今回はJackie Mittooのアルバム

jackie_mittoo_06a

「The Money Makers」です。

Jackie Mittooは60年代のスカの時代に
伝説のスカ・バンドThe Skatalitesの
キーボード奏者として活躍し、さらにレゲエ
の前身のロックステディの時代になると
Studio Oneのバック・バンドSoul Defenders
→Soul Vendors→Sound Dimensionなどを
率いて、このロックステディの時代をけん引
し、70年代のルーツ・レゲエの時代に
なっても、ソロやスタジオ・ミュージシャン
として活躍した人です。

1990年に癌の為40代前半という若さで
亡くなっています。

アーティスト特集 Jackie Mittoo (ジャッキー・ミットゥ)

ジャッキー・ミットゥ - Wikipedia

今回のアルバムは1978年にカナダの
Jackie Mittoo自身のレーベルJackie Mittoo
Music Productionからリリースされた、彼の
ソロ・アルバムです。

Jackie MittooはThe Skatalites脱退後の
70年代後半のロックステディの時代に
Studio Oneレーベルで大活躍をして、
ギタリストのLyn Taittなどともに66年頃
から始まったロックステディの時代をけん引
する役目を果たします。

ロックステディ - Wikipedia

ところが彼やLyn Taittがカナダ移住を決めて
しまった為に,ロックステディの時代は
66~68年というわずか3年間で終わりを
告げてしまうんですね。
そしてその次に来た音楽が、レゲエだったと
いう訳です。
Jackie Mittooはカナダからたまに帰国して、
バックに参加したりしてレゲエという音楽にも
影響を与え続けるんですね。
そして自身のソロ・アルバムもリリースし続け
ます。

ネットの販売サイトなどの情報によると、そう
したJackie Mittooのアルバムの中でも特に
入手が難しいと言われていたアルバムが、
カナダで発売されたこの「The Money Makers」
と「Stepping Tiger」というアルバムなんだ
そうです。
この2枚も今ではCD化されていますが、
当時はなかなかCD化されず発売枚数も少な
かったようで、レア盤マニア垂涎のアルバム
だったんだそうです。

内容的にも彼Jackie Mittooのアルバムの中
でも評価が高い「Macka Fat」と似た、彼の
ハモンド・オルガンが楽しめる内容の
インスト・アルバムに仕上がっています。

jackie_mittoo_03a
Jackie Mittoo – Macka Fat (1976)

手に入れたのは日本のCreole Stream Music
というレーベルから初CD化されたアルバム
の中古盤でした。

ついていた帯には次のように書かれていま
した。

「レゲエ史上の最重要アーティストの一人、
ジャッキー・ミットゥの世界初CD化第1弾。
数あるレコーディングのうちでもレア盤と
評されるアルバムのひとつ、『ザ・マネー・
メーカーズ』がついに正規再発。全レゲエ・
ファン必携の、インスト・レゲエ・アルバム
の金字塔だ!!」

全10曲で収録時間は約30分。

詳細なミュージシャンの表記はありません。

なおアルバムの表ジャケットの内側には
Jackie Mittooの主なアルバムのディスコ
グラフィーが書かれており、そこには
本アルバムの正確なリリース年は不明で、
遺族や関係者の話を総合すると1979年
のリリースではないかと思われるという事
が書いてあります。
ここではネットのDiscogsの記述に従って、
78年としました。

さて今回のアルバムですが、多くの販売
サイトにこのアルバムの長文の説明文が
書かれており、それを見てもこのアルバム
が評価が高いのかがよく解ります。

こうして多くのサイトに書かれた背景には、
日本で初CD化されたという事で販売会社
もこのアルバムに力を入れたようで、帯の
裏面にはこのアルバムの詳細なアルバム評
が書かれていて、販売サイトも比較的内容を
紹介し易かった事もあるようです。
だいたいどのアルバム評を見ても、この
アルバムが非常に「Stepping Tiger」と
並んで非常にレアである事や、1曲目の
「Casa Nova」がアルバム「Macka Fat」に
収められた「Henry The Great」と同じ
リズムを使った事が書かれていて、その
内容が帯に書かれていた文章と同じなん
ですね(笑)。

ただレアという事を別にしても、インスト・
アルバムとして内容的に悪くないアルバムで
ある事は間違いありません。
Jackie Mittooのメロディアスな楽曲を作る
才能が前面に出ていて、すごく心地の良い
インスト・アルバムなんですね。

このJackie Mittooに関しては、前から電子
オルガンであるハモンド・オルガンをなぜ
使うのか?ずっと気になっていました。
販売サイトのアルバム評でも「フワフワ」
とか「ミョンミョン」(笑)と表現されて
いる彼のハモンド・オルガンですが、どうも
主役の楽器としてはモワっとした感じで、
ちょっと印象が弱い感じがしていたんです
ね。
そのせいか彼Jackie Mittooのアルバムを
聴いた後は、なんだかいつもモヤモヤと
した気持ちが残るんですね。

ハモンドオルガン - Wikipedia

ただよく考えてみれば、ハモンド・オルガン
こそが当時もっともモダンな電子楽器だった
んですね。
70年代後半にもっとシャープな音が出せる
シンセサイザーが登場するまでは、もっとも
現代的なキーボードはこのハモンド・
オルガンで、センスのあるJackie Mittooが
この楽器を愛用したのはむしろ必然であった
と言えるかもしれません。
そして使い続ける事でJackie Mittoo=
ハモンド・オルガンというイメージが定着
し、Augustus Pablo=メロディカのような
彼の代名詞的な楽器になって行ったんです
ね。

今ではちょっと古風に聴こえてしまうこの
音色ですが、このちょっとモアっとした
ハモンド・オルガンのサウンドこそ、彼
Jackie Mittooの音楽そのものという事なん
ですね。
今回のアルバムはそのハモンド・オルガン
にJackie Mittooが向き合った音作りされて
いて、そこが「Macka Fat」と並んで音楽的
に高く評価されている要因だと思われます。

1曲目は「Casa Nova」です。
レゲエらしい心地良いリズムに、漂うよう
なハモンド・オルガンの電子音とメロディ。
書いたようにアルバム「Macka Fat」の1曲目
「Henry The Great」と同じリズムを使った曲
です。

Jackie Mitto - Casanova


2曲目は「Sweet Music Sweet」です。
こちらも漂うようなハモンド・オルガンの
メロディに、女性コーラスも入ったちょっと
モダンな雰囲気の曲です。

3曲目は「Gimme Little Sunshine」です。
ギターの刻むようなメロディに、浮遊感
のあるハモンド・オルガンの調べに女性
コーラス。

Jackie Mitto - Give Me A Little Sunshine


4曲目は「Dubble Trubble」です。
漂うようなハモンド・オルガンのメロディ
に、もう少し輪郭のハッキリした
ストリングスが絡む曲です。

JACKIE MITTOO - DOUBLE TROUBLE


5曲目は「Disco Dub」です。
ハモンド・オルガンの漂うようなメロディ
に、心地良いドラムとパーカッション。
それだけで充分に素晴らしい音楽になって
います。

Jackie Mittoo - Disco Dub (Side B)


6曲目は「I Hear You Madagascar」です。
モワ~っとしたハモンド・オルガンの明るい
メロディに、刻むような儀たとドラミング。

7曲目は「President Roots」です。
刻むようなギターとドラムのリズムに、
漂うようなハモンド・オルガンの作り出す
独特の世界…。

8曲目は「All My Children」です。
漂うようなハモンド・オルガンの寂しげな
メロディの曲です。

9曲目は「Bathurst Street Yank」です。
こちらはクールなハモンド・オルガンが
魅力的。

10曲目は「Nyah Red」です。
女性コーラスのハミングに、漂うような
ハモンド・オルガンの柔らかいメロディが
魅力的な曲です。

ざっと追いかけてきましたが、やはり
Jackie Mittooらしいハモンド・オルガン
の漂うような調べは、心に強く残ります。
この70年だ後半ぐらいのルーツ・レゲエ
の時代には、彼の作るメロディアスな音楽
よりももっとビターな音楽が好まれたよう
ですが、彼の音楽には誰でも解るインター
ナショナルな魅力があります。
やはり彼は優れたメロディ・メイカーなん
ですね。

機会があればぜひ聴いてみて下さい。


○アーティスト: Jackie Mittoo
○アルバム: The Money Makers
○レーベル: Creole Stream Music
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1978

○Jackie Mittoo「The Money Makers」曲目
1. Casa Nova
2. Sweet Music Sweet
3. Gimme Little Sunshine
4. Dubble Trubble
5. Disco Dub
6. I Hear You Madagascar
7. President Roots
8. All My Children
9. Bathurst Street Yank
10. Nyah Red