今回はThe Uniquesのアルバム

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「Watch This Sound」です。

The Uniquesは天才シンガーKeith 'Slim'
Smithが在籍した事で知られるロックステディ
から初期レゲエの時代に活躍したコーラス・
グループです。

この'Slim' Smithは1966~68年の
わずか3年間だけジャマイカで流行した
ロックステディの大スターで、当時の人気
コーラス・グループThe Techniquesやこの
The Uniquesなどでリード・ヴォーカル、
あるいはソロのヴォーカリストとして活躍
した人なんですね。
その華麗な歌声で多くの人々を魅了しました
が、精神に問題を抱え1973年に25歳
という若さで亡くなっています。
それでも今に至るまで、長く人々に愛され
続けているヴォーカリストなんですね。

アーティスト特集 Slim Smith (スリム・スミス)

The Uniques (Jamaican group) - Wikipedia

今回のアルバムは1998年にUKのレゲエ・
リイシュー・レーベルPressure Soundsから
リリースされたアルバムで、Slim Smithが
在籍した当時のThe Uniques(コーラスは
Lloyd CharmersとJimmy Riley)の音源を
集めたコンピュレーション・アルバムです。

代表曲の「My Conversation」をはじめ、
表題曲の「Watch This Sound」、ソウルの
The Impressionsの名曲「Gypsy Woman」の
カヴァーなど、香り立つような濃厚な
コーラス・ワークが溢れたアルバムに
仕上がっています。

ちなみに2010年には同じPressure Sounds
から、The Uniquesを特集した第2弾の
「Absolutely Rocksteady」というアルバム
も発売されています。

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The Uniques ‎– Absolutely Rocksteady (2010)

手に入れたのはPressure Soundsからリリース
されたCDの中古盤でした。

全15曲で収録時間は約44分。

ミュージシャンについては以下の記述があり
ます。

The Uniques: Lloyd 'Charmers' Tyrell, Keith 'Slim' Smith, Jimmy Riley

Musicians:
Drums: Winston Grennan
Bass: Aston 'Familyman' Barrett
Guitar: Bobby Aitken, Lyn Taite
Keyboards: Gladstone Anderson
Hornes: Val Bennett, Johnny Moore, Vin Gordon, Lester Sterling

Studios: Federal, Dynamic
Produced by: Bunny Lee except "Out Of Love" produced by The Uniques

Album Co-ordination: Pete Handsworth
Photography Uniques photo courttesy of Derrick Harriott
Other photography by Adrian Boot
Design & Art Derection: Kleber Design & Jeb Nichols

となっています。

The Uniquesのメンバーは表ジャケに3人写って
いますが、左からLloyd 'Charmers' Tyrell、
Keith 'Slim' Smith、Jimmy Rileyの順に並んで
います。
後ろから2人に肩を組んでいるのがSlim Smith
なんですね。

ミュージシャンはドラムにWinston Grennan、
ベースにAston 'Familyman' Barrett、ギター
にBobby AitkenとLyn Taite、キーボードに
Gladstone Anderson、ホーンにVal Bennettと
Johnny Moore、Vin Gordon、Lester Sterling
という布陣です。
今回はコンピュレーションなのでおそらく
一度の録音ではなく、メンバーも解っている
人達という事かもしれません。

スタジオはFederalとDynamicで録音され、
プロデュースは1曲を除いてBunny Lee、
3曲目の「Out Of Love」のみプロデュースが
The Uniques本人という事になっています。

さて今回のアルバムですが、The Uniques特
にリード・ヴォーカルのSlim Smithに光を
当てたアルバムで、すごく内容の良いアルバム
だと思います。

こうしたハッキリとした意図を持ったコンピュ
レーション・アルバムを作り始めたのは、
おそらくBlood & Fireレーベルの方が先だと
思いますが、ただ曲だけを並べたコンピより
も熱意や意図が感じられて面白いんですね。
Blood & FireやMakasoundといった良質な
コンピを出していたレーベルが活動を停止
している今、このPressure Soundsや日本の
Dub Storeなどのリイシュー・レーベルは
レゲエ好きにとってはとても貴重なレーベル
なんですね。

今回のアルバムでも何故Slim Smithという
ヴォーカリストがジャマイカですごく愛され
たのか?聴けば納得のアルバムに仕上がって
います。
The Uniquesの代表曲である雨音のように
鳴り響くピアノのメロディが印象的な1曲目
「My Conversation」から、表題曲にもなって
いる素晴らしいコーラス・ワークに乗せた
2曲目「Watch This Sound」、ロックステディ
らしいスウィートなメロディと刻むような
ギター・ワークに圧倒される3曲目「Out Of
Love」、ソウルのThe Impressionsの名曲の
カヴァーながら完全に自分の持ち歌として
昇華したSlim Smithの香り立つような濃厚な
ヴォーカルが素晴らしい5曲目「Gypsy
Woman」など、どの曲も捨て曲ナシの素晴ら
しいアルバムに仕上がっています。

このロックステディという時代がどれほど
豊富なメロディを生みだしたのか、Slim Smith
というヴォーカリストがどれほど素晴らしい
ヴォーカリストだったのか、The Uniquesと
いうグループがいかに素晴らしいコーラス・
ワークを持っていたか、圧倒的な魅力の
詰まった1枚です。

1曲目は「My Conversation」です。
まるで雨音のようなリリカルなピアノの
メロディ、The Uniquesが放った最大の
ヒット曲がこの「My Conversation」です。
リズムに負けないSlim Smithのヴォーカル
と濃厚なコーラス・ワークが彼らの魅力なん
ですね。

THE UNIQUES - My Conversation


リズム特集 My Conversation (マイ・カンバセーション)

2曲目は表題曲の「Watch This Sound」
です。
いかにもロックステディといった踊るよう
なギターのリズムに、ハイトーンなヴォーカル
とコーラス・ワーク、彼ららしさがよく出た
曲です。

The Uniques - Watch This Sound (For What It's Worth)


3曲目は「Out Of Love」です。
リズミカルなギターのメロディに美しい
コーラス・ワーク、伸びのあるハイトーン・
ヴォイスが魅力的な曲です。
アクセントで入る甲高いハーモニカ(?)も
効いています。

The Uniques - Out Of Love


4曲目は「One Fine Day」です。
ロックステディらしい刻むようなギターの
メロディに、ソフトなヴォーカルと蕩ける
ようなコーラス・ワーク、さらに追いかける
ように入って来るリリカルなピアノのメロディ
も素晴らしい曲です。

5曲目は「Gypsy Woman」です。
ソウルのコーラス・グループThe Impressions
の名曲のカヴァーですが、その濃厚な空気感
はもはやオリジナルと言える曲です。
このアルバムの中でも特に聴いてもらいたい
名曲です。
ユッタリしたメロディに、蕩けるような濃厚
なコーラス・ワーク、その中に漂うような
浮遊感のあるSlim Smithのヴォーカルは、
なにものにも代えがたい素晴らしさ・美しさ
です。

Uniques - Gypsy Woman


6曲目は「One Conception」です。
明かるいギターのメロディに乗せた濃厚な
コーラス・ワークが魅力的な曲です。

7曲目は「A Yuh」です。
こちらもギターの刻むようなメロディに、
伸びのあるヴォーカルにコーラス・ワークが
冴える曲です。

8曲目は「Speak No Evil」です。
ロックステディらしいメロディに、高音を
生かしたSlim Smithのヴォーカルに美しい
コーラス・ワーク。
息の合ったコーラスはこのグループならでは
の魅力があります。

9曲目は「The Beatitude」です。
こちらもこのグループのヒット曲として、
よく知られている曲です。
刻むようなギターのメロディにホーン、
コーラス・ワークにハイトーン・ヴォイスの
ヴォーカルと、The Uniquesらしさが詰まった
1曲です。

The Uniques ft. Slim Smith - The Beatitude


10曲目は「One Life」です。
軽快なギターとホーンのメロディにコーラス・
ワーク、伸びのあるヴォーカルが魅力的な
曲です。

11曲目は「Give Me Some More」です。
刻むようなギターにコーラス・ワーク、
伸びのあるハイトーン・ヴォーカル…。
バックはビターでヴォーカルはスウィートと
いうのが、ジャマイカ流の音楽の作り方なん
ですね。

The Uniques - Give Me Some More


12曲目は「Run Come」です。
ロックステディらしいリズムに、楽し気な
分厚いコーラス・ワーク。
隠し味のようなリリカルなピアノのメロディ
が効いた曲です。

13曲目は「My Woman's Love」です。
華やかなホーンのメロディから、心奪われる
ようなコーラス・ワーク、ハイトーン・
ヴォイスも効いた華やかな1曲。

14曲目は「Never Let Me Go」です。
印象的なホーンのイントロから、刻むような
ギターのメロディ、スウィートなヴォーカル
がとても魅力的な曲です。

Slim Smith & The Uniques with Bobby Aitken and The Carib Beats - Let Me Go Girl


15曲目は「Can't Do Without It」です。
華やかなホーンとギターのイントロから、
蕩けるようなコーラスとハイトーン・
ヴォイスが素晴らしい曲です。

ざっと追いかけて来ましたが、この60年代
後半のロックステディの時代をその独特の
ハイトーン・ヴォイスで彩ったSlim Smith
のヴォーカルが堪能できるアルバムで、内容
は文句なしに良いです。

特にThe Impressionsのカヴァー曲「Gypsy
Woman」はぜひとも聴いてほしい1曲で、
カヴァーを超えたカヴァーともいえる濃厚な
世界観には完全にヤラレてしまいます。
もちろん代表曲の「My Conversation」や
「The Beatitude」も本当に素晴らしいです
が、このあたりもジックリと聴き込んでもらい
たいアルバムです。

選者の音楽への愛が感じられる、素晴らしい
コンピュレーション・アルバムだと思います。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: The Uniques
○アルバム: Watch This Sound
○レーベル: Pressure Sounds
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1998

○The Uniques「Watch This Sound」曲目
1. My Conversation
2. Watch This Sound
3. Out Of Love
4. One Fine Day
5. Gypsy Woman
6. One Conception
7. A Yuh
8. Speak No Evil
9. The Beatitude
10. One Life
11. Give Me Some More
12. Run Come
13. My Woman's Love
14. Never Let Me Go
15. Can't Do Without It