今回はNigger Kojak And Lizaのアルバム

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「Showcase L.P.」です。

Nigger Kojak And Lizaはディージェイ
Nigger Kojakと女性ディージェイLizaの
コンビ・ディージェイのようです。
80年に今回のアルバム「Showcase L.P.」
と、制作年不詳のMother Liza With Kojak
名義の「Chant Down Babylon」という、
2枚のアルバムを残しています。
またNigger Kojak(Kojak)はソロのディー
ジェイやシンガーとして、数枚のアルバムを
残しているようです。

Nigger Kojak - Wikipedia

今回のアルバムは1980年にジャマイカの
Gorgon Recordsというレーベルからリリース
されたNigger Kojak And Liza名義のアルバム
です。
80年といえばルール全盛の時代が終わり
それに変わってダンスホール・レゲエが
流行の主役となろうとしていた時代ですが、
今回のアルバムではまだバック・バンドは
ミリタントなビートだったりしますが、
トースティングは男女混成の掛け合いの
ラバ・ダブ・スタイルであったりと、
時代の変わり目を感じるアルバムになって
います。

手に入れたのはジャマイカのNigger Kojak
レーベルからリリースされたLPの中古盤
でした。
このレーベルはおそらくNigger Kojak本人
のレーベルのようです。

Side 1が3曲、Side 2が3曲の全6曲。
すべての曲が前半がディージェイ、後半が
ダブのショーケース・スタイルのアルバム
になっています。

ミュージシャンについては以下の記述があり
ます。

All tracks Written and Produced by F. Perch
Better known as The Nigger Kojak Himself

All Rhythm Tracks Laid at: Channel One Recording Studio
Engineers: Maxie, Crucial Bunny

Music Voice and Mix at: King Tubby's Studio
Engineer: Scientist

Special Thanks to:
Blacker Marwell, Sly Dunbar, Lloyd Parks, Bingie Bunny,
Bo Pee, China, Ansel Collins, Winston Wright, Glady,
Sticky, Scully, Bubbler, Deadley Headley, Bobby Ellis
and other Musicians
Cover design by Nigger Kojak and Lynn
Photographer: Anthony

となっています。

作曲とプロデュースはF. Perchとなって
います。
これはNigger Kojakの本名Floyd Anthony Perch
のようです。

リズムトラックの録音はChannel Oneで行われ、
レコーディング・エンジニアはMaxieとCrucial
Bunnyが担当しています。

声入れとミックスはKing Tubby'sで行われ、
レコーディングとミックスのエンジニアは
Scientistが担当しています。

「Special Thanks to:」として、レコーディ
ングに参加したミュージシャンの名前があり
ます。
目ぼしいところを書いて行くと、ドラムの
Sly Dunbar、ベースのLloyd Parks、ギター
のBingie BunnyやChinna Smith、キーボード
のAnsel CollinsやWinston Wright、Gladstone
Anderson、パーカッションのStickyとScully、
アルト・サックスのDeadley Headley、
トランペットのBobby Ellisなどの名前があり
ます。
バックの録音がChannel Oneという事を考える
と、ほぼThe Revolutionariesと言える布陣
なのかなと思います。

カヴァー・デザインはNigger KojakとLynn、
フォトグラフィーはAnthonyとなっています。
ジャケットの写真は白いベンツのボンネット
に腰かける、サングラスに白いド派手なスーツ
を着たスキンヘッドの男性、これがNigger
Kojakのようです。
ルーツ・レゲエの時代のドレッド・ロックス
に見汚い格好というジャケットと較べると
かなりオシャレ感があり、そこに明らかな
時代の変化を感じます。

アルバムに収められた曲はすべてNigger Kojak
And Lizaの曲という訳ではなく、全6曲中3曲
がKojak And Liza名義で、2曲がNigger Kojak
名義で、残りの1曲が単にKojak名義になって
います。

さて今回のアルバムですが、バックはほぼ
The Revolutionariesと思われる布陣で、
ワン・ドロップの曲もありますが全体には
ミリタントなビートの演奏です。
この辺は80年代の前半に活躍したRoots
Radicsのようなバンドのユッタリしたワン・
ドロップに乗せた隙間だらけの演奏と較べる
と、キッチリと音が詰まったルーツ・レゲエ
の時代の演奏なんですね。

それに男女混成の、アーリー・ダンスホール
で流行したラバ・ダブ・スタイルというのが、
今回のアルバムの特徴なんですね。
そのルーツとアーリー・ダンスホールの入り
混じった、ビミョ~な空気感が今回のアルバム
の面白さです。
いわばルーツとダンスホールの境界線が、
足元にクッキリと見えるような、時代の胎動
を実感として感じるアルバムなんですね。

特にKojak And Lizaのデュエット曲「The
Posse」と「Black Skin」は2人の掛け合い
がとても魅力的。
ダンスホールに流行ったラバ・ダブ・スタイル
の魅力が、よく出た曲だと思います。
バックの演奏がまだルーツのスタイルが残って
いますが、確かにダンスホールの匂いのする
アルバムなんですね。

Side 1の1曲目はKojak And Lizaの「The
Posse」です。
バックのリズムはミリタントですが、それに
乗せたKojak And Lizaの掛け合いはラバ・
ダブ・スタイルという曲です。
ちょっとユーモラスな空気感が面白い曲
です。
後半は明るいギターのリズムを中心とした
疾走感のあるダブ。

2曲目はKojakの「Down By The Riverside」
です。
リディムはGregory Isaacsの「Storm」。
こちらは単にKojak名義のソロのトースティ
ングです。
余裕を感じさせるトースティングが魅力。
後半はベースを中心としたソリッドなダブ。

リズム特集 Storm (ストーム)

3曲目はNigger Kojakの「Nice Up Jamaica」
です。
リディムはロックステディの時代のThe
Jamaicansのヒット曲「Ba Ba Boom」。
疾走感のあるバックの演奏に、Nigger Kojak
のノリノリのオールド・スタイルのトース
ティングです。
後半はズンと響くベースを中心としたダブ。

Nigger Kojak- Nice Up Jamaica


リズム特集 Ba Ba Boom (バ・バ・ブーム)

Side 2の1曲目はKojak And Lizaの「Black
Skin」です。
ホーンのイントロからKojak And Lizaの
シング・ジェイ・スタイルの掛け合い。
疾走感のあるリズムに乗せた掛け合いは、
独特の魅力があります。
合間良く入るホーンがとても心地良い、
ダンスホールの空気感のある1曲。

Kojak & Liza Black Skin


2曲目はKojak And Lizaの「Two Bad Duppy」
です。
リディムはFreddie McGregorの「Bobby
Babylon」。
この曲はワン・ドロップのビートのよう
で、よりダンスホール感が強い曲です。
2人のラバ・ダブ・スタイルの掛け合いが
楽しい曲です。
後半のダブはScientistらしさが感じられる
ミックス。

Kojak & Liza-Two Bad Duppy


リズム特集 Bobby Babylon/Hi Fashion (ボビー・バビロン/ハイファッション)

3曲目はNigger Kojakの「Penitentiary」
です。
こちらはNigger Kojak名義の曲です。
疾走感のある演奏にNigger Kojakのシング・
ジェイ・スタイルのトースティングが、
すごくカッコいい曲です。
後半はベースを中心としたド渋なダブ。

Nigger Kojak ~ Penitentiary


ざっと追いかけて来ましたが、ルーツから
ダンスホールへという時代の変化が実感
出来る、なかなか面白いアルバムだと思い
ます。

実はこのアルバム、それほど期待して買った
アルバムではありませんでした。
前にDennis Brownのディスコ・ミックス曲を
集めたアルバム「A Little Bit More」を
聴いた時に、後半にこのKojak And Lizaの
ディージェイが入った曲があったので、そう
いえば前にレゲエレコード・コムの「ダンス
ホール 80年代初期」のアルバムの中にこの
アルバムがあったなぁという事を思い出し
ました。

dennis_brown_06a
Dennis Brown ‎– A Little Bit More: Joe Gibbs 12" Selection 1978-83 (2008)

そしてレゲエのアルバムを買いに出かけた時
に、disk unionでこの中古盤が廉価で売られ
ているのを見つけて、遊びで買ってみたと
いう訳です。
実際に聴いてみて、意外に内容の良いアルバム
だなと思いました。
こういう出会いがあるのが、こうしたコレク
ションの楽しさなんですね。

また初期のScientistのミックスが楽しめる
のも、このアルバムの魅力です。
アーリー・ダンスホールが好きな人、Scientist
のミックスが好きな人なら聴いて損はない
アルバムだと思います。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: Nigger Kojak And Liza
○アルバム: Showcase L.P.
○レーベル: Nigger Kojak
○フォーマット: LP
○オリジナル・アルバム制作年: 1980

○Nigger Kojak And Liza「Showcase L.P.」曲目
Side 1
1. The Posse - Kojak And Liza
2. Down By The Riverside - Kojak
3. Nice Up Jamaica - Nigger Kojak
Side 2
1. Black Skin - Kojak And Liza
2. Two Bad Duppy - Kojak And Liza
3. Penitentiary - Nigger Kojak