今回はRicky Grantのアルバム

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「I Love Jah Rastafari」です。

Ricky Grantについてはあまり情報があり
ません。
ネットのDiscogsを見ると、今回のアルバム
を含めて3枚ぐらいのアルバムと20枚ぐらい
のシングル盤を出しているシンガーである事
が解ります。
他にロックステディの時代に活躍した
コーラス・グループThe Gayladsの名前が
棒線で消してあるので、もしかしたら所属
していた事があるのかもしれません。

今回のアルバムは1978年にジャマイカの
Messageというレーベルからリリースされた
彼のソロ・アルバムです。
バックはAugustus Pabloが率いるRockers
All-Starsが務めているアルバムで、おそらく
「Augustus Pablo関連」のアルバムの中でも
特にレアなアルバムのひとつだと思われます。
1曲を除いて歌とダブが交互に並ぶ、ショー
ケース・スタイルのアルバムになっています。

手に入れたのはMessageからリリースされた
LPの中古盤でした。

ちなみに今回のアルバムですが、Side 1と
Side 2の表記がアルバム・ジャケットと
盤面のシールでは異なっています。
アルバム・ジャケットではSide 1の1曲目が
「I'll Never Let Go」となっているのに
対して、盤面ではそちらがSide 2となって
いるんですね。
どちらが正しいのかは解りませんが、ここ
ではアルバム・ジャケットに合わせて、曲順
を表記します。

Side 1が6曲、Side 2が5曲の全11曲。
Side 2の「Check It Out」を除いて、他は
すべて歌とダブが交互に並ぶ、ショーケース・
スタイルになっています。

ミュージシャンについては以下の記述があり
ます。

All songs written by Ricky Grant
Published by Pablo Music Publishers Ltd.

Arranged by: H. Swaby, Ricky Grant

Singer & Players:
Harmony: Delroy Williams, Sister Jan, Mike McKenzie, Ricky
Rockers All-Stars:
Bass: Robbie Shakespear, Sydney Gussine, Leroy Sibbles
Drums: Leroy Wallace, Albert Malawi - Thin Legs
Lead Guitar: Earl Smith, Jefferey Chung
Rhythm Guitar: Clayton Downie, Fuzal Prendegas
Piano & Organ: Augustus Pablo
Melodica, Xylophone: Augustus Pablo

となっています。

すべての曲の作曲はRicky Grantで、アレンジ
とプロデュースはHorace Swaby(Augustus
Pabloの本名)とRicky Grant、ハーモニーに
Delroy WilliamsとSister Jan、Mike McKenzie、
Ricky、バックはRockers All-Starsで、ベース
にRobbie ShakespearとSydney Gussine、
Leroy Sibbles、ドラムにLeroy Wallaceと
Albert Malawi - Thin Legs、リード・ギター
にEarl SmithとJefferey Chung、リズム・
ギターにClayton DownieとFuzal Prendegas、
ピアノにオルガン、メロディカ、サイロフォン
(木琴)にAugustus Pabloという布陣です。

さて今回のアルバムですが、やはり注目点は
彼が「Augustus Pablo関連」のアーティスト
だという事に尽きるでしょう。
この人がAugustus Pabloを中心としたRockers
All-Starsをバックにどんな楽曲を残している
のか?
特にAugustus Pabloが好きな人にとっては、
とても気になるアーティストだと思います。

実際に聴いた印象としては、すごくインパクト
のあるヴォーカリストという訳ではありま
せんが、その誠実に歌う歌唱には好感が持て
て、内容はなかなか良いと思います。

2002年シンコー・ミュージック刊行の本
「Roots Rock Reggae」にもこのアルバムは
紹介されていて、「智」さんという方の文章
で「名前は平凡、歌は非凡。ほんと、素晴ら
しいシンガーです。」と、その歌唱力を絶賛
されています。

落ち着いた大人の歌唱力を持った、シンガー
なんですね。

またこの70年代後半というルーツ・レゲエ
後期のAugustus Pabloの充実ぶりも、この
アルバムを好盤にしている要素のひとつです。

Side 1の1曲目は「I'll Never Let Go」
です。
書いたようにアルバム・ジャケットでは
こちらがSide 1となっていますが、レコード
盤のシールではこちらの面がSide 2となって
います。
明るいギターのメロディから、落ち着いた
Ricky Grantのヴォーカル。
ピアノも交えた演奏がとても心地良い曲です。

I'LL NEVER LET GO - Ricky Grant


2曲目は「Version」です。
1曲目「I'll Never Let Go」のヴァージョン
(ダブ)です。
こちらはベースが効いたダブに仕上がって
います。

3曲目は「Far Far Away」です。
オルガンとピアノのメロディに女性
コーラス、Ricky Grantのソフトな
ヴォーカルが心地良い曲です。

4曲目は「Version」です。
3曲目「Far Far Away」のヴァージョン(ダブ)
です。
エコーの効いたダブです。

5曲目は「Jah Love Is Great」です。
心地良いミリタント・ビートのギターの
リズムに乗せた曲です。
伸びのある高音を生かしたヴォーカルが
グッド。

Ricky Grant-Jah Love Is Great


6曲目は「Version」です。
5曲目「Jah Love Is Great」のヴァージョン
(ダブ)です。
ミリタント・ビートに乗せた、エコーの効いた
ダブです。

Side 2の1曲目は「Check It Out」です。
この曲のみヴァージョン(ダブ)がありま
せん。
書いたようにアルバム・ジャケットでは
こちらがSide 2となっていますが、レコード
盤のシールではこちらの面がSide 1となって
います。
悲し気なメロディのピアノに、シリアスな
Ricky Grantのヴォーカルが映える曲です。
ディープなルーツの匂いが魅力的な曲です。

Ricky Grant - Check It Out


2曲目は「Time Is The Master」です。
ミリタント・ビートに乗せたリリカルなピアノ
のメロディ、ソフトなRicky Grantの歌声と
いった曲です。

3曲目は「Version」です。
2曲目「Time Is The Master」のヴァージョン
(ダブ)です。
こちらはエコーの効いたドラミングが心地良い
ダブ。

4曲目は「I Love Jah Rastafari」です。
こちらはメロディカとサイロフォン(木琴)の
効いた演奏に、ちょっとスウィートさのある
Ricky Grantの情感タップリのヴォーカルと
いった曲です。
Augustus Pabloの演奏は、後の彼に繋がる
柔らかさが見えます。

Ricky Grant - I Love Jah Rastafari


5曲目は「Version」です。
4曲目「I Love Jah Rastafari」のヴァー
ジョン(ダブ)です。
こちらはAugustus Pabloのメロディカが
楽しめるダブになっています。
やはり最後にAugustus Pabloのメロディカ
でシメるという、この並びが良いのかなと
いう気がします。

ざっと追いかけて来ましたが、やはり
「Augustus Pablo関連」のアルバムを集め
ている人なら、このアルバムもぜひ欲しい
アルバムではないかと思います。

ルーツ・レゲエ好きにとっては、この
「Augustus Pablo関連」のアルバムって、
ちょっと特別なものがあるんですね。
Augustus Pabloの作り上げた独特なエモー
ショナルな世界は、他ではけっして聴く事
の出来ない特別な世界なんですね。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: Ricky Grant
○アルバム: I Love Jah Rastafari
○レーベル: Message
○フォーマット: LP
○オリジナル・アルバム制作年: 1978

○Ricky Grant「I Love Jah Rastafari」曲目
Side 1
1. I'll Never Let Go
2. Version
3. Far Far Away
4. Version
5. Jah Love Is Great
6. Version
Side 2
1. Check It Out
2. Time Is The Master
3. Version
4. I Love Jah Rastafari
5. Version