今回はThe Wailing Soulsのアルバム

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「Inchpinchers」です。

The Wailing Soulsは70年代のルーツ・
レゲエの時代から80年代のダンスホール・
レゲエの時代に活躍したコーラス・グループ
です。
Winston‘Pipe' MatthewsとLloyd‘Bread’
McDonaldを中心に結成された彼らは、
レネゲイズ(Renegades)という名前でキャリア
をスタートさせ、Studio Oneの主催者
C.S. DoddからThe Wailersの兄弟バンド
としてThe Wailing Soulsという名前を与え
られ、「Mr. Fire Coal Man」や「Row Fisher
Man」などのヒット曲を飛ばし、人気グループ
へと成長して行くんですね。

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Wailing Souls - The Wailing Souls (1975)

その後もChannel Oneなどで順調にキャリアを
積み重ねた彼らは、80年代のダンスホール・
レゲエの時代になってもその人気は衰えず、
ダンスホール・レゲエをけん引したVolcano
レーベルのHenry 'Junjo' Lawesの元に
「Fire House Rock」という素晴らしいアルバム
を残すなど、常に第一線で活躍活躍し続けた
グループとして知られています。

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Wailing Souls - Fire House Rock (1981)

アーティスト特集 Wailing Souls (ウェイリング・ソウルズ)

今回のアルバムは1982年にUKの
Greensleeves Recordsからリリースされた
彼らのソロ・アルバムです。
この80年代前半のアーリー・ダンスホール
期の彼らのアルバムといえば、Henry 'Junjo'
LawesプロデュースでRoots Radicsがバック
を担当した81年の「Fire House Rock」が
有名ですが、今回もHenry 'Junjo' Lawes
プロデュースでRoots Radicsがバックの
アルバムなんですね。
この時期のThe Wailing Soulsは4人組編成
で、重厚なコーラス・ワークに乗せた
アーリー・ダンスホールのサウンドが楽し
めるアルバムに仕上がっています。

手に入れたのはGreensleeves Recordsから
リリースされたLPの中古盤でした。

Side 1が5曲、Side 2が5曲の全10曲。

ミュージシャンについては以下の記述があり
ます。

Produced by Henry 'Junjo'Lawes
Backed by Roots Radics
All Songs Written by Wailing Souls
Recorded at Channel One (engineer: Soljie)
Mixed at Joe Gibbs Studio (engineers: Oswald Palmer, Errol Thompson)
Mastered by Steve Angel
Photo:– George Williams
Cover: Tony McDermott

となっています。

プロデュースはHenry 'Junjo'Lawesで、バック
はRoots Radics、作曲はすべてWailing Souls
が担当し、レコーディングはChannel One、
レコーディング・エンジニアはSoljie、
ミックスはJoe Gibbs Studioで行われ、
ミックス・エンジニアはOswald Palmerと
Errol Thompsonが担当しています。

写真はGeorge Williamsで、ジャケット・
デザインはTony McDermottが担当しています。

さて今回のアルバムですが、彼らの代表曲
のひとつである「Things And Time」などが
収められたアルバムで、内容はとても良い
です。

この「Things And Time」という曲ですが、
確かルーツの時代の曲だよなと思って彼らの
前のアルバムを調べてみたのですが、意外や
それ以前のアルバムには入っていません
でした。
71年のStudio Oneのヒット曲で、ルーツ
の時代に作られた事は間違いないのですが、
アルバムに入れられたのはこのアルバム
だったようです。

リズム特集 Things & Time (シングス・アンド・タイム)

そんな「Things And Time」が収められた
今回のアルバムですが、他にも表題曲の
「Inchpinchers」など佳曲が多く収められ
ていて、あの「Fire House Rock」と較べて
も遜色が無いほど内容が良いんですね。
何より彼ら4人が織り成す重厚なグルーヴ感
のあるコーラス・ワークは、他のグループ
には代えがたい魅力があります。

このThe Wailing Soulsのルーツ期から
アーリー・ダンスホール期のアルバムは、
どれを聴いてもまずハズレが無いんですね。
それがこのグループの、何気にスゴイところ
なんですね(笑)。

Side 1の1曲目は表題曲の「Inchpinchers」
です。
ジャケ写真はクレーン車の前の彼らの写真
ですが、「Inchpinchers」都はクレーン車の
事なのか?
ネットで「Inchpinchers」で検索したけれど、
うまく出て来ませんでした。
ワン・ドロップのリズムにホーン・セクション
のメロディ、リードのWinston Matthewsの
ヴォーカルにコーラス・ワーク。
彼ららしい世界がここにあります。

Wailing Souls - Inchpinchers


2曲目は「Mass Charley Ground」です。
ギターのメロディに乗せたユッタリとした
ワン・ドロップの曲で、語るような丁寧な
ヴォーカルに優しいコーラス・ワークが
心地良い曲です。

Wailing Souls - Mass Charlie Ground


3曲目は「Tom Sprang」です。
こちらは引っ掛かりのあるシンセ音にワン・
ドロップ、凝ったコーラス・ワークが楽しい
曲です。

4曲目は「Don't Get Lost」です。
こちらも心地良いワン・ドロップのリズムに、
しゃがれたヴォーカルに見事なコーラス・
ワーク、このグループらしい個性の出た曲
です。

5曲目は「Baby Come Rock」です。
賑やかなホーン・セクションを中心とした
ワン・ドロップに、The Wailing Souls
らしい凝ったコーラス・ワークが魅力的な
曲です。
彼らだから生み出せる、グルーヴ感があり
ます。

Wailing Souls - Baby Come Rock


Side 2の1曲目は「Things And Time」です。
書いたように71年のヒット曲「Things And
Time」のセルフ・カヴァーです。
ホーン・セクションの楽しいメロディに、
ノビノビと歌うヴォーカル、コーラス・
ワークと、全てが満たされて行くような見事
な曲です。

Wailing Souls - Things And Time - Inchpinchers LP / Greensleeves


2曲目は「Modern Slavery」です。
緊張感を煽るようなギターのフレーズから
コーラス・ワーク、淡々と語るような
ヴォーカル…表情豊かな曲です。

3曲目は「Ghetto Of Kingston Town」です。
これはリード・ヴォーカルが違うようです。
ソフトな歌い出しから、表現力豊かに優しく
歌うヴォーカルが印象的。
隠れ名曲と言った趣の1曲。

Wailing Souls - Ghetto Of Kingston Town


4曲目は「Oh What A Lie」です。
こちらは彼ららしいコ-ラス・ワークが光る
曲です。

5曲目は「Infidels」です。
心地良いギターのメロディから、ノビのある
ヴォーカルとコーラス・ワーク。
彼ららしいグルーヴ感のある世界が魅力的な
曲です。

ざっと追いかけて来ましたが、やはりこの
アーリー・ダンスホールの時代のThe Wailing
Soulsには他のグループでは出せない独特の
コーラス・ワークの素晴らしさがあり、とても
魅力的です。
またバックのRoots Radicsの演奏もあくまで
このグループのコーラス・ワークを立てた、
けっして出過ぎない演奏でうまくこのグループ
の魅力を引き立てています。
内容はとても良いアルバムだと思います。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: The Wailing Souls
○アルバム: Inchpinchers
○レーベル: Greensleeves Records
○フォーマット: LP
○オリジナル・アルバム制作年: 1982

○Wailing Souls「Inchpinchers」曲目
Side 1
1. Inchpinchers
2. Mass Charley Ground
3. Tom Sprang
4. Don't Get Lost
5. Baby Come Rock
Side 2
1. Things And Time
2. Modern Slavery
3. Ghetto Of Kingston Town
4. Oh What A Lie
5. Infidels