今回はLone Rangerのアルバム

lone_ranger_04a

「Rosemarie Meet D.J. Daddy」です。

Lone Rangerは70年代のルーツ・レゲエの
時代から活躍するディージェイです。
ルーツ・レゲエの時代にはStudio Oneから
Dub Specialistのダブが半分収められた
ユニークなアルバム「On The Other Side
Of Dub」でアルバム・デビューし、その後も
80年代のダンスホール・レゲエの時代に
なってもその人気は衰えず、「M 16」などの
ヒット曲を出し活躍したという人です。

lone_ranger_01a
The Lone Ranger ‎– On The Other Side Of Dub (1977)

Lone Ranger (musician) - Wikipedia

アーティスト特集 Lone Ranger (ローン・レンジャー)

今回のアルバムは81年のサード・アルバム
「Rosemarie」と84年の7枚目のアルバム
「D.J. Daddy」を1枚にまとめた、2in1仕様
のアルバムです。
この2枚のアルバムはいずれもTechniques
レーベルからリリースされたアルバムなん
ですね。
2005年に2in1仕様のアルバムにまとめ
られてリリースされています。

手に入れたのはそのTechniquesから出された
CDでした。

全20曲で収録時間は約72分。
収められている曲順は変則で、1~5曲目
までの5曲と16~20曲目までの5曲が
81年の「Rosemarie」の曲、残りの6~15
曲目までの10曲が「D.J. Daddy」の曲に
なっています。
また曲順は、「Rosemarie」の方はオリジ
ナル・アルバムの曲順になっていますが、
「D.J. Daddy」の方は曲順も変更されて
いるようです。
(最後に曲順と、オリジナル・アルバムの
曲順を表記しました。)

詳細なミュージシャンの表記はありません。

Produced & Arranged by: Winston Riley

という記述があります。

ただネットのDiscogsの個別のアルバムを
調べると、ミュージシャンが載っていま
した。
それによるとどちらも同じメンバーが
記されていて、ベースにFlabba Holt、
ドラムにStyle Scott、ギターにBingy
BunnyとDwight Pickney、Rad Bryan、
ホーンにDean FraserとNambo Robinson、
キーボードにWinston Wright、パーカッ
ションにSkullyとSky Juice、ミックスは
MaxieとSogie、プロデュースはWinston
Rileyとなっていました。

この時代に詳しい人なら解ると思いますが、
バックはRoots Radicsが担当しているよう
です。
ただ81年と84年のアルバムがまったく
同じメンバーというのも…ちょっと腑に
落ちない点があります。
参考程度に見ておいてください。

さて今回のアルバムですが、この80年代
前半のダンスホール・レゲエでのLone Ranger
の活躍がうかがえるアルバムで、内容は
とても良いと思います。

このLone Rangerという人、ネットのDiscogs
でアルバムの履歴を見てみると、70年代に
「On The Other Side Of Dub」というルーツ
の音源を使ったアルバムを残していますが、
もっとも華やかに活躍したのはこの80年代
前半のアーリー・ダンスホールの時代なん
ですね。
彼のアルバムのリリースが、この81年の
「Rosemarie」を皮切りに、82年の「M 16」
や「Hi-Yo, Silver, Away!」など、ほぼ
81~85年の間に集中しているんですね。

lone_ranger_02a
The Lone Ranger ‎– M 16 (1982)

lone_ranger_03a
Lone Ranger ‎– Hi-Yo, Silver, Away! (1982)

アーリー・ダンスホールを華やかに彩った
ディージェイのひとりが、このLone Ranger
だったと言えます。
そのLone RangerのTechniquesレーベルの
仕事が楽しめる今回のアルバムは、聴いて
損のないアルバムだと思います。
Roots Radicsの独特のユッタリしたワン・
ドロップに乗せたトースティングは、やはり
魅力的です。

1~5曲目まではサード・アルバム
「Rosemarie」の曲が収められています。

1曲目は表題曲のひとつ「Rosemarie」です。
Roots Radicsらしいユッタリしたワン・
ドロップのリズムに乗せたトースティング
です。
この心地良いリズムカルなトースティングが、
多くの人を魅了したのは間違いのないところ
です。

Lone Ranger - Rosemarie (81) - 01 Rose Marie


2曲目は「The Storm」です。
こちらはホーンも入ったワン・ドロップの
演奏に、ボヨヨ~ンといったエフェクトも
入ったユーモラスな曲をバックとした
トースティング。
このアルバムで最長の4分20秒の、彼
らしい楽しさ溢れる曲です。

3曲目は「Fussing & Fighting」です。
こちらもベースとピアノを軸としたワン・
ドロップに乗せた、トースティングが冴える
曲です。

4曲目は「Reggae Dance」です。
ホーンの華やかなオープニングから、楽し気
なメロディにLone Rangerの陽気なトースティ
ングが魅力的な曲です。

Lone Ranger - Reggae Dance


5曲目は「Natty Dread」です。
リディムはSuper Catの「Boops」として知ら
れる曲で、オリジナルはMarcia Griffithsの
「Feel Like Jumping」です。
ピアノとベースを軸とした、Studio Oneの
名リディムを心地良さそうに歌いこなして
います。

Lone Ranger - Natty Dread 1981


リズム特集 Feel Like Jumping/Boops (フィール・ライク・ジャンピング/ブープス)

6~15曲目までは7枚目のアルバム「D.J.
Daddy」の曲が収められています。
曲順も多少変更されているようです。

6曲目は「Jennifer Lee」です。
リディムはJackie Mittoo & Soul Vendors
の「Darker Shade Of Black」。
ロックステディの時代の名リディムを、
気持ち良さそうなトースティングで乗り
こなしています。

Lone Ranger - Jennifer Lee


リズム特集 Darker Shade Of Black (ダーカー・シェイド・オブ・ブラック)

7曲目はもうひとつの表題曲「D.J. Daddy」
です。
ユッタリしたワンドロップのリズムに、
Lone Rangerの滑らかなトースティング。
アーリー・ダンスホールらしい特徴が、よく
出た曲です。

Lone Ranger - DJ Daddy


8曲目は「Susan A Gordon」です。
リディムはJackie Mittoo & Soul Vendors
の「Hot Milk」。
Roots Radicsらしいワン・ドロップのリズム
に、Lone Rangerのトースティングが冴える
曲です。

リズム特集 Hot Milk/Murderer (ホット・ミルク/マーダラー)

9曲目は「Big Everytime」です。
Style Scottの叩く特徴的なシン・ドラムの
ワン・ドロップが耳に残る曲です。

10曲目は「Style & Fashion」です。
リリカルなピアノのイントロから、バック・
ボーカルも入ったトースティングです。

11曲目は「Look How She Fat」です。
こちらはシンセのメロディに乗せたトース
ティング。

12曲目は「Me & Yvette」です。
こちらはホーンのメロディに乗せたトース
ティング。
ルーツの時代とは少し違うリズムに乗せた
滑らかな語りに、このダンスホールの時代
の空気感があります。
リディムはSlim Smith & Uniquesの「My
Conversationか?

Lone Ranger - Me And Yvette


リズム特集 My Conversation (マイ・カンバセーション)

13曲目は「Noah's Ark」です。
リディムはErnest Wilsonの「Why Oh Why」。
ユッタリしたリズムに乗せたトースティング
が心地良い曲です。

14曲目は「Jamaica Nice」です。
リディムはKen Parkerの「I Can't Hide」。
こちらもベースを中心としたユッタリとした
ワン・ドロップが心地良い曲です。

15曲目は「Walkman Connection」です。
シンセのメロディに乗せた擬音を交えた滑らか
なトースティングが、印象的な曲です。
このアーリー・ダンスホールの特徴が、よく
出た1曲。

Lone Ranger - Walkman Connection


16~20曲目までは再び「Rosemarie」の曲
が収められています。

16曲目は「Dance Hall Style」です。
リディムはThe Techniquesのロック
ステディの時代のヒット曲「Love Is Not
A Gamble」。
Techniquesレーベルの名リディムを使った
滑らかなトースティングが冴えます。

Lone Ranger - Dance Hall Style


リズム特集 Love Is Not A Gamble (ラブ・イズ・ノット・ア・ギャンブル)

17曲目は「Collie Dub」です。
リディムはBurning Spearの「He Prayed」。
ドスの効いたベースを中心としたワン・
ドロップのリズムに、Lone Rangerの滑らか
なトースティング。
「Dub」というタイトルですがダブではあり
ません。

18曲目は「Escape Convict」です。
リディムはCarlton & The Shoesの「Love Me
Forever」。
ベースを中心としたユッタリしたワン・
ドロップの曲です。

リズム特集 Love Me Forever (ラブ・ミー・フォーエバー)

19曲目は「Femi Woman A The Best」です。
リディムはTechniquesレーベルの名リディム
「Stalag」です。
ダンスホールの時代に大ヒットしたこの
リディムを使った、Lone Rangerのトースティ
ングが魅力的。

Lone Ranger - Fi Mi Woman


リズム特集 Stalag (スタラグ)

20曲目は「Judge Not」です。
リディムはルーツ・レゲエの時代の名リディム
Abyssiniansの「Satta Massagana」。
陰影のあるルーツ期らしいリディムを、うまく
ダンスホールらしいアレンジで乗りこなして
います。

Lone Ranger - Judge Not 1981


リズム特集 Satta Massa Ganna (サタ・マサ・ガナ)

ざっと追いかけて来ましたが、やはりこの
80年代前半のアーリー・ダンスホールの
時代に、このLone Rangerはもっとも輝いて
いたアーティストのひとりだった事は
間違いのないところです。
その彼のTechniquesレーベルでの仕事が解る
今回のアルバムは、聴いておいて損のない
アルバムだと思います。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: Lone Ranger
○アルバム: Rosemarie Meet D.J. Daddy
○レーベル: Techniques
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1981, 1984

○Lone Ranger「Rosemarie Meet D.J. Daddy」曲目
1. Rosemarie *
2. The Storm *
3. Fussing & Fighting *
4. Reggae Dance *
5. Natty Dread *
6. Jennifer Lee
7. D.J. Daddy
8. Susan A Gordon
9. Big Everytime
10. Style & Fashion
11. Look How She Fat
12. Me & Yvette
13. Noah's Ark
14. Jamaica Nice
15. Walkman Connection
16. Dance Hall Style *
17. Collie Dub *
18. Escape Convict *
19. Femi Woman A The Best *
20. Judge Not *
*「Rosemarie」曲目

○Lone Ranger「Rosemarie」オリジナル曲目
Side1
1. Rosemarie
2. The Storm
3. Fussing & Fighting
4. Reggae Dance
5. Natty Dread A De Foreigna
Side 2
1. Dance Hall Style
2. Collie Dub
3. Escape Convict
4. Fe Mi Woman A De Bes'
5. Judge Not

○Lone Ranger「D.J. Daddy」オリジナル曲目
Side 1
1. D.J. Daddy
2. Jennifer Lee
3. Susan A Gorgon
4. Big Everytime
5. Look How She Fat
Side 2
1. Style And Fashion
2. Me And Yvette
3. Noah's Ark
4. Jamaica Nice
5. Walkman Connection