今回はJoseph Cottonのアルバム

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「No Touch The Style」です。

Joseph Cotton(本名Silbert Walton)は
70年代半ば~80年代半ばまで
Jah Waltonの名前で活躍していたディー
ジェイで、その期間にアルバム1枚と多く
のシングル盤をリリースしています。
80年代半ばからはこのJoseph Cottonと
いう名前に変更し、ネットのDiscogsに
よると、13枚ぐらいのアルバムと
112枚ぐらいのシングル盤をリリース
して活躍しているディージェイです。

Joseph Cotton - Wikipedia

今回のアルバムは1990年にUSの
Wild Apacheからリリースされた彼の
ソロ・アルバムです。
(ネットのWikipediaでは1987年の
アルバムとなっています。)

彼の履歴はちょっとグチャグチャしていて
解りづらいのですが、Joseph Cotton名義
のアルバムでは3枚目ぐらい、Jah Walton
名義のアルバムを含めると4枚目ぐらいに
あたるアルバムです。
バックはSteelie & Clevieなどが担当した
アルバムで、彼らしいオールド・スタイル
のウィキッドなトースティングが楽しめる
アルバムになっています。

手に入れたのはWild Apacheからリリース
されたLPの中古盤でした。

Side 1が5曲、Side 2が5曲の全10曲。

ミュージシャンについては以下の記述が
あります。

Produced by: Robert Livingston
except 1,2,5, on Side 2 Produced by Fashion Production
Recorded at: Music Works, Penthouse, HCF, A Class, Easy Street Studio
Mixed at: Penthouse Studio, Jamaica.
A Class Studios, London by Toney Kelley and Gussie P

Musicians:
Bass: Steelie, Rafael Chris
Drums: Clevie, Anasby Chris
Keyboards: Steelie, Rafael Chris

となっています。

プロデュースはRobert Livingston。
ただしSide 2の1曲目「What Is This」
と2曲目「No Touch The Style」、
5曲目「Mark On A Hugup」は
プロデュースがFashion Productionと
なっています。
レコーディングはジャマイカのMusic Works
とPenthouse、おそらくUKのロンドンの
HCFとA Class、Easy Street Studioで
行われています。
ミックスはジャマイカのPenthouse Studio
と、ロンドンのA Class Studiosで行われ、
A Class StudiosのエンジニアはToney
KelleyとGussie Pが担当しています。

ミュージシャンはベースにSteelieとRafael
Chris、ドラムにClevieとAnasby Chris、
キーボードにSteelieとRafael Chrisという
布陣です。

おそらくですがプロデュースがRobert
Livingstonの曲がジャマイカ録音で、
バックはSteelie & Clevieで、残りの
Fashion Productionプロデュースとなって
いる曲がロンドン録音なのではないかと
思われます。

さて今回のアルバムですが、Joseph Cotton
らしいオールド・スタイルの味わい深い
トースティングが楽しめるアルバムで、
内容は悪くないと思います。

このJoseph Cottonはルーツ期である
70年代中盤からJah Waltonの名前で活躍
する人で、U-Royなどのディージェイが
やっていたオールド・スタイルの自然体の
トースティングが特徴の人です。
70年代頃は個性的なディージェイが多く
目立った存在ではなかった彼ですが、その
オールド・スタイルを貫いた事で徐々に
頭角を現し、地道に現在まで活躍している
ディージェイなんですね。

そうした彼の魅力がうまく詰め込まれた
のが今回のアルバムで、デジタルの時代に
なっても変わらぬオールド・スタイルは
この時代になるとかえって個性として
際立っています。
また今回界のアルバムではわざとイント
ネーションをハズしたような遊び心のある
ユーモラスなトースティングをしており、
そのあたりもこのディージェイの魅力と
なっています。

うまくトースティングという「音楽の中で
喋る」、独特の遊びのある世界を表現した
アルバムで、好感が持てるアルバムだと
思います。

Side 1の1曲目は「The Street No Easy」
です。
明るいキーボードのメロディに、Joseph
Cottonの流ちょうなトースティングが
心地良い曲です。

Joseph Cotton-The Street No Easy (No Touch The Style 1991)


2曲目は「Things Running Slow」です。
リリカルなキーボードのメロディに、
Joseph Cottonともう一人のディージェイ
との掛け合いから始まる曲です。

Joseph Cotton - Things Running Slow


3曲目はJack Willsonとの共演曲「Come
To Some Thing」です。
デジタルなリズムに変えられていますが、
曲はThe Wailersの「Get Up stand Up」
のようです。
デジタルなリズムに乗せたJack Willson
の流れるようなヴォーカルに、Joseph
Cottonの味わい深いトースティング…。

Joseph Cotton & Jack Wilson-Come To Some Thing (No Touch The Style 1991)


4曲目は「My Gal Fit Aready」です。
こちらもメリハリの効いたデジタルな
キーボードを中心としたメロディに、
表情豊かなJoseph Cottonのウィキッド
なトースティング…。

5曲目はLeroy Gibbonsとの共演曲「Step
Out A Line」です。
Leroy Gibbonsのシャウトするヴォーカル
と、それに合わせるようなJoseph Cotton
のトースティングの掛け合いが楽しい曲
です。

Joseph Cotton & Leroy Gibbons - Step Out A Line


Side 2の1曲目は「What Is This」です。
心地良いデジタルのメロディに、流ちょう
なJoseph Cottonのトースティングと、
もう一人の女性ディージェイとの掛け合い
の曲です。

2曲目は「No Touch The Style」です。
リディムはAdmiral Baileyの「Punanny」。
こちらももう一人の女性ディージェイとの
掛け合いの曲です。
ホーンなども絡むデジタルなバックに乗せ
て、Joseph Cottonと女性ディージェイの
ちょっとおかしなイントネーションの掛け
合いがとても面白い曲です。

Joseph Cotton - No Touch The Style


リズム特集 Punanny (プナニー)

3曲目は「Woman Them A Watch Me」
です。
デジタルらしいリズムとメロディに、
ちょっとハズしたようなイントネーション
のJoseph Cottonのトースティング…。

4曲目は「Must Hafe Come」です。
リズミカルなピアノも交えたデジタルな
メロディに、ちょっとトボけた印象の
Joseph Cottonのトースティング…。

5曲目は「Mark On A Hugup」です。
デジタルなリズムにリリカルなピアノの
メロディ、Joseph Cottonの滑らかな
トースティングに、女性の声や男性の
掛け声のエフェクト…。

Joseph Cotton-Mark On A Hugup (No Touch The Style 1991)


ざっと追いかけてきましたが、わざと
調子っぱずれのようなイントネーションで
トースティングしたりと、このディー
ジェイという音楽の遊び心を示した
アルバムで、内容は悪くないと思います。

このJoseph Cottonですが、地味ながら
現在まで活躍している人で、ネットの
YouTubeなどでその年配になってからの
動画などを見ると、意外と変わらず魅力的
なトースティングをしている人なんです
ね。

機会があればぜひ聴いてみてください。

Joseph Cotton



○アーティスト: Joseph Cotton
○アルバム: No Touch The Style
○レーベル: Wild Apache
○フォーマット: LP
○オリジナル・アルバム制作年: 1990

○Joseph Cotton「No Touch The Style」曲目
Side 1
1. The Street No Easy
2. Things Running Slow
3. Come To Some Thing - Jack Willson & Joseph Cotton
4. My Gal Fit Aready
5. Step Out A Line - Leroy Gibbons & Joseph Cotton
Side 2
1. What Is This
2. No Touch The Style
3. Woman Them A Watch Me
4. Must Hafe Come
5. Mark On A Hugup