今回はDesi Rootsのアルバム

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「Doing It Right」です。

Desi Rootsについてはあまり多くの事が
解りません。
ネットのDiscogsで調べると、この人の本名
がDesmond Youngであること、今回のアルバム
を含めて2枚のアルバムと何枚かのシングル盤
をおもに70年代後半から80年代にかけて
リリースしていることなどが書かれています。
また2002年シンコー・ミュージック刊行
の本「Roots Rock Reggae」にはこのアルバム
の紹介文に「かつてはジェイコブ・ミラーと
トリオを組んでいた」と書かれています。
それ以外の事は残念ながら解りません。

今回のアルバムは1980年にUKの
Hawkeyeというレーベルからリリースされた、
Desi Rootsのおそらくファースト・アルバム
と思われるアルバムです。
Discogにはこの前年の79年ぐらいから
シングル盤の履歴があって、そうした音源が
貯まってアルバム・リリースに至ったのでは
ないかと思われます。

ちなみにDiscogには82年に、セカンドと
思われる「Children In Exile」という
アルバムの履歴もあります。
このあたりまでがこの人の全盛期であった
と想像されます。

手に入れたのはNL(オランダ)のCorn-Fed
というレーベルからリリースされたCD-R
でした。
このCorn-Fedというレーベルは一時期
disk unionなどの販売店で売られていました
が、CD-Rなので「プレイヤーの機種に
よっては再生しない場合もございます。」
という注意書きが付いて売られていました。
ちなみにパソコンのiTuneで再生出来ました
が、トラック名は取得できませんでした。

全17曲で収録時間は約80分。
オリジナルは10曲で、残りの7曲はCD
ボーナス・トラックです。
ボーナス・トラックは前半は歌、後半はダブ
というディスコ・ミックス・ヴァージョン
が収められています。

ミュージシャンについては以下の記述があり
ます。

Drums: Sly Dunbar, Mikey 'Boo' Richards
Bass: Robbie Shakespare, Jackie Jackson
Keys: Franklyn 'Bubbler' Waul, Robert Lyn, Tyrone Downie, Charlie Far
Guitars: Willie Lindo, Rad Bryan, Earl 'Chinna' Smith, Ranchie McClean
Trumpets: Clive Hunt, David Madden
Sax: Dean Frazer
Trombone: Nambo
Congas: Scully
Percussions: Sticky, Scully, Desi
Backing Vocals: Desi Roots, Pam Hall, Beris Hammond (Tamlins), Sugar Minott

Arranged & Produced by: R. Forbes Allen, Desi Roots
Recorded at Channel One, Joe Gibbs, Harry J Studios
Mixed at: Channel One by 'Crucial' Bunny Graham

となっています。

ミュージシャンは、ドラムにSly Dunbarと
Mikey 'Boo' Richards、ベースにRobbie
ShakespareとJackie Jackson、キーボードに
Franklyn 'Bubbler' WaulとRobert Lyn、
Tyrone Downie、Charlie Far、ギターに
Willie LindoとRad Bryan、Earl 'Chinna'
Smith、Ranchie McClean、トランペットに
Clive HuntとDavid Madden、サックスに
Dean Frazer、トロンボーンにNambo Robinson、
コンゴにScully、パーカッションにStickyと
Scully、Desi Roots本人、バッキング・
ヴォーカルにDesi RootsとPam Hall、
Beris Hammond (Tamlins)、Sugar Minottと
いう布陣です。

アレンジとプロデュースはR. Forbes Allenと
Desi Roots、録音はChannel OneとJoe Gibbs、
Harry J Studiosで行われ、ミックスはChannel
One、ミックス・エンジニアは'Crucial' Bunny
Grahamとなっています。

ミュージシャンとスタジオの数が多いのは、
元々はシングル盤だった曲をまとめた為と思わ
れます。
Channel Oneなどを使った録音なので、バック
はほぼThe Revolutionariesに近いメンバーで
行われた録音と思われます。

さて今回のアルバムですが、もうこの80年
ぐらいになるとジャマイカのレゲエもルーツ
からダンスホールへ切り替わり始めた時代
ですが、今回のアルバムではかなりルーツ色
の強い内容になっています。
その時代に抗うようなルーツ色が、今回の
アルバムの魅力なんですね。
この80年代前半はそうしたルーツとダンス
ホールがせめぎ合っていたような時代で、
そうしたパワーがレゲエという音楽を活気
づけていたんですね。

またDesi Rootsのヴォーカルにも触れておく
と、そのソフトで滑らかなヴォーカルは
なかなか魅力的です。
バックのサウンドにはシンセなども入り込んで
だいぶモダンな印象になっていますが、誠実に
歌う姿勢には好感が持てます。

ちなみに本「Roots Rock Reggae」似は今回の
アルバムについて「林」さんという方の文章
で、「ジェイコブ・ミラーの影響かと思われる
歌いまわしと、ルーツに根ざしたメッセージで
力強く歌われ、、良い意味でのヘビーさと
イナタさを合わせ持つ好盤である。」という
高評価が書かれています。

ちなみに「イナタさ」とは、「田舎臭さ、
野暮ったさ、ダサさ」みたいな意味らしい
です。
たまにルーツの頃の音源をこの「イナタさ」
という表現を好んで使う人を見かけますが、
個人的には「ウ~~~ん……。」という感じ
ですねぇ(笑)。
実はサウンド的にすごく洗練されている
ところもあり、ルーツを野暮ったいという
のはどうもなぁ…という気がします。

話を戻すと、Jacob Millerと比較した書き方
がされていますが、感情表現が豊かなレヴェル
の高いヴォーカリストだと思います。

1~10曲目までは、オリジナル・アルバムの
曲が収められています。

1曲目は「Weed Fields」です。
ホーン・セクションの華々しいイントロから、
語りかけるようなDesi Rootsのソフトな
ヴォーカルが魅力的な曲です。
合間良く入る女性コーラス、ホーン・セクション
もグッド。

Desi Roots - Weed Fields - Doing it Right LP / Hawkeye


2曲目は「He Ain't Coming」です。
こちらは高音のシンセのメロディ、パーカッ
ションのリズムに乗せた曲です。

3曲目は「Up Town Rebel」です。
こちらはブルース・ハーモニカに女性
コーラスが活躍する曲です。
歌詞の中に「Bob Marley」という言葉が
聞こえるので、彼に対する賛歌か?
表情豊かなヴォーカルが魅力。

Desi Roots - Up Town Rebel


4曲目は「Go Deh Right」です。
トビ音からホーンのイントロ、こちらも
シッカリとしたリズムに、一言一言を丁寧
に歌うDesi Rootsといった曲です。

Desi Roots - Go Deh Right


5曲目は「Black Justice」です。
よく通るDesi Rootsのヴォーカルが魅力的
な曲です。
合間良く入るホーン・セクションもイイです。

6曲目は「Nature Boy」です。
こちらもホーン・セクションのメロディに、
表情豊かなDesi Rootsのヴォーカルといった
曲です。
遊び心を感じる1曲。

7曲目は「Hung Up」です。
ホーンのメロディに乗せた、一見ソウル
かと思うほどの、洗練されたバラード・
ナンバーです。

Desi Roots - Doing It Right - B2 - Hung Up


8曲目は「Once Again」です。
こちらはギターとオルガンのメロディに
乗せた、よく通るヴォーカルが魅力的な曲
です。

9曲目は「All The Way」です。
こちらもホーン・セクションをうまく使った、
ソウル・ナンバーかと思うような曲です。
Desi Rootsの歌のウマさが光る曲です。

Desi Roots - All The Way


10曲目は「Close The Door」です。
こちらもソウル・バラードを思わせるような
ナンバーです。
ホーンに乗せた、感情豊かなヴォーカルが
とても魅力的。

Desi Roots - Close The Door


11~17曲目までは、オリジナルにない
CDボーナス・トラックで、前半が歌後半が
ダブというディスコ・ミックス・ヴァージョン
やダブ・ヴァージョンなどが収められて
います。

11曲目は「Weed Fields (Discomix)」です。
1曲目「Weed Fields」のディスコ・ミックス
です。

12曲目は「Uptown Rebel (Discomix)」です。
こちらは3曲目「Uptown Rebel」のディスコ・
ミックスです。

13曲目は「Go Deh Right (Discomix)」です。
4曲目「Go Deh Right」のディスコ・ミックス
です

14曲目は「Go Right Deh (Version)」です。
4曲目「Go Deh Right」のダブ・ヴァージョン
です。

15曲目は「Youth Attack (Discomix)」です。
こちらはアルバムにない曲のディスコ・
ミックスです。

16曲目は「Hung Up (Discomix)」です。
7曲目「Hung Up」のディスコ・ミックス
です。

17曲目は「Mind Blowing Decisions
(Discomix)」です。
こちらもアルバムにない曲のディスコ・
ミックスです。

ざっと追いかけて来ましたが、ソウルか?と
思われる曲までこなす、質の高い歌唱力は
とても魅力的です。
これだけのシンガーが経った2枚のアルバム
にとどまっているのは、ちょっと残念な気が
します。

Corn-Fedというレーベルについても書いて
おくと、一時期disk unionなどでも販売され
ましたが、どうも海賊盤的なレーベルなのか
CD-Rの販売であったし、その後は売られて
いるのをあまり見かけません。
ただ内容の良いアルバムで今ではあまり売ら
れていないアルバムが多くあり、そういう
アルバムを集めるのに重宝したレーベル
でした。
今回のアルバムもそうですが、ちょっと
知名度が低くても内容の良いアルバムが手に
入りにくくなっている現状は、とても危機感
を感じます。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: Desi Roots
○アルバム: Doing It Right
○レーベル: Corn-Fed
○フォーマット: CD-R
○オリジナル・アルバム制作年: 1980

○Desi Roots「Doing It Right」曲目
1. Weed Fields
2. He Ain't Coming
3. Up Town Rebel
4. Go Deh Right
5. Black Justice
6. Nature Boy
7. Hung Up
8. Once Again
9. All The Way
10. Close The Door
(Bonus Tracks)
11. Weed Fields (Discomix)
12. Uptown Rebel (Discomix)
13. Go Deh Right (Discomix)
14. Go Right Deh (Version)
15. Youth Attack (Discomix)
16. Hung Up (Discomix)
17. Mind Blowing Decisions (Discomix)