今回はDennis Brownのアルバム

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「A Little Bit More: Joe Gibbs 12" Selection 1978-83」です。

Dennis Brownは70年代のルーツ・レゲエ
の時代から活躍した名シンガーです。

Studio Oneからアルバム・デビューした彼
はその後も活躍を続け、その後もJoe Gibbs
やWinston 'Niney' Holnessといった
プロデューサーの元に素晴らしいアルバムを
残しています。
彼の最大のヒット曲は「Money In My Pocket」
で、全英チャート14位を記録しています。
その実力からSugar Minott、Grgory Isaacs、
Fraddie McGregorと並んで「レゲエ・ヴォー
カリスト四天王」と称されることもあります。

そうした活躍をしたDennis Brownですが、
1999年に亡くなっています。

アーティスト特集 Dennis Brown (デニス・ブラウン)

今回のアルバムは2008年にVP傘下の
17 North Paradeレーベルからリリースされた
Dennis BrownがJoe Gibbsレーベルに残した、
12インチ・シングルのディスコ・ミックス曲
を集めたコンピュレーション・アルバムです。

ディスコ・ミックス曲というのは、通常の
歌ものの曲に、ダブやディージェイを後半に
プラスした、ロング・ヴァージョンにした
曲を言います。
レゲエではこうしたディスコ・ミックス曲
が多く作られているんですね。
特にこのJoe Gibbsレーベルは、こうした
ミックスに天才的な才能を発揮するErrol
Thompsonというミキサーが居たので、多く
のディスコ・ミックス曲を制作しています。

今回のアルバムはそうしたDennis Brownの
素晴らしいディスコ・ミックス曲を集めた
アルバムなんですね。
タイトルに「Joe Gibbs 12" Selection
1978-83」とあるように、78~83年まで
の曲が集められています。

手に入れたのは17 North Paradeからリリース
された全12曲入りのCDでした。

全12曲で収録時間は約80分。
今回のアルバムは前半が歌で後半がダブか
ディージェイというディスコ・ミックス・
スタイルの楽曲を集めたアルバムなので、
1曲で2曲分のボリュームの為12曲でも
実質24曲分の長さなので、LP2枚分に
相当する80分近い長さのアルバムになって
います。

ミュージシャンについては以下の記述があり
ます。

Produced by Joe Gibbs & Errol Thompson (The Mighty Two)
Recorded & Mixed at Joe Gibbs Recording Studio, Kingston, JA
Recording & Mixing Eng. Errol Thompson

Musicians: The Professionals
Drums: Sly Dunbar, Style Scott, Mikey Boo Richards
Bass: Robbie Shakespeare, Flabba Holt, Lloyd Parks
Guitar: Noel Bailey, Willie Lindo, Bo Peep, Lennox Gordon,
Errol Nelson, Eric Lamont, Robbie Shakespeare
Keyboards: Ansel Collins, Keith Sterling, Gladstone Anderson,
Robert Lyn,Winston Wright, Franklyn Bubbler Waul, Harold Butler,
Errol Nelson
Hornes: David Madden, Danny Walter, Dean Fraser,Nambo Robinson,
Clive Hunt, Chico Hamilton, Bobby Ellis, Herman Marquis,
Vin Gordon, Tommy McCook
Percussion: Sticky, Scully, Ruddu Thomas
Engineers: Oswald Palmer, Ruddu Thomas, Errol Thompson

となっています。

プロデュースはJoe GibbsとErrol Thompsonの
コンビhe Mighty Twoで、レコーディングと
ミックスはJoe Gibbs Recording Studioで
行われ、レコーディングとミックスのエンジ
ニアはErrol Thompsonが担当しています。

バック・バンドはJoe Gibbsのハウス・バンド
The Professionalsが担当しています。
今回のアルバムでは78~83年という長い
期間なので多くのメンバーが書かれています
が、Style ScottやFlabba Holtといった、
80年代のアーリー・ダンスホールで活躍した
Roots Radicsのメンバーの名前もあります。

さて今回のアルバムですが、ミキサーの
Errol Thompsonはこうしたディスコ・
ミックス・スタイルのミックスを非常に得意
とした人で、良いミックスをたくさん残して
いるんですね。
今回のアルバムには含まれていませんが、
このDennis BrownとPrince Mohammedの
「Money In My Pocket / Cool Runnings」の
ディスコ・ミックスは、彼の最高傑作とも
いえるミックスで、Dennis Brownのヒット曲
をさらにヴァージョン・アップしているよう
なミックスなんですね。

Dennis Brown- Money In My Pocket v Prince Mohammid - Cool Runnings


このDennis Brownの陽性なイメージは、半分
以上はこのJoe Gibbs時代のErrol Thompson
が作っているんじゃないかと思わせるほど、
このDennis BrownとErrol Thompsonの相性って
イイんですね。

そうした2人の主役が揃った今回のアルバム
は、期待に違わず内容が抜群に良いです。
2人の陽性なパワーが詰まった楽曲は、やはり
とても魅力的。
特にDennis Brownの代表曲のひとつ8曲目
「The Man Next Door」は、必聴といっても
良いでしょう。

1曲目はDennis Brown & Big Youthの
「Equal Rights Style」です。
リディムはThe Heptonesのロックステディの
時代のヒット曲「Equal Rights」。
前半はDennis Brownの心地良い歌声、後半
はダブワイズにBig Youthの自在なトースティ
ングという曲です。

Equal Rights Style


2曲目はDennis Brown & Big Youthの
「Running Up And Down」です。
頭にチョコっとBig Youthのトースティング
を入れて来るところが、このErrol Thompson
のセンスの良いところです。
そこからDennis Brownの歌にダブワイズ、
アヒルの声の擬音など、楽しめた後にBig
Youthのトースティングとなります。
エフェクト使いのウマさが魅力的。

Dennis Brown/Big Youth Running up and Down (joe gibb 12")


3曲目は「How Can I Leave You」です。
リディムはThe Heptonesの同名曲。
こちらはDennis Brownの代表曲のひとつです
が、前半は歌後半がダブのミックスになって
います。
このアルバムで一番長い9分28秒の曲
です。

4曲目はDennis Brown W/ Kojak & Lizaの
「Ain't That Loving You / Hole In The
Bucket」です。
リディムはAlton Ellisの同名曲。
楽しいホーンのイントロから、Dennis Brown
の情感タップリのヴォーカル、後半はKojak
のトースティングと男の子の声のように聴こ
えるLizaの合いの手のトースティング。
楽しさいっぱいの華々しい曲です。

Dennis Brown - Aint That Loving You / Nigger Kojak - Hole In The Bucket - 12inch / Joe Gibbs


5曲目は「Say What You Say」です。
Dennis Brownの明るい歌唱が魅力。
後半はダブ。

6曲目はDennis Brown & Trinityの「Girl
I've Got A Date」です。
リディムはAlton Ellisの同名曲です。
ロックステディん名リディムを、余裕のある
節回しで心地良く歌っています。
後半はTrinityの滑らかなウマさが光る
トースティングです。

7曲目は「Three Meals A Day」です。
ホーンの派手なイントロからDennis Brownの
感情を込めた歌声が光る曲です。

8曲目は「The Man Next Door」です。
Dennis Brownの代表曲のひとつともいえる
名曲です。
感情を込めたグッとくる歌唱に、エコーや
エフェクトの効いた後半のダブワイズも
グッド。

12'' Dennis Brown - Man Next Door (& dub)


9曲目は「Let Me Love You」です。
シンセのミディアム・テンポに乗せた、
Dennis Brownらしい歌いぶりが印象的な
曲です。

10曲目は表題曲の「A Little Bit More」
です。
ピアノとギターのミディアム・テンポの
華やかなメロディに乗せた曲です。
厚いサウンドに負けないDennis Brownの
シッカリしたヴォーカルが印象的。
後半はベースとピアノの効いたダブ。

Dennis Brown- A Little Bit More Loving


11曲目は「Your Love's Got A Hold On Me」
です。
リディムはDon Drummond & Skatalitesの
「Heavenless」。
ホーンの名メロディに乗せたDennis Brownの
ヴォーカルが冴える曲です。

リズム特集 Heavenless (ヘブンレス)

12曲目はDennis Brown & Little U Brownの
「I Can't Stand It / Locomotion」です。
リディムはLone Rangerの「Answer」リディム
としてダンスホール期に人気を博したリディム
で、オリジナルはSlim Smithの「Never Let
Go」です。
心地良さそうなDennis Brownのヴォーカルが
魅力。
後半はLittle U Brownのディージェイ・ヴァー
ジョン「Locomotion」となっています。

Dennis Brown/Little U-Brown I cant stand it


リズム特集 Answer (アンサー)

ざっと追いかけて来ましたが、やはりこの
Dennis BrownとErrol Thompsonという2人の
天才のコラボは、聴きごたえ充分です。
Dennis Brownが歌いErrol Thompsonがミックス
する事で、他の人間ではけっして作れない
特別な世界が生まれるんですね。
そのポジティヴなパワーは圧倒的なものが
あります。

そうした魅力的な2人のコラボを収めた
今回のアルバムは、聴いて損なないアルバム
だと思います。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: Dennis Brown
○アルバム: A Little Bit More: Joe Gibbs 12" Selection 1978-83
○レーベル: 17 North Parade
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 2008

○Dennis Brown「A Little Bit More: Joe Gibbs 12" Selection 1978-83」曲目
1. Equal Rights Style - Dennis Brown & Big Youth
2. Running Up And Down - Dennis Brown & Big Youth
3. How Can I Leave You - Dennis Brown
4. Ain't That Loving You / Hole In The Bucket - Dennis Brown W/ Kojak & Liza
5. Say What You Say - Dennis Brown
6. Girl I've Got A Date - Dennis Brown & Trinity
7. Three Meals A Day - Dennis Brown
8. The Man Next Door - Dennis Brown
9. Let Me Love You - Dennis Brown
10. A Little Bit More - Dennis Brown
11. Your Love's Got A Hold On Me - Dennis Brown
12. I Can't Stand It / Locomotion - Dennis Brown & Little U Brown