今回はMe And Youのアルバム

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「From Me To You」です。

Me And Youは70年代後半から80年代に
活躍した、Norman McLeanとSonia McLeanと
いう兄と妹の、男女混成デュオ・グループ
です。
Dennis BrownのレーベルD.E.B. Musicに
今回のアルバム「From Me To You」」を
残した事で知られています。

アーティスト特集 Me & You (ミー・アンド・ユー)

今回のアルバムは1979年にUKの
D.E.B. Musicからリリースされた彼らの
ファースト・アルバムです。

このD.E.B. Musicというレーベルは解説文
によると、Dennis Brownの本名Dennis
Emmanuel Brownの頭文字をとって付けられた
レーベル名で、彼と友人のCastro Brownに
よって70年代から80年代に運営されて
いたレーベルなんだそうです。
ルーツ系のリリースもしていますが、当時
UKで流行していたラヴァーズロック・
レゲエのレーベルとして知られていたんだ
とか。

ラヴァーズ・ロック - Wikipedia

それにはこのCastro Brownという人の力が
大きかったようです。
そのCastro Brownが目をかけてデビュー
させたのがこのMe And Youで、同じレーベル
の女性ヴォーカル・トリオ15 16 17
(フィフティーン、シックスティーン、
セヴンティーン)に歌わせる予定だった曲
「You Never Know What You've Got」をこの
Me And Youに歌わせて大ヒットし、人気者
になったのがこのデュオだったという事です。

ラヴァーズらしい高音を生かしたヴォーカル
が楽しめるのが今回のアルバムで、ヒット曲
の「You Never Know What You've Got」を
はじめ、ソウルのThe Delfonicsのヒット曲
「La La Means I Love You」など、
ヴァラエティ豊かなラヴァーズの楽曲が楽し
めるアルバムに仕上がっています。

手に入れたのはD.E.B. Musicからリリース
されたCDの日本盤の中古盤で、藤川毅さん
という方の解説文が付いていました。

全10曲で収録時間は約43分。

ミュージシャンについては以下の記述があり
ます。

Produced & Arranged by Castro Brown
Me & You: Norman McLean & Sonia McLean
Drums: Devon Richards, Angus Gaye
Bass: Lloyd Parks
Keyboards: Franklin 'Bo-Pe' Bowen
Rhythm Guitar: Earl 'Chinna' Smith
Percussion: Ruddy Thomas
Hornes: Dean Fraser, Nambo Robinson, Junior Chin, Lloyd Kerr
Backing Vocals: M. McLean
Recorded & Headed: T.M.C. Studio
Engineers: Peter Hammond, Andy, Castro Brown
Photographs: Jean Bernard Sohiez
Sleeve Design: Bred Production
Re-Mastered at Abby Road Studios London
Special Thanks: Castro Brown
Artwork & Design Support: Kaoru Sekine, Mina Nakajima, Yumi Nagai

となっています。

プロデュースとアレンジはCastro Brownで、
ヴォーカルのMe & YouはNorman McLeanと
Sonia McLeanの兄弟からなる男女混成デュオ
で、バックのミュージシャンはドラムに
Devon RichardsとAngus Gaye、ベースに
Lloyd Parks、キーボードにFranklin 'Bo-Pe'
Bowen、リズム・ギターにRuddy Thomas、
ホーンにDean FraserとNambo Robinson、
Junior Chin、Lloyd Kerr、バック・ヴォーカル
にM. McLeanという布陣です。
解説文によるとバックは「ロイド・パークス・
アンド・ウィー・ザ・ピープル・バンド」
(Lloyd Parks & We The People Band)と
書かれています。
ベースにLloyd Parks、ギターにEarl 'Chinna'
Smithの他、ドラムにはAswadのAngus Gayeの
名前もあります。

録音はT.M.C. Studioで行われ、エンジニア
はPeter HammondとAndy、Castro Brown。

フォトはJean Bernard Sohiezで、ジャケット
のデザインはBred Production、デザインの
サポートとしてKaoru SekineとMina Nakajima、
Yumi Nagaiという3人の日本人女性と思われる
名前があります。

さて今回のアルバムですが、正直個人的には
ラヴァーズってあまり得意分野ではないの
ですが、そんな私が聴いても聴き心地の良い、
良い意味でポピュラリティーのあるアルバム
で、内容は悪くないと思います。

ラヴァーズってレゲエのビターなテイストを
抜いたラヴ・ソングを中心としたレゲエで、
甘い砂糖菓子にさらにハチミツをぶっかけた
ようなテイストが、個人的にはちょっと苦手
です。
ルーツ・レゲエの場合はファルセットの甘い
ヴォーカルでもバックはガシッとビターで、
スウィート&ビターという組み合わせなん
ですね。
ところがラヴァーズの場合は、高音を生か
したヴォーカルに、どこまでもどこまでも
スウィート&スウィート&スウィート…と
いう展開なんですね(笑)。
そのあたりが個人的にはレゲエを聴いている
という手ごたえが薄くて…やっぱ苦手…。

ただ今回のMe And Youは高音のファルセット
の裏声と、普通に歌う個所をうまく使い分け
ていて、ラヴァーズだけれど好感が持てる
歌い方なんですね。
また男女混成デュオなので2人組にも
かかわらず声の幅があり、効果的な声の使い
分けが出来ています。
正直ルーツ・レゲエなどよりはレゲエの
テイストは薄いですが、ポピュラーの
アルバムとして聴いても内容はかなり良い
アルバムなんじゃないかと思います。

彼らの唯一ともいえるアルバムですが、
ソウルのThe Delfonicsの名曲「La La Means
I Love You」や、Smokey Robinson & The
Miraclesのカヴァー曲「Ooh Baby, Baby」、
自身のヒット曲「Never Know What You've
Got」などが収められたアルバムで、ソウル
に影響を受けた彼らのヴォーカルは、力強く
なかなか魅力的です。
特にラヴァーズ好きにはおススメ出来る
アルバムだと思います。

1曲目は「La La Means I Love You」です。
書いたようにソウル・グループThe Delfonics
のヒット曲「La La Means I Love You」の
カヴァーです。
華やかなホーンのメロディから、ファルセット
な男性ヴォーカルにコーラス、どこまでも
スウィートで魅力的な曲です。

Me & You La La Means I Love You


2曲目は「In The Future」です。
ホーン・セクションとピアノのメロディに、
よく通る女性ヴォーカルにフォローする
ように入る男性のファルセット。
ストリングスも入ったスウィートな曲です。

3曲目は「Ooh Baby, Baby」です。
こちらはSmokey Robinson & The Miracles
の同名曲のカヴァーのようです。
元気の良いギターのメロディに乗せた、
コーラスと女性ヴォーカル。
高音の伸びを生かしたヴォーカルに合わせる
ような男性コーラス、いかにもラヴァーズ
らしいテイストの心地良い曲です。

4曲目は「You Were All I Had」です。
ホーンのイントロからピアノのメロディ、
伸びのある女性ヴォーカルがすごく心地良い
曲です。
良い感じでストリングスなども使われて
います。

5曲目は「This Love」です。
ホーンとギターのメロディに乗せた曲で、
頭から女性のスキャットが入る曲です。
リラックスした空気感が気持ちの良い曲です。

Me And You - This Love


6曲目は「You Never Know What You've Got」
です。
彼らのセカンド・シングルで大ヒット曲の
ようです。
勢いのあるホーンのイントロからピアノの
メロディに乗せたヴォーカル。
男女のヴォーカルがイイ感じに入れ替わる、
息の合ったヴォーカルが魅力。

YOU NEVER KNOW WHAT YOU'VE GOT ME & YOU


7曲目は「Work It Out」です。
こちらはホーン・セクションに、オシャレな
女性ヴォーカルが印象的な曲です。

8曲目は「The Melody」です。
ギターとホーン・セクションに乗せた、心地
良い女性ヴォーカル。
いかにもラヴァーズというテイストの曲です。

9曲目は「Try Not To Mash Up My Way」
です。
こちらはギターのメロディに、ファルセット
な男性ヴォーカルにコーラスという曲です。
兄と妹という主役を入れ替える事で、うまく
曲目に変化を付けています。

10曲目は「I've Been Waiting」です。
こちらも男性のファルセットに、ピアノや
ギターのメロディといった曲です。

ざっと追いかけて来ましたが、おそらくこの
Me And Youが活躍したのはUKのヒット・
チャートだと思いますが、もう70年代の
後半にはUKとジャマイカでは音楽の嗜好が
かなり違ってきているのが感じられます。
ジャマイカのレゲエのプロテスト・ソング
よりも、UKではもっと内容の軽いラヴ・
ソング、ラヴァーズが愛されるようになって
いたんですね。
そうした好みの違いからUKのレゲエは、
あのAswadなどに見られるように、徐々に
ポップ志向になって行くんですね。

今回のアルバムはそうしたUKらしい
ラヴァーズのアルバムですが、やはりレゲエ
というテイストはだいぶ薄められているもの
の、普通に上質のポップスと言える内容で、
聴き心地は悪くないアルバムだと思います。

機会があれば聴いてみてください。


○アーティスト: Me And You
○アルバム: From Me To You
○レーベル: D.E.B. Music
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1979

○Me And You「From Me To You」曲目
1. La La Means I Love You
2. In The Future
3. Ooh Baby, Baby
4. You Were All I Had
5. This Love
6. You Never Know What You've Got
7. Work It Out
8. The Melody
9. Try Not To Mash Up My Way
10. I've Been Waiting