今回はThe Maytonesのアルバム

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「Only Your Picture」です。

The Maytones(Mighty Maytones)は
60年代後半のロックステディの時代から
70年代のルーツ・レゲエの時代に活躍
した、Gladstone GrantとVernon Buckley
からなるヴォーカル・デュオ・グループ
です。

ネットのWikipediaには彼らについて次の
ように書かれています。

The Maytones (sometimes known as The Mighty Maytones) are a Jamaican reggae vocal duo
who were active between the late 1960s and until 1980.

《Maytones(時にMighty Maytonesとして
知られる)は、1960年代後半から
1980年まで活躍したジャマイカの
レゲエ・ヴォーカル・デュオです。》

おもにAlvin Ranglinが主催する
GG's Recordsの看板スターとして、
活躍したのがこのThe Maytones
(Mighty Maytones)のようです。
ネットのDiscogsで見ると76年から
87年ぐらいまでの間に10枚ぐらいの
アルバムと、99枚ぐらいのシングル盤を
リリースしているのがこのThe Maytonesと
いうグループなんですね。

The Maytones - Wikipedia

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Mighty Maytones ‎– Madness (1976)

今回のアルバムは1984年にUKの
Vista Soundsからリリースされた彼らの
ヴォーカル・アルバムです。

プロデュースにV. Buckleyも参加した
アルバムで、バックはSly & Robbieや
The Revolutionariesなどが務めた
アルバムで、The Maytonesらしい
スウィートでメローなヴォーカルが心地
良いアルバムとなっています。

手に入れたのは2018年にUKの
Burning Soundsからリイシューされた
CD(新盤)でした。

ちなみに販売サイトの情報などを見ると、
このアルバムは今回初CD化された
アルバムのようです。

全14曲で収録時間は約48分。
オリジナルな10曲で、残りの4曲は
CDボーナス・トラックです。

詳細なミュージシャンの表記はありま
せん。

The Maytones: Gladstone Grant & Vernon Buckley

Produced by V. Buckley & P.C. Darace at Channel One Studios
Special Thanks to Sly & Robbie and The Revolutionaries

という記述があります。

The MaytonesのメンバーはGladstone Grant
とVernon Buckleyからなるヴォーカル・
デュオです。

プロデュースはThe MaytonesのVernon
BuckleyとChannel OneのP.C. Daraceが
担当し、バックはSly & RobbieやChannel
Oneのバック・バンドThe Revolutionaries
が務めています。
Channel One Studiosの録音としても、
The Revolutionariesの録音としても
かなり後期の録音と思われます。

アルバム・ジャケットに関する記述はあり
ません。
ジャケットには着飾った黒人女性の写真
が使われていますが、すごく美人という訳
でも無くちょっと微妙な気が…(笑)。
表題曲が「Only Your Picture」という曲
なので、そのイメージか?

さて今回のアルバムですが、この84年頃
というとジャマイカではルーツ・レゲエの
時代が終わり、それに代わってダンス
ホールでのレゲエが大流行していた時代
ですが、そうした時代の流れとは関係
なく、The Maytonesは初期のアルバム
「Madness」の頃と変わらないスウィート
でメローな心地良いヴォーカルを聴かせて
います。
その初期のころと変わらないルーツ色の
強いメローなサウンドが、このグループの
個性であり、魅力なんですね。

どちらがリード・ヴォーカルかは解りま
せんが、リード・ヴォーカルのちょっと
幼さの残るようなかすれたスウィートな
ヴォーカルはとても魅力的。
それにファルセットなコーラスが乗ると、
魅力はさらにアップします。
このデュオ・スタイルは初めのアルバムの
頃から、まったく変わっていないんです
ね。

ただ初期の「Madness」や「Boat To Zion」
というアルバム・ジャケットからはその
甘いコーラス・ワークとは裏腹の「毒気」
が伝わって来るのに対して、今回の
アルバムは「Jah」という言葉の入った
ラスタファリズムの歌もあるものの、
どちらかというとラヴ・ソングなども
多そうな印象です。

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The Mighty Maytone ‎– Boat To Zion (1978)

そのあたりは彼らの変化というよりは、
時代の変化なのかもしれません。
ただ彼らのメローなコーラス・ワークは、
そうしたソフトな楽曲にもピッタリで
魅力的です。

またバックのThe Revolutionariesの演奏
も、ルーツ期のミリタント・ビートの演奏
ですごく魅力的。
アルバムの発売は84年ですが、もしか
したら70年代後期に録られた音源なの
かも…。

1曲目は表題曲の「Only Your Picture」
です。
ミリタントなビートにキーボードの
メロディ、ズシっとしたベース、かすれ
気味のスウィートなヴォーカルに
コーラス、ギター・ワーク…。
彼ららしい世界観が魅力的。

the Maytones- only your picture


2曲目は「Throw Down Your Arms」です。
ギターとベースを中心としたスローな
メロディに、ファルセットなコーラス、
たどたどしさも感じるような幼さも感じる
ようなかすれたヴォーカル…。
間奏のキーボードもグッド。

The Maytones - Throw Down Your Arms


3曲目は「Save Us Jah」です。
心地良いキーボードとギターのメロディ
に、The Maytonesらしいしゃがれた
ヴォーカルにコーラス。

Vernon Buckley - Save Us Jah [Vista Sounds 1984]


4曲目は「Can't Push I」です。
ギターと浮遊感のあるキーボードの
メロディに、The Maytones脱力した
ソフトなヴォーカルにファルセットの
コーラス…、
歯切れの良いドラミングも魅力。

5曲目は「Longest Liver」です。
キーボードとギターのメロディに歯切れの
良いドラミング、しゃがれたソフトな
ヴォーカルにファルセットなコーラス・
ワーク…。

6曲目は「Jamaica」です。
浮遊感のあるキーボードとピアノ、ギター
のメロディに、ソフトなヴォーカルに
コーラス・ワーク。
The Maytonesらしさが全開の心地良い
ナンバーです。

The Mighty Maytones - Jamaica


7曲目は「Who Can't Hear Will Feel」
です。
ピアノとキーボード、ギターのメロディ
に、特徴的なかすれたヴォーカル、ズシっ
としたベース音がグッと来る曲です。

The Maytones - Who Can't Hear Must Feel


8曲目は「Answer Dee Telephone」
です。
電話音のエフェクト、キーボードと
ギターのメロディ、ソフトなしゃがれた
ヴォーカルに、ファルセットな
コーラス…。

The Maytones-Answer Dee Telephone


9曲目は「Hold On Steady」です。
心地良いドラミングにギターとベースの
メロディ、エコーのかかったヴォーカルに
コーラス・ワーク…。

10曲目は「Jah Praise」です。
ミリタントなビートに乗せたギターと
キーボードのメロディ、ソフトな
ヴォーカルにファルセットなコーラス・
ワーク…。

11~14曲目まではオリジナルには
ない、CDボーナス・トラックです。
76年のアルバム「Madness」や78年の
アルバム「Boat To Zion」の表題曲など
が収められていますが、ここでは省略
します。

ざっと追いかけてきましたが、バックの
The Revolutionariesのミリタント・
ビートのハードな演奏に乗せた
The Maytonesのメローでスウィートな
ヴォーカルは、70年代後期のルーツ・
レゲエの特徴のよく出た音源で、とても
魅力的です。
ちょっと時代が84年と少し合わないの
ですが、内容的にはルーツ・レゲエの
アルバムといえるでしょう。
こうしたルーツ・レゲエのハードなビート
とメローなコーラスという組み合わせが
好きな人には、特におススメ出来る
アルバムだと思います。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: The Maytones
○アルバム: Only Your Picture
○レーベル: Burning Sounds
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1984

○The Maytones「Only Your Picture」曲目
1. Only Your Picture
2. Throw Down Your Arms
3. Save Us Jah
4. Can't Push I
5. Longest Liver
6. Jamaica
7. Who Can't Hear Will Feel
8. Answer Dee Telephone
9. Hold On Steady
10. Jah Praise
(Bonus Tracks)
11. Boat To Zion
12. Madness
13. Hard Time
14. Hard Time DJ Version

●今までアップしたMaytones関連の記事
〇Mighty Maytones「Madness / Boat To Zion」
〇Various「Holy Ground: Alvin Ranglin's GG Records」