今回はShabba Ranksのアルバム

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「As Raw As Ever」です。

Shabba Ranks(本名:Rexton Rawlston
Fernando Gordon)は、80年代の後半
から活躍したレゲエのディージェイです。
スラックネス(下ネタ)を中心とした性的
な歌詞で世界的にも人気を博した
ディージェイで、今回のアルバム
「As Raw As Ever」など2度のグラミー
賞のBest Reggae Album部門の受賞歴が
あるのが、このShabba Ranksです。

ネットのDiscogsによると、共演盤を含め
て18枚ぐらいのアルバムと214枚
ぐらいのシングル盤をリリースして
います。

アーティスト特集 Shabba Ranks (シャバ・ランクス)

Shabba Ranks - Wikipedia

今回のアルバムは1991年にヨーロッパ
のSony傘下のEpicというレーベルから
リリースされた彼のソロ・アルバムです。

彼はそれ以前に88年頃から共演盤を含め
て6枚ぐらいのアルバムをリリースして
いますが、このアルバムはShabba Ranksの
世界デビュー盤で、アメリカの音楽賞で
あるグラミー賞のBest Reggae Albumを
受賞しています。
またこのアルバムは担当者が調子に乗って
「生でやりたい」というスゴいタイトルや
曲名で売り出したためか、日本で唯一の
「成人指定アルバム」となったアルバム
です(苦笑)。
この時代に何かと話題を振りまいたのが
今回のアルバムであり、Shabba Ranksと
いう人だったんですね。

手に入れたのはEpicからリリースされた
CDの中古盤でした。

全12曲で収録時間は約45分。

ミュージシャンについては以下の記述が
あります。

Produced by Bobby 'Digital' Dixon and Clifton Dillon
*Produced by Wycliff 'Steely' Johnson and Cleveland 'Clevie' Browne
Music Arranged by Wycliff 'Steely' Johnson and Cleveland 'Clevie' Browne
**Produced by Mikey Bennett and Clifton Dillon
Music Arranged by Mikey Bennett
+Produced by Wycliff 'Steely' Johnson and Cleveland 'Clevie' Browne
++Produced by KRS-1
Exective Producers: Clifton 'Specialist' Dillon and Delroy Phillips
Production Assistants: Paul 'Bankie' Giscombe and Errol 'Getpaid' Dillon

Artiste: Rexton Gordon a.k.a. Shabba Ranks

Musicians:
Drums: Danny Browne, George Miller, Computer Paul, Cleveland Browne,
Sly Dunbar
Bass: Danny Browne, Computer Paul, Wycliff 'Steely' Johnson,
Danny 'Bessie' Dennis, Tony 'Nmie' Harmond
Keyboards: Wycliff 'Steely' Johnson, Computer Paul, Paul Crossdale,
Danny Browne, Danny 'Bessie' Dennis, Mikey Fletcher, Handel Tucker,
Mikey Bennett
Guitar: Chinna Smith, Cat Coore
Background Vocals: Dorothy Smith, Brian & Tony Gold, Chevelle Franklyn,
Peter Mann
Recording Engineers: Bobby 'Digital' Dixon, Peter Chemist,
Laurel 'Pego' Pinnock, Lynford 'Fatta' Marshall
MIxing Engineers: Bobby 'Digital' Dixon, Peter Chemist, Soljie Hamilton,
Syl Gordon, One Track Zele
Assistant Engineer: Laurel 'Pego' Pinnock
Studios: Mixing Lab, Jamaica; Music Works, Jamaica; Power Play, NY;
Digital B Mix
Mastered by Carlton Batts at Frankford/Wayne in New York City, Ny.

Art Direction: Nicky Lindeman
Photography: Gerhard Jurkovic

となっています。

4曲を除いてプロデュースはBobby 'Digital'
DixonとClifton Dillonで、1曲目の
「Trailor Load A Girls」のプロデュース
とアレンジがWycliff 'Steely' Johnsonと
Cleveland 'Clevie' Browne(Steely &
Clevie)で、6曲目の「Housecall」の
プロデュースがMikey BennettとClifton
Dillon、アレンジがMikey Bennett、7曲目
の「Flesh Axe」のプロデュースがWycliff
'Steely' JohnsonとCleveland 'Clevie'
Browne(Steely & Clevie)、10曲目の
「The Jam」のプロデュースがKRS-1となって
います。
エグゼクティブ・プロデューサーはClifton
'Specialist' DillonとDelroy Phillips、
プロダクション・アシスタントはPaul
'Bankie' GiscombeとErrol 'Getpaid'
Dillonとなっています。

アーティスト(ヴォーカル)はRexton Gordon
ことShabba Ranks。

ミュージシャンはドラムにDanny Browneと
George Miller、Computer Paul、Cleveland
Browne、Sly Dunbar、ベースにDanny Browne
とComputer Paul、Wycliff 'Steely'
Johnson、Danny 'Bessie' Dennis、Tony
'Nmie' Harmond、キーボードにWycliff
'Steely' JohnsonとComputer Paul、
Paul Crossdale、Danny Browne、Danny
'Bessie' Dennis、Mikey Fletcher、Handel
Tucker、Mikey Bennett、ギターにChinna
SmithとCat Coore、バック・ヴォーカルに
Dorothy SmithとBrian & Tony Gold、
Chevelle Franklyn、Peter Mannという布陣
です。
レコーディング・エンジニアにBobby
'Digital' DixonとPeter Chemist、Laurel
'Pego' Pinnock、Lynford 'Fatta' Marshall、
ミキシング・エンジニアにBobby 'Digital'
DixonとPeter Chemist、Soljie Hamilton、
Syl Gordon、One Track Zele、
アシスタント・エンジニアにLaurel 'Pego'
Pinnock、スタジオはジャマイカのMixing
LabとMusic Works、ニューヨークのPower
Play、ジャマイカのDigital B Mixで行われ
ています。

ジャケット・デザインはNicky Lindeman、
写真はGerhard Jurkovicとなっています。

さて今回のアルバムですが、いろいろな
意味でこの時代の注目のアルバムで、この
アルバムをきっかけにレゲエという音楽は
それまでのルーツ・レゲエというイメージ
を払拭して、スラックネス(下ネタ)を
中心としたダンスホール・レゲエという
イメージを世界的にアピールする事になる
んですね。

今回のアルバムはネットのDiscogsでは
「ラガ・ヒップ・ホップ」と形容されて
いますが、私のようにルーツ・レゲエを
中心に聴いて来た人間には、正直なところ
その良さがイマイチよく解らないところが
あります。
ただこのレゲエという音楽は時代とともに
メタモルフォーゼを繰り返して成長して
来た音楽で、その自在性があったからこそ
誕生から50年近くたった今でも愛されて
いる音楽なんですね。

ただ今日まで続いているレゲエにも2通り
の流れがあって、その2つが時にどちらか
が主流になりながら、レゲエという音楽を
動かしているんですね。
1つは70年代から続くコンシャス
(真面目)でアフリカ志向のレゲエ、もう
1つはスラックネス(下ネタ)やガン・
トーク(暴力ネタ)を中心としたポップ
志向のレゲエです。
その2つがレゲエの歴史の中で解きに入れ
替わりながら、レゲエの歴史を動かして
いるんですね。

このShabba RanksはYellowmanあたりから
続くスラックネス志向のレゲエで、その
流れは最近のVybz KartelやBeenie Man
あたりまでずっと続いているんですね。
今回のアルバムも世界デビュー作品に
して、スラックネス志向がもろに現れた
アルバムで、よくぞこの作品でグラミー賞
が獲れたものだとある意味感心する
アルバムです(笑)。

面白いのは日本盤のタイトルと曲名で、
よくまあこんな名前で…(絶句)といった
タイトルなんですね。
最後に日本で出たアルバム名と曲名を載せ
ておきましたが、アルバム名が「生でやり
たい」で、曲名が「トラックいっぱいの
女の子」や「どこからスケベが始まった
か」、「肉体の斧」など…、これでは
日本で唯一の「成人指定アルバム」となる
のも当たり前か…(苦笑)。
まあ、狙ってヤッてますね。

ただこの時代にこのアルバムがバカ売れ
したのも事実で、それとともにShabba
Ranksの原色で当時としてはオシャレな
ファッションも注目を集めたんですね。
ある意味オシャレでファッショナブルな
アルバムが、今回のアルバムなんですね。
今聴くと匂って来そうなほど「男」を強調
したトースティングはちょっと滑稽に
見えてしまうところもあります。
またヒップホップを意識した楽曲は、
かえってレゲエという個性を消して
しまっている印象もあります。
ただ当時はこの音楽がレゲエの最先端の
音楽として認知され、世界的に人気を
博したのもまた事実なんですね。
個性を消していると言いましたが、世界の
音楽がボーダレスになって行く動きの
初めの方のアルバムとも言えます。
こうしたヒップホップ寄りの路線は、後の
Sean Paulなどにも引き継がれ、彼はその
路線で世界的なスターとして成功している
んですね。

1曲目は「Trailor Load A Girls」です。
邦題:トラックいっぱいの女の子
デジタルらしいリズムにShabba Ranksの
男臭いトースティングが冴える曲です。

Shabba Ranks - Trailer Load A Girls


2曲目は「Where Does Slackness Come
From」です。
邦題:どこからスケベが始まったか
軽快なデジタルらしいリズムに、流れる
ようなShabba Ranksのトースティング。

Shabba Ranks - Where Does Slackness Come From


3曲目は「Woman Tangle」です。
邦題:いかせなきゃ
軽快なドラミングに乗せた流ちょうな
Shabba Ranksのトースティング。

4曲目は「Gun Pon Me」です。
邦題:僕のガン
こちらも心地良いリズムに、彼らしい
男らしいトースティング。
拳銃の発射音のエフェクトが印象的。

Shabba Ranks - Gun Pon Me


5曲目は「Gone Up」です。
邦題:カタくなる
軽快なリズムに女性の声、滑らかな
Shabba Ranksの男らしいトース
ティング。

6曲目は「Housecall」です。
邦題:愛のドクター
リズミカルな曲に乗せたヴォーカル、それ
に被るように入って来るShabba Ranksの
男らしいトースティング…。

Shabba Ranks - Housecall (1991)


7曲目は「Flesh Axe」です。
邦題:肉体の斧
デジタルのリズムにShabba Ranksの男臭い
トースティング。

8曲目は「A Mi Di Girls Dem Love」
です。
邦題:シャバの世界~すべての女は僕を
愛してる
こちらもデジタルな軽快なリズムに、
Shabba Ranksの滑らかなトースティング
が光る曲です。

Shabba Ranks - A Mi Di Girls Dem Love


9曲目は「Fist-A-Ris」です。
邦題:自分でスルな!
デジタルらしいリズムとメロディに、
流れるように流ちょうなShabba Ranks
のトースティング。

10曲目は「The Jam」です。
邦題:ジャム~男はそれが欲しい
ヒップホップのKRS-1がプロデュースした
曲で、完全にヒップホップのノリの曲
です。
このアルバムの目玉曲か?

Shabba Ranks - The Jam ft. KRS-One


11曲目は「Ambi Get Scarce」です。
邦題:アンビ・ゲット・スカース
心地良いミリタント系のビートに、
Shabba Ranksの滑らかなトースティング
が冴える曲です。

12曲目は「Park Yu Benz」です。
邦題:腰をオろして…
こちらも軽快なリズムに、Shabba Ranks
らしい滑らかなトースティングが冴える曲
です。

ざっと追いかけてきましたが、こうして曲
だけ聴いているとちょっと単調に聴こえて
しまうところもあるのですが、YouTube
などのパフォーマンス映像などを見ると、
Shabba Ranksはとても生き生きと輝いて
いて、とても魅力的です。
彼が当時多くの支持を得て、スターだった
という事がよく解ります。

前に新宿のレゲエ・ショップDub Storeの
店員の方に聞いた事があるのだけれど、
実はレゲエという音楽が一番売れたのは
この90年代だったという事です。
そうしたレゲエの発展にこのShabba Ranks
も貢献したアーティストだったのかもしれ
ません。

機会があればぜひ聴いてみてください。

Shabba Ranks - Slow & Sexy ft. Johnny Gill



○アーティスト: Shabba Ranks
○アルバム: As Raw As Ever
○レーベル: Epic
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1991

○Shabba Ranks「As Raw As Ever」曲目
1. Trailor Load A Girls *
2. Where Does Slackness Come From
3. Woman Tangle
4. Gun Pon Me
5. Gone Up
6. Housecall **
7. Flesh Axe +
8. A Mi Di Girls Dem Love
9. Fist-A-Ris
10. The Jam ++
11. Ambi Get Scarce
12. Park Yu Benz

(日本語タイトル)
〇シャバ・ランクス「生でやりたい」
1. トラックいっぱいの女の子
2. どこからスケベが始まったか
3. いかせなきゃ
4. 僕のガン
5. カタくなる
6. 愛のドクター
7. 肉体の斧
8. シャバの世界~すべての女は僕を愛してる
9. 自分でスルな!
10. ジャム~男はそれが欲しい
11. アンビ・ゲット・スカース
12. 腰をオろして…