今回はPrince Mohammedのアルバム

prince_mohammed_02a

「Bubbling」です。

Prince Mohammedは70年代から80年代に
かけて活躍したディージェイです。
ちょっとトボけたディージェイ・スタイルで、
June Lodgeとのデュエット曲「Someone Loves
You Honey」などで人気を博した人ですが、
その後は本名のGeorge Nooksに戻りシンガー
として活躍もしている人です。

George Nooks - Wikipedia

アーティスト特集 George Nooks (ジョージ・ヌークス)

今回のアルバムはネットのDiscogsでは
Unkown(制作年不詳)となっているアルバム
ですが、販売サイトのひとつには「82年作」
という記述があるアルバムで、サウンド的
に見てもそのあたり、80年代前半ぐらいに
作成されたアルバムだと思います。
その80年代前半にジャマイカのTechniques
レーベルからリリースされた彼のソロ・
アルバムです。

レーベル特集 Techniques (テクニクス)

手に入れたのはTechniquesから出ている
LPでした。

Side 1が5曲、Side 2が5曲の全10曲。

詳細なミュージシャンの表記はありません。

All Songs Sung by Prince Mohammed
Produced by Winston Riley

という記述があります。

プロデュースはTechniquesレーベルの主催者
Winston Rileyです。

さて今回のアルバムですが、このPrince
Mohammedはその独特なノー天気なトースティ
ング・スタイルで、この80年代前半の
アーリー・ダンスホール全盛の時代に人気を
博したディージェイなんですね。
特にJoe Gibbsの元でのJ.C. LodgeやDennis
Brownとのディスコ・ミックスでの競演は
面白く、このあたりが一番知られている
ところかもしれません。

June Lodge & Prince Mohammed - Someone loves you honey


私がこの人を知ったのも、Dennis Brownとの
共演作「Money In My Pocket / Cool Runnings」
だったんですね。
Dennis Brownの「Money In My Pocket」は
彼の最大のヒット曲で、それだけでも素晴ら
しい曲だけれど、このPrince Mohammedとの
ミックスはそれに輪をかけて良いんですね。
Dennis Brownの明るい歌声に、人をちょっと
小馬鹿にしたようなPrince Mohammedのトース
ティングという組み合わせはErrol Thimpson
という天才ミキサーだからこそ出来た素晴ら
しいミックスだと思います。

この曲を聴いてからというもの、私はこの
Prince Mohammedという人が気になって、
この人を調べてみたんですね。
そうするとこの人、200年刊行の本
「Roots Rock Reggae」にこのアルバムを
含めて2枚のアルバムを紹介されている
ほどの名ディージェイだという事を知り
ました。
(ちなみに歌手George Nooksのアルバムは
紹介されていません。)
そうしてレゲエレコード・コムで売られて
いるのを見つけて、手に入れたのがこの
アルバムだったんですね。

Techniquesからリリースされたこのアルバム
は、「Cool Runnings」などは入っていない
ものの、Techniquesの名リディム「Stalag」
を使った表題曲「Bubbling」をはじめ、
「Bobby Babylon」のリディムを使った
「Jack Sprat」、「Mood For Love」の
リディムを使った「Come Mek We Rub Dub」
など、このアーリー・ダンスホールらしい
曲に乗せたPrince Mohammedの底が抜けた
ような明るいトースティングが楽しめる
アルバムになっています。

ちなみに本「Roots Rock Reggae」でも、
「孝」さんという方の文章で「どっかネジ
が1本ゆるんだ気楽さで、ツルツルとメロディ
を歌い縫う持ち味が全開。」と絶賛されて
いるアルバムです。

Side 1の1曲目は表題曲の「Bubbling」
です。
書いたようにTechniquesの名リディム
「Stalag」です。
名リディムをバックに、彼らしいイケイケの
トースティングが冴えます。
ヴァイオリンのメロディも良い感じの1曲。

Bubbling Prince Mohammed- Mummy Label


リズム特集 Stalag (スタラグ)

2曲目は「Don't Keep Natty Waiting」です。
シンセのメロディにダブワイズしたヴォーカル
にコーラス・ワーク、それに被さるように
入って来るPrince Mohammedの表情豊かな
トースティング。
ちょっと湿った空気感が、アーリー・ダンス
ホールを感じさせる曲です。

Prince Mohammed - Don't Keep Natty Waiting


3曲目は「Stop Mack Jah」です。
こちらもダブワイズの入ったヴォーカルに
乗せたトースティング。
エコーの効いたバックに明るいPrince Mohammed
のトースティングが魅力的。

Prince Mohammed - Stop Mack Jah


4曲目は「Hot Cross Bun」です。
浮遊感のあるシンセとホーンのメロディに
乗せたトースティングです。

5曲目は「Jack Sprat」です。
リディムはFreddie McGregorの「Bobby
Babylon」。
特徴的なホーンを中心としたメロディに、
明るいPrince Mohammedのトースティングが
良い味を出している曲です。

リズム特集 Bobby Babylon/Hi Fashion (ボビー・バビロン/ハイファッション)

Side 2の1曲目は「You I Love」です。
リディムはAlton Ellisのバック・ヴォーカル・
グループとして知られるRighteous Flames
の「I Was Born To Be Loved」。
ピュンピュンというトビ音が印象的なバック
に、滑らかなPrince Mohammedのトース
ティング。

Prince Mohammed - You I Love


2曲目は「Come Mek We Rub Dub」です。
リディムはTechniquesの「I'm In The Mood
For Love」。
明るいフルートを使ったメロディに、Prince
Mohammedの陽気なトースティング。
時折入るトビ音もグッド。

Prince Mohammed - Come Mek We Rub A Dub [1979]


リズム特集 Mood For Love (ムード・フォー・ラブ)

3曲目は「Bad Mind」です。
ピアノのリリカルなメロディに、楽し気な
Prince Mohammedのトースティング。

Prince Mohammed - Bad Mind


4曲目は「Dead Trap」です。
明るいシンセのメロディに、Prince Mohammed
の陽気なトースティングが冴えます。

5曲目は「Rightful Ruler」です。
こちらはリズムカルなシンセのメロディに
乗せた曲です。

ざっと追いかけて来ましたが、やはりこの
Prince Mohammedの陽性なパワーは魅力的。
すごく気持ちをポジティブにさせてくれる
ディージェイなんですね。

彼のその後歌手George Nooksとして活躍
しますが、個人的にはこのPrince Mohammed
の時代の「お馬鹿・パワー」のようなもの
があった時代の方が、個性的で何百倍も好き
です(笑)。

彼のディージェイとしての陽性なパワーが
詰まった今回のアルバムは、このアーリー・
ダンスホールの時代の聴いておくべき
アルバムのひとつだと思います。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: Prince Mohammed
○アルバム: Bubbling
○レーベル: Techniques
○フォーマット: LP
○オリジナル・アルバム制作年: Unkown (1982?)

○Prince Mohammed「Bubbling」曲目
Side 1
1. Bubbling
2. Don't Keep Natty Waiting
3. Stop Mack Jah
4. Hot Cross Bun
5. Jack Sprat
Side 2
1. You I Love
2. Come Mek We Rub Dub
3. Bad Mind
4. Dead Trap
5. Rightful Ruler