今回はPinchersのアルバム

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「Bandelero」です。

Pinchers(本名:Delroy Thompson)は
80年代の半ばごろから活躍するダンス
ホール・レゲエのシンガーです。
ネットのDiscogsの彼の履歴を見ると、
86年にアルバム「Can't Take The
Pressure」をリリースしてから現在まで
に、4枚の共演盤を含めて13枚ぐらいの
アルバムと、400枚を超えるシングル盤
をリリースしている人気シンガーです。

アーティスト特集 Pinchers (ピンチャーズ)

Pinchers - Wikipedia

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Pinchers ‎– Lift It Up Again (1987)

今回のアルバムは1991年にジャマイカ
のJammy's Recordsからリリースされた
Pinchersのソロ・アルバムです。

プロデュースはKing Jammyで、バックは
Mafia & Fluxy, Steely & Clevie、
Fire House Crewなどが務めたアルバム
で、タイトル曲はジャマイカで大ヒット
した彼の代表曲です。
ジャケットからも解るように、ソンブレロ
を被ったメキシカン・スタイルのバッド・
マンとして彼は人気者となるんですね。

手に入れたのはネットのレゲエ・
コレクター・コムで売られていた中古の
LPでした。

Side 1が5曲、Side 2が5曲の全10曲。

ミュージシャンについては以下の記述が
あります。

Produced and Arranged by King Jammy
Recorded and Mixed at King Jammy's Recording Studio

Background Vocals: Ernest Wilson, Richie Stephens,
Singing Melody, Pinchers
Musicians: Mafia And Fluxy, Steely And Clevie,
Chris Meridith, Fire House Crew
Engineers: King Jammy, Fatman
Assistant Engineers: John John, Prento

Design: Studio Case

となっています。

プロデュースとアレンジはKing Jammyで、
レコーディングとミックスはジャマイカの
King Jammy's Recording Studioで行われ
ています。

バック・ヴォーカルはErnest Wilsonと
Richie Stephens、Singing Melody、
Pinchers、バックのミュージシャンは
Mafia & Fluxy, Steely & Clevie、Chris
Meridith、Fire House Crewが担当し、
エンジニアはKing JammyとFatman、
アシスタント・エンジニアはJohn Johnと
Prentoとなっています。

ジャケット・デザインはStudio Case。

さて今回のアルバムですが、ソンブレロを
被った彼の奇抜なバッド・マン・スタイル
が確立したアルバムで、彼の代表作とも
いえるアルバムです。

もともとはTenor Sawのフォロワー的な
アウト・オブ・キーのシンガーとして登場
して来た彼ですが、この「Bandelero」の
ヒットにより独特の個性を持ったバッド・
マンというスタイルを確立するんですね。
そうした表題曲の「Bandelero」が収め
られた今回のアルバムは、彼の代表作とも
いえるアルバムで、Tenor Sawばりの
アウト・オブ・キーとノビのある美声を
うまく使い分けた、彼独自の世界を作り
上げています。

デビュー当時と比べるとアウト・オブ・
キーはいく分後退している印象があります
が、その分ノビのある美声とバッド・
マン・キャラで自分らしい個性を作り出し
ている印象です。

Side 1の1曲目は「Si Mi Ya」です。
リディムはSuper Catの「Boops」として
知られるリディムで、オリジナルは
Marcia Griffithsの「Feel Like Jumping」
です。
楽し気なピアノとベースのメロディに、
甲高いPinchersの独特のヴォーカルが
魅力的。

Pinchers-Si Mi Ya


リズム特集 Feel Like Jumping/Boops (フィール・ライク・ジャンピング/ブープス)

2曲目は「On The Attack」です。
賑やかなドラミングとキーボードの
メロディに、楽し気なPinchersの
ヴォーカルに女性コーラス。
とてもリズミカルな曲です。

3曲目は表題曲の「Bandelero」です。
リディムはGregory Isaacsの「Storm」。
デジタルらしいドラミングにキーボード
のリズミカルなメロディ、シャウトする
ようなPinchersの時に優しくハリのある
ヴォーカル…。

Pinchers - Bandelero


リズム特集 Storm (ストーム)

4曲目は「Bigger Gun」です。
リズミカルなキーボードのメロディに、
イントロではトースティング、途中から
ソフトに歌うようなPinchersのシング・
ジェイ・スタイルのヴォーカル…。

PINCHERS - BIGGER GUN


5曲目は「My Heart Is Booked」です。
リディムはHorace Andyの「Fever」。
リズミカルなキーボードに、ソフトな
Pinchersのヴォーカル…。

PINCHERS - MY HEART IS BOOKED (FEVER RIDDIM)


Side 2の1曲目は「Pretending」です。
リディムはThe Heptonesの「Get In
The Groove」。
華やかなホーンにキーボードのメロディ、
心地良いデジタルなドラミングに、流れる
ように流ちょうなPinchersのヴォーカル。

リズム特集 Get In The Groove/Up Park Camp (ゲット・イン・ザ・グルーヴ/アップ・パーク・キャンプ)

2曲目は「Let's Make A Deal」です。
リズミカルなデジタルなドラミングと
リリカルなピアノ、ノビのあるPinchersの
ヴォーカルが魅力。

3曲目は「Dreams And Illusions」です。
リディムはJohn Holtの「A Love I Can
Feel」。
ロックステディ期の印象的なリディムです
が、キーボードとデジタルな擬音などで
うまくモダンなサウンドに仕上げていま
す。

リズム特集 Love I Can Feel (ラブ・アイ・キャン・フィール)

4曲目は「Don't Change On Me」です。
デジタルなリズムに乗せた、Pinchersの
歌声が魅力的。

5曲目は「Brotherly Love」です。
ネットのRiddimguideによると、リディム
は「Cradle Robber」との事ですが、誰
の曲かは解りませんでした。
デジタルらしい飛び道具のある演奏に、
ノビのあるPinchersのヴォーカル…。

pinchers - brotherly love(Cradle Robber Riddim)


ざっと追いかけてきましたが、この90年
代はNinjamanなどバッド・マン・キャラが
人気を博した時代ですが、このPinchers
もそうした時代の流れに乗って、人気
シンガーとして活躍したんですね。

今回のアルバムはそうした彼の個性がよく
出たアルバムで、彼の代表作として一聴に
値するアルバムだと思います。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: Pinchers
○アルバム: Bandelero
○レーベル: Jammy's Records
○フォーマット: LP
○オリジナル・アルバム制作年: 1991

○Pinchers「Bandelero」曲目
Side 1
1. Si Mi Ya
2. On The Attack
3. Bandelero
4. Bigger Gun
5. My Heart Is Booked
Side 2
1. Pretending
2. Let's Make A Deal
3. Dreams And Illusions
4. Don't Change On Me
5. Brotherly Love