今回はBunny Brissettのアルバム

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「Better Safe Than Sorry」です。

Bunny Brissettについてはネット上に
あまり情報がありません。
ただネットのDiscogsの彼女のディスコ
グラフィを見ると、81年から98年頃
にかけて17枚ぐらいのシングルを
リリースしており、92年には
The CongosのAshanti Royと共演アルバム
「Berlin Wall」、さらに95年には
Augustus PabloのレーベルRockers
Internationalから今回のアルバム
「Better Safe Than Sorry」をリリース
している女性シンガーです。
それ以上の事は解りませんでした。

今回のアルバムは1995年にジャマイカ
のAugustus PabloのレーベルRockers
Internationalからリリースされた彼女の
唯一のソロ・アルバムです。

プロデュースはAugustus Pabloで、バック
は彼のバック・バンドRockersが担当した
ものと思われます。
彼女の81年のファースト・シングルも
このタイトル曲になっている「Better
Safe Than Sorry」で、リリースも
のAugustus PabloのレーベルMessageで、
彼女がAugustus Pabloに育てられた
いわゆる「Augustus Pablo関連」の
アーティストだという事が解ります。
全11曲のアルバムで「One Day」や
「Smile」、「Better Safe Than Sorry」
という彼女の楽曲7曲のほか、「Smile」
のダブ「Loving Dub」など4曲のダブが
収められたアルバムです。
81年にタイトル曲がリリースされている
ところなどから見て、おそらく彼女の
アンソロジー的なアルバムではないかと
思われます。

手に入れたのはRockers International
からリリースされたCD(新盤)でした。

全11曲で収録時間は約40分。

ミュージシャンについては以下の記述があり
ます。

Produced through the Devine Power of Haile Selassie I Father of this creation.
Musical Arrangment and Co-production Augustus Pablo (H. Swaby)
Published by Pablo Publishers Ltd.
Recorded at Mixing Lab, Music Works, Kingston, Jamaica,
A.C.E Studio, Queen Studio, U.S.A
Engineer: Phillip Smart, Sowie, Dr. Marshall, A. Pablo

Musicians:
Bass: R. McLean, Danny Thompson, A. Pablo
Drums: Benbow, Noel Alfonso (Alphanso)
Guitar: Chinna Smith, Danny Thompson
Piano, Organ, DX100: Augustus Pablo
Harmony: Kim, Bunny, Delroy Williams

となっています。

プロデュースにはエチオピア皇帝Haile
Selassie Iの名前が書かれています。
これは実際にHaile Selassie Iが
プロデュースした訳ではなく、ラスタ
ファリズムの神であるこのエチオピア皇帝
がインスピレーションを与え、アルバムが
出来たという事なんですね。
プロデュースをしたAugustus Pabloは
90年代に入ると筋無力症に苦しむように
なり、それとともに信仰心が高まって、
自分のプロデュースしたアルバムにこの
エチオピア皇帝の名前をプロデューサーと
して記述するようになるんですね。
ちなみにメロディカ奏者でもあった彼
Augustus Pabloは、1999年にこの
病気のために亡くなっています。

なので実際のプロデュースとアレンジは
Augustus Pabloは(本名:Harace Swaby)
です。

レコーディングはジャマイカのキングストン
にあるMixing LabとMusic Worksと、
アメリカのA.C.E StudioとQueen Studioで
行われています。
レコーディング・エンジニアは
Phillip SmartとSowie、Dr. Marshall、
Augustus Pabloとなっています。
スタジオの多さなどから見ても、彼女の
リリースしたシングル盤などを集めた
アルバムではないかと推測されます。

ミュージシャンはAugustus Pabloの
バック・バンドRockersと思われ、
ベースにRanchie McLeanとDanny Thompson、
Augustus Pablo、ドラムにBenbow Crearyと
Noel Alfonso (Alphanso)、ギターに
Earl 'Chinna' SmithとDanny Thompson、
ピアノとオルガンDX100というシンセ
サイザーにAugustus Pablo、ハーモニー
にKimとBunny本人、Delroy Williamsと
いう布陣です。

さて今回のアルバムですが、女性シンガー
のBunny Brissettらしいソフトな歌声の
楽曲が多く収められたアンソロジー的な
アルバムで、内容は悪くないと思います。

この人のシングル盤の履歴を見ると、
枚数は多くはありませんがそれなりに
コンスタントにリリースを続けている人
なんですね。
そういうところから見て、ジャマイカで
人気のある女性シンガーのひとりだった
のかもしれません。
今回のアルバムではSoul Vendersの
「Real Rock」のリディムを使った
「One Day」や「Smile」、「Never Go
Astray」、「What A Confusion」、
「Better Safe Than Sorry」といった
楽曲7曲に、「Loving Dub」や
「Youthman Dub」などのダブ4曲が
プラスされたアルバムにになっています。

一見ラヴァーズか?と思うような高音を
生かしたヴォーカルはなかなか魅力的で、
内容は悪くありません。
ただアンソロジー的なアルバムのせいか、
多少まとまりを欠く印象もあります。
そこがちょっと残念なところ。

1曲目は「One Day」です。
リディムはSoul Vendersのロックステディ
のヒット曲「Real Rock」。
ギターのメロディに乗せた心地良いリズム
に、Bunny Brissettの高音を生かしたノビ
のあるヴォーカルが良いです。

Bunny Brissett - One Day

↑後半のダブはありません。

リズム特集 Real Rock (リアル・ロック)

2曲目は「Smile」です。
ソフトなシンセを中心としたメロディに、
リズム・ボックスのリズム、ソフトで丁寧
なBunny Brissettのヴォーカル。

3曲目は「Loving Dub」です。
2曲目「Smile」のダブ・ヴァージョン
です。
全体にソフトな楽曲という事がよく解る、
インストに近いダブです。

4曲目は「Never Go Astray」です。
ユッタリとしたシンセのメロディに、
落ち着いた印象のBunny Brissettの
ヴォーカル。

Bunny Brissett - Never Go Astray


5曲目は「What A Confusion」です。
彼女の88年のシングルのようです。
こちらもストリングスのメロディに、
高音を生かしたソフトなヴォーカルの曲
です。

Bunny Brissett - What a confusion (1988 - Message - 7")


6曲目は「Youthman Dub」です。
5曲目「What A Confusion」のダブ
です。
デジタルらしいダブワイズが印象的。

7曲目は「Babylon Is Falling」です。
こちらは89年のシングル。
高音を生かしたヴォーカルが、とても耳に
残る曲です。

Bunny Brissett - Babylon Falling


8曲目は「Better Safe Than Sorry」
です。
81年の彼女のデビュー・シングルのよう
です。
こちらもシンセのソフトなメロディを
バックに、高音を生かしたBunny Brissett
のヴォーカルが冴える1曲。

Bunny Brissett - Better Safe Than Sorry + Dub


9曲目は「Prevention Dub」です。
8曲目「Better Safe Than Sorry」の
ダブ・ヴァージョンです。
ヴォーカルが抜けた分Augustus Pablo
らしいシンセと、ズシっとしたベースが
際立つダブです。

10曲目は「Hooked On Your Love」
です。
91年のシングルのようです。
ただしネットのYouTubeにあった楽曲を
聴いてみたところ、若干曲が違ったので
アルバムのために再度取り直した曲かも
しれません。
こちらも浮遊感のあるシンセのメロディ
に、ユッタリと歌うBunny Brissettの
ヴォーカル。

11曲目は「Wailing Dub」です。
こちらもAugustus Pabloの優しいシンセ
のメロディが印象的なダブです。

ざっと追いかけてきましたが、
「Augustus Pablo関連」の中では
ちょっと珍しい女性シンガーのアルバム
で、高音を生かしたヴォーカルはなかなか
悪くないです。
全体にソフトな曲が並び、少し印象が弱い
のが残念なところです。
どちらかというとルーツ好きより
ラヴァーズ好きの方が、好みが合う
アルバムかもしれません。

機会があれば聴いてみてください。


○アーティスト: Bunny Brissett
○アルバム: Better Safe Than Sorry
○レーベル: Rockers International
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1995

○Bunny Brissett「Better Safe Than Sorry」曲目
1. One Day
2. Smile
3. Loving Dub
4. Never Go Astray
5. What A Confusion
6. Youthman Dub
7. Babylon Is Falling
8. Better Safe Than Sorry
9. Prevention Dub
10. Hooked On Your Love
11. Wailing Dub