今回はThe Mighty Diamondsのアルバム

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「Planet Earth & Planet Mars Dub」
です。

The Mighty Diamondsは70年代のルーツ・
レゲエの時代から80年代のダンスホール
の時代に活躍したコーラス・グループ
です。
リード・ヴォーカルのDonald 'Tabby'
Shawを中心にコーラスのLloyd 'Judge'
Fergusonと Fitzroy 'Bunny' Simpson
からなる3人組のコーラス・グループで、
1976年にアルバム「When The Right
Time Come (I Need A Roof)」で、
Channel Oneのバック・バンド
The Revolutionarieの攻撃的な
ミリタント・ビートと美しいコーラス・
ワークを武器にデビューし、その後も
活躍を続けたコーラス・トリオとして
知られています。

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The Mighty Diamonds ‎– When The Right Time Come (I Need A Roof) (1976)

ネットのDiscogsによると、共演盤を含め
て38枚ぐらいのアルバムと、234枚
ぐらいのシングル盤を残しています。

アーティスト特集 Mighty Diamonds (マイティ・ダイアモンズ)

マイティ・ダイアモンズ - Wikipedia

今回のアルバムは1978年にジャマイカ
のBad Gong Recordsというレーベルから
リリースされたThe Diamonds名義の
アルバム「Planet Earth」と、同じく
78年にUKのVirgin傘下のレーベル
Front Lineからリリースされた
The Icebreakers With The Diamonds名義
の「Planet Earth」のダブ・アルバムで
ある「Planet Mars Dub」の2枚の
アルバムを1枚にまとめた2in1仕様の
アルバムで、2013年にUKの
リイシュー・レーベルHot Milkから
リリースされたアルバムです。

手に入れたのはHot Milkからリリース
されたCD(新盤)でした。

全20曲で収録時間は約74分。
The Diamonds名義のアルバム「Planet
Earth」の曲と、The Icebreakers With
The Diamonds名義の「Planet Earth」の
ダブ・アルバム「Planet Mars Dub」の
そのダブが交互に収められた、ショー
ケース・スタイルのアルバムです。
ちなみに「ショーケース・スタイル」
とは、曲とダブが交互に収められた、
レゲエ独特のスタイルのアルバムを指し
ます。

ミュージシャンについては以下の記述が
あります。

Musicians: The Icebreakers
Drums: Lowell Dunbar (Sly)
Bass: Lloyd Parks
Creative Percussion: Uzziah Thompson (Sticky)
Keyboards: Bernard Harvey (Touter)
Lead / Rhythm Guitar: Earl Smith (Chinna)
Tenor Sax: Tommy McCook
Alto Sax: Herman Marquis
Trombone: Vincent Gordon (Trommie)
Blazing Horn Arrangements: Tommy McCook
Organ Solo on "Come Me Brethren": Karl Pitterson

Produced by Karl Pitterson
Engineered & Mixed by Karl Pitterson
Tape Op. Benjamin Armbrister
Executive-Producer: Jumbo Vanrenen
Recorded at Compass Point Studios, Nassau, Bahamas

となっています。

バックのThe Icebreakersのメンバーは
ドラムにLowell 'Sly' Dunbar、ベースに
Lloyd Parks、パーカッションにUzziah
'Sticky' Thompson、キーボードに
Bernard 'Touter' Harvey、リードと
リズム・ギターにEarl 'Chinna' Smith、
テナー・サックスにTommy McCook、
アルト・サックスにHerman Marquis、
トロンボーンにVincent 'Trommie'
Gordon、ホーンのアレンジにTommy
McCook、17曲目「Come Me Brethren」
のオルガン・ソロにKarl Pittersonという
布陣です。

プロデュースとアレンジ、エンジニアを
務めたのはKarl Pittersonで、テープ録り
はBenjamin Armbristerが担当し、
エグゼクティブ・プロデューサーは
Jumbo Vanrenenとなっています。
レコーディングはバハマのナッソーにある
Compass Point Studiosで行われていま
す。

今回のアルバムのジャケットは、アルバム
「Planet Earth」のジャケットがそのまま
使用されているようです。
表ジャケが小冊子になっていて、その裏面
にはThe Icebreakers With The Diamonds
の「Planet Mars Dub」のジャケットが
載っていました。
それを表にするとこんな感じです。

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Planet Mars Dub(ジャケット・イメージ)

気になるのはどちらのアルバムも名義が
The Diamondsとなっている事で、もしか
したらThe Mighty Diamondsからただの
The Diamondsに改名しようとしていたので
しょうか?

さて今回のアルバムですが、全盛期の
The Mighty Diamondsらしい心地良い
コーラス・ワークとそのダブが楽しめる
アルバムで、内容はとても良いと思い
ます。

このThe Mighty Diamondsですが、76年
のファースト・アルバム「When The Right
Time Come (I Need A Roof)」があまりに
素晴らしかった為か、77年のセカンド・
アルバム「Ice On Fire」はスポンサーの
意向でニュー・オーリンズで録音される事
になるんですね。

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Mighty Diamonds ‎– Ice On Fire (1977)

ところがよりR&B色を強めたその
アルバムはあまりヒットせず、失敗作と
呼ばれてしまうんですね。
ただそうした失敗を経験した彼らはそこで
挫ける事なく、再び原点に戻り、この
78年から85年まで常に年に複数枚の
アルバムのリリースを続ける快進撃を始め
るんですね。
この78年も今回の2枚のアルバムを含め
て「Stand Up To Your Judgement」など、
合計4枚のアルバムをリリースしていま
す。

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The Mighty Diamonds ‎– Stand Up To Your Judgement (1978)

いわば彼らの快進撃が始まったのが、この
78年だったと言えるかもしれません。
歯切れの良いミリタント・ビートと息の
合ったコーラス・ワーク、そのひとつ
図抜けた爽快感がこのグループの魅力なん
ですね。
今回のアルバムでもそうした生きの良い
ノリがあり、そのThe Mighty Diamonds
こそ最強であり、やはり特別なんですね。

リード・ヴォーカルのDonald 'Tabby'
Shawを中心にしたコーラス・ワークは一見
すごくスウィートなんですが、その
スウィートさの中にピリッと引き締まった
味わいがあるのが、彼らの魅力です。

今回のコンピュレーションでは元歌とその
ダブという並び順にしており、そこが賛否
が分かれるところだと思いますが、その
レゲエらしいクドい「疑似的なショー
ケース・スタイル」がこのアルバムの
面白さという気がします。
元歌の彼ららしいヴォーカルも素晴らしい
ですが、そのダブのKarl Pittersonの
ミックスもなかなか悪くないんですね。
その元歌+ダブという組み合わせを聴いて
いると、まるでディスコ・ミックス曲を
聴いているような楽しさがあります。
意外と満足度は高いんですね。

またそのディスコ・ミックスの組み合わせ
で合計10曲聴いている事になる訳です
が、合計74分というのは確かに長い事は
長いですが、意外とサラっっと聴けて
しまうようなところがあります。
どの曲も細部まで気配りがされていて、
冗長に感じてしまうようなところが全く
と言って良いほど無いんですね。
おそらくこの2枚のアルバムは、かなり
良い出来のアルバムだと思います。

このアルバムを聴くと、元のアルバムは
単独だとどういう印象なのか?むしろ
聴いてみたくなっちゃうんですね(笑)。

1曲目は「Where Is Garvey」です。
ピアノとホーン、ギターの力強いメロディ
から、彼ららしいファルセットなコーラス
に乗せた心地良いリード・ヴォーカル。
ミリタント・ビートがとても心地良い曲
です。

Mighty Diamonds - Where Is Garvey - (Planet Earth)


2曲目は「Dub With Garvey」です。
1曲目「Where Is Garvey」のダブです。
こちらは原曲の力強さを生かしながら、
ヴォーカルにうまくダブワイズをかけた曲
です。

The Icebreakers With The Diamonds - Dub With Garvey - (Planet Mars Dub)


3曲目は「Let The Answer」です。
ギターとホーンのメロディに、コーラスに
乗せた歯切れの良いヴォーカルがとても
心地良い曲です。

4曲目は「Sweet Answer」です。
3曲目「Let The Answer」のダブです。
ダブワイズの効いた歯切れの良い演奏が
とてもグッド。

5曲目は「Strugglin'」です。
トロンボーンを中心としたホーンの
イントロから、ギターとキーボードの
メロディ、包み込むようなコーラス・
ワークに、心地良いヴォーカル…。

6曲目は「Work Out」です。
5曲目「Strugglin'」のダブです。
華やかな演奏にエコーの効いたダブ
ワイズ…。

7曲目は「Carefree World」です。
キーボードとギターのメロディに、
包み込むようなソフトなヴォーカルに
コーラス・ワーク。
Mighty Diamondsらしいヴォーカル・
ワークが素晴らしい曲です。

Mighty Diamonds - Carefree World - (Planet Earth)


8曲目は「Who Cares」です。
7曲目「Carefree World」のダブです。
ギターを中心にした心地良いダブ。

9曲目は「Got To Get Away」です。
ギターとベース、キーボードを中心とした
歯切れの良いメロディに、Mighty Diamonds
の素晴らしいヴォーカル・ワーク。

10曲目は「Run Away」です。
9曲目「Got To Get Away」のダブです。
勢いのあるドラミングとギターの
メロディ、ダブワイズして行く
ヴォーカル…。

11曲目は「Sweet Lady」です。
ギターとキーボード、ホーン・セクション
のメロディ、Donald 'Tabby'Shawの心地
良いヴォーカルがタマラない曲です。

Mighty Diamonds - Sweet Lady - (Planet Earth)


12曲目は「Grand Rock」です。
11曲目「Sweet Lady」のダブです。
こちらはベースを軸とした渋めのダブに
仕上げています。

The Icebreakers With The Diamonds - Grand Rock - (Planet Mars Dub)


13曲目は「Only Brothers」です。
ギターとピアノのメロディに乗せた、
心地良いヴォーカル・ワークの曲です。

14曲目は「Two Brothers」です。
13曲目「Only Brothers」のダブ。
エコーの効いた演奏とヴォーカルが、
とても心地良いダブ。

15曲目は「Just Can't Figure Out」
です。
硬いドラミングからちょっと面白い
シンセ音、ソフトなヴォーカルに
コーラス…。

Mighty Diamonds - Just Can't Figure Out - (Planet Earth)


16曲目は「Finger Out」です。
15曲目「Just Can't Figure Out」
のダブ。
印象的なシンセが面白いダブです。

17曲目は「Come Me Brethren」です。
力強いドラミングにギターのメロディ、
表情豊かなヴォーカルに、合間良く入る
コーラス・ワーク。
Mighty Diamondsらしい息の合った曲
です。
途中になかなかイケてるKarl Pitterson
のソロのオルガン・パートがあります。

The Mighty Diamonds - Come Me Brethren (1978)


18曲目は「Ital Rock」です。
17曲目「Come Me Brethren」のダブ
です。
ギターのメロディにダブワイズした
ヴォーカル。
こちらもKarl Pittersonのソロの
オルガン・パートが良いです。

The Icebreakers With The Diamonds - Ital Rock - (Planet Mars Dub)


19曲目は「Planet Called Earth」
です。
ギターとピアノ、ホーン・セクションの
メロディに、よく通るヴォーカルに気持ち
の良いコーラス・ワーク。

Mighty Diamonds - Planet Called Earth - (Planet Earth)


20曲目は「Planet Mars」です。
19曲目「Planet Called Earth」の
ダブです。
ホーンのイントロからギター、ダブワイズ
の効いたドラミング…。

ざっと追いかけてきましたが、やはり
Mighty DiamondsのDonald 'Tabby'Shawの
ヴォーカルと、それを支えるコーラス・
ワークには、他に無い特別なものがあり
ます。
2作目は失敗作と呼ばれてしまいました
が、その特別さは多くの人に解るもの
だから、彼らはわざわざニューオーリンズ
にまで呼ばれたんですね。
そしてまた原点に回帰した時に、彼らの
快進撃は始まったんですね。

このアルバムはそうした彼らの魅力がよく
解る、アルバムのひとつだと思います。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: The Mighty Diamonds
○アルバム: Planet Earth & Planet Mars Dub
○レーベル: Hot Milk
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1978, 1978 (2013)

○Mighty Diamonds「Planet Earth & Planet Mars Dub」曲目
1. Where Is Garvey
2. Dub With Garvey
3. Let The Answer
4. Sweet Answer
5. Strugglin'
6. Work Out
7. Carefree World
8. Who Cares
9. Got To Get Away
10. Run Away
11. Sweet Lady
12. Grand Rock
13. Only Brothers
14. Two Brothers
15. Just Can't Figure Out
16. Finger Out
17. Come Me Brethren
18. Ital Rock
19. Planet Called Earth
20. Planet Mars