今回はBuju Bantonのアルバム

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「Stamina Daddy」です。

Buju Banton(本名:Mark Anthony
Myrie)はレゲエという音楽を代表する
ディージェイのひとりです。
80年代後半からサウンド・システムで
ディージェイとして活動を始め、イケイケ
のディージェイとして人気を博すように
なるんですね。
92年にアルバム「Mr. Mention」で
アルバム・デビューし、その後も
「Stamina Daddy」などのヒット曲を
飛ばし、ジャマイカで人気のディージェイ
として成長して行きます。
友人のPan Headが銃で殺された事を
きっかけにラスタファリズムに傾倒し、
95年にアルバム「'Til Shiloh」で
ラスタファリアンとしての新しい自分を
見せ、コンシャスなミュージシャンとして
活動するようになります。

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Buju Banton ‎– 'Til Shiloh (1995)

しかし2009年にアメリカのマイアミで
コカイン密輸容疑で逮捕拘留され、一時
保釈されたものの現在も刑務所に拘留され
ています。
2018年に12月に保釈が予定されて
います。(2018年5月現在)

ネットのDiscogsによると今までに13枚
ぐらいのアルバムと、466枚ぐらいの
シングルをリリースしているのが、この
Buju Bantonという人です。

ブジュ・バントン - Wikipedia

アーティスト特集 Buju Banton (ブジュ・バントン)

今回のアルバムは1992年にジャマイカ
のTechniques Recordsからリリースされた
Buju Bantonのセカンド・アルバムです。

ファースト・アルバム「Mr. Mention」で
デビューした年に2枚目のアルバムを
リリースしているところを見ても、この
時代のBuju Bantonがいかに人気が
高かったかがうかがえます。
ジャケットには派手なオレンジを基調と
した衣装を着たBuju Bantonが写っていま
すが、この当時のBuju Bantonはダンス
ホール・レゲエのイケイケのシンガーの
代表格のようなシンガーだったんですね。
表題曲の「Stamina Daddy」は、そんな彼
の初期の代表曲です。
デジタルなリズムに乗せた勢いのある
トースティングは、当時の彼の勢いと人気
が感じられます。

手に入れたのはTechniques Recordsから
リリースされたCDの中古盤でした。

ちなみにネットのDiscogsの履歴を調べる
と、このアルバムは「Gonna Bring Ya」
という名前でもリリースされているよう
です。

全11曲で収録時間は約40分。
オリジナルは10曲で、最後の1曲
「Gold Spoon (Remix)」はCDボーナス・
トラックです。

ミュージシャンについては以下の記述が
あります。

Drums Cont: Sly Dunbar
Drums: Clevie, Danny Brownie, Tyrone Downie, Fluxy
Bass: Steelie, Mafia, Robbie Shakespeare
Guitar: Dwight Dickney, Danny Brownie, Chino
Keyboards: Tyrone Downie, Sharon Steele, Ansel Collins

Mixed by: Bulby, Kurt
Engineers: Bulby, Fatta, Garth
Recorded at: Mixing Lab, Striker Lee Studio

All tracks have been remixed at the Mixing Lab by: Bulby, Kurt

Arranged by: Winston Riley, Kurt Riley
+ Produced by: Winston Riley
# Produced by: Kurt Riley
* Produced by: Red Dragon
" Produced by: Bunny 'Striker' Lee
' Produced by: Sir Guy

となっています。

バックのミュージシャンは「Drums Cont」
にSly Dunbar、ドラムにCleveland
'Clevie' BrowneとDanny Brownie、
Tyrone Downie、David 'Fluxy' Heywood、
ベースにWycliffe 'Steelie' Johnsonと
Leroy 'Mafia' Heywood、Robbie
Shakespeare、ギターにDwight Dickney
(Dwight Pickney)とDanny Brownie、
Chino(Earl 'Chinna' Smith)、
キーボードにTyrone DownieとSharon
Steele、Ansel Collinsという布陣です。

Sly & RobbieやSteely & Clevie、
Mafia & Fluxy、Chinnaなど、この時代
のトップのスタジオ・ミュージシャンが
バックを務めたアルバムになっています。

レコーディングはMixing LabとStriker
Lee Studioで行われ、ミックス・
エンジニアはCollin 'Bulby' Yorkと
Kurt Rileygが担当し、レコーディング・
エンジニアはBulbyとLynford 'Fatta'
Marshall、Garth Atkinsが担当していま
す。

すべてのトラックはMixing Labで、
BulbyとKurtによって、リミックスが行わ
れています。

アレンジはWinston RileyとKurt Riley。
1曲目「Stamina Daddy」のプロデュース
はKurt Riley、2曲目「Louw Di Buddy」
と7曲目「Gun Unnu Want」の
プロデュースはRed Dragon、10曲目
「Mampy Size」のプロデュースはBunny
'Striker' Lee、9曲目「Glamatize」の
プロデュースはSir Guy、残りの曲の
プロデュースはWinston Rileyとなって
います。

さて今回のアルバムですが、まだダンス
ホール・ディージェイとして活躍していた
時代のBuju Bantonのイケイケのトース
ティングが楽しめるアルバムで、内容は
悪くないと思います。

「Stamina Daddy」などのタイトルからも
解るように、リリックはおそらく性的な事
が歌われていて、歌詞の内容は大した事は
無いんですね(笑)。
ただそうした「バカなノリ」もこのレゲエ
という音楽の一部である事は否定が出来ま
せん。
そのアゲアゲでイケイケだったBuju Banton
のダンスホール・ディージェイのノリを
単純に楽しむのが、このアルバムの正しい
聴き方ではないかと思います。

ホモ・セクシャルに対する過激な言動など
でいろいろと物議をかもして来た
Buju Bantonですが、90年以降に登場
して来たアーティストの中でこの人の果た
した役割は大きく、レゲエを語る上では
欠かせない人なんですね。
特に95年のアルバム「'Til Shiloh」
は「Untold Stories」など名曲も多く、
90年代の聴くべきアルバムと高く評価
されています。
そんなBuju Bantonが現在は刑務所の中
に居るというのは、とても残念でなりま
せん。

実際にBuju Bantonがそういう密輸の罪を
犯してしまったのかはよく解りませんが、
80年以降ダンスホール・レゲエが
流行った事で、聴衆とアーティストの距離
が非常に近くなり、犯罪に巻き込まれる
ケースが増えたと言われています。
近年でもVubz KartelやNinjamanが殺人
事件を起こしたり、つい最近でも
Capletonがレイプの容疑で逮捕される
など、犯罪に巻き込まれた事例が数多く
あるんですね、残念ながら…。

多発するレゲエ・アーティストたちの犯罪行為に迫る…

もうじき釈放される予定のBuju Banton
ですが、10年近くのキャリアの喪失は
とてももったいなく思います。

話を戻しますが、今回のアルバムは1曲目
の弾けたトースティングが楽しい表題曲の
「Stamina Daddy」をはじめ、イケイケの
ヤバいノリの2曲目「Louw Di Buddy」、
明るいヴォーカルにBuju Bantonのイケイケ
のトースティングがイイ感じの3曲目
「Mumma Long & Tongue」、Techniques
レーベルの名リディム「Stalag」に乗せ
た4曲目「Quick」、「Shank I Sheck」
リディムの5曲目「Bring You Body
Come」、リズミカルなキーボードの
メロディに乗せた6曲目「Gold Spoon」、
弾けたトースティングが楽しい9曲目
「Glamatize」など、この時代のギラギラ
としたBuju Bantonの魅力が詰まった
アルバムとなっています。

1曲目は「Stamina Daddy」です。
Buju Bantonの初期の人気曲です。
デジタルらしい軽快なドラミングに
キーボードのメロディ、Buju Bantonの
弾けたトースティングが印象的な曲です。

Buju Banton - Stamina Daddy


2曲目は「Louw Di Buddy」です。
デジタルなドラミングにキーボード、
勢いのあるBuju Bantonの弾けたトース
ティング…。
なになに…パンティ…ナイティ…
セクシィ…かなりヤバい事を歌ってそう
です(笑)。

3曲目は「Mumma Long & Tongue」です。
デジタルなキーボードに乗せた明るい
ヴォーカルに、Buju Bantonのイケイケの
トースティングがイイ感じの曲です。

Buju Banton - Mumma Long & Tongue


4曲目は「Quick」です。
リディムはTechniquesレーベルの名
リディムとして知られる「Stalag」
です。
ホーンの印象的なイントロに、Buju
Bantonの弾けたトースティングが
イイ感じの曲です。

Buju Banton - Quick


リズム特集 Stalag (スタラグ)

5曲目は「Bring You Body Come」です。
リディムはBaba Brooksのスカの時代の
名リディム「Shank I Sheck」。
デジタルなドラミングにキーボードの
メロディ、Buju Bantonの言葉が溢れ出す
ような滑らかなトースティング。

Buju Banton - Bring Yuh Body Come - Official Audio | Jet Star Music - (90's Dancehall)


リズム特集 Shank I Sheck (シャンク・アイ・シェック)

6曲目は「Gold Spoon」です。
リズミカルなキーボードのメロディと
パーカッションのリズム、流れるような
Buju Bantonトースティング。

7曲目は「Gun Unnu Want」です。
キーボードの印象的なメロディに、心地
良いパーカッション、溢れ出すような
Buju Bantonトースティング。

8曲目は「General」です。
キーボードのメロディに乗せた、Buju
Bantonの少しシング・ジェイの入った
流れるようなトースティング。

BUJU BANTON - GENERAL


9曲目は「Glamatize」です。
軽快なデジタルなリズムに、Buju Banton
の弾けたトースティングが冴える曲です。
歌の中で明らかに「Mampy Size~♪」と
歌っており、10曲目と入れ替わっている
かなとも思ったんですが…どうなん
でしょう?

Buju Banton - Glamatize


10曲目は「Mampy Size」です。
キーボードの耳なじみの地メロディに
乗せた、Buju Bantonのイケイケの
トースティングが魅力。

11曲目はオリジナルにないCD
ボーナス・トラックが収められています。
6曲目「Gold Spoon」のリミックスです
が、ここでは省略します。

ざっと追いかけてきましたが、この時代の
Buju Bantonにはラスタ転向後の彼とは
また違った、ギラギラとしたダンス
ホール・アーティストとしての魅力があり
ます。

彼はその後友人の死をきっかけにそれまで
とは全く違った、ラスタ・アーティストと
しての道を歩み始めますが、こうした
ダンスホール・ディージェイとしての
Buju Bantonもやはり傑出した存在で、
今あらためて聴いてみてもとても魅力的で
あった事がよく解ります。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: Buju Banton
○アルバム: Stamina Daddy
○レーベル: Techniques Records
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1992

○Buju Banton「Stamina Daddy」曲目
1. Stamina Daddy #
2. Louw Di Buddy *
3. Mumma Long & Tongue +
4. Quick +
5. Bring You Body Come +
6. Gold Spoon +
7. Gun Unnu Want *
8. General +
9. Glamatize '
10. Mampy Size "
11. Gold Spoon (Remix)