今回はLittle Johnのアルバム

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「Ghetto Youth」です。

Little Johnは80年代のダンスホール・
レゲエの時代に活躍したシンガーです。
1970年に生まれた彼は80年代前半の
アーリー・ダンスホールで、10歳に満たない
年齢からシンガーとして活躍し、独特のシング
ジェイ・スタイルで当時の人気レーベルVolcano
などに多くの録音を残しました。
その後も自身のレーベルRomanticでプロデュー
サーとしても活躍するなど、レゲエの歴史に
名を残したのがこの人なんですね。

アーティスト特集 Little John (リトル・ジョン)

今回のアルバムは1983年にジャマイカの
Jah Guidanceというレーベルからリリース
された彼のソロ・アルバムです。

ネットのDiscogsによると、彼は82年に
ファースト・アルバム「Reggae Dance」を
リリースし、この83年にこのアルバムを
含めて4枚のソロアルバムと2枚の共演盤
をリリースしています。

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Little John & Barry Brown ‎– Show-Down Vol. 1 (1983)

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Little John ‎– Give The Youth A Try (1983)

まだ若干13歳ながら人気に火がつき、活躍
を始めたのがこの時期だったんですね。

Little Johnはこの82年から86年までの
リリースがもっとも多く、共演盤を含めて
23枚あるアルバムのうち、82年に1枚、
83年に6枚、84年に4枚、85年に7枚、
86年に3枚の計21枚のアルバムをリリース
しています。
まだ10代だった12~16歳のアーリー・
ダンスホールの時代に絶大な活躍をし、人気
を誇ったのがこのLittle Johnという人なん
ですね。

プロデュースはVolcanoレーベルの Henry
'Junjo' Lawes、バックはRoots Radics、
ミックスはSoldgieという、このアーリー・
ダンスホールをけん引した布陣が揃った
アルバムです。

手に入れたのはVP傘下の17 North Paradeから
リリースされたCDの中古盤でした。

全11曲で収録時間は約40分。
オリジナルは10曲で、最後の1曲はCD
ボーナス・トラックです。

ミュージシャンについては以下の記述があり
ます。

Original album release: Jah Guidance (1983)
Produced by: Henry 'Junjo' Lawes
Recorded & mixed at: Channel One Recording Studio
Recording & mixing eng.: Soljie Hamilton
Backing band: The Roots Radics

Executive producer: Christopher Chin

Artwork: Supercinq

となっています。

プロデュースはHenry 'Junjo' Lawes、レコー
ディングとミックスはChannel Oneで行われ、
エンジニアはSoljie Hamilton(Soldgie)、
バックの演奏はThe Roots Radicsという布陣
です。

社会主義国のポスターのようなイラストは、
Supercinqという人が担当しているようです。

さて今回のアルバムですが、一番勢いのあった
時代のLittle Johnの歌声が聴けるアルバムで、
内容は悪くないと思います。
この人若干鼻が詰まったような歌い方が少し
気になる人ですが、こうした歌を歌っていた
のがまだ13歳の少年時代だったという事を
考えると、その成熟度には目を見張るものが
あります。
ジャマイカのシンガーはけっこうデビューの
早い人が多く、あのDennis Brownなども
15歳ぐらいで並外れた歌声を聴かせている
んですね。
突出した若者が早くから実力を磨き、さらに
スゴイ歌手になって行く、それがこの時代の
ジャマイカのシンガーなんですね。
このLittle Johnはあまりにも早いデビュー
だった為か20代以降はパッとしない印象も
ありますが、それでもその歌声はやはり本物
なんだと思います。

そしてやはりこのアーリー・ダンスホールの
時代のRoots Radicsの演奏はとても魅力的
です。
よくこのRoots Radicsの演奏は隙間だらけ
といわれますが、独特のワン・ドロップに
乗せた「間」のあるサウンドは、こうした
ヴォーカルが乗った時に一番光る独特の
魅力があります。
それ以前のThe Revolutionariesのタイトで
まったくスキのないサウンドとは全く正反対
な「間」を重視する独特のサウンドは、この
アーリー・ダンスホールの時代だから作り
得た、究極の美学を持ったバンドなんです
ね。

そうしたアーリー・ダンスホールの匂いが
プンプン漂ってくるようなアルバムが、
今回のアルバムです。

1曲目は「Left Me Slim Thing」です。
明るいホーンのメロディに乗せた、Little
Johnのちょっと鼻にかかったヴォーカルが
魅力的な曲です。

little john left me slim thing


2曲目は「English Cowboy」です。
良いに付け悪いに付けLittle John独特の
鼻が詰まったようなヴォーカルが特徴的な
曲です。
蟻田とピアノを中心としたワン・ドロップ
が心地良い曲です。

3曲目は「Long Dread Locks」です。
リディムはDennis Brownの「Revolution」
か?
独特の引っ掛かりのあるメロディに、Little
Johnのエコーの効いたヴォーカルが面白い
雰囲気を作り上げている曲です。

Little John - Long Dreadlocks


4曲目は「Searchin Everyday」です。
Roots Radicsらしいベースの効いたワン・
ドロップに、よく通るLittle Johnの情感の
あるヴォーカルが魅力的。
ダンスホールらしい湿った空気を感じる曲
です。

Little John - Searching Everyday


5曲目は「Dancehall Style Extended」
です。
リディムはDon Carlosの「Hey Mr. Babylon」。
心地良いワン・ドロップに、Little Johnの
エコーのかかったヴォーカル。
「Extended」となっているように、後半は
ダブのディスコ・ミックス・ヴァージョン。

6曲目は「I'm Gonna Make You Mine」です。
ホーンのイントロからエコーの効いたダブ
ワイズに乗せた曲です。
伸びのあるファルセットも入った1曲。

7曲目は「Time Longer Than Rope」です。
こちらはギターのメロディからピアノ、ホーン
と、間合いよく入って来る曲です。

8曲目は「Youth In The Ghetto」です。
ピアノのメロディに乗せた曲です。
時折入るファルセットと、Little Johnの
ヴォーカルが掛け合いをするような曲です。
(1人で声を使い分けているのか?)

Little John - Youth In The Ghetto


9曲目は「I Love You Jah Jah」です。
リディムはThe Heptonesのロックステディ
のヒット曲「Heptones Gonna Fight」。
心地良さそうなヴォーカルで、歌いこなして
います。

Little John - I Love You Jah Jah


リズム特集 Heptones Gonna Fight (ヘップトーンズ・ゴナ・ファイト)

10曲目は「Gal A Mad Over Me」です。
賑やかなホーンも入ったワン・ドロップの
リズムに、Little Johnのシング・ジェイ風
のヴォーカル。

11曲目は「United We Stand Divided We
Fall」です。
この曲はオリジナルにはないCDボーナス・
トラックです。
販売サイトの情報によると、初CD化された
曲なんだとか。
後半はダブのディスコ・ミックス曲です。

ざっと追いかけて来ましたが、このアーリー・
ダンスホールならではのワン・ドロップの曲
が聴けるアルバムで、内容はとても良いです。
この時代のレゲエが好きな人なら、聴いて
損はないアルバムだと思います。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: Little John
○アルバム: Ghetto Youth
○レーベル: 17 North Parade
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1983

○Little John「Ghetto Youth」曲目
1. Left Me Slim Thing
2. English Cowboy
3. Long Dread Locks
4. Searchin Everyday
5. Dancehall Style Extended
6. I'm Gonna Make You Mine
7. Time Longer Than Rope
8. Youth In The Ghetto
9. I Love You Jah Jah
10. Gal A Mad Over Me
(CD Bonus Track)
11. United We Stand Divided We Fall