事が語られていたりと、興味深い記述が
多く書かれているので、英語が堪能でない
方は出来れば日本盤の購入をおススメしま
す。

機会があればぜひ聴いてみてください。

Lloyd Parks What More Can I Do Sunsplash 82



○アーティスト: Lloyd Parks & We The People
○アルバム: Meet The People
○レーベル: Pressure Sounds
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1978

○Lloyd Parks & We The People「Meet The People」曲目
1. Reality
2. Life Ain't Easy
3. You Hurt My Pride
4. Ordinary Man
5. Trench Town Girl
6. Ah Rock Dis Yah Bass Line
7. I Want To Go Home
8. I Love You Girlie
(Bonus Tracks)
9. Grand Father Bogle - featuring Ruddy Thomas
10. Part Two
11. Slaving (Steppers Cut)
12. Part Two
13. School Days
14. School Days Part Two