今回はHalf Pintのアルバム

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「In Fine Style」です。

Half Pintは80年代のダンスホール・
レゲエの時代に活躍したシンガーです。

ネットのDiscogsには彼について次のように
書かれています。

A product of West Kingston, Half Pint got into Jamaica's music industry in 1976.
Pint toured the island with various sound systems including Black Scorpio, Jammys,
Gemini, Lee's Unlimited and Killimanjaro, earning respect along the way as a
talented vocalist and performer.

《西キングストンに生まれたHalf Pintは
1976年にジャマイカの音楽業界に入り
ました。
Black ScorpioやJammys、Gemini、 Lee's
Unlimited、Killimanjaroといった様々な
島中のサウンド・システムでツアーを行い、
優秀なヴォーカリスト、パフォーマーとして
尊敬を集める存在となりました。》

アーティスト特集 Half Pint (ハーフ・パイント)

Half Pint - Wikipedia

今回のアルバムは1984年にジャマイカの
Sun Setというレーベルからリリースされた
彼のソロ・アルバムです。
この84年に彼Half Pintはこのアルバムと、
Jammysからの「Money Man Skank」、
Greensleevesからの「One In A Million」と
いう3枚のアルバムをリリースしています。

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Half Pint ‎– One In A Million (1984)

それ以前にはアルバム履歴が無いので、この
3枚のうちのどれかがファースト・アルバム
という事になります。

ジャケットには名前とタイトルの他に、
「Including Hit WINSOME」という文字が書か
れています。
アルバムのSide 1の3曲目「Winsome」が、
当時の彼のヒット曲だった模様です。
またネットの情報によるとこの「Winsome」
は、あのロック・バンドThe Rolling Stones
の85年のアルバム「Dirty Work」に収録
された、Keith Richardsが歌う「Too Rude」
の原曲なんだそうです。

The Rolling Stones / K.Richards - Too Rude (w/Lyris Subutitles)


デビュー年から自分の曲が有名ロック・
バンドに曲を使われるという事で、この
Half Pintが恵まれたスタートを切った事
は間違いありません。

手に入れたのはSun Setからリリースされた
LPの中古盤でした。

Side 1が4曲、Side 2が4曲の全8曲。

ミュージシャンについては以下の記述があり
ます。

Produced by: Errol 'John' Marshall, Errol 'Myre' Lewis
All Songs Written by Lindon Roberts Except 'Don't Try To Use Me'
Drums: Sly Dunbar, Leroy Horsie Wallace
Bass: Bagga Walker, Lloyd Parks
Lead Guitar: Alrick Forbes, Willy Lindo
Rhythm Guitar: Willy Lindo
Piano: Pablo Black, Willy Lindo
Organ: Pablo Black
Percussion: Scully, Sydney Wolfe
Recorded at the follwing Studio, Tuff Gong & Channel One
Recording Engineer: Chunny & Peter, "Chemist" Bunny, Sogie
Back Ground Vocals: Pad Anthony, Half Pint
Synthesizer: Tony Asher Brissett

Album Design: Wilfred Limonious
Liner Notes: Trevor Riley
Edited By Jammys

となっています。

プロデュースはErrol 'John' Marshallと
Errol 'Myre' Lewis。
作曲はSide 1の2曲目「Don't Try To Use Me」
を除いて、Lindon Roberts(Half Pintの
本名)。

レコーディングはTuff GongとChannel Oneで
行われ、レコーディング・エンジニアはChunny
& Peterと"Chemist" Bunny、Sogieが担当。

ミュージシャンはドラムにSly DunbarとLeroy
Horsie Wallace、ベースにBagga Walkerと
Lloyd Parks、リード・ギターにAlrick Forbes
とWilly Lindo、リズム・ギターにWilly Lindo、
ピアノにPablo BlackとWilly Lindo、オルガン
にPablo Black、パーカッションにScullyと
Sydney Wolfe、バック・ヴォーカルに
Pad AnthonyとHalf Pint本人、シンセに
Tony Asher Brissettという布陣です。

アルバム・ジャケットのデザインはWilfred
Limoniousという人が行っています。

さて今回のアルバムですが、Half Pintらしい
エモーショナルな節回しのウマさが感じられる
アルバムで、内容はとても良いと思います。

Half Pintというと時代がデジタルのダンス
ホールへと動き始めた86年のアルバム
「Greetings」あたりを思い出す人が多いと
思いますが、それより早いアルバム・デビュー
したこの頃にはもう彼の独島の節回しを
持ったスタイルはすでに確立していたんです
ね。
その事がよく解るアルバムに仕上がって
います。

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Half Pint ‎– Greetings (1986)

このアルバムはどうしてもKeith Richardsが
歌った「Too Rude」の原曲「Winsome」に注目
が行くと思いますが、楚歌の曲もけっこう
粒揃いで、アルバム・デビューしたばかりの
新鮮な気持ちが感じられ内容がすごく良い
です。
Horace Andyのカヴァー曲だけれどそれとは
感じさせない彼らしい節回しの「Don't Try
To Use Me」、The Rolling Stonesの「Too
Rude」の元となった「Winsome」、Jackie
Mittoo & Sound Dimensionの「Full Up」の
リディムを使った「Political Fiction」、
今回のアルバムにベースとして参加している
Lloyd Parksのヒット曲「Slaving」の
リディムを使った「Officer」、Freddie
McGregorの「Big Ship」のリディムを使った
「Dance Hall Vibes」など、聴きどころ
タップリのアルバムに仕上がっています。

このアーリー・ダンスホールの時代らしい
ユッタリとしたリズムに、情感タップリ
のHalf Pintのヴォーカルは本当に魅力的
です。

Side 1の1曲目は「Look Before You Walk」
です。
フルートのような高音のメロディに、
Half Pintの伸びのあるヴォーカルが
魅力的な曲です。

Half Pint Look Before You Leap


2曲目は「Don't Try To Use Me」です。
Horace Andyのルーツの時代の、同名曲の
カヴァーのようです。
Horace Andyとはまた一味違ったヴォーカル
が魅力。
説得力のあるヴォーカルがこの人の持ち味
です。

3曲目は「Winsome」です。
書いたようにThe Rolling Stonesがカヴァー
した曲です。
ネットのRiddimguideで調べると、Peter
Metro & Yellowmanの「The Girl Is Mine」
のリディムが、全てではないかもしれない
けれど、使われているようです。
彼らしいグルーヴ感のある優しい節回しが、
とても魅力的な曲です。

Half Pint - Winsome


4曲目は「Have A Little Faith」です。
ギターとオルガンを中心としたワン・
ドロップのリズムに、情感を込めたHalf Pint
のヴォーカルがグッと来る1曲です。
ダンスホールらしい湿った空気感が、とても
良いです。

Side 2の1曲目は「Political Friction」
です。
リディムはJackie Mittoo & Sound Dimension
のロックステディの名リディム「Full Up」
です。
ユッタリしたアーリー・ダンスホールらしい
リズムに、ホーン・セクションに乗せた感情
を込めたHalf Pintのヴォーカルが良い味を
出している曲です。

Half Pint - Political Fiction


リズム特集 Full Up (フル・アップ)

2曲目は「Officer」です。
リディムはLloyd Parksの「Slaving」です。
ホーン・セクションのメロディに、Half Pint
の感情を込めたヴォーカルの1曲。

3曲目は「No Complain」です。
浮遊感のあるシンセのメロディに、丁寧に
歌うHalf Pintのヴォーカル。
彼らしい感情のこもったヴォーカルの曲です。

Half Pint - No Complain


4曲目は「Dance Hall Vibes」です。
リディムはFreddie McGregorの「Big Ship」。
最後はHalf Pintらしい明るいヴォーカルの曲
でシメています。
表情豊かなヴォーカルが魅力。

Half Pint - Dance Hall Vibes


ざっと追いかけて来ましたが、このHalf Pint
は嫌みの無いくらい自分のヴォーカル・
スタイルを貫いている人で、そこがこの人の
魅力なんですね。
今回のアルバムでもケレン味のない、自分
らしい歌声を聴かせています。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: Half Pint
○アルバム: In Fine Style
○レーベル: Sun Set
○フォーマット: LP
○オリジナル・アルバム制作年: 1984

○Half Pint「In Fine Style」曲目
Side 1
1. Look Before You Walk
2. Don't Try To Use Me
3. Winsome
4. Have A Little Faith
Side 2
1. Political Friction
2. Officer
3. No Complain
4. Dance Hall Vibes