今回はTippa Irieのアルバム

tippa_irie_01a

「Ah-Me-Dis」です。

Tippa Irie(本名Anthony Henry)は80年
代半ば頃からUKで活躍するレゲエのディー
ジェイです。

Tippa Irie - Wikipedia

今回のアルバムは1989年にUSのI.R.S.
Recordsというレーベルからリリースされた
彼のソロアルバムです。

販売サイトの情報によるとSide 2の2曲目
「Raggamuffin Girl」は彼の大ヒット曲
なんだそうで、そうした目玉曲も入った彼の
軽快なトースティングが楽しめるアルバムに
仕上がっています。

手に入れたのはUKのGT's Recordsという
レーベルからリリースされたLPの中古盤
でした。

Side 1が5曲、Side 2が5曲の全10曲。

ミュージシャンについては以下の記述があり
ます。

'Me Never Go Down Deh So' features Miss Irie
All songs written by A. Henry
except 'Raggamuffin Girl'written by P. Hunningale & A. Henry,
'Acid' written by R. Roberts & A. Henry

Musicians:
Drums: D. Haywood, Gussie 'P', Commanda 'B', Chris Lane
Bass: L. Haywood, Phillip Leo, P. Hunningale, Delroy 'Fluty' Clarke, Chris Lane
Keyboards: Phillip Leo, L. Haywood, Chris Lane, Delroy 'Fluty' Clarke
Executive Producers: G.T. Haynes, Tippa Irie

All songs produced by Tippa Irie & Mafia, Flux
except 'Raggamuffin Girl' produced by Clarkey, Blakey

All songs mixed by Gussie 'P'
except 'Raggamuffin Girl' mixed by Fitzroy Blake

Photos: G.T. Haynes

となっています。

Side 1の4曲目「Me Never Go Down Deh So」
はMiss Irieとの共演曲のようです。
すべても曲の作曲はAnthony Henry(Tippa
Irieの本名)で、Side 2の2曲目
「Raggamuffin Girl」がP. Hunningaleとの
共作、Side 1の2曲目「Acid」がR. Roberts
との共作となっています。

ミュージシャンはドラムにD. Haywoodと
Gussie 'P'、Commanda 'B', Chris Lane、
ベースにL. HaywoodとPhillip Leo, P、
Hunningale、Delroy 'Fluty' Clarke、
Chris Lane、キーボードにPhillip Leoと
L. Haywood、Chris Lane、Delroy 'Fluty'
Clarkeという布陣です。

エグゼクティヴ・プロデューサーは
G.T. HaynesとTippa Irie、すべての曲の
プロデュースはTippa IrieとMafia & Fluxy
が担当しています。
ただし「Raggamuffin Girl」のみプロデュース
がClarkeyとBlakeyが担当しています。

すべての曲のミックスをGussie 'P'が担当
していますが、「Raggamuffin Girl」のみ
Fitzroy Blakeのミックスとなっています。

ジャケットの写真はG.T. Haynesとなって
います。
デザインについては記載がありませんが、
表ジャケをよく見てみると「C. Turner」と
いうサインがあるのが確認出来ます。
たぶんこの「C. Turner」という人がイラスト
を描いているようです。

さて今回のアルバムですが、Tippa Irieの
軽快なトースティングが楽しめるアルバム
で、内容は悪くないと思います。

このTippa Irieという人、ジャマイカの
ディージェイと較べてもトースティングが
すごく軽いんですね。
その軽くリズミカルなトースティングは、
嫌みがなく陽気でなかなか魅力的。
ジャマイカのダンスホール・ディージェイ
とは一味違った、彼独特の世界を作り上げて
います。

それが一番よく出たのがヒット曲のPeter
Hunnigaleの共演作「Raggamuffin Girl」
で、初めは女性と聴き間違ってしまった
ほどのPeter Hunnigaleのファルセットの
ヴォーカルに、Tippa Irieの軽快なトース
ティングという組み合わせは、ほかの人が
マネの出来ない独特の軽快で明るい世界を
作り上げています。
この底抜けに明るいノリは、一聴の価値が
あると思います。

Side 1の1曲目は「Love Her To Me Heart
& Soul」です。
明るいピアノのリズムにTippa Irieの
ちょっと鼻にかかった軽快なトースティング。
陽気な合いの手やコーラスもイイ感じの曲
です。

Tippa irie "Love you to me heart and soul "


2曲目は「Acid」です。
軽快なリズムにTippa Irieらしい楽し気な
トースティング。
かなりおフザケの入ったような曲で、
「Acid」と歌うファルセット気味のコーラス
が「アヒ~~~!!」と聞こえる、陽気な
ノリがすごく面白い曲です。

Tippa Irie - Daddy Rusty - Acid


3曲目は「Love Her Up」です。
こちらも軽快なドラミングにピアノの刻む
ようなメロディ、流れるように流ちょうな
Tippa Irieのトースティングといった曲
です。

4曲目は「Me Never Go Down Deh So」
です。
こちらはMiss Irieとの共演曲です。
軽快なリズムに息の合ったトースティングが
楽しい曲です。

5曲目は「Send Fe Culture "Lyrics"」
です。
こちらも早口な流れるようなトースティング
に、軽めのドラミングにピアノのメロディと
いった曲です。
全体に演奏も軽めで、このTippa Irieの持つ
明るい個性を際立たせています。

Side 2の1曲目は「Billy Bronco」です。
ピアノの赤るメロディに陽気なトース
ティング。
時折入る「イヤ~~!!」という掛け声も
効いています。

2曲目は「Raggamuffin Girl」です。
書いたようにこの時代の彼のヒット曲の
ようです。
書いたようにPeter Hunnigaleの共演曲の
ようですが、彼のファルセットの効いた声
がまるで女性のようです。
その爽やかなヴォーカルにTippa Irieの
味のあるトースティングが絡まったすごく
魅力的な曲です。

Peter Hunnigale & Tippa Irie Raggamuffin Girl


3曲目は「Beverley」です。
軽快なリズムにTippa Irieの滑らかなトース
ティング。
バックはドラムとピアノが少し入るだけなの
に、それで不足を感じさせないカルのトース
ティング力が光る曲です。

4曲目は「Nyah」です。
キーボードのリリカルなメロディに、Tippa
Irieらしいパワフルで明るいトースティング
が魅力。

5曲目は「Take A Chance」です。
こちらはピアノの刻むようなメロディに、
滑らかなTippa Irieの流れるようなトース
ティングが印象的な曲です。

tippa irie Take A Chance - reggae dancehall


ざっと追いかけて来ましたが、この80年代
半ば過ぎのデジタルのダンスホールの軽い
ノリと、UKというジャマイカとは一味
違ったレゲエとポップの入り混じった世界、
そしてTippa Irieという軽く明るい個性の
持ち主がうまく組み合わさって出来た
アルバムで、すごくライトな感覚で楽しめる
アルバムなんですね。
内容は悪くないと思います。

機会があればぜひ聴いてみてください。

Peter Hunnigale and Tippa Irie - Ragamuffin



○アーティスト: Tippa Irie
○アルバム: Ah-Me-Dis
○レーベル: GT's Records
○フォーマット: LP
○オリジナル・アルバム制作年: 1989

○Tippa Irie「Ah-Me-Dis」曲目
Side 1
1. Love Her To Me Heart & Soul
2. Acid
3. Love Her Up
4. Me Never Go Down Deh So
5. Send Fe Culture "Lyrics"
Side 2
1. Billy Bronco
2. Raggamuffin Girl
3. Beverley
4. Nyah
5. Take A Chance