今回はThe Wailing Soulsのアルバム

wailing_souls_02a

「Wild Suspense + Dub」です。

The Wailing Soulsは70年代のルーツ・
レゲエの時代から80年代のダンスホール・
レゲエの時代に活躍したコーラス・グループ
です。
Winston‘Pipe' MatthewsとLloyd‘Bread’
McDonaldを中心に結成された彼らは、
レネゲイズ(Renegades)という名前でキャリア
をスタートさせ、Studio Oneの主催者
C.S. DoddからThe Wailersの兄弟バンド
としてThe Wailing Soulsという名前を与え
られ、「Mr. Fire Coal Man」や「Row Fisher
Man」などのヒット曲を飛ばし、人気グループ
へと成長して行くんですね。

wailing_souls_01a
Wailing Souls - The Wailing Souls (1975)

その後もChannel Oneなどで順調にキャリアを
積み重ねた彼らは、80年代のダンスホール・
レゲエの時代になってもその人気は衰えず、
ダンスホール・レゲエをけん引したVolcano
レーベルのHenry 'Junjo' Lawesの元に
「Fire House Rock」という素晴らしいアルバム
を残すなど、常に第一線で活躍活躍し続けた
グループとして知られています。

wailing_souls_03a
Wailing Souls - Fire House Rock (1981)

アーティスト特集 Wailing Souls (ウェイリング・ソウルズ)

今回のアルバムはルーツ・レゲエの時代が
終わりに近づいた1979年にIsland
Recordsレーベルからリリースされた、彼ら
のセカンド・アルバムです。
Channel On録音での録音で、バックは
The Revolutionariesが担当したアルバム
で、Studio One時代のヒット曲「Row
Fisherman」のリメイクや、表題曲の「Wild
Suspense」、当時大ヒットしたという
「Very Well」などが収められたアルバムで、
彼らの代表作のひとつともいえるアルバム
です。

手に入れたのはIsland Recordsレーベル傘下
のMangoからリリースされたCDでした。
オリジナルの10曲にプラスして、7曲の
ダブが収められた計17曲入りのアルバム
です。

全17曲で収録時間は約78分。
オリジナルは1お曲で、残りの7曲はCD
ボーナス・トラックとして彼らの曲のダブが
収められています。
11曲目「Walk But Mind You Don't Fall
[Dub]」を除いて、残りの6曲はこのアルバム
に入っている曲のダブです。

詳細なミュージシャンの表記はありません。

Produced by Wailing Souls
Mixed by Terry Barham

という記述があるぐらいなんですね。

ただネットのDiscogには詳細なミュージシャン
が載っているので、どうやら情報が削除されて
しまったようです。
それによるとドラムはSly Dunbar、ベースは
Bertram 'Ranchie' McLean、リード・ギター
にRad Bryan、リズム・ギターにBo-Pee Bowen
とRobbie Shakespeare、オルガンにAnsel
Collins、ピアノにTarzan Nelson、アルト・
サックスにCedric 'Im' Brooks、テナー・
サックスに'Deadly' Headley Bennett、トロン
ボーンにRico RodriguezとVin Gordon、
フリューゲルホルンとコルネットにDickage、
コンゴとボンゴにSkully、パーカッションに
Stickyという布陣だったようです。

2002年シンコー・ミュージック刊行の本
「Roots Rock Reggae」の記述などを見ると、
Channel One Studioでの録音で、バックは
The Revolutionariesという記述があります。
という事でバックはThe Revolutionariesと
考えて間違いないでしょう。

さて今回のアルバムですが、The Wailing
Soulsというと80年代のダンスホール・
レゲエの時代の活躍が有名ですが、この
ルーツ・レゲエの時代もアルバムは2枚だけ
ですが素晴らしい活躍をしており、見逃せ
ないんですね。
75年のStudio Oneからのファースト
「The Wailing Souls」も必聴のアルバムです
が、こちらのアルバムもこれから始まるダンス
ホール・レゲエの時代の活躍を予見するよう
な、彼ららしい素晴らしいグルーヴ感に溢れた
アルバムでぜひ聴いてもらいたい内容です。

やはり彼らの魅力は、その重厚なコーラス・
ワークです。
リード・ヴォーカルのWinston‘Pipe'
Matthewsを中心としたコーラス・ワークは、
一糸乱れず統制が取れていて、他のグループ
がけっして真似の出来ない領域に達していま
す。
このコーラス・ワークがあったからこそ、
彼らは常に活躍出来たんですね。
その魅力がよく解るアルバムに仕上がって
います。

ちなみに今回のアルバムはレゲエ本「Roots
Rock Reggae」にも紹介されたアルバムで、
「孝」さんという方の文章で「何度聴いても
心をワシづかみされる」と絶賛されている
アルバムです。

1曲目は「Row Fisherman」です。
Studio One時代のヒット曲のリメイクです。
Studio One時代の軽妙な演奏に較べると、
ちょっとスローでタイトなリズムに、グルーヴ
感タップリのヴォーカルとコーラス・ワークが
タマラない1曲です。

Wailing Souls - Row Fisherman


2曲目は「Slow Coach」です。
浮遊感のあるオルガンから、ギターのメロディ
に乗せたヴォーカルとコーラス・ワークが
魅力的。
こちらはリードがW. MatthewsではなくRudolph
'Garth' Dennisのようです。
誰でもリードが取れるのもこのグループの
強みです。

Wailing Souls - Slow Coach


3曲目は「We Got To Be Together」です。
W. Matthewsらしい張りのあるヴォーカルで
始まる曲です。
なぞるように入って来るコーラス・ワークも
魅力。
バックのタイトな演奏もヴォーカルをうまく
引き立てています。

4曲目は「Feel The Spirit」です。
明るいオルガンのメロディに、W. Matthews
らしい張りのあるヴォーカルが魅力的。

5曲目は「Bredda Gravilicious」です。
こちらは華やかなホーン・セクションに、
The Wailing Soulsらしい統制の取れた
ヴォーカルとコーラス・ワークが素晴らしい
グルーヴ感を生み出している曲です。

Wailing Souls - Bredda Gravalicious


6曲目は表題曲の「Wild Suspense」です。
心地良いドラミングに浮遊感のあるオルガン
のメロディ。
W. Matthewsの伸びのあるヴォーカルに、
心地良いコーラス・ワーク。
The Wailing Soulsならではの魅力が目一杯
詰め込まれたような曲です。

Wailing Souls - Wild Suspense


7曲目は「They Never Know」です。
浮遊感のあるオルガンにホーン、心地良い
ヴォーカル。
レゲエならではThe Wailing Soulsならでは
の魅力がある1曲。

8曲目は「Black Rose」です。
こちらもヴォーカルはRudolph 'Garth' Dennis
のようです。
浮遊感のあるオルガンとホーンから、美しい
コーラス・ワークに乗せたヴォーカルが冴える
曲です。

9曲目は「Something Funny」です。
浮遊感のあるオルガンのメロディに、ユッタリ
としたヴォーカルに美しいコーラス・ワーク。
独特の世界観のある曲です。

10曲目は「Very Well」です。
ネットの販売サイトなどの情報によると、
彼らの当時の大ヒット曲のようです。
華々しいホーン・セクションから、張りの
あるW. Matthewsのヴォーカルに美しい
コーラス・ワーク。
彼らだから作りえる世界が、ここにあり
ます。

Wailing Souls - Very Well


11~17曲目は彼らの曲のダブが収められ
ています。

11曲目は「Walk But Mind You Don't Fall
[Dub]」です。
こちらはこのアルバムにない曲のダブのよう
です。
パーカッションが効いたダブ。

12曲目は「Row Fisherman [Dub]」です。
1曲目「Row Fisherman」のダブです。
ヴォーカルは入っていませんが、歯切れの
良いダブに仕上がっています。

Wailing Souls - Row Fisherman Dub


13曲目は「Bredda Gravalicious [Dub]」
です。
5曲目「Bredda Gravilicious」のダブ。
こちらはホーンとベースがメインのダブに
なっています。

14曲目は「Slow Coach [Dub]」です。
2曲目「Slow Coach」のダブです。
オルガンのメロディに乗せたダブ。

15曲目は「Something Funny [Dub]」です。
9曲目「Something Funny」のダブです。
パーカッションとオルガンのメロディを軸と
したダブ。

16曲目は「We've Got To Be Together
[Dub]」です。
3曲目「We Got To Be Together」のダブ。
こちらは生き生きとしたギターとドラムを
中心としたリズミカルなダブ。

Wailing Souls - We've Got To Be Together Dub


17曲目は「Very Well [Dub]」です。
10曲目「Very Well」のダブです。
このアルバムで一番長い7分25秒の曲です。

ざっと追いかけて来ましたが、この時代の
彼らThe Wailing Soulsの活躍ぶりがよく解る
アルバムで、内容は悪くないと思います。
またオマケで付いた彼らのダブも、意外と
魅力的。

彼らの持つハーモニーのグルーヴ感は彼ら
独特のもので、このグルーヴ感を武器に
この後のダンスホール・レゲエの時代にも
彼らThe Wailing Soulsは大活躍する事に
なります。
その快進撃はこのアルバムから始まったと
言えるかもしれません。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: The Wailing Souls
○アルバム: Wild Suspense + Dub
○レーベル: Mango
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1979

○The Wailing Souls「Wild Suspense + Dub」曲目
1. Row Fisherman
2. Slow Coach
3. We Got To Be Together
4. Feel The Spirit
5. Bredda Gravilicious
6. Wild Suspense
7. They Never Know
8. Black Rose
9. Something Funny
10. Very Well
(CD Bonus Tracks)
11. Walk But Mind You Don't Fall [Dub]
12. Row Fisherman [Dub]
13. Bredda Gravalicious [Dub]
14. Slow Coach [Dub]
15. Something Funny [Dub]
16. We've Got To Be Together [Dub]
17. Very Well [Dub]