今回はAl Campbellのアルバム

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「Rainy Days / Diamonds」です。

Al Campbell(本名Alphonso Campbell)は
70年代のルーツ・レゲエの時代から
80年代のダンスホール・レゲエの時代に
活躍したシンガーです。
ネットのDiscogsには彼のプロフィールと
して、次のような事が書かれています。

Born 1954 in Kingston, Jamaica. Was part of
the first generations of dancehall artists.
《1954年、キングストン生まれ。
ダンスホール・アーティストの最初の世代の
ひとりとして知られています。》

Discogsの彼の履歴を見ると、70年代から
活動を始め、共演盤を含め30枚を超える
アルバムと数多くのシングル盤を残している
のが、このAl Campbellというシンガーなん
ですね。
特に77年から85年までは1年に1枚以上
のアルバムを常に出しており、彼が
ジャマイカでいかに人気シンガーであったか
がうかがえます。

Al Campbell - Wikipedia

今回のアルバムは彼の2枚のアルバム、
78年の「Rainy Days」と、79年の
「Diamonds」を1枚にまとめた2in1仕様の
アルバムです。

まずは「Rainy Days」から説明すると、
1978年にUKのHawkeyeというレーベル
からのリリースで、A面4曲、B面5曲の
計9曲入りのLPとしてリリースされた
アルバムです。

次に「Diamonds」について説明すると、
1979年にUKのBurning Soundsレーベル
からリリースされたアルバムで、片面5曲の
計10曲入りのアルバムです。

その「Rainy Days」と「Diamonds」の2枚
のアルバムが、今年2017年にUKの
Burning Soundsから2in1仕様のCDとして
リイシューされたんですね。

全19曲で収録時間は約62分。
1~9曲目までは78年のアルバム「Rainy
Days」の9曲で、10~19曲目までが
79年のアルバム「Diamonds」の10曲が
収められています。

「Rainy Days」ミュージシャンについて
は以下の記述があります。

Produced by: Hugh/U Brown
Rocorded & Mixed at: Channel One Recording Studio, Kingston, Jamaica
Engineered by: Anthony 'Crucial Bunny' Graham

Musicians:
Drums: Lowell 'Sly' Dunbar
Bass: Bertram 'Ranchie' McLean, Robert 'Robbie' Shakespeare
Rhythm Guitar: Winston 'Boo Peep' Bowen, Eric 'Bingy Bunny' Lamont,
Bertram 'Ranchie' McLean
Lead Guitar: Radcliffe 'Duggie' Bryan, Bertram 'Ranchie' McLean
Piano: Gladstone 'Glady' Anderson, Winston 'Brubeck' Wright
Organ: Ansil 'Pinkie' Collins, Winston 'Brubeck' Wright
Alto Saxophone: Felix 'Deadly' Hedley Bennet
Tenor Saxophone: Tommy McCook
Trumpet: Bobby Ellis
Bongos: Noel 'Zoot'/'Skully' Simms
Percussion: Christopher 'Sky Juice' Blake, Stanley 'Barnabas' Bryan,
Noel 'Zoot'/'Skully' Simms, Uzziah 'Sticky' Thompson

Cover Design: Lovey
Photographer: Wally

「Diamonds」については以下の記述が
あります。

Producer: Linval Thompson

となっています。

まずは「Rainy Days」の方ですが、
プロデュースがディージェイとしても活躍
したHugh/U Brownで、レコーディングと
ミックスはChannel One Recording Studio
で行われ、ミックス・エンジニアは
Anthony 'Crucial Bunny' Grahamが担当して
います。

参加したミュージシャンはドラムにLowell
'Sly' Dunbar、ベースにBertram 'Ranchie'
McLeanとRobert 'Robbie' Shakespeare、
リズム・ギターにWinston 'Boo Peep' Bowen
とEric 'Bingy Bunny' Lamont、 'Ranchie'、
リード・ギターにRadcliffe 'Duggie' Bryan
と'Ranchie'、ピアノにGladstone 'Glady'
AndersonとWinston 'Brubeck' Wright、
オルガンにAnsil 'Pinkie' Collinsと
Winston 'Brubeck' Wright、アルト・
サックスにFelix 'Deadly' Hedley Bennet、
テナー・サックスにTommy McCook、
トランペットにBobby Ellis、ボンゴに
Noel 'Zoot'/'Skully' Simms、
パーカッションにChristopher 'Sky Juice'
BlakeとStanley 'Barnabas' Bryan、
'Zoot'/'Skully'、Uzziah 'Sticky' Thompson
という布陣です。
Channel Oneの録音という事もあり、バック
はほぼThe Revolutionariesと考えて良いと
思います。

雨上がりにコートを着た女性が歩いている
絵柄ですが、カヴァー・デザインはLovey、
写真はWallyとなっています。
ちなみに表ジャケが小冊子になっており、
その中に両アルバムの写真もありますが、
疑似的にジャケットを作ってみるとこんな
感じです。

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「Rainy Days」表ジャケ

「Diamonds」の方は、プロデュースが
Linval Thompsonという以外は記録がありま
せん。
バックが解らないのはちょっと残念です。

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「Diamonds」表ジャケ

さて今回のアルバムですが、まだルーツ・
レゲエの時代のアルバムですが、その
サウンドにはもうすでに次に来るダンス
ホール・レゲエの時代の匂いがほのかに
感じられるアルバムで、内容はすごく良い
です。

このAl Campbellですが、リリースした他の
アルバムに「Loving Moods Of Al Campbell」
(78年)や「Strickly Al Campbell Mr
Lover's Rock」(80年)というタイトル
のアルバムがあるように、甘い高音を生か
したラヴ・ソングを得意としたシンガー
だったようです。
ルーツの時代の70年代から活躍した人です
が、Discogsの紹介文でも「ダンスホール・
アーティストの最初の世代のひとり」と書か
れているのは、そうしたルーツの時代から
甘い歌声を武器にしたシンガーだったから
なのかもしれません。
実際に聴いた印象としても、ノビのある高音
を生かした歌唱法はとても魅力的です。

そうしたAl Campbellをプロディースして
いるのが、「Rainy Days」はルーツ期から
アーリー・ダンスホール期にディージェイと
しても活躍したU Brownで、「Diamonds」は
やはり「ダンスホール第一世代」のひとり
ともいえるシンガーでありプロデューサー
でもあるLinval Thompsonなんですね。
特にLinval Thompsonは78年に次のダンス
ホールの時代を予見させるような「Rocking
Vibration」や「Love Is The Question」と
いうアルバムを作っており、その若く新しい
感性が今回のアルバムにも反映されている
感があります。

Linval_thompson_07a
Linval Thompson ‎– Rocking Vibration / Love Is The Question (1978/1978)

彼Al Campbellの個性もあるのでしょうが、
今回の2枚のアルバムからはどこか次の時代
のダンスホールの匂いもするんですね。
そこが今回のアルバムの面白いところです。

1~9曲目までは78年のアルバム「Rainy
Days」の9曲が収められています。

1曲目は「Give The People」です。
リディムはロックステディの時代の
Slim Smithのヒット曲「Rougher Yet」
です。
ギターのメロディに乗せたAl Campbellの
ノビのあるヴォーカルが魅力的な曲です。
アクセントのように入るピアノ、ズシッと
支えるベースも効いた1曲。

al campbell - give the people - hit sound records lovers roots reggae 1978


リズム特集 Rougher Yet (ラファー・イェット)

2曲目は「Words Of Wisdom」です。
リディムはLarry Marshalの「Throw Me
Corn」です。
ズシッとしたベースを軸にピアノやギター
のメロディに、よく通るAl Campbellの
ヴォーカルが魅力的な曲です。

Al Campbell - Words Of Wisdom - Rainy Days LP / Hawkeye


リズム特集 Throw Me Corn (スロウ・ミー・コーン)

3曲目は「You've Got Soul」です。
ピアノのユッタリしたメロディに、歯切れの
良いAl Campbellのヴォーカルが心地良い曲
です。

4曲目は「Don't Cry」です。
リリカルなピアノとギターのメロディに、
伸びやかなAl Campbellのヴォーカルが
魅力的。
シッカリとしたベースの低音が効いた1曲。

5曲目は表題曲の「Rainy Days」です。
歯切れの良いドラミングからキーボードと
ギターのメロディに乗せた、Al Campbellの
高音を生かした伸びのあるヴォーカルが
魅力的な曲です。

AL CAMPBELL - RAINY DAYS


6曲目は「I Want You Around」です。
Al Campbellの高音を生かしたスキャット
から、ファルセット気味のヴォーカル、彼の
個性がよく出た曲です。
心地良いパーカッションが魅力。

7曲目は「Never Let You Down」です。
ギターとズシッとしたベースのメロディに
透明感のあるAl Campbellの何とも言え
ない魅力的な大人の味わいのヴォーカル。
ファルセットのコーラスもうまく曲を盛り
上げる、ソウルフルな1曲です。

8曲目は「When Spring Is Around」です。
キーボードの悲し気なメロディに小鳥の
さえずりのエフェクト、Al Campbellの
シリアスなヴォーカルが大人の味わいを
醸し出す曲です。

Al Campbell - When Spring Is Around


9曲目は「My Whole World」です。
ファルセットなコーラスに、ベースの
ズシッとしたサウンドに乗せたAl Campbell
の高音を生かした表情のあるヴォーカルが
魅力的。

10~19曲目までは79年のアルバム
「Diamonds」の10曲が収められています。

10曲目は「Show Me The Way」です。
浮遊感のあるオルガンにギターとズシッと
したベース、淡々と始まるAl Campbellの
ヴォーカル…。
余裕のある堂々とした歌いぶりが印象的な曲
です。

11曲目は「Honey Come Back」です。
こちらはタイトルから見て、ラヴ・ソングの
ようです。
こちらも浮遊感のあるシンセのメロディに、
ノビのあるAl Campbellのヴォーカルが
心地良い曲です。

AL CAMPBELL - HONEY COME BACK


12曲目は「Jah Is Light」です。
ズシッとしたベースを中心とした演奏に、
ノビのあるAl Campbellのヴォーカルが
魅力的。

13曲目は「Stay By My Side」です。
ギターのメロディにパーカッション、重い
ベース、そうしたレゲエらしい歯切れの良い
サウンドに、Al Campbellのノビのある
ヴォーカルがすごく心地良い曲です。
彼らしい魅力の詰まった曲です。

Al Campbell - Stay By My Side


14曲目は「Send Love Oh Jah」です。
ギターを中心とした疾走感のある演奏に、
Al Campbellのノビのあるヴォーカルが
すごく良い空気感を作っている曲です。

AL CAMPBELL - SEND LOVE OH JAH


15曲目は「Mr Wicked Man」です。
ズシッとしたベースにパーカッション、
浮遊感のあるシンセのメロディ、そして
Al Campbellのヴォーカルが一体となった
心地良いグルーヴ感のある曲です。

16曲目は表題曲の「Diamonds」です。
ズシッとしたベースを軸に、Al Campbell
の高音のノビのあるヴォーカルがすごく
魅力的。

Al Campbell - Diamonds


17曲目は「Hey Little Girl」です。
シンセの心地良いメロディから、高音を
生かしたAl Campbellのあるヴォーカルが
すごく心地良い曲です。
少女に優しく語り掛ける風景が目に浮かぶ
ような優しい1曲。

Al Campbell - Hey Little Girl


18曲目は「It's Love」です。
ギターとシンセのメロディ、重いベースに
乗せた、Al Campbellのヴォーカルの冴える
1曲。

19曲目は「Cornal Mind」です。
陰のあるシンセのメロディに、張りのある
Al Campbellのヴォーカルが魅力的。
こちらもズシッとしたベースが、良い
グルーヴ感を生み出しています。

ざっと追いかけて来ましたが、やはりルーツ
後期からアーリー・ダンスホール期にかけて
のAl Campbellの活躍は、この時代の音楽の
好きな人なら押さえておきたいところだと
思います。
どちらかというとジャマイカ国内で人気の
あった人のようですが、その伸びのある高音
を生かしたヴォーカルは、どのシンガーと
較べても負けないくらいの魅力があります。
一見あまりハデさはありませんが、その
歌声が心に残る本当に良いシンガーなん
ですね。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: Al Campbell
○アルバム: Rainy Days / Diamonds
○レーベル: Burning Sounds
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1978 / 1979

○Al Campbell「Rainy Days / Diamonds」曲目
(Rainy Days)
1. Give The People
2. Words Of Wisdom
3. You've Got Soul
4. Don't Cry
5. Rainy Days
6. I Want You Around
7. Never Let You Down
8. When Spring Is Around
9. My Whole World
(Diamonds)
10. Show Me The Way
11. Honey Come Back
12. Jah Is Light
13. Stay By My Side
14. Send Love Oh Jah
15. Mr Wicked Man
16. Diamonds
17. Hey Little Girl
18. It's Love
19. Cornal Mind