今回はJoe Gibbs & The Professionals
のアルバム
「African Dub All-Mighty Chapter 4」
です。
Joe Gibbsはレゲエの歴史に数々の名曲を
残したプロデューサーとして知られて
います。
彼とエンジニアのErrol Thompsonのコンビ
はThe Mighty Twoと名乗り、レゲエの歴史に
数々の名曲、名アルバムを残して来ました。
しかしCharley Prideのカントリー・ソング
「Someone Loves You Honey」をレゲエ・
アレンジして大ヒットしたものの、その
著作権料を支払わなかった為に裁判を起こ
され敗北し破産。
以降は音楽界で活躍出来なくなります。
2008年に心臓発作で亡くなっています。
レーベル特集 Joe Gibbs (ジョー・ギブス)
The ProfessionalsはそのJoe Gibbsの
ハウス・バンドです。
70年当時のジャマイカはミュージシャン
の専属契約のない状態で、当時の録音は
歌手やミュージシャンを日雇いで雇い、
集まれる人が集まって録音する
「プラスティック・バンド」の形式
が一般的でした。
その為当時のスタジオ・ミュージシャン
はいろいろなグループ名のバンドで
プレイしており、バンド名は誰が
プロデューサーかで決まっていたんです
ね。
例えばJoe Gibbsがプロデューサーなら
The Professionalsと名乗り、Bunny Leeが
プロデューサーならThe Aggrovatorsと
名乗るといった感じです。
このThe Professionalsもベースが
Lloyd Parksという事が多いですが、他の
メンバーは流動的で、ジャマイカのスタジオ・
ミュージシャンがJoe Gibbsのスタジオで
録音する時に使われたバンド名なんですね。
Dennis Brownをはじめとする多くのシンガー
の曲のバックを務めたほか、Joe Gibbs
のレーベルの代表的なダブ「African Dub
All-Mighty」シリーズの演奏などを務めて
います。
Errol Thompsonについても書いておくと、
70年代から80年代にかけて活躍した、
レゲエの歴史に名を残したエンジニア
です。
彼の最初の仕事はStudio Oneで助手をして
いた時代に、スタジオをレンタルした
Bunny LeeがプロデュースしたMax Romeoの
「Wet Dream」で、そのわいせつな歌詞に
怒ったC.S. Doddがスタジオを出て行って
しまった為に、代わりに助手の彼がミックス
したというエピソードはよく知られて
います。
その後Clive Chin)のレーベルRandy'sに
移籍した彼は、初期ダブの名作と言われる
Impact All Starsの「Java Java Java Java」
のミックスを担当し、ダブのミキサーと
して高い評価を受ける事になります。
Impact All Stars– Java Java Java Java (1973)
70年代半ばにはJoe Gibbsのレーベルに
移籍して、彼とのコンビ「The Mighty Two」
としてDennis BrownやCultureなど数多く
のアーティストのミックスや、「African
Dub All-Mighty」シリーズなどのダブの
ミックスを手掛け高い評価を受けます。
しかしJoe GibbsがCharley Prideの
カントリー・ソング「Someone Loves You
Honey」をレゲエ・アレンジして大ヒット
させたものの、その著作権料を支払わ
なかった為に裁判を起こされ敗北し破産。
その後はJoe Gibbsがキングストンで運営
するスーパーマーケットの経営者となり、
音楽の世界からは身を引いてしまうんです
ね。
2004年に脳梗塞で亡くなっています。
アーティスト特集 Errol Thompson (エロル・トンプソン)
今回のアルバムは1979年にジャマイカ
のJoe Gibbs Recordからリリースされた、
「African Dub All-Mighty」シリーズの
第4作目のアルバムです。
この「African Dub All-Mighty」は
シリーズ化していて、75年には第1作目
の「African Dub All-Mighty」、76年に
「Chapter Two」、78年には「Chapter 3」、
79年には「Chapter 4」、そして84年
に「Chapter Five」と計5作が作られて
います。
Joe Gibbs & The Professionals – African Dub All-Mighty (1975)
Joe Gibbs & The Professionals – African Dub All-Mighty Chapter Two (1976)
Joe Gibbs & The Professionals – African Dub All-Mighty Chapter 3 (1978)
Joe Gibbs & The Professionals – African Dub Chapter Five (1984)
この「African Dub All-Mighty」シリーズ
は、「Chapter Two」までの2作品が比較的
インストに近い作品でしたが、「Chapter 3」
以降はそれまでと違って大胆なエフェクト
が巧みに使われたダブへという方向転換が
見られ、ミックスのErrol Thompsonの確か
な力量が発揮された、より娯楽性の強い
ダブ・アルバムになっています。
手に入れたのはUSのRocky Oneという
レーベルからリリースされたLPでした。
ちなみに3枚目と4枚目をまとめたCD
も、手に入れていました。
Joe Gibbs & The Professionals– African Dub All-Mighty Chapters 3 & 4 (1999)
Side 1が5曲、Side 2が5曲の全10曲。
ミュージシャンについては以下の記述があり
ます。
Drums: Neville Grant, Sly Dumbar, Michael Boo, Horse Mouth
Bass: Lloyd Parks, Robert Shakespeare
Guitar: Willie Lindo, Winston 'Bopeep' Bowen
Keyboards: Frankie Waul 'Bubbler', Winston Wright
Horns: Dean Fraser, Ronald 'Nambo' Robinson, Willie Breakridge
Percussion: Ruddy Thomas, Franklin Waul
Recorded at Joe Gibbs Recording Studio
Arranged by: Joe Gibbs, Errol Thompson
Co. Arranged by: Willie Lindo
Produced by: Joe Gibbs, Errol Thompson
Asst. Engineer: Ruddy Thomas, Oswald Palmer
Remixed by: Joe Gibbs, Errol Thompson
Cover: Ras Ahara
となっています。
バックはJoe Gibbsのバック・バンド
The Professionalsで、メンバーはドラム
にNeville GrantとSly Dumbar、Michael Boo、
Leroy 'Horse Mouth' Wallace、ベースに
Lloyd ParksとRobert Shakespeare、ギター
にWillie LindoとWinston 'Bopeep' Bowen、
キーボードにFrankie Waul 'Bubbler'と
Winston Wright、ホーンにDean Fraserと
Ronald 'Nambo' Robinson、Willie
Breakridge、パーカッションにRuddy Thomas
とFranklin Waulという布陣です。
レコーディングはジャマイカのキングストン
にあるJoe Gibbs Recording Studioで行わ
れ、プロデュースとアレンジはJoe Gibbsと
Errol ThompsonのコンビThe Mighty Two、
アシスタント・エンジニアはRuddy Thomas
とOswald Palmer、リミックスもJoe Gibbs
とErrol ThompsonのThe Mighty Twoが行って
います。
ジャケット・デザインはRas Aharaとなって
います。
さて今回のアルバムですが、3作目の大胆
なエフェクトを多用したダブと比べると、
それなりにエフェクトは多く使われている
ものの、エフェクトはいく分控えめな印象
です。
3作目があまりに強烈だった為にいく分
地味な印象がありますが、それでも楽曲の
良さもあってErrol Thompsonらしい楽しい
ダブに仕上がっています。
内容的には悪く無いダブ・アルバムだと
思います。
シンセとパーカッションが際立つSide 1の
1曲目「Crucial Attempt」から始まり、
押しの強いサックスと飛び道具のシンセが
印象的な2曲目「Behind Iron Bars」、
うねるようなベースが印象的な3曲目
「Ghetto Slum」、女性の明るい歌声が
楽しい5曲目「Iron Gate」、妖しげな
「Drum Song」リディムのSide 2の1曲目
「Power Pack」、Alton Ellisの「I've
Got A Date」リディムの3曲目「Fashion
"One"」、メロディカとサックスの
メロディの対比が面白い4曲目「Rhythm
Tackle」、ドスの効いたベースにシンセ
のトビ音が印象的な5曲目「Sniper」
まで、Errol Thompsonの遊び心いっぱい
のミックスが楽しめるアルバムだと思い
ます。
Side 1の1曲目は「Crucial Attempt」
です。
リディムはSoul Vendorsのロックステディ
のヒット曲「Swing Easy」です。
シンセの怪しげなメロディにパーカッション
とズシっとしたベースの心地良い曲です。
イントロの入り方などはのちのScientist
の「漫画ジャケ」シリーズなどにも似て
いるような…ScientistもこうしたErrol
Thompsonのダブに影響を受けているの
かも…。
Joe Gibbs & The Professionals - Crucial Attempt
リズム特集 Swing Easy (スウィング・イージー)
2曲目は「Behind Iron Bars」です。
リディムはDawn Pennの「No No No」。
押しの強いホーンのメロディと、飛び道具
のように入って来るシンセを中心とした
ダブです。
こうしたシンセを中心とした音楽を作り
始めたのも、このJoe Gibbsのスタジオと
The Professionalsが比較的早い印象
です。(70年代半ばあたりからか…?)
Joe Gibbs and The Professionals - African Dub All-Mighty Chapter Four - 02 - Behind Iron Bars
3曲目は「Ghetto Slum」です。
リディムはThe Heptonesの「Love Won't
Come Easy」。
うねるような力強いベースのサウンドを
軸に、ギターなどで味付けした演奏のダブ
です。
Joe Gibbs And The Professionals - Ghetto Slum
4曲目は「Yard Music」です。
缶が崩れるようなエフェクト音に、ベース
とギター、シンセなどが作るメロディ…。
発砲音が入ったり遊び心のあるダブです。
5曲目は「Iron Gate」です。
リディムはThe Heptonesのロックステディ
のヒット曲「Fattie Fattie」です。
ギターのメロディに乗せた女性の明るい
歌声にダブワイズ…、シンセのメロディも
巧みに入って来る1曲。
Joe Gibbs and The Professionals - African Dub All-Mighty Chapter Four - 05 - Iron Gate
Side 2の1曲目は「Power Pack」です。
リディムはJackie Mittoo & Sound
Dimensionのロックステディのヒット曲
「Drum Song」です。
ベースに妖しげなシンセのメロディ、
パーカッションのリズム…。
Joe Gibbs & The Professionals - Power Pack
リズム特集 Drum Song (ドラム・ソング)
2曲目は「Free The Children」です。
リディムはHorace Andyの「Something On
My Mind」。
シンセの漂うようなメロディに、シッカリ
したベースを軸とした演奏…。
3曲目は「Fashion "One"」です。
リディムはAlton Ellisの「I've Got A
Date」。
ピアノのリリカルなメロディにベース、
パーカッションにシンセも加わった1曲。
Joe Gibbs And The Professionals - Fashion One
4曲目は「Rhythm Tackle」です。
リディムはThe Mighty Diamondsの「Danger
In Your Eyes」。
スヌーピーに関する語りからシンセ、
メロディカのような甲高いメロディと少し
低いサックスのメロディの対比が面白い
曲です。
Joe Gibbs & the Professionals - Rhythm Tracks
5曲目は「Sniper」です。
リディムはLittle Royのヒット曲「Tribal
War」。
ドスの効いたベースにシンセのトビ音、
ピアノのメロディと、音の楽しさが詰まった
1曲。
ざっと追いかけてきましたが、さすがに
「Chapter 3」ほどの過剰なくらいの
「エフェクトの嵐」はないものの、それ
でも他のダブと較べればErrol Thompson
らしい楽しさが目一杯盛り込まれたダブに
仕上がっています。
数あるレゲエという音楽の中でも、この
Errol Thompsonのポップで音楽愛を感じる
サウンドは、とても貴重な個性だったん
ですね。
機会があればぜひ聴いてみてください。
○アーティスト: Joe Gibbs & The Professionals
○アルバム: African Dub All-Mighty Chapter 4
○レーベル: Rocky One
○フォーマット: LP
○オリジナル・アルバム制作年: 1979
○「African Dub All-Mighty Chapter 4」曲目
Side 1
1. Crucial Attempt
2. Behind Iron Bars
3. Ghetto Slum
4. Yard Music
5. Iron Gate
Side 2
1. Power Pack
2. Free The Children
3. Fashion "One"
4. Rhythm Tackle
5. Sniper
●今までアップしたJoe Gibbs & The Professionals関連の記事
〇Joe Gibbs & The Professionals「Majestic Dub」
〇Joe Gibbs & The Professionals「African Dub All-Mighty Chapter 3」
〇Joe Gibbs & The Professionals「African Dub All-Mighty Chapter Two」
〇Joe Gibbs & The Professionals「African Dub All-Mighty」
〇Joe Gibbs And The Professionals「State Of Emergency」
〇Joe Gibbs「Reggae Christmas」
〇Joe Gibbs「Scorchers From The Mighty Two」
〇Various「Joe Gibbs 12" Reggae Discomix Showcase Vol.1」
〇Various「Joe Gibbs 12" Reggae Discomix Showcase Vol.2」
〇Various「Joe Gibbs 12" Reggae Discomix Showcase Vol.3」
〇Various「Joe Gibbs 12" Reggae Discomix Showcase Vol.4」
〇Various「Joe Gibbs 12" Reggae Discomix Showcase Vol.5」
〇Professionals「Meet The Aggrovators At Joe Gibbs」
のアルバム
「African Dub All-Mighty Chapter 4」
です。
Joe Gibbsはレゲエの歴史に数々の名曲を
残したプロデューサーとして知られて
います。
彼とエンジニアのErrol Thompsonのコンビ
はThe Mighty Twoと名乗り、レゲエの歴史に
数々の名曲、名アルバムを残して来ました。
しかしCharley Prideのカントリー・ソング
「Someone Loves You Honey」をレゲエ・
アレンジして大ヒットしたものの、その
著作権料を支払わなかった為に裁判を起こ
され敗北し破産。
以降は音楽界で活躍出来なくなります。
2008年に心臓発作で亡くなっています。
レーベル特集 Joe Gibbs (ジョー・ギブス)
The ProfessionalsはそのJoe Gibbsの
ハウス・バンドです。
70年当時のジャマイカはミュージシャン
の専属契約のない状態で、当時の録音は
歌手やミュージシャンを日雇いで雇い、
集まれる人が集まって録音する
「プラスティック・バンド」の形式
が一般的でした。
その為当時のスタジオ・ミュージシャン
はいろいろなグループ名のバンドで
プレイしており、バンド名は誰が
プロデューサーかで決まっていたんです
ね。
例えばJoe Gibbsがプロデューサーなら
The Professionalsと名乗り、Bunny Leeが
プロデューサーならThe Aggrovatorsと
名乗るといった感じです。
このThe Professionalsもベースが
Lloyd Parksという事が多いですが、他の
メンバーは流動的で、ジャマイカのスタジオ・
ミュージシャンがJoe Gibbsのスタジオで
録音する時に使われたバンド名なんですね。
Dennis Brownをはじめとする多くのシンガー
の曲のバックを務めたほか、Joe Gibbs
のレーベルの代表的なダブ「African Dub
All-Mighty」シリーズの演奏などを務めて
います。
Errol Thompsonについても書いておくと、
70年代から80年代にかけて活躍した、
レゲエの歴史に名を残したエンジニア
です。
彼の最初の仕事はStudio Oneで助手をして
いた時代に、スタジオをレンタルした
Bunny LeeがプロデュースしたMax Romeoの
「Wet Dream」で、そのわいせつな歌詞に
怒ったC.S. Doddがスタジオを出て行って
しまった為に、代わりに助手の彼がミックス
したというエピソードはよく知られて
います。
その後Clive Chin)のレーベルRandy'sに
移籍した彼は、初期ダブの名作と言われる
Impact All Starsの「Java Java Java Java」
のミックスを担当し、ダブのミキサーと
して高い評価を受ける事になります。
Impact All Stars– Java Java Java Java (1973)
70年代半ばにはJoe Gibbsのレーベルに
移籍して、彼とのコンビ「The Mighty Two」
としてDennis BrownやCultureなど数多く
のアーティストのミックスや、「African
Dub All-Mighty」シリーズなどのダブの
ミックスを手掛け高い評価を受けます。
しかしJoe GibbsがCharley Prideの
カントリー・ソング「Someone Loves You
Honey」をレゲエ・アレンジして大ヒット
させたものの、その著作権料を支払わ
なかった為に裁判を起こされ敗北し破産。
その後はJoe Gibbsがキングストンで運営
するスーパーマーケットの経営者となり、
音楽の世界からは身を引いてしまうんです
ね。
2004年に脳梗塞で亡くなっています。
アーティスト特集 Errol Thompson (エロル・トンプソン)
今回のアルバムは1979年にジャマイカ
のJoe Gibbs Recordからリリースされた、
「African Dub All-Mighty」シリーズの
第4作目のアルバムです。
この「African Dub All-Mighty」は
シリーズ化していて、75年には第1作目
の「African Dub All-Mighty」、76年に
「Chapter Two」、78年には「Chapter 3」、
79年には「Chapter 4」、そして84年
に「Chapter Five」と計5作が作られて
います。
Joe Gibbs & The Professionals – African Dub All-Mighty (1975)
Joe Gibbs & The Professionals – African Dub All-Mighty Chapter Two (1976)
Joe Gibbs & The Professionals – African Dub All-Mighty Chapter 3 (1978)
Joe Gibbs & The Professionals – African Dub Chapter Five (1984)
この「African Dub All-Mighty」シリーズ
は、「Chapter Two」までの2作品が比較的
インストに近い作品でしたが、「Chapter 3」
以降はそれまでと違って大胆なエフェクト
が巧みに使われたダブへという方向転換が
見られ、ミックスのErrol Thompsonの確か
な力量が発揮された、より娯楽性の強い
ダブ・アルバムになっています。
手に入れたのはUSのRocky Oneという
レーベルからリリースされたLPでした。
ちなみに3枚目と4枚目をまとめたCD
も、手に入れていました。
Joe Gibbs & The Professionals– African Dub All-Mighty Chapters 3 & 4 (1999)
Side 1が5曲、Side 2が5曲の全10曲。
ミュージシャンについては以下の記述があり
ます。
Drums: Neville Grant, Sly Dumbar, Michael Boo, Horse Mouth
Bass: Lloyd Parks, Robert Shakespeare
Guitar: Willie Lindo, Winston 'Bopeep' Bowen
Keyboards: Frankie Waul 'Bubbler', Winston Wright
Horns: Dean Fraser, Ronald 'Nambo' Robinson, Willie Breakridge
Percussion: Ruddy Thomas, Franklin Waul
Recorded at Joe Gibbs Recording Studio
Arranged by: Joe Gibbs, Errol Thompson
Co. Arranged by: Willie Lindo
Produced by: Joe Gibbs, Errol Thompson
Asst. Engineer: Ruddy Thomas, Oswald Palmer
Remixed by: Joe Gibbs, Errol Thompson
Cover: Ras Ahara
となっています。
バックはJoe Gibbsのバック・バンド
The Professionalsで、メンバーはドラム
にNeville GrantとSly Dumbar、Michael Boo、
Leroy 'Horse Mouth' Wallace、ベースに
Lloyd ParksとRobert Shakespeare、ギター
にWillie LindoとWinston 'Bopeep' Bowen、
キーボードにFrankie Waul 'Bubbler'と
Winston Wright、ホーンにDean Fraserと
Ronald 'Nambo' Robinson、Willie
Breakridge、パーカッションにRuddy Thomas
とFranklin Waulという布陣です。
レコーディングはジャマイカのキングストン
にあるJoe Gibbs Recording Studioで行わ
れ、プロデュースとアレンジはJoe Gibbsと
Errol ThompsonのコンビThe Mighty Two、
アシスタント・エンジニアはRuddy Thomas
とOswald Palmer、リミックスもJoe Gibbs
とErrol ThompsonのThe Mighty Twoが行って
います。
ジャケット・デザインはRas Aharaとなって
います。
さて今回のアルバムですが、3作目の大胆
なエフェクトを多用したダブと比べると、
それなりにエフェクトは多く使われている
ものの、エフェクトはいく分控えめな印象
です。
3作目があまりに強烈だった為にいく分
地味な印象がありますが、それでも楽曲の
良さもあってErrol Thompsonらしい楽しい
ダブに仕上がっています。
内容的には悪く無いダブ・アルバムだと
思います。
シンセとパーカッションが際立つSide 1の
1曲目「Crucial Attempt」から始まり、
押しの強いサックスと飛び道具のシンセが
印象的な2曲目「Behind Iron Bars」、
うねるようなベースが印象的な3曲目
「Ghetto Slum」、女性の明るい歌声が
楽しい5曲目「Iron Gate」、妖しげな
「Drum Song」リディムのSide 2の1曲目
「Power Pack」、Alton Ellisの「I've
Got A Date」リディムの3曲目「Fashion
"One"」、メロディカとサックスの
メロディの対比が面白い4曲目「Rhythm
Tackle」、ドスの効いたベースにシンセ
のトビ音が印象的な5曲目「Sniper」
まで、Errol Thompsonの遊び心いっぱい
のミックスが楽しめるアルバムだと思い
ます。
Side 1の1曲目は「Crucial Attempt」
です。
リディムはSoul Vendorsのロックステディ
のヒット曲「Swing Easy」です。
シンセの怪しげなメロディにパーカッション
とズシっとしたベースの心地良い曲です。
イントロの入り方などはのちのScientist
の「漫画ジャケ」シリーズなどにも似て
いるような…ScientistもこうしたErrol
Thompsonのダブに影響を受けているの
かも…。
Joe Gibbs & The Professionals - Crucial Attempt
リズム特集 Swing Easy (スウィング・イージー)
2曲目は「Behind Iron Bars」です。
リディムはDawn Pennの「No No No」。
押しの強いホーンのメロディと、飛び道具
のように入って来るシンセを中心とした
ダブです。
こうしたシンセを中心とした音楽を作り
始めたのも、このJoe Gibbsのスタジオと
The Professionalsが比較的早い印象
です。(70年代半ばあたりからか…?)
Joe Gibbs and The Professionals - African Dub All-Mighty Chapter Four - 02 - Behind Iron Bars
3曲目は「Ghetto Slum」です。
リディムはThe Heptonesの「Love Won't
Come Easy」。
うねるような力強いベースのサウンドを
軸に、ギターなどで味付けした演奏のダブ
です。
Joe Gibbs And The Professionals - Ghetto Slum
4曲目は「Yard Music」です。
缶が崩れるようなエフェクト音に、ベース
とギター、シンセなどが作るメロディ…。
発砲音が入ったり遊び心のあるダブです。
5曲目は「Iron Gate」です。
リディムはThe Heptonesのロックステディ
のヒット曲「Fattie Fattie」です。
ギターのメロディに乗せた女性の明るい
歌声にダブワイズ…、シンセのメロディも
巧みに入って来る1曲。
Joe Gibbs and The Professionals - African Dub All-Mighty Chapter Four - 05 - Iron Gate
Side 2の1曲目は「Power Pack」です。
リディムはJackie Mittoo & Sound
Dimensionのロックステディのヒット曲
「Drum Song」です。
ベースに妖しげなシンセのメロディ、
パーカッションのリズム…。
Joe Gibbs & The Professionals - Power Pack
リズム特集 Drum Song (ドラム・ソング)
2曲目は「Free The Children」です。
リディムはHorace Andyの「Something On
My Mind」。
シンセの漂うようなメロディに、シッカリ
したベースを軸とした演奏…。
3曲目は「Fashion "One"」です。
リディムはAlton Ellisの「I've Got A
Date」。
ピアノのリリカルなメロディにベース、
パーカッションにシンセも加わった1曲。
Joe Gibbs And The Professionals - Fashion One
4曲目は「Rhythm Tackle」です。
リディムはThe Mighty Diamondsの「Danger
In Your Eyes」。
スヌーピーに関する語りからシンセ、
メロディカのような甲高いメロディと少し
低いサックスのメロディの対比が面白い
曲です。
Joe Gibbs & the Professionals - Rhythm Tracks
5曲目は「Sniper」です。
リディムはLittle Royのヒット曲「Tribal
War」。
ドスの効いたベースにシンセのトビ音、
ピアノのメロディと、音の楽しさが詰まった
1曲。
ざっと追いかけてきましたが、さすがに
「Chapter 3」ほどの過剰なくらいの
「エフェクトの嵐」はないものの、それ
でも他のダブと較べればErrol Thompson
らしい楽しさが目一杯盛り込まれたダブに
仕上がっています。
数あるレゲエという音楽の中でも、この
Errol Thompsonのポップで音楽愛を感じる
サウンドは、とても貴重な個性だったん
ですね。
機会があればぜひ聴いてみてください。
○アーティスト: Joe Gibbs & The Professionals
○アルバム: African Dub All-Mighty Chapter 4
○レーベル: Rocky One
○フォーマット: LP
○オリジナル・アルバム制作年: 1979
○「African Dub All-Mighty Chapter 4」曲目
Side 1
1. Crucial Attempt
2. Behind Iron Bars
3. Ghetto Slum
4. Yard Music
5. Iron Gate
Side 2
1. Power Pack
2. Free The Children
3. Fashion "One"
4. Rhythm Tackle
5. Sniper
●今までアップしたJoe Gibbs & The Professionals関連の記事
〇Joe Gibbs & The Professionals「Majestic Dub」
〇Joe Gibbs & The Professionals「African Dub All-Mighty Chapter 3」
〇Joe Gibbs & The Professionals「African Dub All-Mighty Chapter Two」
〇Joe Gibbs & The Professionals「African Dub All-Mighty」
〇Joe Gibbs And The Professionals「State Of Emergency」
〇Joe Gibbs「Reggae Christmas」
〇Joe Gibbs「Scorchers From The Mighty Two」
〇Various「Joe Gibbs 12" Reggae Discomix Showcase Vol.1」
〇Various「Joe Gibbs 12" Reggae Discomix Showcase Vol.2」
〇Various「Joe Gibbs 12" Reggae Discomix Showcase Vol.3」
〇Various「Joe Gibbs 12" Reggae Discomix Showcase Vol.4」
〇Various「Joe Gibbs 12" Reggae Discomix Showcase Vol.5」
〇Professionals「Meet The Aggrovators At Joe Gibbs」
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